時代劇の風景  ロケ地探訪

酵素

− ふたもとの木 −

北側・夏 南側・冬
 小川の下手、水流が谷のエッジに消えてゆくあたりにこの木は立っている。半ば朽ちかけ樹勢も悪いが特徴のある枝振りを広げている。
 この木の使用例で最も印象的なのは必殺仕業人最終話「あんたこの結果をどう思う」で、中村主水と土屋小十郎との激闘が繰り広げられ、霧の中に消える主水にやいとや又右衛門が「中村主水、恐ろしい男よ」と木の傍で呟きシリーズは終わる。
 また翔べ!必殺うらごろし「突如肌に母の顔が浮かび出た」でおばさんが千住坊を刺殺するシーンにも使われた。
豊臣秀吉天下を獲るでは中村在のガキ同士の合戦を木に登って眺める日吉丸の姿が見られる。
炎の奉行大岡越前守では中野の御狩場で暗殺されかかった吉宗と忠相が木のところで肩で息をしていると尾張吉春が空とぼけて現われるという場面に用いられた。
雲霧仁左衛門「松屋襲撃」で裏切り者の山猫の三次を始末する州走りの熊五郎を火盗改の密偵が窺うのもこの木。

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