第17話 「若様替玉作戦」 1975.7.21
松山城下は若君の祝いで大賑わい、宿をとれずお堂に入った老公たちは、何やら身分ありげな着物を身に付けた少年と出会う。若君にしては口調がぞんざいなその男の子は、替え玉の重責に耐えかね、城から逃げてきたのだった。
おきまりの跡目争い、達者な役者が適所に配されるなか、二役で若様と里の子を演じる子役の演技が光る。
ロケ地
- 松山城イメージ、彦根城いろは松濠端から櫓と天守を望む図。寄った画で、本物の松山城天守も出る。
- 覆面の侍たちに囲まれたお女中を助ける助格、広隆寺東塀際(木あり、祠等あしらい)。婦人は菊千代ぎみ付きの三鈴、襲撃者は次席家老・牟田口の手の者。
- 窮屈極まりない城の暮らしに倦んだ雪松、逃げ出すルートは彦根城佐和口多門櫓裏側の「蔵の扉」〜三重櫓裏の橋〜佐和口多門櫓前の濠端(羽織を投棄)。
- 宿をとれず、助格とも会えないまま野宿を決意する老公、夜道に見つけたお堂は御室霊場・神恵院。隠れていた雪松と会う堂内はセット撮り。
- 丑の刻参りを目撃する弥七、林はセットで、老女が帰ってゆく先は彦根城廊下橋〜天秤櫓。仕えているのはお銀の方。
- 老公の消息を漁師に聞く助格、木津川の汀。このとき土手道を若様付きの藩士・相馬市之進が夕霧山目指して歩き、流れ橋上で追っ手と戦うが、ここへ助格介入の次第。
- 老公らが雪松と山へ向かう道、御室霊場札所間、池端。鳩笛を買ってやるシーンは札所間の坂道。
- 老公の示唆で夕霧山へ急ぐ相馬、馬を駆る道は木津河原か。里のイメージ、「発射台」から見た穴太の里か。
- 相馬の示唆で里を出た菊千代とうめ(雪松の母)、雪松の身を思い引き返す菊千代のくだり、谷川は清滝。渡渉シーンもある。
- 老中の使者・大目付の駒井新八郎が呼ばわりながら馬を疾駆させる街道、大堰川堤か木津か。
- 牟田口らの密談を聞いていた弥七が露見、追われドボンの濠は彦根城濠端、逆回しで水から飛び上がる際の松はいろは松か。
- 侍姿の助格が菊千代を擁し馬を駆る橋、流れ橋上。
- 当地を去る一行のくだり、城イメージに彦根城開国記念館(北からロング)。船で去る一行を見送る雪松は流れ橋上(重信川設定)、夕景のロングにはR1の橋のほか、男山のNTT無線中継所のタワーが映り込んでいる。
水戸光圀/東野英治郎 佐々木助三郎/里見浩太朗 渥美格之進/横内正 霞のお新/宮園純子 うっかり八兵衛/高橋元太郎 風車の弥七/中谷一郎 松平菊千代、雪松/佐藤宏之 うめ/岩本多代 信夫/風見章子 お銀の方/稲野和子 相馬市之進/大和田伸也 中村孫太夫/細川俊夫 牟田口典膳/外山高士 駒井新八郎/穂高稔 村上一角/内田勝正 三鈴/富士谷ひろみ 小林加奈枝 中つや子 浜伸二 峰蘭太郎 森谷譲 山下義明 坂東京三郎 神山和彦 矢部義章 花柳芳右衛門
脚本/安藤日出男 監督/松尾正武
※菊千代付きの老女は信夫、こっち側の家老・中村は城代?我が子を跡継ぎにと願う御側室はお銀の方、牟田口といい仲。勝正は牟田口の腹心。牟田口は印籠出たあとも抵抗、仲間が討ち取られたあと自刃。山に棲む雪松の母・うめは、不義で罰されるところ殿さまに救われた経緯あり、大恩に報いるため息子を差し出す次第。
→ 水戸黄門第6部表紙
|