第84話 「三ん下を男にした女」 1972.2.13
たばこ高騰の裏にはヤクザと悪徳商人という話に、生き別れ親子の情話をからめる。
幼児誘拐を使嗾した悪党が裁かれたあと、己の出自を知ったその「子」は、永年の情のほうを選び取るのだった。
仙造の処刑ぎりぎり寸前、まさに土壇場へりゅうとした身なりで入ってくるお奉行、このシーンがお白州へスライドするのも面白い。
ロケ地
- 丸十の親分の使いで敷島屋へ行った仙太、敷島屋の忠告を鼻で笑って帰る道、虎吉(丸十へ怪しの葉っぱを持ち込んだ船乗りの恰好のまま)が出て仙造の言伝を話し手荒く諭すくだり、西教寺茶所南側石段。揉みあい、植え込みを抜けて石垣際の水路端へ転び出る。
- 仙太の恋人が勤めている茶店、木嶋神社舞殿付近に設営。石畳の両側に露店がたくさん出ている。設定は八幡神社。
- 丸十の指示で敷島屋を襲う仙太、くろ谷境内か(塀際、塀越しに甍)。虎吉が出て阻止。
- 仙造の回想、誘拐したものの丸十の唆しで養育することになった子を連れ、売人となって各地を買い付けて歩いた情景、広沢池東岸汀。セピア色。
- 茶店の娘が店を出て、仙太が隠れている神輿小屋へ行くくだり、木嶋神社蔵。茶店のある所からカメラがパン。
- 事後、三人で江戸を出る仙太たち、街道は広沢池西岸沿いの道。転びかけた「父」仙造をおぶってゆく姿を、釣りの金さんが観音島から見ている。
遠山の金さん/中村梅之助 虎吉/今村民路 お光/水原麻記 おさと/浅川美智子 半次/島米八 八公/瀬川新蔵 熊公/津田伸 高崎靖之進/中村靖之介 要町の文三/柳沢真一 仙造/原健策 敷島九右ヱ門/永井秀明 丸十大五郎/伊達三郎 上岡紀美子 小林勝彦 中村錦司 仙太/長谷川明男
脚本/小川英、武末勝 監督/松尾正武
※虎吉、金さんと靖之進がツナギをとる場面に、もうずっと前からいたみたいに同席。ラス立ちにも参加。
→ 遠山の金さん捕物帳表紙
※キャストロールの表記が達筆ゆえ、読み間違えている可能性があります。
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