第146話 「毒で出世する男」 1973.4.22
どうした訳か、ならず者や半端者に優しい兄哥には、そうせずにはおられない、忌まわしい過去があった。彼は、大川に次々上がる奇妙な土左衛門を見て、かつての師が再び非道を働いていると知る。許しておけぬと暴発する兄哥を止めた金さん、粋なはからいで「罪」を償わせてやるのだった。
ロケ地
- 文三らが手配書を手に座り込んでいる石段、金戒光明寺参道坂。お光らが来てからかい、茶所の方に行くと半次がついてきて、通行人にぶち当たると手配書の男、「ご用だ!」で男が逃げるのは長安院下坂。もちろん取り逃がし。
- 体中に赤斑が出た土左衛門が上がる両国橋下、宇治公園河原(朱色の欄干は朝霧橋か、河原は中州端の岸辺?)。
- 度重なる奇妙な土左衛門、栄吉が意を決し訪ねてゆく医師・佐野玄庵邸は京都御苑拾翠亭門。下男に門前払いされたあと、帰ってゆくのはその南塀際、尾行していた金さんが誰何に応えおりてくる土手は御苑南側の「土手」、樹木越しに丸太町通に面した「町屋」がちらり。弟分になりたいとか言って金さんが栄吉を連れてゆく茶店、御苑厳島神社に設営、池端に床几。二人が話している最中に「土左衛門が」の声、人々は高倉橋の上を走ってゆく。
- その土左衛門が上がる河原、宇治公園橘橋下手の右岸河川敷(頭首工近くの丸い一件)。死人は、文三に追われていた、栄吉が逃がしてやった男。
- 医師・笹川栄舟を矢場に訪ねてきた武家娘・おふさ、栄吉に拒否され泣き崩れる橋は金戒光明寺極楽橋。金さんが現れ、栄吉の過去を聞く。
- 北町奉行所イメージ、京都御苑管理事務所東門(バンクフィルム)。
- 石川島寄場で二年間医師として働くため「出発」する「栄舟」、宇治公園の宇治川左岸堤を鉄砲洲の河岸に見立てて使う。ED被り。
遠山の金さん/中村梅之助 お光/水原麻記 虎吉/今村民路 半次/島米八 おさと/浅川美智子 八公/瀬川新蔵 熊公/津田伸 高崎靖之進/中村靖之介 要町の文三/柳沢真一 栄吉/伊藤孝雄 おとし/加茂良子 おふさ/工藤房子 伊助/北相馬宏 沢村昌之助 相沢浩夫 西田良 藤長照夫 笹木俊志 岩尾正隆 畑中伶一 山下義明 森谷譲 池田謙治
脚本/小川英、茶木克彰 監督/原田隆司
※栄吉が転がり込んでいる矢場の女将はおとし、亭主を止めに来て悪党の手下に撃たれ、治療は金さんに示唆されて栄吉が担当する。栄吉は小田原藩医だった玄庵の門下生で、ならず者を毒薬の叩き台とする手伝いをさせられていた設定。
→ 遠山の金さん捕物帳表紙
※キャストロールの表記が達筆ゆえ、読み間違えている可能性があります。
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