桃太郎侍

第37話 「尼僧の館に黒い雨」 1977.6.19

 桃さんの兄上に、暗殺の魔手。手間をかけて場を作る一味だが、悪の巣窟にたまたますずめが就職していたり、実行犯にとさらった鍼師には当の桃さんのところへ捜索願が出ていたりして、自ら桃太郎を呼び寄せてしまう結果となるのであった。

相国寺

ロケ地

  • 備前守に不正疑惑を問われた寺社奉行・土井長門守邸、相国寺林光院。庭イメージは青龍苑池泉、池から築山上の東屋屋根へパン。姉の極月院が来ていて、まず捜査に動くと思われる、目付に対する策が話し合われるくだり。密談の茶室はセット撮り。
  • 目付・藤崎一行を白昼暗殺する尼僧集団、相国寺天界橋上。目付ら三人はふいを衝かれて斬られ、池にドボン。東望の絵で、池には藻が繁茂。
  • 親方と喧嘩して一座を出たすずめ、再就職先の尼寺は西壽寺。石段下から見上げの図。内部はセット撮り。
  • 外出した極月院、茶店で休んでいると、鍼師・風悦を捜索中の伊之助や桃さんがやって来て合流・結果報告を始め、これが尼たちの耳に入る次第。茶店は相国寺湯屋(東側)に設営されていて、床机も置かれている。帰る桃さんたちを尾行してゆく尼のシーンは、茶店の提灯ナメて大光明寺南路地。一連の絵には、法堂や方丈塀、大光明寺甍など映り込む。寺町設定か、読経の声が響いている。
  • 土井邸に近づいた桃さんを囲む虚無僧たち、斬り合いは相国寺鐘楼裏手の碑付近で。マジ斬り・一部逃走。
  • 目付暗殺は土井の仕業と、桃さんに話す神島、広隆寺東塀(木あり/稲荷の祠設置)。後でもう一度、兄上が招かれた茶会の話の際出てくる。
  • 桃さんの診療所へ来た怪しの女を尾行する伊之助、古着屋で尼姿に戻り、入ってゆく寺は西壽寺。参道坂の植え込みに潜むと、すずめが出てきて桶から汚水を撒き、伊之さんにかかる運び。
  • 茶会が催される上野・専称院(字は適当)、野点の席は青龍苑築山と芝地にしつらえ。備前守暗殺が阻止されたあと、桃太郎が出て立ち回りは築山中腹〜芝地。尼の自刃は池端、築山上から見下ろした構図も出る。

桃太郎、松平備前守/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 熊造/茶川一郎 おはる/玉川スミ 仁兵ヱ/深江章喜 おみよ/吉本真由美 ちょろ髭/下之坊正道 神島伊織/大友柳太朗 土井長門守/早川保 桂春尼/小野恵子 有馬/黒部進 小麗尼/藤山律子 諸岡久達/谷口完 鉄心/小田部通麿 茂兵ヱ/北見唯一 彦坂風悦/柳川清 極月院/稲野和子 玉川すずめ/西川峰子 猿の伊之助/植木等

脚本/和久田正明 監督/松尾正武

※尼寺の尼僧たちは、院主がさる藩の御後室だったときに仕えた者がそのままなので、武芸に通じている設定。怖い尼さんはレズっ気、すずめに迫るシーンもある。
※季節感にホトトギスやカッコウの声入り。


  → 桃太郎侍 表紙

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