第五シリーズ 2004年1〜3月CX
キャスト
秋山小兵衛/藤田まこと おはる/小林綾子
秋山大治郎/山口馬木也 三冬/寺島しのぶ
第1話「昨日の敵」2004.1.13
田沼さまに遺恨を持つ大身旗本の部屋住み坊ちゃんが、剣で身を立てたい若侍を使って大治郎を襲わせる。小兵衛の介入もあり、若い剣客二人は曲折を経て友情を育てるに至る。
ロケ地
・男児誕生を鐘ヶ淵に告げに走る大治郎、上賀茂神社ならの小川畔(また草履脱げてる・のち刺客出るも同所、真崎稲荷付近設定か原作の目黒か)〜八幡掘白雲橋付近堀端。田沼邸には変わらず随心院を使用、薬医門に大玄関、表書院縁先など。
・小太郎に会いに船をつける小兵衛夫婦、八幡掘白雲橋下堀端。
・百太郎が素振りの稽古の乗蓮寺は随心院裏手の清滝権現。
・大治郎宅へ仕掛ける人数が走る塀際、民家塀。道場裏手から矢を射掛けるくだりは大覚寺五社明神本殿を巧みに使って。襲撃を覚りやって来た小兵衛のシーンに大覚寺有栖川畔(五社明神裏手にいた馬鹿息子に石を投げる)。道場外でのチャンバラや塀越しのシーンに一部丹波国分寺を挿んである。
・百太郎と果し合いは五社明神舞殿前(クレーン撮りあり)、見ていて小兵衛に筋を斬られる馬鹿息子は放生池堤。
*原作「波紋」からは登場人物の名を借りてきただけのような、ほぼオリジナル。
第2話「秘密 かくしごと」2004.1.20
藩主の無体で弟とその婚約者を失った男は主を弑逆、出奔。以来追われる身の男を巡る騒動に巻き込まれる大治郎、暗殺を依頼されるが追うもの追われるもの共に悲哀の色濃く、最後は居ずまい正しく自刃して果てた男を静かに見送る秋山父子なのであった。
ロケ地
・大治郎一家が墓参の今戸本性寺、不明。
・隠宅に酵素と西の湖、田沼屋敷に随心院薬医門といつもの通り。
第3話「越後屋騒ぎ」2004.1.27
江戸で五指に入る蝋燭問屋・越後屋は頑固な大旦那が仕切り、妾腹の娘と通じた手代を責め殺すなどの暗部を持つ。これをネタに出る強請り、脅迫者の正体はごく身近の岡っ引だった。
ロケ地
・冒頭(ラストも同じ)縁日で小兵衛を待つ秋山ファミリー、下鴨神社参道鳥居脇。
・同刻、碁仇のもとから帰る途中上野の山内で誘拐事件に遭遇する小兵衛、仁和寺観音堂前(越後屋の下男がまろび出てくるのは御室桜林、誘拐者が駕籠に幼児を押し込め去るのは西塀際)、追う小兵衛が誘拐者の大男を成敗は随心院土塀にスイッチ。この際負傷した下男を訪ね内情を聞く小兵衛、療養の別院、仁和寺御影堂(蔀戸がのぞく)。
・三冬が嘉助の見舞いに赴く根岸の寮、錦水亭東屋の木戸。三冬に絡んだならず者の大男が入ってゆく越後屋の根岸寮、大覚寺望雲亭。
第4話「狐雨」2004.2.3
無外流のなまくら剣客・杉本又太郎が、恋人の作り話によるプラシーボ効果で一時ポパイの如く力を得、迫り来る主家からの追っ手を「討ち果たし」道場は亡父在りし日のように栄える、というお噺。原作にあった又太郎の恋人の身の上や、お狐さまの妖しい振る舞いなどは七時台のせいか描かれず、改変されている。
ロケ地
・釣りの小兵衛に又太郎のことを相談する大治郎、大覚寺大沢池畔。
・道場から出た又太郎、自分をボコった浪人を見て身を隠す、大沢池堤。
・松平修理之助上屋敷、大覚寺明智門。そこから出た用人を尾行する弥七、下屋敷と周辺は門屋と土塀。
・修理之助の用心棒を始末する秋山父子、上賀茂神社ならの小川畔。
第5話「消えた女」2004.2.10
南町同心斬殺事件を追う弥七たち、このための張り込みに顔を出した小兵衛は、遠い昔抱いた女の面影を当事者の娘に見る。もしや我が子ではと逸る小兵衛、果たして娘は「昔の女」の産んだ子だったと知れるが、そこには小兵衛のもとを黙って去った女の悲しいその後が秘められていた。
ロケ地
・南町奉行所門前、永山斬殺犯探索に散る岡っ引たち、大覚寺明智門。
・小太郎を遊ばせる大治郎夫婦、三冬がこんな暮らしがずっとしたかったと述懐の水辺、大覚寺放生池堤。
・北千住へ向かう小兵衛、中ノ島橋(その前にイメージとして堰堤の落水)〜仁和寺中門(内側)。
・事後、小兵衛に礼を述べまた来てくれと明るく笑う「昔の女」の娘、大覚寺大沢池北東畔・遣水古跡。
・「昔の女」の「今の姿」の幻影を見る小兵衛、伏見稲荷千本鳥居。小兵衛のもとを去った際の「十両」の訳を話す幻影の女、沢ノ池東岸汀。
第6話「その日の三冬」2004.2.17
軽輩のうえ蟇蛙の如き容貌で疎んじられる岩田勘助、最初の主家を殺傷事件で退転、その後娘を助けた縁で雇われた旗本屋敷に犬のように忠誠を尽くすが、再びの令嬢の難儀に振るった刀がいいとこの坊ちゃんを傷つけてしまう。主は彼を労わり涙を零して感謝するが、我が身大事の彼らは優しい顔をして勘助を売るのだった。坊ちゃんの屋敷で主の裏切りを知り、身に数創を受けて勘助は暴発、鬼神のごとく闘ったすえ、町で女を人質にとり立て籠もり。ここへ駆けつける三冬、彼女は井関道場でただ一人勘助を侮らず接してくれたマドンナだった。
ロケ地
・亡母の墓参の三冬、令嬢に付き従う勘助を見る、西教寺墓地〜本堂。
・井関道場時代、稽古帰りに三冬が勘助を誘う茶店(原作設定では不忍池畔「玉むら」)、大覚寺天神島。
・最初の殺傷事件で主家の侍たちに追い詰められる勘助、大覚寺五社明神(クレーンで高所からの撮り、本殿内部を使用)。
・勘助が主にたばかられ赴く青木邸、大覚寺大門。
*勘助を演じるは本田博太郎、立ち会った大治郎をして邪剣と言わしめた太刀筋は腰を低く落として獣じみたもの、懐かしい仕舞人の直次郎を思いださせる。令嬢や三冬に接する態度は変態っぽいが、独特の笑顔との組み合わせで複雑な心情を表現。キレた際のけたたましさと、へいつくばって卑屈な普段との落差が凄絶。
第7話「新妻」2004.2.24
大坂から江戸へ帰るさ、名が同音だったことからいわれの無い襲撃を受ける大治郎、当人に会いわけを聞き江戸へ送り届けることとなる。そして斬り防ぎ倒した追っ手は「大次郎」の舅なのであった。
ロケ地
・道中の宿場風景はみろくの里と瀬戸内の海浜、「濠外」の橋や鬼平劇場版冒頭の無人の宿など懐かしい風景。
・荒井宿を発った二人の「だいじろう」が飯をつかう渓谷は保津峡落合。
・難を避けて泊まる寺、不明。
・長瀬達之助が待ち構える吉田城下手前の豊川、天神川堰堤上の広河原に簡素な木橋をセット。
・「大次郎」が入る江戸城和田倉門外の評定所、二条城本丸櫓門。
・鐘ヶ淵イメージに橘寺手前の畑を水面に合成の画。
*長瀬に林与一、苦衷のすえ娘婿の追っ手をつとめる老武士を熱演、さすがに気品あり。
第8話「鰻坊主」2004.3.2
大治郎が不二楼で見かけた騙りの坊主は「つかみ所のない」行雲流水を地でゆく不思議な男。小兵衛ゆずりの好奇心でウォッチに入る大治郎、騙された浪人たちと御家人が彼を襲撃するのを父子して救うことになる。素性を明かしたあと飄々と去る坊主を見送る二人、季節は時雨から初雪へと変わってゆく。
ロケ地
・「忘れ物」の騙りに欺かれた浪人たちと御家人が切り餅の細工に気づく、上賀茂神社ならの小川畔。
・浪人たちに追い詰められた坊主が川へ飛び込み逃れる深川万年橋、中ノ島橋。流れついた坊主を救う夜釣りに出ていた不二楼の長次、大覚寺大沢池(船上)。
*原作と設定を変えてあるので「毛饅頭」のお下品ギャグは無し、又六も登場せず。
第9話「女と男」2004.3.9
或る日小兵衛が出逢った色っぽい女、再び見かけた折には男に詰め寄られておりそれはかつての弟子と知れる。数奇な運命を辿り、病みついて余命幾許も無い彼を看取ることとなる小兵衛。過去のしがらみは男の死の床にも迫るが、息子夫婦が打ち払うなか小兵衛は逝く弟子を静かに見送る。
静謐のうちに進む話、男の死後過去の経緯も白紙となり儚さ空しさが漂うなか、運命の女は言い寄る男たちの間をひらひらと舞うのであった。
ロケ地
・田沼屋敷、随心院薬医門。
・浅草寺、清凉寺(門越しに本堂)。奥山の料理茶屋「玉の尾」、宝厳院の苔と見たが確信なし。奥山の林間、お絹に詰め寄る高瀬、仁和寺九所明神(背景に東塀も)。
・高瀬の回想、常陸笠間藩城下で出仕の道筋にお絹と行き会う路地、妙心寺大通院裏路地。雨宿りのお絹が高瀬に嫁入りのことを告げる、大覚寺五社明神舞殿。
・高瀬の墓参の小兵衛、真如堂塔前〜墓地。
*池波正太郎の描く色っぽい女を視覚化する難しさ、フォローの意味あいか、弥七らと雨夜の品定めよろしくお絹について談笑する場面や、田沼さまが「一度会ってみたい」などと軽口を叩く場面が挿入される。「懲らしめる」エピソードなど省かれていて、その分お話は静かなものとなっている。
第10話「暗殺者」2004.3.16
大治郎を狙うに凄腕の剣客を手配の元目付、真のターゲットは田沼老中だった。
長編の原作をベースに、義理で絡めとられ妻子を人質にとられ「暗殺者」となる男の心情を軸に描くお話。
ロケ地
・小兵衛が浪川周蔵を見掛ける真崎稲荷の茶店、下鴨神社河合社南東角にセット(浪川は娘を連れ馬場のほうに去る)。
・田沼邸、随心院薬医門と本堂脇の池。
・浪川が元目付・松平伊勢守の配下・小田切に呼び出される浄真寺鐘搗堂、相国寺鐘楼(東側、バックに宗丹稲荷)。
・浪川の妻子が囚われる松平伊勢守深川下屋敷、妙心寺大雄院門と北塀。
・微行で亀戸村はずれの長泉寺へ墓参の「田沼の駕籠」を襲う小田切ら、仁和寺塔裏〜九所明神拝殿。
・剣客商売 表紙
*話数、OA日時は関西地区のものです。
本放送時、地域により放送しなかった回や放送日時にばらつきがあります。
|