1999テレビ朝日/東映
キャスト
関屋勘兵衛/里見浩太朗
雲隠れの玄夢/谷啓
乾三四郎/丹波哲郎
お蝶/岩崎ひろみ
第1話「美女と七人の盗賊・戦は頭でするものよ」1999.10.21
東海道池田宿、両替商に立て籠もりのならず者を退治る老人たち、裏にある陰謀を看破しワルを残らず成敗してのける。なんだか間延びしたようなストーリィも、三人の個性的な「老人」の持ち味で押し切る。
ロケ地
- 街道筋で草笛を吹く玄夢、大沢池畔(南岸からの遠望で導入)。
- 叶屋の娘と佐吉が逢引は天神島祠前。
- 天竜川畔で船を待つならず者たちは保津峡落合河口、乾三四郎が一味とグルの船頭を呼ばわるのは落下岩(見上げ)。
- 事後、街道をゆく「三匹」、嵐山自転車道。
第2話「消えた三千両!?老人力をなめるなよ」1999.10.28
三者三様に事件に絡む、三匹特有のパターンを踏襲、舞台は水口宿。
お話は、貧乏藩の参勤交代に際しての道中奉行と宿場役人のダメ男の苦衷を説き、それぞれの事情で武士として散る悲哀を描く。玄夢と三四郎は飄々と事にあたり、勘兵衛はいつもの通り深ぁく憂愁に沈む。
ロケ地
- 老人三人が盗賊と間違われ宿場役人に踏み込まれる露天風呂、摂津峡山水館。
- 山賊が出たり、参勤交代の行列が通る街道筋に谷山林道(林道、頂上近くの地道)。
- 勘兵衛が黒岩藩道中奉行の岩間主水と話す、広沢池観音島(水たぷたぷ)。
- 西海屋の花嫁行列が襲われる夜道、大覚寺五社明神。
第3話「鬼の十手持ち あの娘の目を治したい!」1999.11.4
とにかく金に汚い岡っ引、短筒持ってたりしてダーティ。しかし貯め込んだ大金は娘の目を治す資金、しかも当の娘は実子ではなく昔捕物の際救い得なかった夫婦の遺児、実はとってもイイ奴設定の親分がお話の軸。
この親分を恨む島抜けの盗っ人兄弟が山川宿に現れ、人質をとって宿屋に立て籠もり親分の貯めた金を要求。御隠居たちは親分をサポートして大立ち回りを繰り広げる。
ロケ地
- 勘兵衛が島抜け兄弟を見逃す浜辺、琵琶湖岸。
- 事後、治療のため長崎へ発つ親分一行が船出の浜、罧原堤下河原。見送る御隠居たちは自転車道、対岸から。旅立つ御隠居たちは自転車道を南から見上げ、愛宕の向こうに富士山合成。
第4話「一升飯を食う女 腹が減っては仇討ちできぬ」1999.11.11
野木村と隣村の争い、水門爆破は次席家老と結託の富商の仕込み。紛争にかこつけて消される庄屋、また諫言の普請組小頭も始末され、彼らの息子と娘は敵わぬと知りつつ仇を討ちにゆく。関わり無しと当地を発ちかける老人たち、忘れ物・寝覚めが悪いと途中で踵を返し遺児たちの仇討ちに介入、危機を救う。ラストは遺児たちの婚礼でメデタシ。
ロケ地
- 野木村の架橋工事、摩気橋。祭礼、摩気神社。庄屋屋敷、民家門。
- 普請組小頭の息女・多加と庄屋の息・一蔵が痴話喧嘩は山室堤道(堤上と農地へおりるY字分岐、ラスト婚礼行列も同所)。
- 普請方・松波が斬られる、大覚寺聖天堂前。
- 仇討ちの多加と一蔵が次席家老と倉田屋に斬りかかる、沢ノ池汀とダート。
*タイトルは多加が大食らいなことから。亡父の枕頭で泣きながら大飯をガツガツ食う姿に、三四郎老人は出陣の武士を見るのであった。
第5話「娘を棄てた母 越すに越されぬ大井川」1999.11.18
大井川を挟んで川庄屋同士の対立あり、両家の子らは慕い合うロミジュリ設定。一方の庄屋は嶋田代官と組み野心ギラギラ、相手を亡き者にとまで企む。ここに昔娘を捨て子した莫連女の母が現れ、死んだ実母から託されたと偽り、貯めた金を渡そうとする挿話が挟まれる。
おじいちゃんたちは、道中奉行や公儀隠密や裏目付に化けて事態の打開を図るが、代官の手下(福本先生、ラス立ちには顔も映らないのにのぉ、うぉぉとのけぞる)に内緒話を聞かれバレバレ、向かってくる一味に「実母」は娘を育ててくれた庄屋を庇い銃弾に斃れる。
ロケ地
- 金谷宿手前の街道筋、病弱な老婆に化けている幻夢を突き飛ばし泉屋の娘に怒られる「大殿」三四郎、山室堤道。
- 大井川、木津川(橋が映らないようにしてある)。
- 嶋田代官所、民家長屋門。松葉屋暗殺の路地はその南塀。
- 出奔した息子を探して嶋田宿へ来る松葉屋、大覚寺五社明神裏手。
第6話「狙われた三万石!虎の威を借る狐狩り」1999.11.25
駿河の小藩・猿沢藩に巡検使来る。はじめ行儀指南や接待伝授で関わる老人たち、しかし藩主が急死してしまい、隠すのに大騒動。家老や下役人の青年に思い入れる御隠居たちはしまいに巡検使を斬ってしまうなどの無茶をやり、藩主に見初められ引き裂かれていた恋人たちの仲立ちまでしてのける。
ロケ地
- 東海道筋に谷山林道各所。
- 藩主の奥方が参詣の寺、龍潭寺。
- お掃除役人・宗方総十郎が巡検使をたばかり密殺しようとする鎮守、鳥居本八幡宮舞殿前(勘兵衛が出てきて阻止・悪党をバッサリ)。
第7話「無理難題お茶壷騒動 麿が関白でおじゃる」1999.12.2
大道芸の最中腰をやった勘兵衛を自宅に伴い手厚く看病する夫婦、亡父にそっくりとにっこり、勘兵衛の涙腺は早やうるうる。夫の宿役人がお茶壺道中の茶頭と警護役に無理難題を押し付けられたすえ監禁され危地に陥るや激昂、あと二人の老人も加わり関白に化けて大狂言を打ち散々に懲らしめるという始末、幻夢特製の怪しの茶を将軍に献上しちゃった茶頭たちは、上様下痢ピーの責を負い切腹との噂が語られて幕。
ロケ地
- 幻夢とお蝶が袋井宿手前でお茶壺道中が居座り諸人迷惑を見る、山室堤道。
- 乾三四郎が越後の縮緬問屋ふう老人(関白・近衛綾麿)と盃をかわす茶店、保津峡落合落下岩上にセット。
第8話「据え膳食わぬは男の恥!されど自信が…」1999.12.9
三河・挙母藩は、淫蕩で奔放な藩主の御生母に振り回され弱り果て。国家老の甥などはお伽要員にされ、藩のためと耐えるが恋人を殺されてしまう。また、自重をつよく求めた家老を襲撃させるなどの悪行に老人たちが立ち向かう…屋根に登って遠眼鏡でいい男チェックしている万寿院の性癖を利用し、幻夢が瓦に油を塗っておくと、きっちり墜死。勘兵衛はチェックに引っ掛かり迫られたり、乾老人は家老に隠密と間違えられたり賑やか。
ロケ地
- お蝶がバイトの酒肆の姪・おみちがお百度、神護寺石段(行き合わせる勘兵衛は毘沙門堂で寝ている)。
- 釣り糸垂れる幻夢と勘兵衛、保津峡落合岩場。
- おみちと家老の甥・求馬がデート、神護寺和気公廟所脇〜林間。
- 万寿院のことで疲れた求馬が佇む水辺、保津峡落合河口。
- その帰途真意を確かめに立ちはだかる勘兵衛、大覚寺五社明神。
- 万寿院に支払いをバックレられた呉服屋が縊死、鳥居本八幡宮舞殿脇の大木。
- 万寿院に自重求めた家老が帰途衝撃される、大覚寺五社明神。
- 三河を発つ老人たち、木津川流れ橋(汀、橋上)。
*家老に中田浩二、ここでは悪役ではなくスクエアな殖産事業に熱心なご家老。
第9話「花のお江戸の大勝負 人生は七転び八起き」1999.12.16
三人とお蝶の正体が明かされる最終話、舞台は江戸。
お蝶は父の仇を討ち果たし、勘兵衛は「妻」と再開し弟の職務を守ってやり、幻夢はお白州でワルを鮮やかに裁き、乾老人は奥歯の治療で死んだことにされ無罪放免、そして残るもの行くもの、散り散りに別れゆく仲良し四人組なのであった。
ロケ地
- 水戸藩上屋敷、大覚寺大門。お蝶が来かかるのは参道石橋。勘兵衛の弟が献上金を運ぶ際浪士の襲撃を受けるのは心経宝塔前。
- 乾老人と勘兵衛が刃を交わす汀、桂川松尾橋上手中州合流付近。
- 勘兵衛と乾老人が左右に別れゆく街道、山室堤下Y字分岐。
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