神谷玄次郎捕物控2

2015年、4〜5月BSプレミアム
原作/藤沢周平「霧の果て 神谷玄次郎捕物控」他
音楽/安川午朗 語り/橋爪功
OP八幡堀 ED大覚寺竹林

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第一回 「出合茶屋」 2015.4.3

 三人組の凶賊と、銀蔵親分が受けていたストーカー案件が重なってくる。何者かに付け狙われていた商家の女将は、浮気相手と過ごした出合茶屋で、「そやつら」を見たのだった。
神谷とお津世の益体もない「夫婦喧嘩」が描かれていて、「浅草の女と切れた」と喜び騒ぐおさく婆さんとご支配が笑える。

上賀茂神社

ロケ地

  • 頬被りの襲撃者から逃げるおとせとお供の丁稚、上賀茂神社ならの小川畔。丁稚はおとせを庇って斬られてしまう。設定は「黒江町の濠を渡って三角屋敷の川岸まで来たとき」←手代談。
  • おとせを問い詰めるも、心当たりなしと言われ帰る神谷と銀蔵、「女って奴は」とボヤく帰り道は八幡堀堀端。手代の態度が気になると言い出し、神谷は取って返す。
  • 手代に聞いた、おとせの相手の色男のことを銀蔵に話す神谷、八幡堀新町浜。お津世が自分のところへ来て「泣いていた」と、銀蔵が伝えるシーンもあるが、神谷はとりあわず行ってしまう。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 おとせ/高岡早紀 伊之助/野村宏伸 稲富清十郎/永澤俊矢 半五郎/比留間由哲 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 喜七/中村圭太 源太/福井博章 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/古田求 演出/木本克英


第二回 「昔の仲間」 2015.4.10

 鼻つまみ者の岡っ引が殺された件を追う神谷、現場近くの長門屋へ聞き込みの際に立ったアンテナが当たり。しかし、老いて病を得、余命幾許もない男たちのしたことを、闇に葬る「漢」であった。

美崎公園

ロケ地

  • 岡っ引・幸太登場シーン、露店の餅を盗んだガキを手荒く捕まえる「境内」、今宮神社東門内・石橋上。周囲は賑やかに飾り立てられている。屋根や日陰に残雪。
  • 日雇い人足の作十が働く川普請の現場、美崎公園内・新川に設営、萱葺の家を背景に持ってきてある。聞き込みのシーンは、水面に張り出したヤナギのそば。後段、宇兵衛が作十を刺すシーンも同所。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 宇兵衛/篠田三郎 作十/石橋蓮司 おうめ/遊井亮子 幸太/上杉祥三 玄昌/佐川満男 利助/河西健司 おしの/柊瑠美 おゆり/柳生みゆ お鷹/池田愛 文吉/林聖也 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/田上雄 演出/木本克英

※「神隠し」


第三回 「消えた女」 2015.4.17

 よし野の板前・弥助の哀話。十手を捨て、再婚を許すための三行半まで用意して、捜して捜してやっと会えた女房は、最下層の酌婦に身を落とし命数は尽きているのだった。
まだ詳細もわかっていない時点で、虫酸の走る相手に悪態をつき啖呵を切るダンナはかっこいい。高麗屋に遺恨ある泥棒さんの描写もいい。

鍬山神社

ロケ地

  • 弥助を訪ねてきて、娘を助けてくれと縋る女房の父・弥八、二人話す境内は鍬山神社本殿まわり。
  • ラス立ちの木場、丹波か。昔の作品ではよく出てきた情景、こういう場所も少なくなったなかで撮影してくれたのは嬉しい。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 喜三郎/忍成修吾 弥八/山本圭 次兵衛/宇梶剛士 おうの/宮本裕子 臼井織部正/立川三貴 およう/中村映里子 おしの/柊瑠美 倉田/入江毅 お玉/澤田育子 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/保利吉紀 脚本協力/渡辺善則 演出/木本克英

※「消えた女 彫師伊之助捕物覚え」


第四回 「密告」 2015.4.24

 神谷の朋輩・鳥飼に迫る暗い意思は亡父がらみ、父が使っていたタレコミ屋と元上司が扼殺され、妹にも魔手。
友のため夜っぴて調書を精読する玄次郎をからかうおさく婆さん、徹夜明けの差し入れが粋。

仁和寺

ロケ地

  • 調書から見つけた「じじい」の件を例繰方に聞いての帰り、玄次郎があくびしながら歩く堀端は八幡堀堀端。この前に挿まれるイメージカットの木は美崎公園か。
  • 高柳邸で検分して帰りの神谷ら三人、考え込んでいた神谷が「ユリイカ」の道は仁和寺脇参道(東門から入って西へ・南北の参道と御殿の塀越しに白書院甍を望む図)

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 絲吉/水橋研二 佐和/朝倉あき 伊勢蔵/斎藤洋介 磯六/不破万作 角田屋番頭/中村まこと おしの/柊瑠美 源助/今里真 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 高柳惣兵衛/峰蘭太郎 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/中村勝行 脚本協力/渡辺善則 演出/酒井信行

※「霧の朝」


第五回 「神隠し」 2015.5.1

 内儀がいなくなったと駆け込んでくる伊沢屋だが、碌に情報提供もせず神隠しと言い張る不自然。女将は四日後ふいに戻ってくるが、これもだんまり。もちろん言うに言われぬ事情があるのだが、女の身の上が「浅草の女」と被り、神谷の心中も複雑なのだった。

長命寺

ロケ地

  • 伊沢屋の女将・お品が下駄をもとめた深川元町の履物屋に聞き込んだ帰り、銀蔵と直吉が通る堀端、八幡堀堀端。お品は店を出たところで誰かに会った?と見上げる橋は白雲橋、「誰かと一緒にな」というシーンではお品が下駄を小脇に抱えこちらを見る絵にしてあり、フォーカス。
  • お品の元勤め先・深川の料亭・梅本、大覚寺望雲亭入口を料亭に演出。銀蔵が玄関先を掃く女中に聞き込み。
  • 引き止めてくれない倅夫婦への愚痴を垂れながら戻ってくるおさく、大覚寺天神島鳥居前(俯瞰)〜朱橋。
  • 根津の岡場所でお品の情夫だった民蔵が島から帰って暮らしている、池之端七軒町の慶安寺、長命寺・太郎坊大権現拝殿と下の石段をロングで。民蔵の部屋はセット撮り。
  • 手代・忠吉への疑惑が決定的になったある夜、店から出た忠吉のあとすぐ出てくるお品、渡る橋は八幡堀白雲橋

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 新兵衛/渡辺いっけい お品/宮本真希 庄七/阿南健治 忠吉/古山憲太郎 民蔵/大高洋夫 大黒屋主人/勝部演之 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/渡辺善則 演出/酒井信行

※「神隠し」


第六回 「鬼ごっこ」 2015.5.8

 生涯ただ一人愛した女を殺され、意趣返しを実行する老盗。その一念を貫き通させてやる神谷のダンナは、彼に「逃げられて」ご支配から雷を落とされる。
そして、約束した花見を忘れずちゃんとやって来る、優しい男であった。

大堰川緑地

ロケ地

  • 船が上下し、堀端を人が行き交う江戸の町イメージ、八幡堀(明治橋を遠く望む図)。よし野店内へスイッチ。
  • 井筒屋から姿を消した忠兵衛が佇む「浜辺」、広沢池池底(水は引いて、水脈があらわになっている。飛び立つアオサギ入り)
  • 陣内浪人のあとをつける忠兵衛(旅装)、南禅寺三門大覚寺竹林(気付かれ誰何される)
  • 花見に、遅れてやって来る神谷、大堰川緑地(堤上、花は作り物か)

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 忠兵衛/金田明夫 半左衛門/渋谷天外 おやえ/須藤温子 おかね/岩橋道子 陣内仙八郎/國本鐘建 与之助/谷口高史 清次/本田大輔 おきぬ/町田マリー おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/田上雄 演出/酒井信行

※「花のあと」


第七回 「小ぬか雨」 2015.5.15

 下駄を損じて困っていた神谷に、売り物の下駄を呉れた親切な娘、地味で控えめでなにごとも定めと受け取るようなその女は、追われて飛び込んできた青年を匿う。彼が何をしたか知っても、女の意思は変わらない。生涯ただ一度、まさに刹那の恋であった。

八幡堀

ロケ地

  • 小料理屋の女将を殺して逃げた新七を捜し回る用心棒たち、八幡堀堀端(明治橋下手)〜新町浜。
  • おすみが「追っ手」を確かめに行く橋、八幡堀明治橋。店近くの太鼓橋は松竹セットのアレ。設定は西永代あたり。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 おすみ/福田麻由子 新七/石田卓也 辰三/柄本時生 お鳥/木下あゆ美 おみよ/秋月三佳 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/久貴千彩子 脚本協力/渡辺善則 演出/木本克英

※「橋ものがたり」


最終回 「日照雨」 2015.5.22

 大店の道楽息子は、必然ともいえる最期を遂げる。神谷の読みどおり恨みの筋、犯人を許すわけではないが猶予を与えてやるダンナの情は、朋輩の恋にも適用されるのであった。
縁談が鳥飼のほうへ行く話は、神谷とお津世の仲へ回ってくる寸法。

八幡堀

ロケ地

  • 重吉が入り浸っていた賭場(松村町網打場、博打好きの妓楼の亭主が「離れを作って」人を集めと語られ、小料理屋設定は出てこない)守山・大庄屋諏訪屋敷の書院前。神谷らが入ってゆくのは書院玄関右手の入口。このあと辻斬り浪人を追っての立ち回りの竹林は北嵯峨か。
  • 銀蔵相手に惣助犯人説をぶつ神谷、八幡堀堀端。このあと二人が訪ねる、おそのの婚約者・信助の仕事場裏は同じく八幡堀・舟橋まわりに経師屋の道具をずらり展開。

神谷玄次郎/高橋光臣 お津世/中越典子 鳥飼道之丞/山崎樹範 弥助/高橋和也 直吉/長谷川朝晴 おみち/山下容莉枝 惣六/浅野和之 信助/波岡一喜 おすわ/根本りつ子 おその/安藤輪子 重吉/川野直輝 政太/高杉瑞穂 おたき/三津谷葉子 おしの/柊瑠美 お鷹/池田愛 文吉/林聖也 喜兵衛/国広富之 真木賛之助/佐藤二朗 金子猪太夫/小野武彦 おさく/岸田加世子 銀蔵/中村梅雀

脚本/古田求 演出/木本克英


→ 神谷玄次郎捕物控 第一シリーズ (2014年)


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