2000年、テレビ朝日/東映
キャスト
千葉周作/中村俊介 中西忠兵衛/藤岡弘 次郎吉/山本太郎 遠山金四郎/唐渡亮 田村敬四郎/近藤芳正 お玉/小西美帆 お八重/奥貫薫 しぶ柿の平七/伊藤四朗
ナレーター/泉龍太
主題歌 かぐや姫「青春の傷み」
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第1話 「一刀流一番手柄!」 2000.10.19
江戸へ出てきたばかりの青年剣士は、いい加減そうな無手勝流の先輩に歯が立たず、プライドずたずた。しかし、立て続けに起こっていた辻斬り事件の捜査に関わることで、周作はひとつ階梯をのぼるのだった。
ロケ地
- 遠山先輩に「おまえに人は斬れない」と言われた帰りの夜道、怒りを爆発させ並木を斬る周作、八幡堀堀端。このとき闇から、周作を辻斬りと思い込んだ次郎吉の捕縄が飛んでくる。
- 辻斬りから救ってやった俳諧の宗匠・夢元に話を聞きに行く周作と次郎吉、師匠が住まう浅草・乗蓮寺は神光院中興堂。お堂の中からのアングルもあり。
- 師匠の話から、犯人と目される下沢浪人を訪ねてゆく周作と平七親分、話を聞き自首を勧めるも決裂し斬りあいとなる水辺、大覚寺天神島。カイツブリの声が響いている。
下沢新之助/名高達男 竹田屋徳兵衛/宮内洋 明月庵夢元/木下ほうか お米/園英子 おみね/白鳥智恵子 お蔦/和泉ちぬ おまつ/中谷由香 おはな/丹羽美奈子 おはる/新村あゆみ 蒲生源三/志賀勝
脚本/塩田千種 監督/和泉聖治
第2話 「戯作者殺しの謎!?」 2000.10.26
道場破りの相手をした周作、くそまじめに立ち合いこてんぱんにやっつけるが、師匠や先輩に世間知らずと言われてしまう。ほどなく彼はその理由を体感することになり、更にもっと辛い経験も待っているのだった。
ロケ地
- 乙三が怪しいという次郎吉の助言に腹を立てて歩いていると、八重が男といるのを見てしまう堀端、八幡堀。八重は明治橋上手左岸側にいて、周作に言い訳しながら堀端をついてくる。
- 乙三は島流しになったと平七親分に聞かされる周作、大覚寺大沢池畔に茶店を設営。
乙三/坂上忍 おすま/中村綾 浅井屋与之助/西川忠志 貞じい/辻村ジュサブロー 市兵衛/笑福亭猿笑 お蔦/和泉ちぬ 栄春/伊庭剛 横川三郎太/武本裕史
脚本/塩田千種 監督/和泉聖治
※周作が道場破りたちの虚言を聞いて喧嘩となる飯屋に居合わせた客(職人)、および乙三宅へ押しかけた捕方の一人(侍、袴着用、十手所持)に福ちゃん。
※貞じい、実は十返舎一九という設定。
第3話 「復讐の花嫁幽霊!」 2000.11.2
周作がならず者から助けた娘が、その後失踪し幽霊となって「出る」。娘の家には未使用の夫婦茶碗が残されていて、将来を約束していたという男はその死を嘆いてみせるが、果たして。
この経緯をもとに東海道四谷怪談が書かれた、という後日談を付けてある。
ロケ地
- 薬研堀へお使いに出された周作、夕暮れの道は大覚寺放生池堤。このとき、ならず者に襲われているおさよは対岸の放生池畔、立ち回りは護摩堂前で。以降、何度も薬研堀として放生池まわりが出てくるが、幽霊は放生池畔から放生池堤に向けて「宙乗り」。町方が死体を求めて放生池を浚うシーンもある。
- 八重と「妻子ある男」が痴話喧嘩の堀端、八幡堀堀端。立ち去ろうとして見つかってしまった周作、その後二人が立ち寄る茶店も八幡堀堀端、明治橋下(橋上手左岸側)。
- 薬研堀からならず者たちに連れて行かれた政吉を、探し回って見つける次郎吉と周作、八幡堀明治橋下手堀端(橋下手、右岸側)。二人は明治橋を渡ってくる。
- 政吉が勤める船宿へ行ってみる次郎吉と周作、政吉が舫ってある船を手入れするのは八幡堀堀端(北端あたり、左岸側)。その後丹波屋のお嬢様と行ってしまう政吉を見たあと、遠山先輩も入れて三人で渡るのは舟橋、ここで幼馴染みの政吉を信じたい次郎吉が激す。
- 小夜が遠島と決まったあと、俺が斬ればよかったとお八重相手に嘆く周作、八幡堀堀端(白雲橋付近左岸側)。おさよは後悔していない、女は怖いのだと、お八重が返す。
おさよ/三井ゆり 政吉/深江卓次 鶴屋南北/品川隆二 お蔦/和泉ちぬ おみね/白鳥智恵子 おまつ/中谷由香 おはな/丹羽美奈子
脚本/ちゃき克明 監督/江崎実生
※「天竺徳兵衛韓噺」がかかる賑やかな中村座前で、店を出して風車を売っている男に福ちゃん。
第4話 「女郎殺し!涙の遠山桜」 2000.11.9
索状痕があるにもかかわらず、町方には身投げで済まされた、一人の女郎の死。彼女がいた楼の、女将の身の上を聞いた遠山先輩は、それまでニヤけていた顔を急に引き締めるのだった。
のちに名高い奉行となる男の、やっと会えた母との永訣を嘆く姿が心を打つ。
ロケ地
- 向島・花菱楼の女郎の死体が見つかる河原、中ノ島橋下河原。いち早く次郎吉が出張っているが、後から来た岡っ引と、出世頭という同心に持っていかれる。
- 遠山先輩に置いていかれて居残りとなる周作、楼の女将・おたみのお供で他出の帰り、二人が立ち寄る茶店は大覚寺大沢池畔に設営、船着(大)に釣りの親子が配されている。女将の、伝法な恋指南の会話がある。
- 隠居した、遠山家の側用人を横浜村に訪ねる金四郎、爺さまを問い詰めるシーンは北嵯峨、わらびの里。
- おたみを問い詰めるもはぐらかされ、屋台で自棄酒を呷る金四郎、八幡堀堀端に演出。帰れと言われてしまった周作は、明治橋を渡って去る。
- 死んだ女郎の客だったという会津藩士を見に行く次郎吉と周作、下屋敷の門は大覚寺大門、二人は対岸から眺める。
- 死んだ女郎のことでおたみを問い詰める周作、このときのおたみの回想、相惚れの男と二人歩いた向島の満開の桜、大覚寺参道石橋。
- おたみが始末されてしまったあと、仇を討ちに行く金四郎と周作、下屋敷設定の大覚寺大門前で待ち構え、立ち回りは参道や参道石橋、御殿川河床で展開される。
おたみ/山本陽子 遠山景晋/伊吹剛 おのぶ/横堀貴子 おゆき/岡村亜紀 吉沢/村田宏
脚本/塩田千種 監督/江崎実生
※ラス立ち福ちゃん入り、「仇」の家老の息子の朋輩。このヒトたち七人は、揃って病死と届けられ。
※遠山先輩27歳、この事件のあと墨を入れるシーンを入れてある。柄は「父母」の思い出の、満開の桜という訳。
第5話 「赤い硝子の追跡者」 2000.11.16
つきまとい事件が多発するなか、周作はお八重の友人を護衛することに。果たして菱屋の若女将をつける男が現れるが、その顔を見た女将は、もう護衛は要らぬと言い出すのだった。
がむしゃら一方ではダメと、師匠や平七親分からお説教を貰う周作、成長の過程が描かれる。
ロケ地
- お八重が周作に相談を持ちかける町角、梅宮大社神苑。門を入ってすぐの池畔に茶店設営。
- 父の墓参に行くお葉、くぐる寺門は常寂光寺仁王門。墓地は二尊院か。
- お葉が周作を呼び出し、この上の護衛は不要と給金を渡す堀端、八幡堀新町浜。
- 浅草寺イメージのお堂、不明。町火消のもとに蓑吉が潜むとして、次郎吉が探りに入るくだり。
- 堀端に佇み、蓑吉との思い出に浸るお葉、八幡堀新町浜。周作が現れ問い詰めるが、蓑吉は悪くないと叫びお葉は走り去る。
- お葉とお八重の話を立ち聞いてしまう周作、八幡堀舟橋近く。周作はそこへ「下りて」きて、堀端にいる二人を見る。
お葉/八木小織 蓑吉/冨家規政 お蔦/和泉ちぬ 彦造/徳田興人 菱屋清次郎/小金沢昇司 辰五郎/中野英雄
脚本/藤井邦夫 監督/和泉聖治
※傾いていた店を立て直すための「芝居」が根幹にある設定、蓑吉が店の金を持ち逃げということになっていたが、そもそも盗るだけの金も無かったと語られる。お葉は婿養子をとり、清次郎が商いを盛り立て。
※蓑吉の幼馴染の纏持ち・を組の辰五郎は、のちに高名な新門の親分となったと語られる。
第6話 「指名手配!恋人が消えた…」 2000.11.23
八重の駆け落ちで、周作吹っ切れるの巻。
騒動のなか、大前田英五郎を捕まえるくだりがあり、周作ら三人の「やんちゃ」が描かれた、サービスくさい絵が出てくる。
ロケ地
- 上州無宿・大前田英五郎がヤクザと大立ち回りの川、大堰川か。
- 与之介のことで周作に相談を持ちかける八重、梅宮大社神苑汀。対岸に門と「茶店」。
- 八重の出奔後、物思いに沈む周作が佇む川べり、上賀茂神社ならの小川畔。後段も出てきて、思いを振り切るために川の石をリフティング。
- 八重を連れ戻しに箱根へ赴く周作、谷山林道切通し(両側切通しの向こうに富士山合成)。このあとの湯治場風景、谷川に架かる橋は清滝か。八重を見つける湖畔、沢ノ池東岸汀とダート降り口。
大前田英五郎/大和武士 浅井屋与之介/西川忠志 お蔦/和泉ちぬ 浅井屋喜兵衛/芝本正 長次/渡嘉敷勝男
脚本/塩田千種 監督/和泉聖治
※福ちゃん、賭場にいるヤクザ。立ち回りもあり、台詞もけっこうある。
第7話 「破門!無礼討ちの謎!?」 2000.11.30
凶悪な強盗を斬ったことで持て囃される周作だが、師匠は渋い顔でお説教。天狗の鼻はじきに折られ、強敵に打克つことで周作はさらなる成長を遂げるが、事件はとんだ上つ方の政治がらみなのだった。
ロケ地
- 職人の無礼討ち事件の際に刃を交え「負けた」相手・岩城に勝つために剣技を磨く周作、型をつかう夜の寺院は妙顕寺本堂前石畳。何度も出てきて、本堂や門が映り込んでいる。閉まっている門が映るのは珍しい。
- 破門され道場を出た周作を案じて様子を見に行ったお玉、八重と楽しそうにしているのを見てしまい、落ち込み佇む堀端は八幡堀新町浜(対岸)。
- 平七親分が「不審な無礼討ち」の件を掛け合いに行く浜松藩上屋敷、大覚寺大門。留守居役と相対するシーンはセット撮り、屋敷を出たあと藩士に囲まれるのは参道石橋上、金四郎が出て恫喝、事なきを得る。
岩城兵庫/大橋吾郎 土屋帯刀/小沢象 湊屋徳兵衛/深江章喜 水野忠邦/山口雅史 おみね/白鳥智恵子おまつ/中谷由香 おはな/丹羽美奈子
脚本/藤井邦夫 監督/上杉尚祺
※無礼討ちには作為あり、小判鋳潰して金細工作らせたことの口封じ。五百両分の金を使った馬鹿な置物は、水野忠邦の猟官運動用の品。
※今回の事件がのちに、老中・水野と、北町奉行・遠山との確執となったと語られる。
第8話 「舞い降りた鶴!藪の中の殺人!?」 2000.12.7
御前試合を前にして、八重のことでもやもや悩む周作。彼が気持ちに決着をつける時間軸に、同様に悩む若者たちのドラマが絡んでくる。
ロケ地
- 師匠に叱られた周作がめったやたらに木刀を振り回す林、神護寺林間。
- 二日酔いで目覚めると隣に女という事態に慌てた次郎吉、周作を探し当てて帰り道の坂、神護寺山門下石段。人の話を聞いていない周作に怒り、次郎吉走り去る。
- スケコマシが殺されて見つかる竹林、北嵯峨か。遺留品の匂袋を、転がり込んだお鶴のものと覚った次郎吉があわあわ。
- お鶴をなじり次郎吉とつかみあいになる周作、見ておれず飛び出したお鶴を捜しに出る二人、八幡堀舟橋。お鶴は自分を捜す大和屋の衆の目を避けて、堀端から石垣の坂に隠れる。
- お鶴と屋形船に乗る周作、八幡堀。上陸するとヤクザに囲まれ、戦ううちお鶴は連れ去られてしまう。
- 伊佐次の名が浮かび、田村のダンナをシメる周作と次郎吉、八幡堀明治橋上。
- 伊佐次とヤクザがお鶴を始末するところへ乱入する周作たち、吉田神社竹中稲荷。舞殿脇〜参道重ね鳥居下などで立ち回り。
- 事後、旅立つお鶴と別れる次郎吉、上賀茂神社ならの小川畔。「あの夜二人の間には何もなかった」とお鶴は言い残して去ってゆく。
お鶴/天田貴子 伊佐次/中村南 お蔦/和泉ちぬ
脚本/ちゃき克明 監督/上杉尚祺
※下っ引・伊佐次の動機は、スケコマシに自分の女をおもちゃにされたこと。
第9話 「真剣勝負!明日への旅立ち」 2000.12.14
中西道場の三羽烏と称される剣客に立ち向かう周作、とても敵いそうにない相手との試合のさなか、愛しいひとのエールが脳裏に谺する。
しかし恋は実らず、身を引いたか自立のためか、女は遠くへ去ってしまうのだった。
ロケ地
- 御前試合の遺恨を晴らすため、高柳に果し合いを挑む、直心影流・安斎、桂川松尾橋上手中州合流点汀(右岸側河川敷、罧原堰堤の瀬も映り込む)。見物衆(小峰さん入り)が鈴なりの橋は中ノ島橋、切り替えて使ってある。安斎を斬った高柳が上がってくるのは中ノ島橋下手の水路に渡された梯子、駆けつけてきた平七親分や周作は水路傍の右岸堤上、並木のうしろに黒い塀をこさえてある。事が終わったあと、中ノ島橋上に佇み、もの思う周作のシーンもある(欄干越しに堰堤の落水映り込み)。
- 高柳と立ち会うため道場に籠る周作、案じて見に来た八重を連れ出して諭す遠山先輩、大覚寺大沢池船着(大)上。導入は対岸からのロング、このあともさまざまなアングルで映し出される。
- 京へ向けて旅立つ八重、休む茶店は平野屋、店の女の子は八重が作った前掛けをしている。このあと街道をゆく八重は松尾橋下手右岸堤(見上げ)。
高柳又四郎/鷲生功 おとせ/及森玲子 吉永佐兵衛/飯田基祐 安斎杢太郎/石倉英彦 お蔦/和泉ちぬ
脚本/塩田千種 監督/森本浩史
※八重は着物の図案を書き上げるが、息子と関係した女を厭う浅井屋の意向がはたらき、採用どころかもうどこの呉服屋も相手にしてくれない。そのうえあれは傷物と噂を流されている次第で、京行きの一つの動機に。
※遠山先輩のお説教は、才ある女である八重は、男の身の回りの世話で終わる女じゃないという内容。
※高柳はかなりイタい人に描かれ、剣技もどこかヒキョーっぽい感じに見せてあるが、周作を「王道をゆく者」と認めてくれる人でもある。
※主題歌はED開始前から鳴りはじめ、ちょっと中を抜いてフルコーラスかかる。
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