第28話 「隠密無情」 1970.2.9
磐城平へ向かう途中、助さんが関わった謎のご婦人果たして大いに訳あり。怪しい行動は、彼女の「職務」から来ていた。
任務と思慕の板挟みになって苦しむ里隠れ哀れ、その女の亭主を演じる千代之介もまたいい味。
ロケ地
- 一行が磐城平の城下へ向かう脇街道、不明(谷地田か、道端に小屋、山裾に新しめの二階建て民家)。老公の忘れ物を取りに行って急病のご婦人を構う助さんのシーンも同所か。
- 老公と格さんが助さんを待つ茶店、西教寺山門前にあった建物を利用。ここで、下手な木彫りをたしなむ侍と邂逅。
- 城代家老・堀江外記邸、相国寺林光院。侵入者に騒ぐ家来のシーン、後段も同様のシチュエーションで隠密が化けた乞食が追われていて、周辺各所を使う。
- 木彫りをしていた下級武士・菊原平太の屋敷、坂本の里坊・五智院(叡山文庫の北側)。妻女は助さんが助けたものの姿を消したあの婦人・志乃。後段、城代も騎馬で出張りラス立ちのシーンがあり、向かいの石積や蔵(旧態のものと思われる)も映っている。
- 同宿の怪しい薬売りを尾行する助格、相国寺鐘楼前、湯屋角、方丈塀際。吹き矢にやられた薬売りが死んでいるのも同境内か。それを見て立ち去った志乃、夫とばったり会う道は大光明寺南路地(向かいの塀越しの画も)。
- 助格が薬売りの横死を老公に報告していると、菊原に声をかけられる道、西教寺塔頭・安養院西塀際(西教寺は映らず。道は47号だが、今よりずいぶんと道幅が狭い)。
- 菊原の小名浜出張中、隠密とツナギを取りに現れる志乃、夜のお堂は大覚寺護摩堂。先に城代の手下の飴売りが張り込んでいて、乞食に化けた公儀隠密とバトル・相討ち。志乃は瀕死の乞食から密輸品目録と割符を渡される。
- 助さんとの不義の噂を利用し、夫に別れを告げる志乃、菊原が立ち尽くす葦原は広沢池か。
- 旅支度して出るところを城代の手下に見られ怪しまれる志乃、藩士たちは滋賀院門跡の石積際にいて、御殿馬場(玉蓮院前あたりを東望)歩く志乃を見遣る。
- 妻女の位牌を手にした菊原に見送られ当地を発つ一行、酒屋神社前。そのあとの街道は冒頭と同じ谷地田か、ロングの画では曲折する道の奥に溜池。
脚本/津田幸夫 監督/山内鉄也
※志乃は岩崎加根子、夫の菊原は東千代之介(老公に熊の木彫りを犬かと言われる)。助格と話す志乃を見咎め、なんだ平太の妻女かと笑う藩士の一人に福ちゃん、口髭。
→水戸黄門第一部表紙
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