上意討ち

上意討ち

1987.7.2テレビ朝日/東映

原作/山本周五郎「ひとごろし」
脚本/中村勝行
監督/牧口雄二

キャスト
渡瀬恒彦 宮崎美子 木ノ葉のこ 野口貴史 白井滋郎 疋田泰盛 橋本裕子 勇家寛子 笹木俊志 佐藤幸雄 松田吉博 岩井田浩己 大矢敬典 藤長照夫 桂登志子 高谷舜二 美松艶子 堀田明美 若林豪

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴

 さむらいとは思えぬ臆病ぶりで、家中の笑いものになっている腰抜け侍は、ために嫁に行けぬと妹に嘆かれて、一か八かの賭けに出る。
討手に志願したはいいが、相手は指南役をつとめた凄腕。もとより敵うはずもなく斬られるところ、道連れとなった女の機転で難を逃れる。この体験が、彼に奇策を思いつかせるのであった。

藪田神社

ロケ地

  • 越前福井藩城イメージ、彦根城西の丸三重櫓(北から見上げ)。登城風景はセット撮り。
  • 仁藤昂軒が御側小姓に難題を吹きかけられた末斬ってしまう御狩場、酵素か。この前に勢子が兎を追い立てる林も出る。
  • 討手として街道をゆく双子六兵衛、谷山林道切通し。このあと、昂軒を見つけるも近寄れずというシーンでは、斜面に寄った画も出る。後段、うしろを振り返りつつ行く昂軒の画もあり、別の場所を使ってある。
  • 六兵衛の妹が兄の無事を祈る先祖の墓、不明。
  • とても討てないと絶望した六兵衛、吊りを思いつくも失敗し、おようと知り合う竹林は北嵯峨か。おようはにわかの差し込みで苦しんでおり、六兵衛は吊りを中断して薬を与えてやる次第。
  • おように事情を告白する六兵衛、広沢池東岸汀。
  • 昂軒を呼び止め、上意の書状をかざし向かってゆく六兵衛、山際の田畦は後述の藪田神社付近か。返り討ちに遭いかけるところ、おようが走り出て「人殺し!」と呼ばわり、野良に出ていた百姓衆も同調して騒ぎ立て、勢いに押された昂軒は逃げてゆく次第。
  • すっ転んで怪我した六兵衛を手当てしてやるおよう、水場のある玉垣際は丹波の神社か。廣峰神社のそれに似る。
  • 昂軒が茶店で団子を食っているところへそっと近づく六兵衛、大覚寺天神島木の根方に店を設営。六兵衛は大声で昂軒を人殺し呼ばわりし、茶店の者も客も逃げ散ってしまう。このあと追いかけまわされるシーンは祠まわりで。以降昂軒は、旅籠へ入っても酒肆へ入っても、同様の目に遭うという寸法。
  • 夜の旅籠にまでカチコミ掛けられてもうフラフラの昂軒、野道をゆくと路傍の積み藁の向こうから六兵衛が顔を突き出すシーン、藪田神社付近の畦道か(後段、この神社が映る際、遠景にこれに似た稲架が見えている)
  • 昂軒が人々に混じり雨宿りをしていると、六兵衛が出て人殺し呼ばわりのお堂、大覚寺護摩堂
  • フラフラで街道をゆく昂軒、藪田神社鳥居前の径。南側の道を六兵衛たちが来るが、こちらはのんびり花摘みなどしながら談笑、時折思い出して「人殺し!」と呼ばわる。
  • 湯宿から早立ちした昂軒、へたり込むところへ六兵衛が今度は討ちに現れる川べり、木津川河川敷。水辺へ出る前に、ススキ原を通る。
  • 髻を切られた昂軒が歩み出す橋、流れ橋。彼は右岸側へ、六兵衛たちは左岸側へと別れゆく。橋を側面から撮ったロングの画も出る。

※傑作時代劇シリーズの一。手控えには副題に「美女が惚れた腰抜侍」とあったが、2017年時代劇専門チャンネルで渡瀬恒彦追悼として放送されたものには無かった。
※双子六兵衛は渡瀬恒彦、あんまり弱そうに見えない。妹は木ノ葉のこ。獲物のことで諍いを起こし、昂軒に斬られた御側小姓・加納は白井滋郎。指南役のお抱え武芸者・昂軒は若林豪、北国街道を通り江戸へ向かうと書き残して来る。六兵衛に助けられ、以降道連れとなり上意討ちを助ける娘・おようは宮崎美子、金沢から富山の叔父のところへ奉公に行く途中だったという設定。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ