時代劇の風景   ロケ地探訪

西教寺

− 墓地 −

 境内南側の丘を墓地群が埋める。年代も定かでないほど風化したものから比較的新しいものまで、形も大きさもまちまちな墓石が明るい丘に琵琶湖を望んで立っている。立地ゆえかじめついた暗さは微塵も無く、ここを終焉の地とし眠る幸福すら感じられる。
墓地から大師堂大屋根見越しの琵琶湖
墓地上部から大師堂
対岸に見えるのは守山市付近
墓地南端からの眺望
右端の高層ビルはプリンスホテル
 時代劇に使用されるアングルは墓地内の坂の途中から見下ろす、というものがほとんどである。すぐ下に建つ大師堂の大屋根が映りこむことが多い。
大屋根の向こうにはひろびろとした湖水が望まれる絶景なのだが、鐘化の工場や浄化センターなどの大きな建物があるので折角の湖のビューはぼかされたり大師堂の屋根の途中で切られた画となっていたりする。
 鬼平犯科帳第五シリーズ「盗賊人相書」では、凶賊に殺されたお店の主人夫婦の墓に生き残りの少女・およしが参るシーンで使用された。盗賊改同心のうさ忠が付き添う。
剣客商売「剣の誓約」では秋山小兵衛が亡妻・お貞の墓に参るシーンで使用された。原作の設定は今戸の本性寺。
墓地から本堂を望む

 墓地から本堂の大屋根を望むというアングルも用いられる。この例は京極夏彦「怪」の「赤面ゑびす」で、墓地をゆく又市・百介らの背後に本堂大屋根が映りこんでいる。

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