若山富三郎主演作品
1973.10.7〜1974.3.31日テレ/勝プロダクション、全26話
原作/五社英雄、神田たけ志
音楽/冨田勲
ナレーター/睦五郎
第21話 「母子像無惨」 1974.2.24
暗君に阿り立身した男、その犠牲となり真の愛から遠ざけられていた女は、永の時を経て再び政争の渦に投げ込まれ翻弄される。
情に動かされ会いに来てはならないと諭した「恋人」の知らせは、法眼によってもたらされるのであった。
ロケ地
- 賞金首の親分を獲る法眼、鳥居本八幡宮。分け前の小判が撃ち抜かれ、法眼は舞殿前に馬を置き、坂をおりてくる。立ち回りは広場で。
- 血まみれの六部から、「ぬい様へのブツ」を託される法眼、葦原は河川敷か。両側に山が見え、焼かれた葦が短い茎をさらしている個所も。
- 四日市藩家老・土方邸、真如堂塔頭・法輪院。ぬい出奔のくだりでは門のみちらり、法眼が馬を曳いて通り過ぎるシーンでは、北隣の松林院の門前からパン。
- 従僕・治助に案内され、巡礼に身をやつし京へ向かうぬいとその娘・千鶴、竹林脇の道と竹林内は北嵯峨か(林床に起伏あり)。虚無僧に扮した井戸ら追っ手に囲まれ、治助討ち死に、ぬいは滑落し千鶴と離れ離れに。
- ぬいが炎を見て寄ってゆく谷川の河原、清滝水系か。焚火は法眼のもの。後段、井戸らが千鶴を連行してゆく橋がこの谷川に架かる橋で、井戸と法眼の接触もある。河原には巨石ごろごろ。
- 母とはぐれた千鶴が男たちに襲われるも、井戸らが出て蹴散らし、千鶴の身柄を確保するくだり、竹林の中の墓地はありものか(8話と同所か、五輪塔や六地蔵の屋形も見える)。
- 「千鶴に化けた」井戸の手先の女に「京への道はそちらではない」と声をかけられるぬい、中ノ島橋上。桁隠し一部破損、北向きの図では「屋根」映り込み。
- 手先の女と道をゆくぬいの足元に文付きの小柄を投げる法眼、河原と思しき地形は先に出た葦原と同所か、砂河原(朽ちた木杭が露出)。このあと法眼が馬を駆る道は、曲がりくねった山道。
- 四日市藩京屋敷(留守居役・外記はぬいの元許婚者)、大覚寺大門。門前と参道まわりで立ち回り。
- 事後、外記が法眼に「簪の代金」を支払いに来るくだり、鐘の音が響くことから寺院境内設定と思しき茶店、真如堂茶所。法眼が馬で去る山は、人為ですぱっと切られた地形の稜線。
唖侍(鬼一法眼)/若山富三郎 ぬい/市原悦子 土方監物/小松方正 千鶴/有吉ひとみ 井戸十蔵/草野大悟 加代/小林千枝 安堂外記/楠本健二 治助/西田良 疾風の辰/瀧義郎 猪之/きくち英一 卯吉/北野拓也 中間(一)/松田明 中間(二)/重久剛 講中/山本弘 六部(一)/新関順司郎 六部(二)/暁新太郎 薬売り/岩尾正隆 老婆/堀佐和子 菊乃(少女時代)/瞳順子 建之介(少年時代)/大森久綱 柳田藤右衛門/郡司良 柳田松江/高木峯子 ゴンザレス/レイ・ロイド
脚本/八尋大和 監督/黒田義之
※土方は失脚目前、後を襲う立場の外記を陥れる手段に、彼の元許婚者である自分の妻のぬいを使う次第。ぬいは殿さまに所望されたあと土方に下賜された、拝領妻。千鶴の実の父は外記。
※この四年後「おばさん」という殺し屋を演じることになる市原悦子、京都藩邸門前で井戸差し回しの女を刺殺するシーンは、後年の迫力を髣髴とさせる。
→ 鬼一法眼 表紙
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