2015年1月9日、フジテレビ/松竹
キャスト
長谷川平蔵/中村吉右衛門 久栄/多岐川裕美 酒井祐助/勝野洋 木村忠吾/尾美としのり 村松忠之進/沼田爆 三井忠次郎/中村吉之助 竹内孫四郎/中村吉三郎 山崎国之進/中村吉五郎 小柳安五郎/谷口高史 田島/中村吉六 望月/中村吉二郎 小林金弥/中村又五郎 伊三次/三浦浩一 大滝の五郎蔵/綿引勝彦 三次郎/藤巻潤 おとき/江戸屋まねき猫 おまさ/梶芽衣子 久兵衛/柳家小さん 伏屋の紋蔵/高橋光臣 与茂吉/蟹江一平 半助/松本実 徳兵衛/浦野REN 十六歳のお百/瀬戸さおり 横山小平次/西尾塁 若い女/平塚千瑛 蕎麦屋の亭主/田井克幸 鎌倉屋儀兵衛/木元としひろ 莨売り/平井靖 鎌倉屋の番頭/大迫英喜 大福餅売り/船津正康 権蔵/仲野毅 駕籠舁/池田勝志 駕籠舁の相棒/山口孝二 子守の少女/野田琴乃 女中/小林茉莉江 青田の文太郎/春田純一 珊瑚玉のお百/高島礼子
脚本/田村惠 監督/吉田啓一郎
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盗っ人の姐御が、倅たちを「さした」訳は、むかし気にかけてくれた男を憚ってのこと。かつて本所界隈で名を売ったその人は、いま火盗改のおかしらとなっていたのだった。
銕っあんが持たせてやった簪を命より大事にしていたお百、平蔵に心服し従容と刑場に赴く紋蔵、彼らの心の襞が丁寧に描かれる。
ロケ地
- 湯島天神の雑踏を通り過ぎるお百、上賀茂神社ならの小川畔・右岸側に露店多数あしらい。祠脇から文太郎がすっと出てきて、「姐さん」を呼び止めてにたにた笑う。このあとお百が駕籠に乗り込むのは北神饌所前。
- 駕籠舁きに聞き込む伊三次、お百を乗せたという二人が休んでいたのは、八幡堀新町浜。
- お百が見つかったというネタを知らせに走る伊三次、途中忠吾とばったり会う道は上賀茂神社ならの小川畔。
- 密告した女がお百と知れてのち、久兵衛の回想で出る、お百がむかし小女として働いていた鳥越明神の茶店・車屋、愛宕参道の平野屋。赤子を抱いたお百が、後妻になるため木更津へ向かう際渡し舟に乗った川端(渡船のシーンは後段出てくる)、西の湖畔。
- お百に退き金を貰った与茂吉、伊三次に追われ捕まるのは八幡堀堀端〜舟橋〜堀端石段。このあとお百は家から姿を消す。
- 紋蔵一味の盗人宿、大覚寺大沢池北東畔に設営。ロング俯瞰の絵では、端っこに天神島が見えている。ここへの出入りのシーンでは、大沢池北辺並木も登場する。原作設定では、浅草・深栄山長昌寺門前近く。
- 自分が江戸を憚るには理由があると倅・紋蔵に告げるお百、盗人宿近くの神社は天照皇大神社。参道石段や舞殿、摂社の重ね鳥居、本殿下の石垣などが映る。鬱蒼とした雰囲気を、鳥の声が強調している。後段、見張りを倒して逃げたお百が、半助に追いつかれ連れ戻されるシーンでも出てきて、そこにいた子守女に「密告状」が手渡される運び。
- お百が去った後文太郎が出て「今のは嘘」と告げ、紋蔵を連れてゆく小平次の塚、普済寺墓地。
- 平蔵が密偵たちに語る、身籠ったお百を石段から蹴り落とした小平次の非道、愛宕参道鳥居下のステップ。「本所の銕」が小平次を呼び出してシメた押上村の竹藪、北嵯峨か大覚寺か。
→ 鬼平犯科帳 表紙
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