第46話 「酔いどれ芸者の涙唄」 1977.8.21
年増芸者は、下品極まりない芸を披露し金を稼ぐ。それは、よそへ預けた娘に仕送りをするため。その娘が玉の輿に乗り、亭主と舅を連れて江戸へ来るという。大店の後添えなどと偽っていた芸者は途方に暮れるが、桃さんは芝居で乗り切ろうと提案し実行に移すのだった。
ベタな奇縁が設定されているが、堂々と王道をゆくシリーズものの、成立過程を見るのは楽しい。
ロケ地
- 飛脚・仙八が走る東海道、不明(林際の地道に演出。松尾監督の「道」は凝っててキレイ)。
- 桃さんが芝居を頼んだ駿河屋、その裏口から出てくる桃さんとお駒、大覚寺天神島祠脇に「裏の塀」を設営。お駒に島送りになった亭主の名を聞く段。木の裏に新吉がいて立ち聞き、やって来た娘の顔もチラ見。
- 仙八が始末される段、殺ってもないのに望月同心に逮捕される新吉、大覚寺天神島朱橋。ここへ駿河屋が駆けつけ、望月に「息子と孫が可愛ければ」と脅される。
- 脅し取った金を勘定吟味役・仙石邸へ運び込む望月、相国寺林光院門を入ってゆく。金箱を積み上げ、もっと搾り取れると嘯くのは式台玄関。正義の味方が現れ大立ち回りを繰り広げるのは、玄関前の庭、白昼・外での成敗。
- 島送りになる新吉、船番所は大覚寺大沢池畔に柵等設置して演出。彼のもとへ走ってくる女房と娘は放生池堤。
桃太郎/高橋英樹 玉川つばめ/野川由美子 熊造/茶川一郎 おはる/玉川スミ 仁兵ヱ/深江章喜 おみよ/吉本真由美 お兼/南条みづ江 かん平/桂小かん お駒/横山道代 駿河屋吉蔵/吉田義夫 新吉/穂高稔 仙石外記/森幹太 仙八/稲吉靖 望月左内/森章二 玉川すずめ/西川峰子 猿の伊之助/植木等
脚本/山本英明 監督/松尾正武
※駿河屋は桃さんの「患者」、腰痛を治してもらっていたく感謝、恩人と崇める。駿河屋の家庭事情を知らずに芝居を頼む次第。
※勘定吟味役は公金横領、大穴を開けていてもうすぐ監査という運びで、とった金は穴埋め用。
→ 桃太郎侍 表紙
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