第13話 「死を賭けた願い」 1972.2.21
秘めた恋と正義に殉じる佐藤慶が、最高にかっこいい一話。
腹をくだし娘馬子に保護された老公と八に、神戸藩のお家の事情に付け込んだ九郎太が魔手を伸ばして来る。「秘密」とバーターで光圀を消せと迫られる家老、まさに土壇場で選んだのは、身を捨てての懇願であった。
ロケ地
- 老公に犬山へお使いに出された助格、老公の口真似をしながら行く街道は木津河原か(砂だけの中州が見えている。二人は葦原に向かう)。直後の段の忍び襲撃の葦原は西の湖園地か(かなり広大)。
- 老公と八兵衛が大量の焼き蛤を食いどぶろくを飲みたおす茶店(富田在)、琵琶湖岸松原に設営。舞子浜と思われる。後段、捜しに来た格さんがお新と鉢合わせするシーンも。
- 案の定腹をこわしよろばい歩く老公と八、もう歩けないところで娘馬子が通りかかる橋は犬飼川下河原橋上。
- 神戸藩(石川家)、お城イメージは上野城天守。
- 賭場で捕まった幸右衛門をひそかに釈放させた家老・中村小平太、秘密を喋りかねないオヤジを斬ろうとする城下の夜道は下鴨神社河合社塀際〜糺の森(大きな倒木が映っている)。格さんとお新が通りかかり介入、幸右衛門を助ける。このあと、昏倒した小平太は九郎太にお持ち帰りされてしまう。
- 小平太の懇願を受け登城する老公、この間九郎太が忍びと急行する道は随心院長屋門前から北西角塀際。小平太の弟の役人が手勢を率い繰り出すのは薬医門前、二つの集団が鉢合わせするのは拝観口前。このあと助格も入って大立ち回りは拝観口前〜薬医門前、両門とも閉まっている。塀に飛び乗ったりするアクションがあり、セット併用。
- 幸右衛門らに見送られ発つ一行、琵琶湖西岸松原(舞子浜と確認、権現崎が見える画も。鵜川から北小松にかけての町並みも映るが、かろうじて高い建物はまだ無いもよう)。
脚本/加藤泰 監督/内出好吉
※もと猟師の家老・小平太は佐藤慶、弟の役人は倉丘伸太郎で娘馬子の鮎川いづみと恋仲設定。娘馬子の父親の幸右衛門が織本順吉(家老の幼馴染、側室の子は小平太の種と思い込んでいる)、博打狂いで老公の出した小判持って即賭場へ。小平太は血のつながらぬ拾い子の妹を好いていたが、彼女は殿に見初められ側室に・のち生まれた世継ぎが月足らずで「疑惑」を呼び、筆頭家老らに付け入られる運び。世継ぎ問題は、老公が二人の御子を見て判断、まるくおさまる。九郎太配下の忍びの一人に福ちゃん、二回出てくる。
→ 水戸黄門 第三部 表紙
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