時代劇の風景  ロケ地探訪

桂川罧原堤周辺

− 嵐山東公園 自転車道 −

嵐山東公園 自転車道起点 堤上の自転車道
 桂川沿いにはサイクリングロードが設けられていて、嵐山を起点として男山の麓の三川合流まで続き、木津川にスイッチし相楽郡木津町まで通じている。起点はお馴染みの中ノ島橋の少し南から始まる。サイクリングを楽しむ人、ウォーキングのおばちゃんなどでけっこう賑やかな堤道にロケスポットがある。
自転車道起点から少し下手に行き桂川が大きく蛇行する地点にあたる嵐山東公園のあたり、対岸は例の嵯峨美短前河川敷の堤がそれで、公園舗道から自転車道の通じる堤道を身をかがめて見上げると、嵯峨の桂川沿いにある建造物が視界から消え「街道」が出現するのであった。
嵐山東公園付近の自転車道堤・亀山と愛宕の間を見る

 ここが使われる設定はたいてい街道筋、東海道や中山道に擬され使われる。シチュエーションは別れの旅立ちのラストシーンが圧倒的に多い。というか、記号になっている。
こうして撮ってきた写真をつらつら眺めていると将に一幅の名画、といった趣でラストに持ってくるにも相応しいインパクトのつよい風景である。

 必殺商売人「嘘が真実かまことが嘘か」では職を求める娘達を騙し慰み者として競りにかける口入屋の裏をとるため中山道を走る正八の姿が見られる。正八はここを走ったあと北嵯峨農道を走り広沢池東岸の堤を走り抜けるという、スピード感に溢れるシークエンスであった。
翔べ!必殺うらごろし最終話ではおばさんの死後解散しそれぞれの道をゆくチームの面々が描かれるが、おねむのゆく街道筋にここが使われている。おぱさんの葬られた山上の墓が交錯する印象深い別れのシーンであった。おねむの台詞「また、独りぼっちか」が胸に染みる。
続・三匹が斬る!最終話では実は姫様だったお千と別れ再び旅立つ三匹がゆく街道はここである。
必殺仕事人・激突!では多用されている。「徳川家康のキセル」では秀の家へ踏み込んだ仕事人狩りに巻き込まれ死亡する幼女・おみよの野辺送りがゆくシーン、「主水京に上る」では上洛の秀がゆく東海道、「最後の大仕事」ラストシーンで思いをかけていた男の息子を伴い旅立つお歌のシーンに使われた。

嵐山東公園付近の自転車道堤・愛宕山を見る

 剣客商売「箱根細工」では父・小兵衛の病を得た剣友を見舞いに箱根への道を辿る大治郎の姿が堤上にある。別の事件で同じ道を辿る小兵衛と弥七の姿も撮られた。
長七郎江戸日記「くの一有情」では足抜け女郎の世話を焼く六さんが幼少時お地蔵さんのお供えを盗んで食べたことを回想するシーンに使われた。
東野英二郎版水戸黄門劇場版では上写真の愛宕山を借景にするアングルが使われていた。

いろんな角度で見てみる
*ここを歩く人に注意*
サイクリングロードなので自転車の通行が多く、カーブ部分の草が茂ってブラインドになっているコーナーでは猛スピードで突っ込んでくるスポーツ走行の自転車が出没し、ぼーっと景色を眺めていると危ないこともあります。人身事故も起きています。

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