2015年7月〜9月、NHKBSプレミアム
原作/浅田次郎 音楽/高見優 語り/加賀美幸子
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第一回 「参勤交代は戦なり」 2015.7.31
国許の屋敷が焼けて、父を亡くした青年・一路は、代々のお役目である道中御供頭を仰せつかる。しかし彼は仕事のことを何一つ引き継ぎされていないばかりか、添役もルーキー、そして御家来衆は皆一様に小野寺家を避けているのだった。
行軍録どおり古式に則って行列を組むと決めた一路、屈強な槍持ちを見つけたところで次回へつなぐ。
ロケ地
- 江戸から急ぎ田名部領へ戻る一路、走る道は日吉の馬場(北側の、律院前付近)。
- 蒔坂家陣屋、随心院薬医門。一路が、18日後に出立の参勤交代の采配を命じられ、茫然自失のまま辞するシーンは大玄関前。
- 蔵役の佐久間のところへ行き、覚書が無いか問う一路、陣屋内の蔵は大覚寺蔵、明智陣屋映り込み。
- 方々聞きまわるも不調、座り込む橋は日吉大社走井橋、呼んだ添役の栗山真吾がやって来るが、彼もまた急遽家督を継いだ何も知らぬ身と知れる。川中に椿の花が落ちて流れ下る演出あり、高所クレーンの絵もあり。
- 焼死した父が葬られた浄厳寺へ赴く一路、普済寺鐘楼門前〜墓地(背景に総門が来ている)。腹を切るのを和尚に止められ、遺品の行軍録を渡される。
- 不動真言を唱え身を清める一路、金引の滝。許婚者・薫が遠くから見ている。
- お役目を果たすことにしたと和尚に話す一路、普済寺鐘楼門近くの林間。
- 旅籠へ訪ねてきた薫を家へ送り届ける一路、夜道は日吉の馬場、国分家入口付近は里坊の石積で表現。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 半次/内山信二 丁太/武蔵 栗山真吾/中島広稀 小野寺弥九郎/天宮良 蒔坂一太郎/玉山詩 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/石原興
※殿様初手からバカ殿全開、一路と命名したのは父・弥九郎、母は難産のすえ落命。
第二回 「いざ出立」 2015.8.7
道中に必要なものはなんといっても金だが、財政難のうえ将監の意向もあり、それが出ない。事態を打破したのは、一路に嫁ぎたいと希う娘心であった。
盛装の武者も替馬も揃い、頼りない殿さまが勝鬨を挙げて、行列ははじまる。
ロケ地
- 蒔坂家陣屋、随心院薬医門。常の倍となる供揃えの件を殿に上申するくだり。
- 蔵役の佐久間に、参勤交代へ参加を依頼する一路、蔵は大覚寺蔵。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。正室が世継・一太郎に覚悟を促すくだり。
- 浄厳寺、普済寺総門。槍持ちが御槍を徒に振り回し一路に叱られるくだり。
- 勘定方の国分に資金調達を断られ、悄然と帰る一路、日吉の馬場。後段、白装束で走るのもここ。
- 父を説得してくれた薫に礼を述べる一路、金引の滝。きっと戻ると指きり。
- 御発駕の朝、御供衆がものものしく支度するシーン、油日神社拝殿前(回廊内、導入部は薄明演出)。鬨の声を挙げたのち出立する玄関は随心院薬医門、門前の躑躅の大刈込脇で和尚と薫が見送る。行列が進む道は、油日神社参道。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 蒔坂一太郎/玉山詩 白雪(声)/室井滋 ブチ(声)/熊田曜子 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/石原興
※将監と喜惣次は参勤に同道せず。
第三回 「初めての試練」 2015.8.14
なんとか江戸への道中を辿り始める一行だが、あろうことか行列の前に若い娘が闖入。火事で家族を全て失った彼女は、無礼討ちになることを望んでいた。
売られてゆく娘に同情した栗山が一時離脱というトラブルもおさまり、道中はまたはじまるが、国許と江戸の両方で、陰謀の芽がむくむくと頭を擡げ始めるのであった。
ロケ地
- 馬籠宿へさしかかる一行、街道は大堰川堤。道端に旅人が土下座して控え、芋焼餅をひさぐ茶店は並木側(南側)に設営。堤外地から見たロングもある。
- 娘・スワが行列を止める街道、大甲賀カントリーあたりの谷地田か。道はエッジに。
- 和尚に会う国分、浄厳寺イメージは普済寺総門、夜景。
- スワの件も栗山の件も御供頭権限で済ましたあと、出立した行列がゆく街道、大堰川堤。道端に六地蔵あしらい、将監の密偵がツナギ文をやり取り。
- 江戸、老中・酒井家屋敷、大覚寺明智門。内部はセット撮り、門は閉じられている。江戸家老・堀江が、酒井に将監からの賄賂を渡すくだり。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。門前を武家の主従が通る。内部はセット撮り。
- なお道中を続ける一行、大堰川河川敷(右岸側の汀、礫河原)。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 白雪(声)/室井滋 ブチ(声)/熊田曜子 酒井讃岐守/梨本謙次郎 小野寺弥九郎/天宮良 蒔坂一太郎/玉山詩 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/服部大二
※スワと諏訪明神の関わりは語られず。彼女の弟は両親もろとも亡くなった設定のもよう。
※一路のおじさん、御行列に加わっている。
第四回 「姫君の恋」 2015.8.21
「行軍」の道中、またまたトラブル発生、一路が諏訪高島城の牢に込められてしまう。凛々しい御供頭にすげなくされて傷ついた姫様は心乱れ、一世一代の大嘘をついてしまうのだった。
敵味方の区別が、そろそろ明らかになりはじめる。
ロケ地
- 諏訪高島城、琵琶湖西岸或いは湖上から沖ノ島を望む図、島の「山上」に彦根城天守等合成。天守の下で姫様が野点のシーンは彦根城天守直下に席をしつらえ。
- 「奇妙な御行列」を見に行く乙姫、蒔坂家の行列がゆく街道は琵琶湖西岸松原(近江白浜か)。姫は松並木に。このあと一向は下諏訪宿入り。
- 蒔坂家陣屋、随心院薬医門(夜景)。捕われた国分が将監と対峙するくだり。
- 因幡守に呼ばれた左京太夫、真吾をここに待たせ入ってゆく玄関は聖護院式台玄関。因幡守と対峙する座敷は宸殿内部、「うつけ」が去ったあと因幡守が姫付きの鶴橋に真相を聞きだすシーンは宸殿前縁(カメラ白州から)。
- 牢から解放された一路、城門を出て駆け出すところを姫に呼び止められるシーン、彦根城天秤櫓と廊下橋。下から見上げの絵が、クレーンで寄って行く趣向は見もの。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。江戸家老が殿の文をチェックするが、付いていた蛙の折紙は見逃すくだり。
- 下諏訪を発ち和田峠にさしかかる一行、見上げる嶮岨なる山は湖南アルプスか。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 白雪(声)/室井滋 ブチ(声)/熊田曜子 枡屋正右衛門/小野了 小野寺弥九郎(回想)/天宮良 乙姫/すみれ 諏訪因幡守/石丸謙二郎 鶴橋/筒井真理子 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/服部大二
※乙姫の設定は、加賀宰相の妹ではなく諏訪の殿様の姫君に変更されているが、身の上は同じな模様。
第五回 「涙の和田峠」 2015.8.28
中山道最大の難所にさしかかる一行だが、何者かが吊橋を落としたため間道を行くことに。そのうえ雨が降ってきて、やっと止んだと思うと崖崩れ、犠牲者が出てしまう。
道半ばに「戦友」を喪ったサムライたちは、街道を走り始めるのであった。
ロケ地
- 何者かが縄を切る夜の吊橋、不明。下は谷川。和田峠の描写、一部湖南アルプスか。
- 田名部領、枡屋襲撃の町角、仁和寺鐘楼下石段〜九所明神脇。枡屋を救った国分が彼を諭すシーンは九所明神裏手。
- 枡屋が保護される浄願寺、普済寺鐘楼門越しに本堂を望む図。手前に浄願寺の字をあしらった総門が来ている。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。江戸家老が世子を連れ出そうとするが、御正室が手厳しくはねつけるくだり。
- 間道を抜け本街道に出て一息つく一行、疎林は酵素ダートか。このあと殿につられ走る一行、夕陽の道は大堰川堤か。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 白雪(声)/室井滋 ブチ(声)/熊田曜子 枡屋正右衛門/小野了 辻井良軒/坂田聡 小野寺弥九郎/天宮良 蒔坂一太郎/玉山詩 檜山角兵衛/ほんこん すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/服部大二
※和田峠は豪雪ではなく豪雨。
第六回 「二人の殿様」 2015.9.4
またもや降りかかる難儀のほか、感動的エピソードをたくさん入れて「行軍」を描く。一路に感化されたか、殿様は「うつけ」の仮面を外す決意をする。一方、国元でも江戸でも、企みは着々と進行中なのであった。
ロケ地
- 和田宿めざし山道を駆ける一行、湖南アルプスか。
- 木戸が閉まる直前に駆け込む一行、摩気神社本殿裏手。塀の南西角続きに木戸を設営、本殿裏手塀際を駆ける一行をロングで。夜間撮影。
- 内藤家陣屋イメージ、彦根城佐和口多門櫓。
- 志摩守のもとを辞した主従が一礼して去る城門、滋賀院門跡。このあと二人は門前を南に向かって塀際を歩き、一路がうつけ芝居の理由を問う。その後、将監を排斥できなかった訳を殿が告白するシーンは長岡天神八条池にスイッチ、参道石橋と水上橋を使う。このシークエンスは全て夜間撮影。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。江戸家老・堀江のもとに怪しの薬包が届くくだり。先の、御側室が世継に殿の「密書」を読ませるくだりでは、セットの屋根を俯瞰。
- 駕籠の中の左京大夫が病を発する街道、不明(山腹の細道)。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 枡屋正右衛門/小野了 辻井良軒/坂田聡 内藤志摩守/濱田龍臣 浅井/斉藤暁 檜山角兵衛/ほんこん 常陸屋伊右衛門/鶴田忍 橘進之介/今野誠二郎 蒔坂一太郎/玉山詩 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/井上昌典
※志摩守にとって左京大夫は、殿中で途方に暮れていた幼児を優しく労わってくれた「恩人」だが、邂逅は一度きり設定。
※和田峠で放棄した御荷物を届けてくれたのは、和田宿の役人・檜山どの。
第七回 「見えざる敵」 2015.9.11
臥せった殿に毒を盛られる始末だが、「刺客」の正体はようやく知れる。道中でも国元でも江戸でも敵の動きが激しくなってくるが、迎え撃つ側の心も収束してゆく。
ロケ地
- 松井田宿本陣、楊谷寺。導入は堂塔外観ロング。殿を寝かせる座敷は書院で、池泉が見えている。殿の容態を聞いて騒ぐ家臣たちのシーンでは、上書院へ通じる回廊が映る。一路と新三が話す夜の室内のシーンには、奥之院の二十八部衆が背景に使われている。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。正室が誘い出され、若君あわや毒殺の危機のくだり。
- スパイだった髪結いを追い詰める山中、不明(崖の下に見える「滝」は堰堤か)。
- 蒔坂家陣屋イメージ、随心院薬医門。国分七左衛門が再び拘束されるくだり。
- まだ具合のよくない殿を駕籠に乗せ道中をはじめる一行、酵素ダートか。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 枡屋正右衛門/小野了 ブチ(声)/熊田曜子 辻井良軒/坂田聡 酒井讃岐守/梨本謙次郎 蒔坂一太郎/玉山詩 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/井上昌典
第八回 「憎しみと悲しみ」 2015.9.18
刺客の成因が明らかとなり、誤解も解ける。憎い仇を赦す一路はじめ、思いを察して動く殿やおじさん、一行の漢っぷりは泣かせる。
江戸では正室と世継がいよいよ危機に陥り、国元では走狗が煮らるるを恐れはじめていた。
ロケ地
- 深谷宿へ到着する一行、関所役人と手続きをする一路、走田神社参道。中ほどに柵を設置、そばに簡素な机と椅子が置かれている。一行は柵外で待つ。
- 深谷宿本陣、随心院長屋門。夜間撮影、人の出入りでは向かいの門も使う。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門(夜景)。
- 屋敷を抜け出した正室と世子が入る屋敷(かねて殿が用意の一件)イメージ、広沢池北東岸の「萱葺民家」ロング。夜景、後段家老に見つかってしまうくだりでは朝靄の絵。
- 捕らえられた新三が語る、新三の父の小姓頭・横井が、一路の父・弥九郎に闇討ちされた陣下の夜道、随心院大乗院前。東の方から強い光を当ててあり、人物はシルエット。横井は刀も抜けず斬られたため、家は取り潰しに。
- 将監から父は死罪と言い渡された薫、父と一路の無事を祈願してお百度を踏む「やしろ」、金引の滝。滝下の河床に祠をしつらえてあり、ここにカウントの紙縒りを差してゆく趣向。様子を見に来たスワも加わる。
- 一路が父の仇・新三を「討つ」河原、天神川大堰堤上河床。見分の殿は上流側に。立ち回りは川中のほか堰堤上におよび、堰上の二人を下から見上げた図もあり、落下シーンも撮られている。
- 深谷を発ち江戸を目指す一行、走田神社参道〜社務所前。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 小野寺弥九郎/天宮良 ブチ(声)/熊田曜子 駒井兵馬/真勝國之 空澄(声)/上條恒彦 蒔坂一太郎/玉山詩 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/石原興
最終回 「明日への戦い」 2015.9.25
江戸入り間際にも襲い来る敵、しかし一路らの働きと「忠臣の献身」により切り抜ける。そして江戸屋敷でも国元でも、窮地に陥ったか弱き者たちが牙をむく。
大きな膿が潰れて蒔坂家に平穏がもたらされ皆は明るい未来を期すが、情勢は語られない。
ロケ地
- 江戸はもうすぐと一同を叱咤激励する一路、行軍の街道は大覚寺遣水跡。水路端の「道」を行進、土下座して通過を待つ旅人なども配してあり、水面や蓮なども映り込み、菊ヶ島が陸続きに見えたりする。
- 蒔坂家陣屋イメージ、随心院薬医門。暗雲垂れ込める空を入れてローアングルで。国分がいよいよ切腹という段で、あっさり転回のくだり。
- よくここまで来れたと叔父上が感慨を述べる街道、大覚寺大沢池北辺水路端。天神島から木立越しの絵、行軍中。
- 荒川・戸田川渡しで船に乗り込む一行(殿様と先立ちの者)、船着は大覚寺大沢池船着(大)。手すりや高札などあしらい。離岸した船を、船着上で見送る家臣たちの絵がロングで。
- 渡し場に上がる一行、大覚寺大沢池船着(小)。ここで後続を待つため入る船宿、由良の照国稲荷大明神境内(由良川もお宮さんも対岸も映る)。
- 蒔坂家江戸屋敷、聖護院長屋門。殿の到着で中から家臣たちが走り出て来る絵で、もちろん御行列が門前にずらり。
- 江戸城イメージ、二条城東南隅櫓。城内、家茂と会見の居室は金戒光明寺方丈座敷(虎の襖絵の間)。
- 将監切腹を前に鳴らされる浄願寺の鐘、不明。将監切腹の庭先、金戒光明寺方丈前庭(塀まわりに白幕がめぐらされている)。喜惣次が介錯人(福ちゃん)の刀を横からとって自ら介錯。
- 江戸の町、町人もそばを通る門で真剣を抜いて型をつかう一路、仁和寺中門(内外両方のアングルあり)。一路の文を読む薫、金引の滝。
小野寺一路/永山絢斗 蒔坂左京太夫/渡辺大 佐久間勘十郎/藤本隆宏 小野寺惣十郎/梶原善 髪結い新三/忍成修吾 薫/松浦雅 堀江与三郎/矢島健一 丁太/武蔵 半次/内山信二 栗山真吾/中島広稀 スワ/平祐奈 酒井讃岐守/梨本謙次郎 ブチ(声)/熊田曜子 駒井兵馬/真勝國之 蒔坂一太郎/玉山詩 徳川家茂/吉沢亮 すず/ミムラ 伊東喜惣次/木下ほうか 空澄/上條恒彦 国分七左衛門/石黒賢 蒔坂将監/佐野史郎
脚本/渡邉睦月 演出/石原興
※江戸家老が若君に討たれるくだり、直接表現を避けてアオサギが飛び立つ夕景の川。
※参勤交代廃止は、左京大夫が加増を辞退した代わりの「処置」設定。ブチさん献上の話は入れてある。
参考文献 「一路」上下巻 中公文庫
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