第16話 「あほんだら兄ちゃん」 1972.3.13
舞台は河内・八尾、晴れて会える弥七とお新を二人にしてやろうと気遣う老公。しかし当地では、お初徳兵衛よろしく曽根崎新地から逃げてきた恋人たちを追って、悪代官たちが繰り出して大騒ぎ。そのうえ、逃げた遊女の父の暗い過去や、グレた兄のどたばたがからまり、過剰な河内弁と相俟ってしっとりした再会など吹き飛んでしまうのだった。
ロケ地
- 八尾の町をめざす一行がゆく道、谷川沿い山中(大和川とか言ってたけど谷深すぎ?)。「右京街道、左八尾久宝寺大坂道」の道標が立つ道隈、北嵯峨農地竹林際。こっちへ行けば宿泊予定の八尾御坊寺内町だが、自分は神宮寺・恩智・教興寺をまわると老公が言い出し、お新一人を弥七と合流予定の八尾へ行かせる。北嵯峨のここは、このあと設定は違えど街道筋として何度も出てくる。
- 京大坂の薩摩屋敷の動向など調べてきた弥七、八尾へ向かう途中代官・弓削と油屋一行にからまれるシーンは金戒光明寺本堂前〜茶所前(一行のヤクザどもがわらわら出てくる)〜参道石段(ここで立ち回り、途中人違いと判明)。
- お久(曽根崎の遊女)が雲助にさらわれ危ないところ弥七が通りかかり助けるくだり、駆け落ち相手の男が吊るされている木は鳥居本八幡宮広場。お久が連れ込まれた古墳(?)も同所に石室入口を設営。
- お久の父・惣兵衛の家(長瀬川船着の近く設定)、木津河原に設営か(葦原のほか、砂地と流れがちらり)。
- 親の家財を売り払って作った金を付け馬に返さず、もう一度博打をうつと言い放つ半次(お久の兄)、常光寺設定の境内は神光院中興堂前。同刻、寺の小坊主に町の様子を聞く弥七は神光院西門から入ってくる。
- お久を金と引き換えに渡すとの半次の申し出を受け、滞在していた寺からどっと繰り出して来る代官一行、神光院山門(源正寺とか書いてあったような)。
- 半次が代官たちをおびき寄せ父の仇を討とうとした古墳、山中の林に設営か。酵素みたいでもある。
脚本/加藤泰 監督/内出好吉
※半次は芦屋雁之助、仇討ちの際膾となり、河内音頭を口ずさみながら逝く。その父の惣兵衛は稲葉義男、代官とはむかしの密貿易仲間で、今回娘のお久のことで二重に脅され自刃。お久に執着していた代官は外山高士。
→ 水戸黄門 第三部 表紙
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