第145話 「鯛より旨い鰯の人情」 1979.7.29
みちのく屋に通い詰める、「場違い」な侍。彼は御膳番で、命がけでご馳走を口にする日々に倦み、居酒屋の安酒にやすらぎを求めていた。
その彼が悪事に巻き込まれるとなれば、モノは当然毒。狙われていたのは、桃さんの兄上を引き立ててくれた老中で、まさにそのことが悪人の恨みを買っていたのだった。
ロケ地
- 浪人にからまれたあとみちのく屋から帰る小兵衛、桃さんがとっちめたそやつらがまた出て襲う夜道は広隆寺東塀際(境外、木あり)。知る辺の道場主・天野と門弟が出て撃退するが、恩を着せてゆく。
- 天野道場を訪ね、「仕事」を引き受けて金を貰う小兵衛(老母が重病)、帰り道まだ引き返せると逡巡する橋は中ノ島橋。このあとみちのく屋で痛飲・財布落っことし(小判の他毒薬の包み入り)。
- 泡を食って桃さんのところへ駆けつけてくる小兵衛、桃さんが釣りをしている水辺は大覚寺大沢池堤下汀。
- 屋敷へ戻る小兵衛、相国寺大光明寺門前〜南路地を経て通用門へ入ってゆく。老中・安部大和守邸。小兵衛の御長屋等、内部はセット撮り。
- 殿の御膳に「薬」を混入したあと、屋敷を出て塀際で腹を切ろうとする小兵衛、相国寺大光明寺南路地。桃さんが出て薬はすり替えておいたと告げ、すべきことを示唆。桃さんの背後に湯屋、引いた絵では墓地の門も映り込んでいる。
- 母と妻に毒盛りの件を告白、御長屋を出る小兵衛、母をおぶい行く夜道は下鴨神社河合社塀際。二人を置いて戻ろうとするところ、人数が出て囲まれるのは糺の森。すぐ桃さんが駆けつけるが、その前に老母は斬られてしまう。
桃太郎、松平備前守/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 彦助/谷村昌彦 仁兵ヱ/深江章喜 お光/西川ひかる おえい/関悦子 おみよ/吉本真由美 とん太/北野清治 名古屋章 弓恵子 堀越節子 菅貫太郎 森章二 田中浩 溝田繁 有川正治 平沢彰 重久剛一 木谷邦臣 今川浩一 宍戸大全 近藤洋介 蛙の田之助/山城新伍
脚本/飛鳥ひろし 監督/尾田耕太郎
※小兵衛は名古屋章、道場主は田中浩。黒幕はスガカンで、備前守と同役の若年寄・斬られ方がちょっと凝っている。老中は近藤洋介。ラス立ち小峰さん入り、顔大写し。
★役名、役者についての記述は間違っている可能性があります。
→ 桃太郎侍 表紙
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