大江戸五人男

大江戸五人男

伊藤大輔監督作品 1951.11.22松竹

キャスト
幡随院長兵衛/阪東妻三郎 水野十郎左衛門/市川右太衛門 長兵衛女房お兼/山田五十鈴 腰元おきぬ/高峰三枝子 魚屋宗五郎/月形龍之介 白井権八/高橋貞二 高見澤備中守/高田浩吉 水木あやめ/河原崎権三郎 妙姫/小月冴子 小紫/花柳小菊 唐犬権兵衛/進藤英太郎 近藤登之助/三島雅夫 大久保彦左衛門/山本礼三郎 松平伊豆守/市川小太夫 佛の小平/三井弘次 石谷将監/大友柳太朗 上使成瀬/海江田譲二 夢の市郎兵衛/阿部九州男 出尻清兵衛/永田光男 召使はつ/若杉曜子 芸者かつ/鮎川十糸子 老母お岸/毛利菊枝 仲居お萬/草島競子 老女千草/六篠奈美子 宗五郎女房お末/月宮乙女 禿たより/石本昭子 禿みどり/石本靖子 長兵衛倅伊太郎/本松一成
劇中劇「播州皿屋敷」 青山鉄山/河原崎権十郎 お菊/河原崎権三郎 忠太/坂東蓑三郎

脚本/八尋不二、柳川真一、依田義賢

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 町奴のかしら・幡随院長兵衛と、不遇をかこつ旗本連の首領・水野十郎左衛門は、互いを男と認めあいながらも、対立の構図から抜け出せず「相討ち」となる。
長兵衛親分の悲劇は、居候の若者が調子に乗って筋を書いてしまう仕立て。水野へ面当ての芝居まで出て、王道の時代劇は亡きヒーローを称えて終わる。
著名な怪談を筋書きに組み込んであり、劇中劇として演じられるが、化けて出るヒトはいない。割られる皿は、神君拝領の南蛮絵皿。
バンツマは亡くなられる少し前のお姿で、高廣さんと見紛うほど似ていて思わずほろり。
十郎左の右太衛門は、目を見開いて怒ってるさまが、お顔大きいからばっちり決まっている。
親分の息子の幼い伊太郎が可愛らしいうえに達者で、「もう喧嘩はございません」と町衆に呼ばわる母の声に唱和するさまは涙モノ。
いつ見ても悪い進藤英太郎が、渋い男伊達なのも見もの。

琵琶湖

ロケ地

  • 登城途中の高見澤備中守が、白柄組と一触即発の道、妙心寺東海庵前ほか境内路地。町奉行・石谷が騎馬で駆けつけ、槍持って興奮している彦左の爺さまを制する。
  • 川崎大師参詣の帰り、長兵衛が権八を拾う品川はずれ・鈴ヶ森、琵琶湖西岸松原・近江舞子。
  • 長兵衛宅の居候となった権八、伊太郎坊ちゃんのお供で凧揚げにゆく堀端、伏見・濠川畔。枡形橋から月桂冠北蔵を望む図。他の、酒蔵が背割になっている堀端も出るが、こちらは現存しないものと思われる。枡形橋は旧の橋で欄干は木、橋たもとの民家ももちろん建て替わっていて、小平の「恋文」を読んでやる権八が凭れる木も無いし、北蔵じたいがスーパーに変わった(景観には配慮されている)
  • 十郎左が豊後守の姫と見合いをする自邸の庭、不明(豪壮な池泉、松林と池に架かる石橋が見える。縁先から見て嘆くおきぬの絵もある)
  • 十郎左が他の旗本グループも招いて開く宴、上賀茂神社境内。橋殿に宴席が設けられたり、白州で水野たちが競射をしたり。幔幕が張り巡らされている。このあと、十郎左は中座して屋敷へ戻る運び。
  • 水野邸、大覚寺大門、式台玄関。門続きの塀には海鼠壁パネル等あしらわれていて、門内外が映る。玄関では、妹の死に憤激した宗五郎が酔って押しかけるシーンや、死を覚悟して水野邸へ一人でやって来た長兵衛のシーンも撮られている。長兵衛の棺が出てくるのは大門くぐり戸から、このあと上使の駕籠と門前ですれ違う運び。
  • 長兵衛は一人で出たと奉行に報告する侍たち、早馬が走る道は妙心寺か。駕籠を開けて報告を聞く石谷は中山邸か(両側林の地道)

月桂冠北蔵

※松竹映画三十周年記念映画


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