時代劇ロケ地探訪   保津小橋


 この潜没橋は、保津川下り乗船場の少し下手に架かっている。このスタイルは各地にあるものと同様洪水対策で、増水時には濁流が橋を越えて流れる。ふだんは車も渡ってゆく、のどかな橋。保津川下りの船が次々とくぐってゆくさまは、見ていて飽きない。

 盤嶽の一生「落としもの」は、盤嶽が拾った胴巻に入っていた大金をめぐって起きるどたばたコメディ。この金は怖ぁいヤクザの親分のもので、マドンナを苦界から救うため駕籠かきの青年が一部使い込んでしまっていることから、事をまるくおさめるため八州御用の十手持ちが一計を案じる。すなわち、盤嶽をすみやかに当地から去らせ、彼が全部盗って逃げたことにするプランである。その、盤嶽を駕籠に乗せて走り渡る橋がこの沈下橋。かなりロングの映像で、一見四万十川かどこかにも見えるが、船下りのため水制を置かず開けてある一角でここと知れる。
新必殺仕舞人「八木節は悲しい村の恨み節」では、悪代官を始末して渡河村の民を救った仕舞人チームが、八木節に送られながら去る橋。20年以上も前で日吉ダム建設以前の映像ゆえか現在と川相は些か異なるものの、右岸側の三本足の橋脚と中央部の一本足の組み合わせは今と変わらない。
暴れん坊将軍9「消えた香炉 正直三姉弟の災難」では、紀州家の家宝の香炉を奪おうと襲う一団が走り渡る、渋谷川の橋。川面から立ち昇る霧が印象的。

 → 保津小橋 ロケ使用例一覧

亀岡市保津町−古世町間


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