桃太郎侍

第217話 「その処刑許さん!」 1980.12.14

 つばめが前にいた座の太夫が倒れ、容態がいっこうに良くならないわけは、惚れぬいた亭主の失踪。つばめが代役をつとめる間、桃さんたちは亭主を捜し回るが、その男は悪いのにハメられて処刑の運び。まさに土壇場で桃さんが助け出し、もう危ないという太夫のもとに送り届けるが、結果はあまりにも空しいのだった。

金戒光明寺

ロケ地

  • 玉川一座と、恩ある駒形一座の親方と親友である相弟子の板挟みになったつばめ、怪我でもしようと飛び降りる崖、金戒光明寺経蔵裏手(石積の裾は映さず、すごく高い石垣に見せてある)。つばめを案じて駆け寄るとん太(突き落とせと頼まれるが怯み)は参道坂を走ってきて、ちょっとの段差を飛んでイテテテ。どこも怪我せず着地したつばめ、今度は右手を傷つけようと石垣に手を置いて簪を振り上げるところへ、西の方から桃さんが現れる。
  • 新吉から託された隠し部屋の図面を寺社方に届けて出てくる桃さん、大覚寺大門。つばめは御殿川畔の手すりのところで待っている。
  • 新吉の棟梁を斬って逃げたチンピラ、分け前を貰おうとして始末される川端は広沢池東岸。土手下に海鼠壁の蔵(一枚ものと思われる)、汀には祠やぼんぼり演出。
  • 新吉の引き回し、セットから移動して下鴨神社馬場。磔刑台が据えられる刑場は池跡。救出後、早く太夫のもとへと桃さんが言うシーンには、題目塔が置かれている。
  • 隠し部屋を作らせ、諸藩の留守居役を集めて抜け荷の品を取引する芝口の浄光寺、二尊院。ほくほく顔で出てくる留守居役たちに、寺社奉行がいくらでも供給と哄笑するシーンは黒門。小柄が投げられ、護衛が緊張するところ、紅葉の馬場坂下に被衣の人が現れる寸法。ラス立ちは坂を駆け上がり、黒門前を過ぎ勅使門から門内へなだれ込む(ただこの勅使門、まわりの拵えや門扉、それに本堂まで一致するが、唐門でなく瓦葺の棟門。この様態は前にも見た気がする)

桃太郎/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 彦助/谷村昌彦 玉川ちどり/坂上味和 とん太/北野清治 おたま/舟倉たまき 玉川かもめ/遠藤薫 川地民夫 赤座美代子 神田隆 山岡徹也 山本昌平 有馬昌彦 藤沢薫 笹吾朗 小峰隆司 森源太郎 福本清三 宮城幸生 山田良樹 江原政一 矢部義章 波多野博 蛙の田之助/山城新伍

脚本/山本英明 監督/尾田耕太郎

※秀若太夫は赤座美代子、登場時からずっと寝たきり。太夫の亭主で、修繕に行って抜け荷を目撃し訴えて出るも、奉行所が悪の巣窟で罠にはめられてしまう大工・新吉は川地民夫。新吉をはめる南の吟味与力は山本昌平、部下の同心に福本清三(ラス立ちでは、最後のほうまで残って重職たちを守るがもちろん斬られる。倒れた福ちゃんの顔を前景に入れて殺陣を映すシーンも。黄八丈を着てスラリとした立ち姿がなかなか)。町奉行は山岡徹也、寺社奉行は神田隆、ともに大ワル。留守居役の一人に波多野博。駒形一座の親方は有馬昌彦。棟梁を殺したチンピラは小峰隆司、娘たちに「目つきの悪い男」と表現されている。
※仁兵ヱ親方不在、今回は胃を患って湯治中という設定。

★役名、役者についての記述は間違っている可能性があります。


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