第62話 「蝉しぐれの女」 1971.9.12
提げ重に身を落としてまで、恋しい男の仇をとろうとする女。彼女の意図を察した金さんは、危ない橋を渡り「仇討ち」を手助けする。射られてもひるまず、婚礼の席へ乗り込んで啖呵を切る桜吹雪がかっこイイ。
ロケ地
- 提げ重のお新が、駕籠傍で待つ中間に残り物を差し入れする市岡家門前、随心院薬医門前。中間の隙を見て、駕籠に銅八が書いた脅迫状を投げ入れ。
- 市岡を脅迫していた元中間・銅八が毒殺される屋形船、大覚寺大沢池船着(小)前に舫い。又一郎は苦しむ銅八を水に落とし、船着から去る。夜間撮影。
- 銅八の死体が引き上げられる水辺、大覚寺大沢池畔。文三がここで櫛を拾い、持ち主のお新(銅八の情婦)は逮捕される。
- 銅八を始末しおおせたあとの市岡父子の回想、又一郎が射た鷹の足環に三つ葉葵の紋が発見される庭、随心院大玄関前庭。このとき植木職の定吉が仕事中、又一郎は恫喝にとどめるが、あとで父の若狭が始末とその方法を指示。
- 銅八が定吉を絞め殺して放り込む水辺、大覚寺大沢池畔。先に市岡家女中が殺されて浮かんでいる。水面に睡蓮びっしり。このとき、木の幹に蝉。
- あぶな絵売りに扮した金さんが市岡家に入り込むくだり、随心院薬医門くぐり戸から入る。中間部屋に提げ重としていつものように入っていたお新、弓の稽古中の又一郎に近づき刃を向ける庭は大玄関前庭。中間に化けた金さんが、射られかけたお新を庇い諸肌脱いで啖呵を切る。あとで金さんがニセ中間と判明、家来がどっと繰り出すのは大玄関式台。
- お新を連れて逃げた金さん、八熊の駕籠に任せ、高崎宛の書付を渡してやるのは大覚寺天神島。このあとすぐ追っ手が現れ、金さんは朱橋〜大沢池畔で立ち回り、最後は池にダイブ。
- 牧野大膳太夫の娘が市岡家へ輿入れの段、父親の代理として遠山奉行が罷り通るのは随心院薬医門。連れている花嫁の中の人はお新という寸法。
- 皆がお新を見送っている頃、金さんが鳩に餌をやる境内、三宅八幡宮舞殿まわり。餌は「上意」と大書した奉書に入っていて、お墨付がニセモノだった経緯をぶつぶつ呟く次第。
遠山金四郎/中村梅之助 お光/水原麻記 おさと/浅川美智子 半次/島米八 八公/瀬川新蔵 熊公/津田伸 高崎靖之進/中村靖之介 要町の文三/柳沢真一 お新/河村有紀 市岡又一郎/和崎俊哉 銅八/不破潤 おりん/星美智子 市岡若狭/永野達雄
※和崎俊哉の役名は、キャストロールでは「五郎」と見えたような気がするが、劇中呼称は「またいちろう」。
脚本/原野立 監督/荒井岱志
※市岡家には捕方入って大騒ぎ、観念した父子は互いの身を刃で貫く。見届けた奉行、ぼそっと低い声で「これにて一件落着」。
→ 遠山の金さん捕物帳表紙
※キャストロールの表記が達筆ゆえ、読み間違えている可能性があります。
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