遠山の金さん捕物帳

遠山の金さん捕物帳

第118話 「密偵をやめた女」 1972.10.8

 権力を笠に着て、大塩の乱の残党を恐喝して肥え太る悪党ども。その手先をつとめる元夜鷹の姐さんだが、的と一ツ家に暮らすうち情いや増し、愛の結晶も宿す次第。その思いを踏みにじる外道どもを、天下の名奉行は捨て置かないのであった。
金さん成分少なめの作りだが、大塩中斎を心の師と仰ぐ、陽明学の実践者ぶりが描かれて趣深い。

大覚寺

ロケ地

  • 両替商・土佐屋を恐喝して帰りの岡っ引を斬る頭巾の浪人、上賀茂神社奈良社鳥居前、北神饌所前。後日、その浪人が押し包まれて斬殺され、懐の連判状を奪われる夜道も同所。
  • 観月の夕べ、勘定吟味役・伊藤や手下の岡っ引・辰蔵らがいる桟敷は大覚寺観月台。その下、町衆が楽しむ床几は五社明神鳥居前付近にあしらい。ここでは、お咲が亭主の平吉に弟の不始末清算の金をねだる「芝居」があり、桟敷の辰蔵とアイコンタクト。また、このとき八熊がひねり出す怪しの川柳を書き留めた一巻が、お白州で効くアイテムになる。
  • 金策に行くと称し、平吉が「軍資金」を取り出しに行く寛永寺裏の墓地、金戒光明寺本堂裏手墓地。ラス立ちもここで。行き来の際、本堂裏や、露仏が映り込んでいる。
  • 平吉が呉れた、刻印入りの小判を届けさせるお咲だが思い直し取り返しに行く伊藤邸、相国寺林光院

遠山の金さん/中村梅之助 虎さん/今村民路 お光/水原麻記 半次/島米八 お里/浅川美智子 八公/瀬川新蔵 熊公/津田伸 高崎靖之進/中村靖之介 要町の文三/柳沢真一 平吉/石浜朗 伊藤立之進/勝部寅之(ママ) 辰蔵/早川研吉 宮口二郎 山口幸生 千葉敏郎 武周暢 川口喬 寺下貞信 賀川浩延 北原将光 千葉保 松村康世 岩本康子 寺内文夫 お咲/村松英子

脚本/有馬泉 監督/河野寿一

※サブタイトル、「密偵」には「いぬ」とカナが振られている。
※平吉は元武士の三村、大塩が江戸を任せた人物。山口幸生の岡っ引を斬って連判状を取り戻す、三村の同志は宮口二郎。伊藤は大塩を密告して手柄とした役人。


 → 遠山の金さん捕物帳表紙

※キャストロールの表記が達筆ゆえ、読み間違えている可能性があります。


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