伝七捕物帳2

2017年BSプレミアム
原案/陣出達朗 音楽/沢田完 語り/濱中博久

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第一回 「女将の意地、涙のにぎり飯」 2017.8.4

 幼い頃別れたきり、今も離ればなれなうえ、名乗れぬ姉妹。しかし互いを思い遣り、助け合おうとするこころは、なにひとつ変わっていないのだった。

広沢池

ロケ地

  • 吉原の文使い・喜八が殺されて見つかる不忍池、大覚寺天神島鳥居下。
  • 喜八殺しの犯人と目されるお尋ね者を見つけ追う勘太、八幡堀堀端。設定は蔵前。
  • 旅姿のお咲を見送る正助、大覚寺大沢池北辺並木(設定は日本堤か、ぼんぼりをあしらってあり、吉原通いと思しき市民がそぞろ歩く演出)。その直後に伝七とばったり。
  • 虎の子の銭を腹に巻いて故郷へ向かうお梅、船でゆく掘割は八幡堀(白雲橋から下流方向見下ろしの図)
  • 名主宅は日本民家集落博物館の摂津能勢の民家。はじめ竹林越しの画で出て、後段米俵を搬出するくだりでは西側が映る。
  • お梅が額づく父母の塚、普済寺門前の林間にあしらい←ここで襲撃者が出るが、旅姿の伝七親分が出て撃退。
  • 米を積んだ大八を曳いて江戸へ戻るお梅、大覚寺竹林。親分が後押し。
  • 荷を船に積み替える河岸、広沢池西岸湿地、ヤナギの大木のある葦原。ここは、むかし妹のお清が女衒に連れられ船で去ったところでもある。
  • お梅と伝七が乗った戻り船、広沢池。ロングの画では東望、船は南へ向かう。
  • 番頭・弥兵衛に蔵前へ連れていかれ、板倉屋と山形屋に弥兵衛への俵屋譲渡を迫られるお梅のくだり、蔵前イメージは八幡堀、白雲橋から上流方向望む図。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 板倉屋彦右衛門/野口貴史 山形屋源三/下元年世 藤枝半兵衛/伊庭剛 お梅/藤原紀香 清花/中島亜梨沙 弥兵衛/青山勝 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森脇京子 演出/吉田啓一郎


第二回 「めぐり逢い、悲しき草笛」 2017.8.11

 お店勤めの女を誑かし引き込みに仕立て、用が済むや殺す外道の盗っ人。これを追う伝七親分は、一味の凄腕と対峙することになるが、その男には二重三重に複雑な事情があるのだった。
お咲がおめでたと判るが、お俊はおかしな雰囲気を嗅ぐ。

天照皇大神社

ロケ地

  • うつぼの嘉兵衛一味の色悪・政吉がお幸と会う茶屋、八幡堀舟橋近くの民家に仕立て。前の堀に舫った船に仲間が寝そべっていて、出てきた政吉を乗せて去る。
  • 政吉追跡を阻んだ男が隠密回りと知らされたあと、奉行所から帰る伝七を待ち構えている左内、妙心寺大庫裏脇路地、鐘楼脇。
  • 政吉を船で待っていた男が参詣する神社、天照皇大神社。本殿で参拝後、舞殿まわりで遊んでいた子に飴をやる。舞殿には隠居ふうの老人がいる。
  • 睦みあうお幸と政吉、大覚寺天神島木の根方。このときお幸の肌にひどい火傷の跡を見て、左内は火事の記憶フラッシュバック。
  • 水辺に佇むお幸に接触、14年前の火事のことを聞く伝七、八幡堀明治橋下堀端。
  • 草笛を吹く左内、天照皇大神社舞殿に腰掛け(参道石段のロングからズームイン)。「妻子」と過ごした日々を思う、その情景は大沢池畔と思われる。
  • 一味をあざむくため、伝七に偽の押し込み先を伝える左内、八幡堀新町浜
  • 捕物のあと、左内がずっとお幸を捜していたことを聞かせる伝七、草笛を吹いてくれた「父」の姿が思い出される水辺は大覚寺放生池堤
  • 江戸払いとなったお幸を見送る伝七たち(もちろん左内も一緒)大覚寺遣水跡。池畔に茶店仕立て。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 徳松/浜田隆広 嘉兵衛/谷口高史 蓑吉/白井滋郎 辻村左内/寺島進 お幸/瀬戸さおり 政吉/山田悠介 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森脇京子、伊藤崇 演出/吉田啓一郎


第三回 「謎の仇討ち、瓦版騒動始末」 2017.8.18

 とある仇討ちを報じた瓦版が、摘発を受ける。表向きは武士を愚弄するとかいう名目だが、伝七親分が当初から疑義を挿んだように、仇討ちそのものにからくりが隠されていたのだった。
久々、南の妖怪登場。

金戒光明寺

ロケ地

  • ネタ取りのため伝七らのあとをついて歩く九ッ屋の二人、大覚寺放生池堤(先に映る水面にはオオバン)。ここへ仇討ちと声、行ってみると姉弟VS浪人の対決がなされている広場は護摩堂裏・心経宝塔前(ぐるっと露店が囲む)
  • 早瀬が南の山田に「曽我兄弟にことよせた皮肉の瓦版」を見せる町角、妙心寺大庫裏脇クランク。
  • 遠山が鳥居に今回の件を告げ下僚の処分を求める城内御廊下、金戒光明寺方丈前縁。庭からの画と、座敷からのと両アングル。触れ太鼓演出。
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。北岡与力と山田同心に永の蟄居が言い渡されるくだりのイメージ。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 北岡半左衛門/大河内浩 玉山富治郎/藤山扇治郎 玉山香苗/成瀬綾乃 小山十太夫/入江毅 山田右門/白井哲也 直太郎/渡辺大 朝吉/中村靖日 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 鳥居甲斐守/榎木孝明 遠山左衛門尉/松平健

脚本/山本むつみ 演出/宇喜田尚


第四回 「伝七、狐に化かされる」 2017.8.25

 両親の死に関する辛い記憶ゆえ目明しを憎む女賊に、とんだ因縁をつけられる伝七親分。しかし、人を思いやる誠の心は、スレた姐さんのねじくれた心にもちゃんと届く。

摩気神社

ロケ地

  • かっぱらいを捕える伝七、神護寺石段。毘沙門堂五大堂の前に露店演出、店の向こうからお仙が伝七を見つめている。
  • 伝七がお仙に羽織をとられる茶店、神護寺和気公廟所前に設営。山門が映り込んでいる。
  • 両親の墓に参るお仙、普済寺墓地。ここへ縄手の十蔵一味が現れ、仲間に戻るよう迫る。
  • 十蔵から逃げたお仙、伝七と鉢合わせの塀際は摩気神社本殿裏手塀際。立ち回りは林間、伝七は手傷を負ったお仙を連れて逃げ出す。
  • お仙を手当てするため入る壊れた水車小屋、酵素河川敷に設営。探し当ててきた一味と立ち回りは川べりで。20年前お仙が十蔵に拾われた際の回想シーンで、水車が回っているさまも映る。
  • お仙が流人船に乗せられる船着き、大覚寺大沢池船着(大)。これに先立って、「河口のような地形」が映し出される。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 徳兵衛/曽我廼家文童 洲崎屋/藤田功次朗 白狐のお仙/野々すみ花 辰治/松尾諭 縄手の十蔵/六角精児 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/山本むつみ 演出/宇喜田尚


第五回 「鬼か仏か、屋台騒がす手拭い侍」 2017.9.1

 屋台を曳く者が辻斬りに遭い、犯人の風体は屋台巡りが趣味の旗本に酷似。伝七親分、本人ばかりか見た目怖そうな倅にまで接触、彼らの信を得る。果たして辻斬りは彼らを陥れる陰謀であったが、江戸っ子な決着が爽やかなのであった。

妙心寺

ロケ地

  • 屋台を巡る手拭い侍を尾行する伝七たち、妙心寺養徳院西側路地(クランク)〜衡梅院(旗本・澤口家裏門設定。親分たちは、放生池の生垣越しに見遣る)
  • 澤口の倅・兵馬を屋台に誘う伝七、兵馬が腰掛け父のことを話す階は神光院中興堂階。
  • 堀江市蔵役宅、妙心寺天祥院。勘太らは春光院墓地北側の茂みに潜んで見張る。澤口の中間がこそこそとくぐり戸を入ってゆくのを目撃。
  • 江戸城イメージ、二条城東南隅櫓。堀江が水野老中への追従で提案していたプランを否定する澤口、大喝を食らわすくだり。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 澤口兵右衛門/平泉成 澤口兵庫/青山草太 堀江市蔵/斎藤歩 美穂/渋谷飛鳥 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森下直 演出/清水一彦


第六回 「駆け比べ、女飛脚走る」 2017.9.8

 家の凋落を見かね、自ら女飛脚となった娘。見せ物になる辛さを乗り越え、仕事も貰うようになるが、文箱の中にとんだものを仕込まれていた。
勘太兄哥の恋、親分やお奉行の「覚悟」がドラマにからんでゆく。

油日神社

ロケ地

  • 勘太がお文の御籤を結んでやった氷川神社、油日神社摂社。後段、親分がお文に文箱改めを頼みに来るシーンにも出てくる。
  • 大川に上がるもと飛脚・駒吉の死体、大覚寺天神島。後段、殺害時の回想シーンにも出て、ドボンあり。
  • 飛脚レースのコース、セット〜大沢池堤(ロングの画と、畑地の方へおりる画とある)油日の谷内田大覚寺梅林(長次郎一家が出てお文を襲う)大覚寺竹林(伝七たちが出て立ち回り)大沢池北辺並木(長次郎たちがひかれてゆく/勘太がお文にレース復帰を促す)

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 弥助/大石昭弘 駒吉/高島和男 お文/松浦雅 鳴海屋政右衛門/東根作寿英 長次郎/渡辺哲 五兵衛/小野了 真砂屋の主人/真砂京之介 お咲/大塚千弘 正助/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森下直 演出/清水一彦


第七回 「引き裂かれた絆、夫婦湯のみの契り」 2017.9.15

 回船問屋殺しで捕まった大工見習の青年、お咲を連れ戻しに来た叔父と青年の母の事情、そして正助の過去がひとつことに収斂してゆく。
好きあった者たちを引き裂くのをヤメにして去ってゆく老武士、というイイ話で、今回は〆る。

大覚寺

ロケ地

  • 小田原藩上屋敷を窺う正助、随心院薬医門
  • 帰り道に出ていた露店で揃いの湯呑を求める正助、大覚寺遣水跡
  • お駒の店を覗いていた相沢を呼び止める伝七、八幡堀明治橋上。
  • お駒の回想、「二人」甘酒をのんだ神田祭、大覚寺心経宝塔前広場に演出。
  • 去りかけた相沢、もうじき神田祭と話す堀端は八幡堀新町浜。ここへ、太一脱走の知らせが入る。相沢も一緒に走ってゆく(セットにスイッチ)
  • お咲の回想、木に登りたいと新助に言った幼い日、大覚寺遣水跡のヤナギ、池畔。
  • お咲の懐剣から出てきた書付のことを左近に話す正助、随心院裏手林。十年前の正助出奔は弟・勝之進の仕組んだことと聞かされる。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 千歳屋清右衛門/西園寺章雄 留三/吉田輝生 源吉/諸木淳郎 相沢征四郎/柴俊夫 お駒/床嶋佳子 太一/西井幸人 助三郎/新井康弘 相模屋忠太郎/林泰文 篠崎勝之進/津村知与支 波佐間左近/宇梶剛士 相模屋忠左衛門/小野武彦 お咲/大塚千弘 篠崎正太郎(正助)/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森脇京子、伊藤崇 演出/吉田啓一郎


第八回 「新たなる命、旅立ちの時」 2017.9.22

 叔父も去り、ずっと長屋で暮らすとひとびとの目には見えた「夫婦」だが、もとの事情が全く終わっていない。
しかし、十組問屋のヘッドになる野望を「身内」からも阻まれ、大悪党は紫房の十手により斃れるのであった。

随心院

ロケ地

  • 南町奉行所、大覚寺明智門。相模屋忠太郎が、実弟・忠次郎を伴い鳥居に会いにやってくる段。
  • 相模屋の荷揚げ場、八幡堀新町浜。段の上に床几が置かれていて、忠太郎兄弟が座す。
  • 長屋に賊が侵入した件を左近に話す正助、随心院裏手林。帰り道の正助、物思いに耽る塀際は随心院裏塀。回想シーンの、弟とお咲に別れを告げ小田原を去ったやしろは大覚寺五社明神舞殿前。正助が襲撃を受け斬られる林、随心院裏手林
  • お咲の回想、夫・勝之進が忠太郎を養子にすると言い紹介した座敷、随心院か。
  • 駕籠に乗せられ、相模屋の根岸寮に連れ込まれるお咲、大覚寺勅使門前で芝居が展開。総門址の囲いの門も使われ、門前の橋で当身された際は櫛が御殿川に落ちる。ここは後段、お咲を捜しにやって来たお俊と文治のくだりでも出る。もちろん、伝七親分乱入もあり。
  • 鳥居から遠山に相模屋の企みについて耳打ちがなされる座敷、金戒光明寺方丈座敷。
  • 伝七が相模屋の寮のひとつを窺うところ、文治が根岸だと走ってくる船着、大覚寺大沢池船着(大)。このとき見張っていたのは望雲亭。
  • お俊、用心棒を見てフライングのくだり、随心院裏塀〜本堂脇、書院へ。このあと伝七たち到着し立ち回りの際は、書院前の庭や本堂縁先、廊下、回廊など様々な場所で殺陣。

黒門町の伝七/中村梅雀 お俊/田中美佐子 がってんの勘太/徳重聡 かんざしの文治/上遠野太洸 小夏/小芝風花 相模屋忠左衛門/小野武彦 波佐間左近/宇梶剛士 相模屋忠太郎/林泰文 篠崎忠次郎/溝呂木賢 篠崎勝之進/津村知与支 お咲/大塚千弘 篠崎正太郎(正助)/風見しんご 藤助/ベンガル 早瀬市之進/蛍雪次朗 鳥居甲斐守/榎木孝明 遠山左衛門尉/松平健

脚本/森脇京子、伊藤崇 演出/吉田啓一郎


→ 伝七捕物帳 第一シリーズ


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