1982〜1986 高橋英樹主演作品 東映/テレビ朝日
第14話 「魔の砂丘 越後三味線の女IV」 1986.1.28 8a
瞽女おもん再び。冒頭、娘飛脚にかけた情けの恩返しが切所で返るのをフレームにした作り。
浜松藩の殿さまには悪い癖があり、悪徳商人に鼻毛を読まれている。或る日殿の贄に供された娘が自害してしまい、凶事を糊塗するため祖父や婚約者も始末する流れになるが、孫の失踪を嘆く爺さまに、通りかかった瞽女が声を掛けるのだった。
ロケ地
- 箱根山中で雲助から娘飛脚を助けるおもんのくだり、切り通しの山道は谷山林道に似るが、植生等に疑問残る。浜名湖周辺ロケの可能性も。
- 遠州浜松へやってくるおもんのくだり、砂丘は中田島砂丘か。湾(?)が望まれる丘の上をゆくおもん、奥浜名湖或いは浜名湖を望む丘か(猪鼻瀬戸あたりを見ている?この段では特定が難しい)。海浜の画では、波頭や風紋が映る。
- 漁火ともる沖を眺め、岸辺で孫娘の名を呼び嘆く市兵衛、広沢池東岸土手。後段、おもんに接触するお蘭(浜松出張中)のくだりでも出てやはり夜景、漁火付き。ひょっとして浜名湖ロケかもと思うが、木は桜で汀と地続き。
- 市兵衛の孫娘・お菊が連れ込まれた江島屋の寮、中山邸門。中はセット撮り。
- 金さんファミリー三人で釣りを装って荷船見張りのくだり、浜松藩御用の船がゆくのを見ている釣り船は広沢池東岸に壁をしつらえた「蔵」の間から覗く図で導入、浜松藩下屋敷の蔵を監視するため上陸する築地の船着きは観音島、柵あしらい。船頭はお蘭、早田さまは老爺に変装。
- 蔵の前で、お菊の許婚者の水夫の逃亡騒ぎが起こった夜、再び逃亡をはかり捕まるくだり、大覚寺有栖川河床〜大沢池木戸前(お吉に斬り殺される)。検分は昼間の画。
- お蘭に、早田とともに浜松へ赴き「お菊」について調べるよう指示する金さん、仁和寺中門前(柵と天部しか見えていない)。
- 浜松城イメージ、彦根城天守。おもんが江島屋寮門前で三味を弾くくだり。門番に手荒く追い払われる。このあと、岸に立つ市兵衛にお菊が戻ったか聞くシーンは浜名湖岸か(静水域、沖には「えり」が見える)。
- 浜松出張の二人、里人に聞き込みの山は冒頭おもんが歩いていた山と同所、浜名湖(ロングでは、ほぼ瀬戸港と思われる地形が確認できる。山は本城山か)。早田さまワライタケ食って「発病」は何の意味が。江戸へ向かった市兵衛爺さまが追っ手に囲まれるも、女渡世人お蘭が出て逃がすくだりの山道も付近か。
- 砂丘に菊の花が咲いたと大騒ぎになり、おもんが擂鉢状の穴へおりてゆき、お菊の遺骸を見つけるくだり、中田島砂丘か。その後おもんが江戸へ向かう道、浜名湖望む山道。
- お白州開廷直前に挿入される、おもんがゆく道、北嵯峨か(ちょっと棚田?置かれている台は稲架ではなく大根干しのものか)。
遠山金四郎/高橋英樹 お弓/由紀さおり 虎さん/古代一平 熊さん/北野清治 お蘭/かたせ梨乃 捨八/佐藤晟也 青目久蔵/西川のりお 早田彦十郎/宮尾すすむ おはん/中尾ミエ おもん/松山容子 源蔵/汐路章 お吉/泉晶子 十太夫/小田部通麿 市兵衛/木田三千雄 井上河内守/原口剛 有川正治 三田篤子 大原きぬ恵 渥美博 木谷邦臣 宮城幸生 細川純一 小船秋夫 稲葉浩子 泉好太郎 森山陽介 福中勢至郎 畑中伶一
脚本/山田隆之 監督/宮越澄
※殿さまは河内守、処分は奥州棚倉行き。御用商人・江島屋のあるじ夫婦は源蔵とお吉(この女相当な性悪設定で、お菊の婚約者を自ら斬り殺すし、奉行にも悪態つきまくり、汐路章が霞む)。砂丘でお菊引き上げを手伝う里人に小船秋夫や宮城幸生。ラス立ち福ちゃん入り、河内守の家来。小峰さんは水夫。
※おもんさん、ふだんどんなつながりがあるのか、お蘭を認識。また、船宿の件もご承知?
※次期老中とも言われる河内守と事を構えたため、奉行は切腹覚悟の危うい展開。大名屋敷に捕方が入る際には、お蘭が変装して大目付の書状をかざして見せる一幕も(これが大嘘)。
※協力クレジットに「リステル浜名湖」。
→ 遠山の金さん II 表紙
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