大奥 2016、フジ/東映

第一部 「最凶の女」 2016.1.22

お美代/沢尻エリカ 徳川家斉/成宮寛貴 お志摩/渡辺麻友 中野清茂/板尾創路 葛岡・語り/鷲尾真知子 吉野/山口香緒里 浦尾/久保田磨希 寔子/光浦靖子 日啓/田中要次 脇坂淡路守/浜田学 お楽/浅井江里奈 日遠/金子昇 日高/小松みゆき 徳川家治/峰蘭太郎 徳川家基/鮎川太陽 田沼意次/青野敏行 一橋治済/福本清三 大崎局/浅野ゆう子

脚本/浅野妙子 音楽/石田勝範 監督/林徹

 因縁の子が、大奥に帰ってくる。
母の無念を晴らすため将軍の子を欲するお美代だが、恋を得てその行為の空しさに気付く。しかし相手は、ある企みをもって近づいてきたのだった。

姫路城

ロケ地

  • 江戸城イメージ、姫路城天守。以降もアングルを変えて何度も出てくる。
  • 寒い日も鍛錬を欠かさぬ家斉、弓の稽古シーンは姫路城西の丸塀際。
  • 前将軍・家治の御世、ある雪の夜、下総の古寺・智泉院を訪ねてくる中野清茂、雪降りしきる夜の門前は鹿王院中門。その十五年後長じたお美代のくだり、父の僧・日啓が堕胎した(大奥の女の)子を埋めるのを目撃する夜の竹林、大覚寺竹林
  • 中野の屋敷へ飛び込んだお美代が己の出自について聞かされるくだり、家治の世継に決まっていた家基が鷹狩の際休息し頓死した屋敷、彦根城楽々園書院縁先。
  • 将軍・家斉は、嫡子を生んだお楽の方をよそに女漁りと語られるシーン、大奥の庭での宴は姫路城西の丸広場。以降、似たシチュエーションで何度も出てくる。
  • 捨て置かれたお楽が溜め息をつく庭の橋、彦根城玄宮園龍臥橋。ここへ、甘言をもってお美代が近づく。後段にも出てくる。
  • お美代の「実家」智泉院へ出向き祈祷を受けるお楽、仏光寺か。美男僧・日遠の接待を受ける座敷は鹿王院客殿。帰り道、またご祈祷を?と問いかけるお美代は鹿王院参道。その後も智泉院へ出かけてゆくお楽、駕籠が出る城門は彦根城天秤櫓廊下橋(後段、ここから下をゆく女駕籠を見つめ渋い顔をする脇坂淡路守のシーン等もある)
  • 智泉院へ出かける女たちが小休止する茶店、酵素ダートに設営か。微行の淡路守とお美代が接触、このあと「智泉院参道」の大覚寺竹林で対峙。
  • 智泉院の庭、接待も受けず蛙の交合を凝視するお志摩に声をかけるお美代、鹿王院回廊脇庭園。このあともお志摩とのシーン等がこの庭園で撮られている。
  • 城内でお志摩と睦むお美代、姫路城西の丸連郭石垣際。
  • お志摩が扇に仕込んだ密書を侍に渡す、大奥出入りの小間物屋の女、大覚寺護摩堂前。灯篭などあしらい。
  • 城から出されるお志摩の早桶、姫路城いの門

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第二部 「悲劇の姉妹」 2016.1.29

梅/沢尻エリカ 歌/蓮佛美沙子 中野清茂/板尾創路 寔子/光浦靖子 酒井忠康/温水洋一 大月兵吾/渡辺秀 葛岡・語り/鷲尾真知子 吉野/山口香緒里 浦尾/久保田磨希 吉田源一郎/久保田秀敏 千代/鈴川法子 松風/かとうあき 相模/岩橋道子 徳川家治/峰蘭太郎 徳川家基/鮎川太陽 お加津/北ひとみ かよ/周防ゆう 御典医/堺新次 歌付き中臈/吉川依吹 少女時代の梅/守殿愛生 少女時代の歌/かわさき鈴乃 徳川家斉/成宮寛貴 大崎局/浅野ゆう子

脚本/浅野妙子 音楽/石田勝範 監督/林徹

 いかにして家斉は膃肭臍と化したか、の巻。
素質は十分に持っていたものの、明らかに異常な子の多さは(亡霊とお歌に)勝ったと思い込んだ高揚に起因していた。
お話の本筋は姉妹の悲劇、益体もない妬心を大奥というシステムが増幅させ、人を暗い淵に誘い込んでゆく。

等持院

ロケ地

  • 死の床についたお歌の回想、幼い日姉に嫉妬するあまり木に登って困らせた野原、大覚寺遣水跡。木は水路脇のヤナギ。
  • 御台所・寔子入内のくだり、家斉に初めて会う城内の一室、姫路城西の丸内部。スリット越しに天守が見えている。
  • 御台所との仲がうまくゆかず、世継出生のため画策される側室選び、幕閣が遠眼鏡で品評の際娘たちが立たされている橋は彦根城玄宮園・鳳翔台前の橋。
  • 御小納戸役・中野清茂が酒井家の野点を見遣るくだり、席は大覚寺大沢池船着(大)
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。以降も様々なアングルで登場。
  • 酒井家の姉妹・お梅とお歌が趣向を見せる浜御殿、不明(将軍夫妻は座敷、正面に擬宝珠つきの階。庭は別棟との間のごく狭い個所、枯山水?と小橋が見える)
  • 大奥入りするお梅の駕籠が入る城門、彦根城天秤櫓廊下橋。後段、家斉が日光参詣のため出るのも同所。
  • 姉・お梅のあとを追うように側室となったお歌、家斉を誘惑し「落とす」庭、等持院庭園(北東部分周回路ほか。椿が演出されている)
  • 想像妊娠発覚後、大崎局の指示でお歌が行く智泉院、法要が営まれる広壮なお堂内部は仏光寺か。僧となった兵吾と会う部屋はロケかセットか不明(円窓から紅葉望む図)

撮影協力
姫路城、姫路フィルムコミッション、国宝・彦根城、滋賀ロケーションオフィス、彦根市フィルムコミッション室、本山本法寺、真宗佛光寺派本山佛光寺、旧嵯峨御所大覚寺、等持院、柏木産婦人科、東映太秦映画村

※前後編通じて登場する、前将軍家治とその世子・家基の亡霊がナイス。天井にぐわっと大写しの画もあり。これを見て惑乱しまくる家斉がまた熱演で、「出る」のわかっててわざわざ仏間行ったりして笑える。


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