巨勢道をゆく

  曽我川源流へ  

 県道120号五條高取線沿いに曽我川を遡る。川は流れを次第に細くしてゆく。御所市内谷地区の南境付近で川は県道と別れJR和歌山線に沿って西側の谷へ入ってゆく。この先入れるような道を探して一旦峠を越え五條市側から回るべく五條市住川町の県営南和団地の中を探す。が、団地の北側は切り立った崖となっていてとても降りられず、元の御所市内谷へ戻ることとする。ところで、この県営団地には透水性舗装がなされていて、曽我川源流部の涵養に一役買っているようで、なかなか喜ばしいことと気分を良くしていると、近くに産廃処分場を見つけてしまい、気分はしぼむのであった。片方で先進的な水源涵養設備を施しながら一方で川の源流に産廃施設を作るというのはあまりにも矛盾してはいまいか。一貫した姿勢を望みたいものだ。
 曽我川源流の絵は内谷地区で撮り、源流部に流れ込む最初の川・重阪川(へいさかがわ)へ。御所市重阪地区の谷沿いの小集落を抜け谷を遡る。山桜が咲き残る静かな美しい谷は、しかし谷底にゴミを不法投棄された悲しい姿だった。

こんな美しい風景の中に家庭ゴミなど捨てに行ってはいけない

  曽我川諸支流  

 まず、近鉄吉野線薬水駅の北方で曽我川上流部に注ぐ朝町川へ。御所市奉膳(ぶんぜ)地区の川合八幡神社横で撮影。社の森には野趣深い藤の花が咲き誇っていて、川風に靡いていた。

朝町川に垂れかかる藤の花 御所市奉膳を流れる曽我川上流

 この後は曽我川沿いを北上し吉野口駅前の柳屋に寄って柿の葉寿司を買う。ここから高取町の高原地帯を突っ切って高取川方面へ向かう。吉野口駅の北・国道309旧道の葛中前バス停付近から山道へ入る。高取町への道は北海道を走っているかのような起伏の激しい切り通しの道で、対向車にもろくに会わない快適な道であった。途中、町営住宅があり、ここを流れる丹生谷という小流を確認し撮影。撮っている間じゅう近くの家の犬が吠えていたが、そのゴールデン・レトリバーは寝そべったまま口だけ動かしている怠惰な犬だった。邪魔くさいなら吠えなきゃいいのに。
 切り通しの道が国道169号に交わる手前でこれも曽我川支流の吉備川を撮る。石材店横の、何ともない小川だが、水は清冽。
ここから、相方の提案で高取川の上流へ向かう。

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撮影日 2001.4.22


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