第25話 「旅烏の子守唄」 1970.1.19
男児を連れた、威勢のいい渡世人と出会う老公たち。父を亡くし母に置き去られた子を、祖父のもとへ送ってゆくという弥之吉、途中フケたりもするが、勘太の爺さまである頑なな庄屋の心を溶かしたのは、孤児の辛さを語る彼の身の上話であった。
ロケ地
- 渡世人・弥之吉と出会う八幡宮(設定は奥州市水沢の鎮守府八幡宮か)、長谷八幡宮。老公たちが本殿に参拝後、財布を盗ったと言われ怒って啖呵を切る弥之吉を見るのは鳥居下広場に設営の茶店で。ここは後段、弥之吉の「追っ手」がやってくるくだりにも使われる。
- 茶店に立ち寄る老公、さっき出会った渡世人の話をしていると、下の坂に子をおぶった当人が現れるくだり、仰木棚田と思われる。
- 水沢宿、文無しの弥之吉を旅籠の下働きに世話したあと、勘太を連れてお散歩老公、菓子を買ってやり帰ってくる道は常寂光寺本堂前、石段を里の子らが駆けあがってゆくのとすれ違う。
- 追っ手のことを聞いてフケる弥之吉、隠れてやり過ごす小屋は興戸谷地田端の小屋(2017年現存確認)、ここが熊吉親分の賭場で、このあとイカサマを暴いて大暴れの際小屋外での大立ち回りもある(道隔てて茶畑があり、そこでも殺陣)。このあと弥之吉がゆく街道は北嵯峨農地農道、里居も見える。
- 弥之吉を求める勘太を連れて次の宿場を目指す老公たち、勘太が老公のために水を汲んでくるシーンは興戸か仰木か、谷内田端。このあと四人でゆく街道は北嵯峨農地竹林脇か。
- 熱を出した勘太を保護してくれる農家、老公が物思う庭先はちょっと高台っぽくて、見返りで映る屋根は萱葺。出立の際は玄関まわりが映るが、このあと出る庄屋屋敷のある里の一件かも。
- 約束していた「次の宿場」に勘太がおらず焦れる弥之吉、一ノ関へ先行してしまうが、その頃弥之吉を追って一ノ関へ向かう老公たちが小休止の門は常寂光寺仁王門。
- 街道に出て勘太たちを待つ弥之吉、追っ手を見て姿を隠す燈籠は酒屋神社参道入口のそれ。
- 勘太の祖父の庄屋・庄左衛門邸の屋敷、民家長屋門と内外。「賭場荒らし」の弥之吉を追って来た熊吉親分とその乾分が殺到し、大立ち回りとなる際は、小幡神社脇参道から拝殿まわりが使われる。
- 当地を発つ一行、ロングの棚田は仰木と推測。坂に架かる小橋は大宮川のそれと思われるが、いま県道47号の高架ができているので確認は困難。
※弥之吉は渡哲也、父親の庄屋に連れ戻されていた勘太の母は加賀ちか子、勘太のために医者を呼びに行ってくれる兄さんは玉生司郎(と思う)。熊吉親分は藤尾純。
※印籠も名乗りも無し。
※弥之吉を追う三人の渡世人、実は跡目を継がせるための連れ戻し要員。若親分とか呼んでるが、もし血のつながった跡取りなら、孤児の辛さをしみじみと語ったアレは…?
→水戸黄門第一部表紙
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