1994CX/映像京都 渡辺謙主演作品
天保の倹約令下、凶盗跋扈するを放置し民衆の生活を監視し処断する町方、怨嗟の声は世に満ちる。凶盗の件をほじくった北の隠密回りは左遷の憂き目に遭い、五年を経て何者かの手によって召還される。ここから、巨悪を相手のカミソリ半蔵の孤軍奮闘ははじまる。徒手空拳の彼は妖怪・鳥居の手に落ち、信頼する手下の命を犠牲にして内懐へ飛び込み、遠山桜舞うを待つのだった。
ストイックな渡辺謙の板見半蔵、北町の看板をひっさらって自邸に掲げるなどの横紙破りはやらかすが、俎板とか米俵とかはナシでトレーニングはメリケンサック(?)で板をばんばん。凶盗により父母を失い声をなくした哀れな少女を労わるという、色魔とは程遠い設定。
妖怪と言うより変態じみた鳥居甲斐守は鳴き声も不気味に「シッシッシッ」、時おり素っ頓狂な高声を上げ髪を白く染めるなど、主役を食う目立ちぶり。これを津川雅彦が怪演、配下の本田博太郎と二人して異空間を形成する。
贄となる役回りの火野正平も出番短いながら、悲惨な状態の「ダンナ」のため命を投げ出すくだりは涙モノ。
ロケ地
・鳥居邸、中山邸(門、無畏庵)。
・江戸へ帰還した半蔵が南町同心の無体に介入、上賀茂神社ならの小川神事橋〜祠脇。
・板見家菩提寺、龍潭寺(門、墓地)。
・北町看板の件で半蔵を捕えに出役の人数出る南町奉行所、大覚寺大門。
・伝馬町の牢に現れ半蔵と話したあと、まだ妖怪とは喧嘩せぬと呟く遠山金四郎、大覚寺放生池堤(後段、遠山に焦れた半蔵が立ち尽くすのも同所)。
・ぐみが半蔵宅へと渡る橋、中ノ島橋。
・半蔵自身の申し出を受け捕縛に出役の鳥居、仁和寺勅使門。
・遠山邸と小塚原刑場、不明。
・祝宴に向かう鳥居の駕籠を襲う半蔵、粟生光明寺石段(殺陣は踊り場)。
*地上波OAされなかった幻の作品。2004年3月、「ラストサムライ」ヒットを受けCS放送の時代劇専門チャンネルにてOA。
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