第24話 「謎の死紋」 1970.1.12
老公の気まぐれで立ち寄った亀田だが、入るやいきなり騒動の気配。
民を締め上げる悪家老に一矢報いる正義の士は、詰め腹を切らされた前奉行の信奉者だった。
ロケ地
- 久保田へ行くか亀田へ行くかで、老公と助格が賭けをする峠道(分岐道)、仰木棚田(老公がコイントスをイカサマで勝って亀田へ)。
- 亀田領内、上納米を布告する高札が立つ道、梅宮神社前(鳥居が傾いでいる。蔵奉行が見回りに来る画では、神社北側に小さな萱葺屋根が見える。神社前から南東方向を見晴るかすアングルもあるが、目立つものは映っていない)。奉行の頬をかすめて小柄が飛び、高札に剣片喰を書いた紙とともに突き刺さる。これが「死紋」の最初。このシーンの前に、高札が立ったと仲間に知らせに走ってくる百姓のシーンで映っている小川は天神川か。
- 亀田入りし、井筒屋に落ち着いた老公一行、手形を持たぬ子連れ浪人が引っ立てられた際に出た怪しの虚無僧を追ってゆく助格、下鴨神社河合社前〜河合社脇(ここで見失う)。虚無僧に襲われた役人たちがのびているのは近くの糺の森。
- 虚無僧が子連れ浪人に心づけを渡し間道を指示する坂、智積院密厳堂前の坂(南側)。去ろうとする虚無僧に、妹・縫が声を掛けるのは踊り場、光明真言の碑が見える。子連れ浪人を糺の森で見かけて「そこ」を捜し当ててきた助格は、大師堂参道下を通りこの坂へ、この後坂を駆け上がり鐘楼前であたりを見ていると、密厳堂の方から井筒屋の番頭・弥太郎が現れる。このとき、蔵なども映り込んでいる(漆喰の剥落が激しい)。後段にもこの坂が何度か出てくるが、現在この南側にある本堂は、撮影当時建っていないもよう。
- 高札が山と積まれ燃やされる常徳寺脇、不明(五本線入り筋塀の角、どこかの境内か)。夜間撮影。
- 弥太郎が暴発しかける同志を諫める、常徳寺での寄り合い、寺は神光院中興堂。内部も使用か。夜間撮影。
- 縫が潜入している家老屋敷の門、智積院北門。茶会の日時を立ち聞いた縫が兄に知らせるため密かに出てくるくだりで、このあと走る夜道は智積院総門内側の塀と塀の間(画面では五本筋が入っているが、今は見られない)。すぐ映画村セットにスイッチする。
- 虚無僧と泥棒(弥太郎と井筒屋)が家老の手下に囲まれて立ち回りの夜の家老屋敷まわり、智積院境内と思われる。助格が駆け付けてくる際に映る講堂南西角の塀は今と同じ。
- 縫の情報で殿の茶会が開かれる錦ヶ原へ向かう虚無僧たち、密厳堂前の坂〜涸れ川河川敷(礫は粗い)〜川堤と破損の激しい木橋(「殿の駕籠」も土手をやって来る。天井川か、堤は相当高い。堤周辺は田地、山なみは靄っていて見えず。土手上には松の疎林あり)。
- 当地を発つ一行、街道は仰木棚田。
脚本/津田幸夫 監督/田坂勝彦
※前奉行・細谷の門弟だった寺坂弥太郎は本郷功次郎、妹の縫は珠めぐみ。元盗っ人で弥太郎に心酔する井筒屋太兵衛は森健二(と思う)、弥太郎を慕う娘のお京は左時枝。悪家老は須藤健。弥太郎が助ける子連れ浪人は宮城幸生。
→水戸黄門第一部表紙
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