時代劇拝見日記 2003年11月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪目次テキスト ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ

←2003/102003/12→
2003/11/30

■ 必殺仕掛人 第29話「罠に仕掛ける」1973.3.17ABC/松竹

 嵌められて店は欠所・自身は島送りとなった男、赦されて江戸に戻るが再び冤罪を着て死罪に。彼を女房と結び付けていた鈴は、ワルが男をハメる道具に使われ、女房に男が死罪になったことを告げるしるしとなる。
 ロケ地、札差三人が襲撃される弥生橋、中ノ島橋。山城屋妾宅、中山邸(参道、通用門)
*お白州で猪之吉の無罪を勝ち取ろうとする元締と左内、しかし役人と結託した富商の前には無力、結局闇に始末する仕掛人たち。島帰りを虫けらの如く扱う世間に怒る音羽屋も見もの。
2003/11/29

■ 助け人走る 第4話「島抜大海原」1973.11.10ABC/松竹

 町人との婚姻を咎められて御蔵島に流罪となった女を救い出す話。平さんは、実の父親が御蔵島に送られたことで、その消息も知りたくて行く。波濤を乗り越え着いた島で知るのは苛酷な事実、暴動を起こした流人たちの騒ぎに乗じて女を救い出し江戸へ戻る二人、文さんを呼ぶ島娘の声が波間に哀切に響く。そして本土、狂疾の女に高額の治療代を添えて亭主に引き渡す助け人たち、今度もタダ働き。
 ロケ地、海の情景はマジ海、日本海ぽいが確定に至るもの見出せず。ご赦免の申し渡しが行われる御蔵島の神社、鳥居本八幡宮(舞殿越しに本殿)。川崎宿、女房に会いに飛んでくる信吉、中ノ島橋
2003/11/28

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第127話「あわれ、忍びの恋」1978-1982/東映

 伊賀での師匠が尾張の刺客となって上様を襲うのに苦悩する半蔵。しかも師匠の娘は半蔵と相愛の仲だったが、庭番となるにあたって尾張の恩を受けている師匠と決裂、別れ別れになっていた。
半蔵を案じる上様は庭番をやめて伊賀に帰り幸福をと言い出すが、半蔵は夜叉となった師匠と対決、最後に娘を託されるも当人は自害して果てているのを発見されるのだった。
 ロケ地、伊賀の里、半蔵の恋人・こずえが起居する千徳院を訪ねる半蔵、梅宮大社神苑(池中亭、咲耶池)。将軍参詣の増上寺を爆破のため下見に来る室田の手下・二の源太が半蔵に見露される、仁和寺観音堂。逃げた二の源太を斬って捨てる上様、御室桜林。室田の手先の忍びを探っていて当身を食らわされるめ組のおまち、相国寺鐘楼(袴部分、忍者が出てくるのは弁天社裏の塀の溝口)法堂脇回廊。江戸入りのこずえが訪ねる尼寺・妙光院、中山邸門。こずえを訪ねた新さんが表で話す、湯豆腐嵯峨野塀外の朝鮮石人像前。半蔵が師匠の計画をシミュレートする船番所から南掘割、広沢池東岸(汀〜船上)。室田の死後妙光院に駆けつけ、こずえが自刃しているのを発見の半蔵と上様、中山邸参道(尼僧が耳打ち)梅宮大社神苑門そば。

■ 御家人斬九郎5 第4話「盗賊見習い」2002.1.15CX/映像京都

 雷おこしの依頼で、佐次を斬る芝居までして盗っ人の懐に入り込む斬九郎だが、はじめから正体を見抜かれていて、まんまと三万両もの金を盗られてしまう。
しかしその大盗・三日月長五郎(米倉斉加年)もまた、若い妾と手下に見返られる。そして斬九は、年老いてなおやる気満々の長五郎を見逃してやるが…与えた三両の行方について、西尾と麻佐女さまに狸汁寸前の獲物よろしく括られて責め立てられて、幕。
 ロケ地、斬九と佐次がツナギをとる田原町の天神さんの梅の木、北野天満宮本殿東側の木。材木商から三万両を奪ったあと、船着きで置き去りにされる斬九、嵐峡左岸船着き。捕り方入り捕縛される長五郎の手下の墨染の道達の寺、西明寺(境内〜門内側、斬九と長五郎が様子を窺うのは築地前)
*佐次親分の「死体」は現場から東八に運ばれ、りよ殿が号泣。その後これは芝居とむっくり起き上がった親分、怒られ「悲しませてごめんなさい」…可愛い。でも八重ちゃんにこれは鶏の血だよなんて余計なことを。*斬九が岡っ引を斬って女と逐電、に麻佐女さまは白装束に着替えお家取り潰しの沙汰を待つ。真実は黙っていようとひそひその西尾夫妻の話を聞いたか、その後心痛のあまり抜いた二食分を取り戻すため「河豚など食したい気分じゃトラフグがよい毒にて死ぬれば本望じゃ」わかってやってるに違いないお袋さま。
2003/11/27

■ ニュー・三匹が斬る! 第4話「大騒動!富士の高嶺の御霊水」1994.1.27テレ朝/東映

 富士の裾野の泉湧く日奈村、ここに将軍家側室の寮が設けられる話があり、村を我が物として大儲けを企む富商と、三島代官が結託。村の衆をハメて借金でがんじがらめにして、という企みは、殿様と千両の介入でおじゃん。あきらめきれぬ代官は強権発動で迫るが、三匹に乗り込まれ敢無く皆殺しと成り果てるのであった。
 ロケ地、殿様が腹をこわしてよたよたと行く街道、木津川堤に富士山合成。日奈村の茶店、谷山林道切り通しにセット。観音水に仕立てる泉は酵素河川敷の上手に岩などあしらいセット。陣内が売り出す黄金の観音水、酵素ダート待避所。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第126話「狼の里に罠を張れ!」1978-1982/東映

 尾張の刺客が大挙して上様を狙う。高禄を餌に大御番頭が抱きこまれていて上様ピンチ…なのだが、遠駆け先(将軍自ら狼退治に出ている)で怪我をした馬の口取りの命を救うため、かまわずうろちょろする上様、刺客を見張ってて報告に来た半蔵に「そんなことはいいのだ」…。薬を届ける上様の前に立ちはだかる刺客たちは、先を急ぐ上様にさくさくっと始末されてしまう。
 ロケ地、石神井村の与平宅、酵素河川敷にセット。半蔵が尾張の刺客を張り込む品川の浜、琵琶湖西岸松原。石神井村への野道、幼松の植わった荒地じみた野面、湖南アルプスへんに似るも確信なし。

■ 御家人斬九郎5 第3話「最後の忍者」2002.1.8CX/映像京都

 斬九郎が拾った奇妙な老人は、なんと忍び。永く仕えた女主を亡くした彼が形見に貰った笛、これに先君の隠し金のありかが隠されていて狙われ、母に金を届けにゆく斬九と共にする道中には里入りも含めて忍者出まくり。最後は老忍が辿り着いた女主の生家で、爺さんも忍び技を駆使しての大立ち回りが繰り広げられる。
 ロケ地、麻佐女さまがご満悦の鬼怒川温泉、摂津峡の露天風呂。老忍を一晩屋敷に泊めた斬九が奇怪な忍者たちに連れ込まれる、下鴨神社池跡。その前の縁日は馬場にセット。日光街道をゆく斬九と爺さん、忍者群の襲撃を受ける小休止の水辺は柊野堰堤落差工下。見張りがこれを見下ろすのは保津峡落合落下岩(見上)。その後街道筋と襲撃場所に摩気橋(橋上)摩気神社(境内)摩気民家裏手畑地鳥居本八幡宮(舞殿、広場、石段下)。老忍の亡き女主の生家(廃墟)酵素民家セット(脇に水車セット)
*忍者の描写が秀逸。狙ってくる主体の連中は歌舞いた妙ちきりんな格好、宿の飯炊き女や村の子供が里入りの草というところも見せる。ラストの大立ち回りでは、セットを一部破壊しての迫力ある場面が連続する。*レギュラーメンバーは、斬九郎も含めお遊び要素たっぷりに描かれフレームを形成する。
2003/11/26

■ 長七郎江戸日記2 第4話「手折られた白梅」1988.2.2日テレ/東映

 勘定奉行の汚職を暴かんとした若侍は、信頼した恋人の父・勘定吟味役に裏切られ、同志も恋しい娘も失うという後味悪い結末を迎える。
堅物で篤実そうな吟味役に小林昭二、奉行を脅して一味に加わる段は見もの、二面性ある人物を好演。
 ロケ地、吟味役・加賀爪外記の娘・ひづるが恋人の勘定方の小役人・八田のもとへ同志の死を知らせに走る道、金戒光明寺御影堂大屋根バック〜石段前。八田宅を襲った刺客を尾行する六さん、二尊院紅葉の馬場(見下)。八田らが奉行の手先に捕縛されかかる、仁和寺御室桜林。加賀爪に娘はやれんと言われた八田がひづると話す、御室桜越しに。夢楽堂を訪ねたひづると話す長さん、紅葉の馬場中ほど。殺された同志の墓に参る八田、二尊院墓地。加賀爪宅を探っていて天井槍刺しで手傷負う六さんが足を洗う、二尊院黒門付近の落ち水。事後、失意の八田を励ます長さん、紅葉の馬場

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第125話「二万両で売った恋」1978-1982/東映

 甲州からの御用金二万両が奪われ、警護の人数のうちただ一人生き残った同心が疑惑をもたれる。あくまで父を信じる娘は、め組に助力を要請、新さんも加わったこの動きは敵方に知られ、何度か危ない目に。そして、父からルートを聞き出し一味に売ったのは出世欲に目が眩んだ許婚者と知れる。
 ロケ地、甲州街道の人気の無い道で御用金が奪われる、広沢池東岸汀。父が疑われていると許婚者の同心に聞く多恵、柊野堰堤落差工下左岸。おそのが新さんに事に関わっている札差の件を報告、大覚寺勅使門前太鼓橋(新さんは欄干に腰掛け、おそのは御殿川の中で洗濯)。御用金襲撃犯のアジトになっている札差・大和屋の別宅、望雲亭(生垣に竹柵セット)。大和屋と黒幕の若年寄が密談の屋形船、大沢池北西畔に係留。船を下りたワルの前に立ちはだかる新さん→ラス立ちは五社明神。事後、釣りの新さんに非礼を詫びに来る多恵、広沢池観音島(新さんヘラ鮒釣り上げ)

■ 御家人斬九郎5 第2話「箱根の鬼」2001.11.20CX/映像京都

 鬼蔓の伝吉を箱根に受け取りに行った雷おこしが、伝吉の手下に襲われ行方不明に。江戸へ戻ったお供の佐次は斬九郎に助力を要請するが、ストレートには受けないひねくれ者…と見えて実は西尾の立場を慮ってのことというへんが泣かせる。
箱根へは蔦吉も旅の一座に隠れて入り、芝居を見に来た足柄の元締と、盗賊と結託の関所役人の前に捕らえた伝吉を突き出し、幕。
 ロケ地、伝吉を護送してくる韮山代官所の行列、谷山林道杉林。西尾と箱根関所役人に引渡しが行われるのは切り通し。その後護送の列が襲われるのは保津峡落合崖上の道。西尾が谷に落とされるのは落下岩。箱根の湯治場、みろくの里オープンセット。西尾が失跡の現場を検分の斬九と佐次、落合河口(西尾がおはるに助けられたのも同所)
*箱根行きを渋る斬九、おえんや蔦吉にボロクソに罵られるが、なぜかりよ殿だけは信じていて佐次の旅支度を整えてあるのが笑える。蔦吉が紛れ込む一座の役者崩れの和七郎に三ツ木清隆、なんでこんなにオカマが似合うのか。
2003/11/25

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第124話「男の門出の燈篭流し」1978-1982/東映

 天文方の小役人・渋川平助は極度のマザコン、何につけても母が母が。そんな彼が遠眼鏡で殺しを目撃したことから、運命は動き出し「乳離れ」となる。事件の裏には、贋金作りで私腹を肥やす御番頭がいた。
 ロケ地、贋金作りの工房を邸内にこさえている野尻弾正邸、大覚寺大門。屋敷近くの石橋は参道石橋。平助が見た庭は嵐亭か。贋金の情報を取りに水戸へ走る半蔵、木津川堤。弾正に消された植木職の死体が上がる大川、見物衆は中ノ島橋上、死体は中州下河原。野尻邸を探っていて襲撃される平助、広沢池東岸堤道。ラストの燈篭流しは東岸汀に桟橋セット。
*マザコンの天文方にうっかり八兵衛。

■ 御家人斬九郎5 第1話「迷惑な忠義者」2001.11.13CX/映像京都

 主持ちの侍の忠義と、市井に生きる御家人の正義は、最後まで平行線を辿る。
大掛かりな風評を流し、御用商人から巻き上げた多額の金を遊蕩に浪費する息子を庇う小普請方。これに忠義を尽くす家臣だが、西尾が巻き込まれたことから動く斬九郎の追求はかわせず放蕩息子は詰腹、主は出世を断念という結末に終わる。
 ロケ地、舟津屋と約した屋形船にその死体を見る斬九、大覚寺大沢池舟着。襲う刺客を撃退し追う斬九、五社明神。通りかかった態で出てくる小松新十郎、閼伽井前。佐次の報告を聞きながら石段を降りる斬九、神護寺石段。麻佐女に図り坂崎邸へ赴く斬九、母の駕籠の供をしてゆく路地は妙心寺福寿院への路地。この前に立ちはだかる小松、海福院前路地。小松が出てくるのは大通院裏のクランク。坂崎邸、衛梅院門。
*スクエアさで斬九を閉口させる忠義侍に火野正平、往年の明るい走り役ぶりは鳴りを潜め、冷徹な堅物を渋く熱演。持ち味の軽妙洒脱なアドリブも無し、襟元も緩めずきっちり、足袋もちゃんと履いている。路地での殺陣も、二合で決まるシンプルさがなかなか。ラスト、斬九にわざわざ別れを告げに来るシーンの笑みには昔の面影がのぞく。
2003/11/24

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第123話「溺れて手柄をたてた奴」1978-1982/東映

 水練のできぬ御徒歩組にハッパかける上様、組頭以下ほとんどの者は取り合わないが、奮起する真面目な若侍も。この練習につきあう新さん、調練の場所は越中島で、ここに抜け荷を沈めて隠してあった武蔵屋と、結託している浦賀奉行は困惑、しまいに襲ってきたり。そして、上様の策略に乗って荷を引き上げたところで新さん登場、成敗の運びに。
 ロケ地、御狩場(野原、池)は不明。禁制品出回るを協議の上様トリオ、枳殻邸印月池畔。徒歩組の真下小平太が水練の稽古しようと褌一丁で飛び込む川、中ノ島橋上手堰堤(見物衆は橋上)。事後、徒歩組頭となった小平太が教練の川も同所、堰堤上に陣取り飛び込むのは堰堤上の湛水域。越中島は琵琶湖(北岸の岩がちの磯と思われる)
*水練の稽古では新さんの平泳ぎが見られるほか、蛙にヒントを得た小平太が畳水練のシーンもあり、リアル蛙も登場…。

■ 御家人斬九郎4 第10話「佐次の純情」1999.3.17CX/映像京都

 あちこちで甲斐性なしのレッテル張られ放浪の斬九郎、いま佐次が担当している商家の用心棒に。相次ぐ投げ文に悩まされるその家の後妻、店を畳んで勘当息子にもちゃんと分け前をと見えたはとんだお芝居、芸者上がりの金に汚い毒婦は息子を殺め情夫と逐電、この際張り込み中の佐次が深手を負う。
 今回、各方面から佐次とりよについて突っ込みが入るが、控えめで純な親分は「このまま」母子の面倒を見続ける自分を選択する。
 ロケ地、佐次宅へ居候し損ねた斬九が西尾と茶店で話す、今宮神社門前茶屋・一和
*親分の選択がタイトルの「純情」なのか、しかしりよ殿には生殺しくさいと思うのは筆者の僻目か。なんだかなー。

■ 子連れ狼 第16話「斬殺剣!夜叉面の女 一刀を襲う柳生の罠」2003.11.24ANB/東映

 明石藩の殿様は将軍の子であることを笠に着て横暴の限りを尽くす。別式女を侮りなぐさみ者にした挙句臣下に下げ渡し、再び所望するなどの振る舞い、従わぬ臣下は詰腹。夫を失った別式女は夜叉の面をかぶり殿を襲うこととなる。
一刀にはこれによる幕府の介入を恐れた大目付から、夜叉面の別式女を斬れとの依頼が来るが、裏の事情を看破した一刀は、依頼を「藩を守る」道として定義し藩主を斬って捨て、これを報告に走る柳生の手の者も始末するのだった。
 ロケ地、明石藩歴代藩主の法要が行われる寺、粟生光明寺山門。これを無用と退席する藩主がどすどす歩く、回廊。これを襲う夜叉面の女、本堂縁先。一刀に刺客依頼の大目付、鳥居本八幡宮竹林(大岩と小柴垣)。一刀が元別式女の実家を訪ねその後野営する野は酵素の木の前。依頼者の大目付を問いただす一刀、仁和寺御室桜林(バックに西塀と蔵)。水辺に佇み夫の思い出を噛み締めるお雪、沢ノ池東岸汀。事後、一刀が柳生の手先を斬り捨てる、仁和寺観音堂西の道。明石を去る一刀、酵素ダート

■ 水戸黄門32 第15話「おいらの馬は日本一」2003.11.24TBS/東映太秦

 舞台は三春、駿馬を見てご満悦の老公は、父亡きあと懸命に生きる姉弟宅に投宿、彼らに迫る馬奉行と仲買人(裏の顔は盗っ人を追い使うゴロツキ)の陰謀を阻む。旗本・坂部主計頭の家来で馬好きにして間垣門下の四天王の侍が姉弟の育てた駿馬に百両の値をつけ、少年を主家に伴うメデタシ挿話もあり。
 ロケ地、坂部の家臣・田代が太吉の馬・テツを見初める川辺、桂川(亀岡盆地と思われる)。田代が投宿の安積・如法寺に赴く老公、西寿寺(石段半ばから本堂大屋根、本堂前庭を鐘楼越しのショットも)。田代がゴロツキ仲買人をテツに乗って追い詰める堤道、山室か。
2003/11/23

■ 必殺からくり人 第2話「津軽じょんがらに涙をどうぞ」1976.8.6ABC/松竹

 越後の流れ瞽女を殺め娘の目を潰した非道な男は、その後も各地で悪辣な所業を重ね江戸一の金貸しに。そんな男でも持つ贖罪の念、毎年催していた花火大会に「菩薩」の名を冠したことから天平の怪しむところとなり、ここからアシがつく。
弥蔵が瞽女を殺める動機、悔悟の念に眠れぬ大蔵屋が求める時さんの波枕、憎い仇を求める瞽女・おゆうの昔語りに重なる絵など、見所多し。
 ロケ地、身を投げるおゆうに行き合わせる時次郎、中ノ島橋(落)。大蔵屋の「千両運び」を木場の橋に襲う六人の浪士のエピソード、木津川流れ橋。菩薩花火の夜、大蔵屋が乗り込む屋形船、大覚寺大沢池舟着き。これを狙って隠し堀を走る時次郎と藤兵ヱ、有栖川河床。大蔵屋の船を大沢池溢水口から窺うという趣向。
2003/11/22

■ 鬼平犯科帳4 「俄か雨」1993.1.27CX/松竹 通算72話

 火盗改の勘定方同心・細川峯太郎が、市中見回りの役に就き、嫁を貰う経緯とそれに絡むエピソードを描く一作。細川の逸話の原作二本をつなげてある。
堅物に見えて、祝言の後も茶屋女に未練たらたらの細川が、雷の如くの平蔵の叱責を受け縮み上がるさまが活き活きと描かれる。
 ロケ地、浮気の虫騒ぎ、墓参と称し外出の細川、目黒感得寺の墓地は真如堂墓地裏手の路地(塀と小橋)。目黒不動門前の桐屋(黒飴が名物)仁和寺茶店参道。鳥羽の彦蔵を見かける堂裏、仁和寺観音堂西の路地。尾行する林、御室桜林(塔バック)

■ 鬼平犯科帳4 「むかしなじみ」1993.2.3CX/松竹 通算73話

 相模の彦十が、ばったり会った昔馴染みの盗っ人仲間に泣き所をくすぐられて騙され、盗みに参加しかけるが、鬼平は手回しよく彼を事から遠ざけるのだった。
 ロケ地、医者通いの彦十が網虫の久六に声をかけられる本所二ッ目橋、上賀茂神社ならの小川神事橋下手水場。彦十のことで急な呼び出しを受けたおまさが走る、大覚寺放生池堤。五郎蔵とおまさが五鉄の亭主をこっそり呼び出す、上御霊神社本殿裏手〜茶所。押し込み前のトレーニング彦十、粟生光明寺山門右手の林間と思われるが確信なし。盗みに出かける彦十が鬼平差し回しの人数に「拉致」される本所五間堀弥勒寺橋、中ノ島橋。彦十が連れ去られるのを見るおまさのバックに堰堤の流れ。
2003/11/21

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第122話「女親分!め組のおさい」1978-1982/東映

 町火消し創設に際し猛反対して失脚した老中が定火消しを使嗾し、め組に陰謀を仕掛けてくる。ハメられたのはおさい、女侠客気取りで喧嘩の仲裁していて、過って人を死なせてしまう羽目に陥り入牢。しかしこれは芝居で、金に困っていた茶店の親父が強要されたもの。忠相の機転で放免となったおさいを襲うガエンから事が割れ、ワルの屋敷に上様乗り込みで幕。
 ロケ地、元老中・能勢愚庵の寓居、大覚寺望雲亭。張り込んでいた南町回り方同心・宗方が消されるのは望雲亭と有栖川の間の細い路地。おさいが与作の茶店で乱暴を働くガエンの一人を池ボチャ、大覚寺放生池堤
*元老中の悪企みを暴くきっかけとなった南町回り方に火野正平。小っこい真ん丸眼鏡をかけた、真面目そうな小役人態。「私の記録の集大成から算出しますと間違いなく裏で何かが行われていると確信し尾行しましたところ」云々と立て板に水の口説、尾行の際の走りっぷり、さすが「走り役」をやらせてはピカ一の正ちゃん。開始十分で消されてしまう役ながら存在感たっぷり。通夜には上様も来てくれるし。おとなしく死んでる正ちゃんの枕頭に置かれた真ん丸眼鏡が可愛い。*大根持って喧嘩に介入し、おそのの援護射撃で乱暴者をのすおさい、以降いい気になってブイブイ…おそのの行為は罪深いのでは。

■ 御家人斬九郎4 第9話「追われもの」1999.3.10CX/映像京都

 斬九版幕末秘史、「大塩平八郎は生きていた?」の巻。
凶作続きで米が不足しているところへ、富商たちの物流操作で庶民は米も食えず難渋。貧乏御家人宅も例に漏れず飯櫃は空っぽ、蕎麦を啜る日々。
そして、舟久で会った新顔の芸者とコンタクトをとる訳ありげな武士。大坂東町奉行所から来た同心たちが追うその男、大塩平八郎。大坂での戦の話を聞かされ民富論ぶたれても、ハァ?な斬九郎がおかしい。そして斬九は、追い詰められた大塩が斃死する場に立ち会うのだった。
 ロケ地、息子の金をくすねた麻佐女さまが鰻重を食らう「江戸前大蒲焼」の料理屋、大覚寺望雲亭(門と座敷、座敷からは大沢池心経宝塔が見えている)。鰻屋からの帰途、麻佐女さまが雲助に絡まれるのを助ける「大塩」、相国寺大光明寺南塀通用門前。麻佐女を送り届けてくれた「大塩」を追いかける斬九郎、南塀を墓地門越しのアングル。夜、おしのを襲い止めに入った蘭方医を刺し殺す富商・鴻池のボン、上賀茂神社ならの小川畔。舟久の二階からおしのが走るのを見る斬九、八幡掘(東端部分窓越しのショットおしのを追いかけて現れる斬九は舟橋付近)、大塩の最後の地となる街道筋の河原、木津河原と思われるが確信なし。

■ 必殺仕置屋稼業 第22話「一筆啓上墓穴が見えた」1975.12.5ABC/松竹

 賭場を開帳する寺と組んで私腹を肥やす寺社回り筆頭与力、寺社回りの甥二人を引き入れ利用しようとするが、悉く失敗。この過程で買った恨みは、仕置人によって身に跳ね返ってくることになる。
 ロケ地、祥雲寺、相国寺(庫裏前、回廊、墓地、大光明寺南塀)。門は心当たり無し。寺社奉行所、相国寺林光院門。千住堤へ棄てられる清吉(筆頭与力榊の甥・清二郎)の死体、桂川松尾橋上手右岸汀。
*伏見屋の死体を埋めた墓地、これを掘り返す町方の捜索風景が仕置の場となるが、ブロック塀丸映りながらなかなか雰囲気。ここが今出川旧流域なことを思わせる小溝など映り興味深いが、ここの墓地入ると監視カメラが作動するのよね。
2003/11/20

■ ニュー・三匹が斬る! 第3話「先乗り源五、素っ首賭けた不義密通」1994.1.20テレ朝/東映

 石高を傘に着た大藩の横暴は、小藩の小役人のひそやかな恋を蹂躙し死に追いやることとなる。民を思い家臣を気遣うフランクな藩主の、家宝を捨てての行為も届かず、ワルは三匹の怒りの鉄槌を受ける。
 参勤交代の先乗りを務める矢島藩の小役人に若林豪、女には奥手っぽい、しかし芯の通った中年武士を好演。でも千両が彼を呼び捨てにするのがちょっと違和感。
 ロケ地、道中風景、不明。遠州屋の内儀との関わりを千両に話す大野源五衛門、大覚寺放生池堤

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第121話「知るや南のうらみ節」1978-1982/東映

 暴将で定期的にある琉球もの。今回はいきなりお姫様を助けて、事情を聞いて島津をハメにかかるという趣向。姫を連れて薩摩藩邸に乗り込んだ上様、詭弁を弄して琉球への賦課を減額させる。ラス立ちは、姫を見送りの際かかってくる忍の一党と浜辺でチャンバラ、首領をマジ斬りする上様が見られる。
 ロケ地、辰五郎とピクニックでお昼をとっていて安南姫と従者が襲われるのを見て助ける新さん、木津河原(背景に富士山合成)。薩摩藩邸、竹姫の回で尾張屋敷だった門の前に石橋の寺、不明。庭は相国寺大光明寺石庭。助けた女のことを話す上様トリオ、枳殻邸印月池畔。姫から聞いた琉球の惨状を忠相に話す上様、枳殻邸回棹楼。姫を見送る浜辺で開聞党とラス立ち、琵琶湖西岸(背景に富士山合成)
*開聞党の首領に汐路章、手下に福ちゃん。

■ 御家人斬九郎4 第8話「狙われた女」1999.3.3CX/映像京都

 親の事情で泣く泣く嫁いだ女だが、人格者の夫に心酔し幸福な日々。しかし「前の男」は彼女を思い続け、しかも禄を失い無頼に身を投じていた。男は女の息子を誘拐、斬九にかたてわざが舞い込んで来る。
 ロケ地、宗隆寺の実家の墓に参る美津、西教寺墓地。田所采女を呼び出し事情を話す斬九郎、広沢池西岸(水無)。美津が土岐仙之助と会う(婚前の密会も同所)竹林、わらびの里か。仙之助たちのアジト、酵素民家セット。人質交換のかけすの森、下鴨神社糺の森池跡
*田所の息子誘拐事件でのかたてわざを持ち込むのはるい殿。不首尾にはいつものように嫌味をがみがみやるが、斬九の話に耳を傾けるなどどこか親しげ。
2003/11/19

■ 長七郎江戸日記2 第3話「帰ってきた逃亡者」1988.1.26NTV/東映

 長さんが拾った熊のような浪人は、三年前に無実の罪で詰め腹を切らされた家老の遺命を果たすべく雌伏していた。しかし見掛け倒しで人など斬れぬ男、妻子との穏やかな暮らしを望む彼に助力の長さん、悪家老を成敗。
 ロケ地、藤井浪人が息子の寺子屋を覗きに行く、大覚寺護摩堂。その後長さんと行く道、放生池堤。祭りが行われている天神さま、辰夫婦の漫才は五社明神。藤井に決起の話をする三田村(藩士・妻の兄)広沢池東岸(水無し、灯籠を池底にセット)。妻子を置いて旅立つ藤井が通る関所、大沢池堤に柵セット。長さんのとりなしで復縁の夫婦、任地に向け旅立つ親子、木津川流れ橋上。
*妻子が待っていてくれるか否かのサインに、門口に手拭…高倉健かお前は。*悪家老に河合伸旺、夜中に小判を数えてほくそえんでいるところを長七郎ぎみに乗り込まれる。障子に映るシルエットを誰何し、自らばりーんと障子破って外へ。*ラス立ちに福ちゃん。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第120話「花咲ける女武士道」1978-1982/東映

 上様が認可した私塾が気に食わぬ高家衆、御前で嫌味を言うだけでなく、塾潰しを画策し御政道にシミをつけようと図る。め組のおまちが通う伊勢塾にも高家の手先の女史が乗り込んできて大騒動、しかしすったもんだの末その師範は生徒たちにほだされ毒気を抜かれてしまう(このへんちょっと学芸会ふう)。そしてお役を免じて貰うよう高家に申し出た女師範は始末されかかり、おまちはじめ生徒たちは仇討ちに高家に乗り込み「中条出て来ーい」…飛鳥ひろしの強引な脚本は力強いのか甘いのかよく判らないが、暴将には合っているのかも。
 ロケ地、伊勢塾に中山邸(通用門、参道)

■ 御家人斬九郎4 第7話「武者修行」1999.2.24CX/映像京都

 珍しく朝から素振り、酒飲んでないので朝餉もきちんと頂き、あまつさえ自ら母に金を差し出す斬九郎、怪しむ周囲。やっていたのは道場破り、いい気になってる彼に蔦吉はそのうち痛い目見るよと言うが、その通りにドツボはまり。果し合いの助っ人つとめた斬九、見事に騙され罪を着せられ入牢する羽目に陥る。
雷おこしに牢から出してもらった斬九郎、まっすぐ相手に向かってゆき、しかし髻を切るにとどめる。釣り餌の女が実は人妻というしまらないオチもついていて、情けないことこの上ないのであった。
 ロケ地、浮かれ斬九が素振りの真似して女たちに忌避される橋、中ノ島橋。藤井と果し合いは大覚寺天神島

■ 助け人走る 第3話「裏表大泥棒」1973.11.3ABC/松竹

 茶碗フェチの高慢な妾の歓心を得ようと、戸沢家の家宝の赤井戸茶碗を助け人に盗ませる富商、もちろん話は取り繕ってあるが、この盗難の件で腹を切った御納戸役がたまたましのに岡惚れしていた侍で、文さんのお気に入りだったからたまらない。仲立ちをした隠居は自ら筋を通しに富商のもとに乗り込むが、じゃらんじゃらんと積まれる大金に隠居の手下が狂わされ、主を刺し殺し後釜に座るという暴挙に出る。しかも富商は彼に助け人の始末を命じるのだった。
 ロケ地、おしのの茶店に今宮神社高倉。仕事に入った利吉と平内が見張る新庄藩邸、相国寺大光明寺南塀(窓越しの画、セットか合成か)。妹に手出したといきり立つ文さんにボコられる新庄藩御納戸役の若侍、金戒光明寺長安院下坂
*主を殺すに至る伊太八の心情を目で語らせる、演ずるは志賀勝。その後の開き直ったワルぶりもなかなか凶悪で見せる。
2003/11/18

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第119話「竹姫様 涙のお輿入れ」1978-1982/東映

 二度も婚約者に死なれ不遇の日々を過ごす綱吉の養女・三の丸さま、これを道具に上様失脚の陰謀を巡らす尾張の留守居役。総登城の折上様を糾弾の悪企みは直前で封じられメデタシの運びに。陰謀のプロセスで、娘婿を殺されかかった同心の逸話など絡む。
 ロケ地、竹姫のいる三の丸、芸人を招いての宴は相国寺方丈から法堂を望む縁先。尾張の使嗾で貢物を献上させられた藩の役人同士でぶちぶち愚痴は法堂と方丈をつなぐ回廊。人見同心が憤然と立つ尾張屋敷、門の前に石橋、不明。庭番たちが上様にツナギ、相国寺弁天社。竹姫が柳の局に千両の打掛のことで嫌味を言われる庭、枳殻邸侵雪橋上。尾張大納言の密書をもたらす早馬が走る道、酵素ダート大覚寺参道石橋。留守居役にこれを注進の藩士が走るお廊下、不明。
*柳の局と加納じいの罵り合い、「女狐」「嫌味かまきり」でつかみ合いに。竹姫に嫌味の局、りつそっくり。

■ 御家人斬九郎4 第6話「脱獄」1999.2.17CX/映像京都

 朝右衛門急病で斬九郎にお鉢が回ってきた首切り役、しかし当の罪人は恋しい女に一目会いたくて脱獄、逃亡。舟久に入り込み蔦ちゃんまで人質にとられたり。
同じワルなのに片や死罪、片や出世の運命、男の恋人を無理矢理妾にし、しかも保身のため男も妾も斬って捨てる悪党与力は、上弦の月のもと、斬九に送られることになる。…首切り代はどうした。
 ロケ地、雨の夜脱獄の岩蔵、有栖川河床。お浜宅へ来た編笠の武士を尾ける斬九、舟がゆくのは大覚寺天神島裏手。悪辣与力・山神がお浜を隠してある出合茶屋、望雲亭(主屋、門)。蔦吉を人質に舟でゆく岩蔵が上陸の向島、広沢池と思われるが暗くて確信なし。

■ 同心暁蘭之介 第25話「ひと質」1982CX/杉友プロ

 福本清三ゲストの、空前絶後先生出まくりの回、永久保存もの。
筋立ては、許婚者を留守居役にとられた軽輩が暴発し刺客となって市中にこれを襲うが、手傷負わせるのみの失敗に終わり、町方に追われ立て籠もるというもの。
福本先生、はじめこそフツーの侍だけど、湯舟で蘭之介に見露わされて以降は元結もはずれたザンバラ落武者ふうで浴衣の着流し。女でも容赦なく斬る斬る。騎馬で市中を駆ける駆ける。岡っ引の辰吉をいたぶったり、間接表現ながら××シーンなんかもある。立て籠もりも湯屋と寺子屋の二回あり。恋人の自刃を見た藤堂平之進は、子らを解放し藩邸門前で蘭之介と対峙、憎い相手の鼻ッ先に思い切り前傾姿勢で壮絶な討ち死にを遂げる。
*湯屋から馬で逃げるくだりは見もの、障害を難なくクリア。剣客設定で、殺陣もシャープそのもの。台詞もたっぷりばっちり。

■ 必殺仕置屋稼業 第21話「一筆啓上狂言が見えた」1975.11.28ABC/松竹

 強欲な三原屋に父を謀殺された娘は、狂気を装い密かに仕置依頼をするが、芝居と露見してしまい、隠していた札差の株も奪われてしまう。そして、仕置に入った主水は娘が吊るされているシルエットを見るのだった。
 三原屋の番頭の元軽業師に蟹江敬三、手裏剣の達人で探りを入れた主水を縫いとめ脅しつけるなど活躍。最後は印玄に誘い出され屋根落としに。
2003/11/17

■ 子連れ狼 第15話「我が子よ!子を守る父二人…涙の絶唱!」2003.11.17テレ朝/東映

 大五郎を助けてくれた元武士・谷口半兵衛、、その息・与一郎は三年前母を亡くした事件のトラウマで物言わず気弱く、村の子らにも侮られ暮らす身の上。これには城代家老の苛烈なリストラ策が関係しており、一刀の受けた暗殺依頼はこれがもとで身を堕とした武家の女たちから来ていた。そして、殺到する柳生から大五郎を守った谷口は落命、しかし死の間際彼は息子が言葉を取り戻し正気に立ち返るのを見る。
 ロケ地、谷口の暮らす小屋、酵素河川敷河畔にセット。今回はここで主たるドラマが展開、ダートも使用。高遠藩城下町イメージに仁和寺参道塀。家老暗殺に失敗した若侍たちが追われるのを一刀が助ける、仁和寺九所明神

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第118話「女狐が泣いた人情纏」1978-1982/東映

 大奥の畳替えを巡り陰謀が展開、珍しく贈賄もはねつける柳の局。それには、彼女の出自に関する秘事、畳職人を父に持つ局を父の臨終に立ち合わせてやり、彼女を襲う若年寄の魔手からも護ってやる上様なのであった。
 ロケ地、ラス立ちの神社、不明(月読神社に似るも小屋根の材一致せず)

■ 御家人斬九郎4 第5話「罠には罠を」1999.2.10CX/映像京都

 かたてわざで預かった備前長船の名刀をコソ泥にやられるお間抜け斬九、白魚の吉次に力を借りることになるが、彼は賭場で捕まり牢の中。しかも刀は高家の若君の元服に贈られる代物、二日と時間を切られるなか、どたばたと話が展開し、依頼者切腹寸前で長船は戻る。
 ロケ地、西尾や吉次と相談の堀端は八幡掘。刀を入手し叔父の失脚を狙う旗本の若様をおびき出し長持の鍵を掏ったり、刀持って走ったり、どら息子の若様で長船の試し斬りしたりする路地には妙心寺を使用(大庫裏裏クランク・衛梅院前・玉鳳院前・涅槃堂前・福寿院道)

■ 水戸黄門32 第14話「浪花娘の母恋一直線」2003.11.17TBS/東映太秦

 舞台は奥州二本松、特産の種紙を横流しの次席家老を成敗するお話、城下へ母探しに来る娘のエピソードが挿まれる。母求める娘にゲストは、山田花子…。
 ロケ地、種紙を納める荷駄がゆく道、大覚寺大沢池堤。出立の一行、嵐山公園の林間。
2003/11/16

■ 必殺仕掛人 第27話「横をむいた仕掛人」1973.3.3ABC/松竹

 軽妙な旅もの、ターゲットは切支丹伴天連という毛色の変わった一作。
娘を奉行所の役人に娶わせ身の保全を図る富商・町田屋が依頼者、当の娘は切支丹にハマっていて、これがバレると大変とばかり梅安たちを急かす急かす。
はじめ伴天連が悪い!と意気込む梅安だが、信心堅固な彼らを見て毒気を抜かれ、しまいには彼らを逃がし捕われの身となってしまったり磔刑台にのぼらされたり。破天荒に進行するストーリィ、命じられた仕掛をし了せなかった言い訳は「元締めは宗教関係ダメだから」って、いいのかそれで。
 ロケ地、入洛の梅安と千蔵、中ノ島橋上〜御室桜越しの仁和寺塔大文字金戒光明寺長安院下坂と鐘楼(塔と大文字はイメージ)。切支丹信者火刑と梅安の磔刑の四条河原、不明(背後の山並みは湖北っぽい)。切支丹船で逃亡の海浜、琵琶湖西岸松原汀。

■ 必殺仕掛人 第28話「地獄へ送れ狂った血」1973.3.10ABC/松竹

 仕掛人・源次郎が受けた困難な仕事は理不尽なものだった。彼と旧知の梅安は、ターゲットの侍が保護している女を診て不審を持ち、源次郎の仕掛を止めることとなる。
裏の事情が明らかとなり、仕掛への張りを失った源次郎は、筋の通らぬ仕事を仲介した元締めを殺し、梅安はおおもとの変質者の殿様を始末するのであった。
 ロケ地、石川友五郎に斬りかかり返り討ちに遭う仕掛人、粟生光明寺石段。石川が女を保護している芝・常在寺、神光院(山門、本堂裏手)。浜町の嶋田大学屋敷、大覚寺(万吉が三沢用人を呼び出しに赴くシーンは大門内側、梅安と万吉が様子を窺いにゆくシーンは明智門)。嶋田の父の法要が行われる芝聖坂の功運寺、不明。嶋田の死に気づいた家臣たちが曲者を追って走る聖坂付近、梅安と源次郎は平然と擦れ違う、下鴨神社河合社塀際。

■ 鬼平犯科帳4 「深川・千鳥橋」1993.1.10CX/松竹 通算71話

 業病に取りつかれ死を覚悟した男は、最後の時間を情婦とともに暮らすための金を作ろうとする。大工の彼は、仕事先の図面を盗賊に売るという裏稼業を持っていた。盗っ人の間で伝説となっていた札差の間取り図、これを本格の盗賊に売ろうとした男の目論見は外道の企みで破綻、殺されかかるところを救ったのは火盗改の討ち込み、彼の女が思い余って訴え出たものだった。
 二人して労咳病みの万三とお元を放免してやる平蔵、密偵に約した金鉄の言は、人情たっぷりに果たされる。
2003/11/15

■ 助け人走る 第2話「仇討大殺陣」1973.10.27ABC/松竹

 高田馬場で評判をとった堀部安兵衛を雇った浅野が羨ましい殿様、昔の事件を蒸し返し、仇討ちを強要。しかし討たれる側の侍は、藩のためを思い公金横領の奸物を果し合いの形で討った忠義の士。これと懇意の清兵衛は、自らが依頼者となりチームを動かす。
仙石原で行われる仇討ちには助太刀が15人も用意されており、平内と文十郎最後にはへたへた、女も酒も要らんとススキ原に沈むのであった。
 ロケ地、文十郎が船のもやいを切って流してしまう狩野川の渡し、嵐山公園中州。仙石原へ向かう山道での戦闘、保津峡落合落下岩落合河口。水中での殺陣もあり。

■ 大魔神 1966.4.17大映京都

 久し振りに拝見。今も色褪せぬ作りに脱帽。若君の磔刑台を引き抜いてくれるのはいいけど、なんかポイって放り投げてて笑える。若君「わあっ」って言ってるし。ネエちゃんとガキには優しいお約束も良し。お決まりの、ワルやっつけたあとお鎮まり下さいお帰り下さいっつうのは好かないんだけど、ガメラ呼ぶ小憎たらしい我儘小僧とは違うからいいか。
 ロケ地、封じ込めの神社、鳥居本八幡宮よね、アレ…イマイチ自信ナイけど。滝、天滝みたいだけどこっちも確信まるで無し。
2003/11/14

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第117話「天下御免の盗ッ人修行」1978-1982/東映

 尾張公を推していた元若年寄が、神君の脇差を盗み出し、上様の面目を潰して返り咲きを画策。また、これを自ら取り戻しに行く上様、元盗っ人に弟子入りしちゃったりなんかする。
師匠に選んだ老人は「本格」の筋金入りで、島での贖罪も終えているが、かつての弟子が仕出かした脇差泥棒により始末を決意、そのうち単身ワルの巣に乗り込んでヤラれかかったり。駆けつけた上様、大立ち回りを演じワルは成敗。
 ロケ地、尾張屋敷、不明(築地を脇に持つ門と石橋)。脇差が盗まれたことで善後策を話す上様トリオ、枳殻邸傍花閣前の遣水汀。そこへわたわたと橋を渡って脇差の件を糺しに来る老中・鷹野備前守、侵雪橋。これを追っ払ったあと忠相がムササビの吉兵衛の話を出す、回棹廊上。橋の欄干を歩かされる盗っ人修行の新さんが思い出す槍のステップの回想シーンに印月池畔。ラスト、脇差間に合って儀式に望む衣冠束帯の上様、ゲストハウス前に幔幕。

■ 御家人斬九郎4 第4話「恋文」1999.2.3CX/映像京都

 大黒屋へ来た嫁御寮は、斬九郎の初恋の人に酷似。少年の日の甘い思い出にデレデレ斬九にムカっときた蔦ちゃんの「観察」は、女の素性を暴くことになる。
そして大黒屋への企みは潰え、町方により盗賊輩は捕縛されるが、事後隠密回りから知らされたのは、「初恋の人」の三年前の死亡だった。
 ロケ地、佐次が番所へ出向き「初恋の人」の婚家の聞き込み、金戒光明寺長安院下坂を見る位置に路地を隔てて番屋をセット。大黒屋の先代の法要、刺客の出る墓地、二尊院墓地。斬九郎に逃がして貰ったお玉が乗る渡し舟、保津峡(嵐峡近く)。舟久前の船着きに佇み操どのは易々と死なないなどと言い蔦吉に剣突を食らう斬九、広沢池東岸(見返りは舟久のセット)

■ 必殺仕置屋稼業 第20話「一筆啓上迷夢が見えた」1975.11.14ABC/松竹

 筆頭与力の急死に始まる、後任を巡る大騒動。奉行の指示で候補三人から入札となり、冗談のような選挙活動が始まる。富商の賄賂飛び交い、有権者の同心たちに周旋して回る候補者たちのどたばたがコミカルに描かれる。田中金権政治破綻後の世相を反映してか、皮肉たらたらの表現がそこここに。
はじめ材木屋殺しを市松と思わせる演出があったり、刺し技系の同業者とおでん屋で対決する市松の場面はなかなか(竹串でおでん刺して食う市松)
 ロケ地、筆頭与力酒井の葬儀、相国寺大光明寺門の内外。樋口与力に入れあげる深川の材木商・檜屋が暗殺される橋、夜の中ノ島橋(檜屋はドボン)
*奉行に志村喬、冒頭入札を命じ、ラスト入札の席にそんなこと言ってないと現れ話を締めてゆく。大坂から研修に来たという同心に花紀京、オッズを作ったりする。
2003/11/13

■ ニュー・三匹が斬る! 第2話「拝領のお鷹で儲ける悪い奴」1994.1.13テレ朝/東映

 幕府から押し付けられたお鷹には鷹匠がついてきて、葵の紋を傘に着てブイブイ、藩主もげんなり。冥加金を出さぬ商家は消され、逆らった下役は罠に落ちる。当のお鷹を好事家に売り飛ばして大儲け企む鷹匠たちは、ブチ切れ三匹に乗り込まれてしまう。
 ロケ地、縁日で露天商の陣内、お鷹の行列が通るのは大覚寺五社明神。陣之介のおむつ替えの陣内、護摩堂縁先。牛若城、福井・丸岡城天守。料亭で豪遊の鷹匠たちのもとへ殿様が嫌味をかましに行く、中山邸門。お鷹様餌取役の筧がいなくなった秀丸様(鷹)を探し歩く雨の道、大沢池堤。彼が下男の制止を聞かず鷹匠らを討つと行ってしまう道、放生池堤。鷹匠らとグルの骨董屋・よろず屋の城下はずれの別邸、中山邸通用門。筧らが三匹を見送る街道筋、山室堤道(藩主も騎馬でやって来る…田中さまが)

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第116話「虎に食われた悪い奴」1978-1982/東映

 寺社地に悪所を作らせ私腹を肥やす寺社奉行、屋敷内では祝言間近の女中に目をつけ宿下がりを許さず蔵に籠めるなど悪辣。娘を返して欲しくば、と親の大工には悪所作りに邪魔な長屋を放火させようと画策したり。
思い詰めた棟梁は、酒をあおって奉行宅に乗り込み。消されかかるところへ上様の扇はきちんと飛んでくるのだった。

■ 御家人斬九郎4 第3話「大利根の月」1999.1.27CX/映像京都

 斬九版ウラ天保水滸伝。笹川の繁蔵の情婦を若村麻由美が演じるなど、お遊び要素たっぷりの一作。斬九はその情婦・お町の用心棒に雇われ下総へ。おきまりのメンバーが次々出てきて大出入りへと展開してゆく。で、乱戦に介入した斬九郎は繁蔵を斬ってしまうのだが…理由は、繁蔵が女の危機に目もくれず寂しく死なせたこと。平手造酒とのエピソードもたっぷり。
 ロケ地、お町と下利根へ向かう斬九郎、もう少しで利根の渡しの街道筋、山室堤道(堤外地へおりる分岐路)。弁当を使う河原は近くの桂川か(水流から右岸と推定)。飯岡の手下に突っかかられる山道、谷山林道分岐道。平手造酒の家、剣客商売やどら平太で使ってた高台の山門の寺、不明。飯岡屋敷外をゆく平手造酒と斬九郎、例の土塀、途中ラウンドしたアレ…未だに判らず毛が抜けそうになる。飯岡屋敷からお町を連れ出し、繁蔵のいる山へ向かう斬九郎、手下に誰何される崖道、保津峡落合崖上。平手を送って行った飯岡の手下から「仕込み」を聞く佐次、萱葺き民家の村、美山町?出入りの宿場はみろくの里
*平手造酒に近藤正臣、胸を病んだ剣客を好演。飯岡屋敷へ忍び込んで佐次に黒招き猫で頭をどやされたり、斬九に「斬られた」際もアレ死んでないなどと飄化た態度がマル。おふくとのからみも良し。*二役の若村氏、道中はしおらしそう、繁蔵のもとに着いてからの豹変が見せる。蔦吉に戻って斬九の憎まれ口聞く拗ねた顔もイイ。巧いなー。
2003/11/12

■ 長七郎江戸日記2 第2話「意気に感ず」1988.1.19日テレ/東映

 辰三郎のダチが海産物問屋への強盗殺人の罪を着せられて投獄、裏には家つき娘の女将を殺して店を我が物にしようという、当の店の主の陰謀、同心までグル。牢が火事となり、解放された男は出頭せず。誰も信じぬ彼を説き伏せる長さん、今回は英断を下し囚人を危険から救った牢奉行を援護射撃、出頭しないあと二人も捕らえて突き出すという、もう一本のお話も。
 ロケ地、囚人の集合場所に指定の浅草・善慶寺(字違うかも)、不明(でかいお堂が二つ、アーチ型のいびつな渡廊)。出頭しない一人・間垣浪人を捕らえる長さん、大覚寺護摩堂前。
*長さん、捕らえた囚人二人とも黙ーってお寺の床柱に括ってゆくのがなんか笑える。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第115話「死んで花実の咲いたやつ」1978-1982/東映

 日光修築の御用材を巡る陰謀、上様は幕閣の思惑を退け入札を行わせるが、漏れた富商が一番札をとった木曽屋に妨害工作を仕掛けてくる。
ここに一人の老侠客あり、拾い上げてくれた木曽屋の娘と、実は我が子であった小頭のため一命を賭してワルの手から守り果てる。新さんは事情を知りつつ、彼の素性を問う若い二人には黙し通すのだった。
 ロケ地、木曽屋の主が襲撃されても黙っている訳を新さんに話す水辺、広沢池東岸(船着と茶店セット)。妨害工作募るなか、最早放っておけぬと忠相に宣する上様、枳殻邸傍花閣前。島蔵の墓、広沢池東岸湿地(夕景)

■ 御家人斬九郎4 第2話「流れついた男」1999.1.20CX/映像京都

 蔦吉が拾い寺子屋に就職の世話もした記憶喪失の侍、子供に優しい柔和な川上春太郎(雷おこしの安易な命名)は、時おり狂気を孕んだ顔をのぞかせる。
一方、斬九郎が拾った老武士はなにやら訳ありげ、時が経つうち明らかになってゆく春太郎の素性、遂に爆発する狂気。最後は拾われた二人して黄泉路を辿る結末となる。
 ロケ地、冒頭、刺客に襲われる黒田源兵衛、保津峡落合落下岩(崖下の河口付近と岩壁見上げのショットも)。寺子屋の上善寺に神光院。寺子屋が開かれているのは中興堂山門ほか前庭に宝筐印塔本堂など各所を使用。大川の屋形船で営業の蔦吉が船で漂流の男を拾う、大覚寺大沢池・天神島前付近(夜景)。斬九郎が蝦蟇の油売りのバイトしていて暴れ馬出現、鳥居老人を拾うこととなる縁日、下鴨神社馬場。春太郎(源兵衛)の素性と罪状を斬九に告げる西尾、大覚寺大沢池北岸。真壁藩から放たれた刺客とやりあう春太郎、中ノ島橋上。皆殺しの返り討ちのあと血刀を洗うのは橋下、狂気に苛まれ刀を振り回すのは右岸側水路のなか。実父・鳥居の訪問を受け上善寺裏手で話す春太郎、仁和寺北塀内側の際(卒塔婆や五輪塔セット)。蔦吉が彼らのところへ近づく塀際は西塀(御室桜林の西・宸殿裏手)。仁和寺のシーンは神光院と交互に現れる。
*鳥居老人が真壁から来たと聞き、佐次親分「うちのりよも」発言を冷やかされ「うちのりよでしょう!」と声を荒げる。可愛いの一語に尽きる。*事後、寺子屋の前に来た斬九と蔦ちゃんの耳に聞こえてくるのは、子らに忠孝の教えを説く麻佐女さまの声…「自分はメザシを齧っても親には鰻を」…斬九どひゃーで幕。
2003/11/11

■ 水戸黄門32 第13話「赤ん坊背負った仇討ち」2003.11.10TBS/東映太秦

 白石入りの一行、赤子を拾うが、親は仇持ちの身。今は片倉家の剣術指南の仇を焙り出し仇討ちを整えてやる老公だが、寸前で止めたり。
 ロケ地、白石城、近年再建された本物。菊太郎が捨てられるお堂、大覚寺天神島(堂は別所撮り)。川の中まで赤子を探しの鏑木父、御殿川(二つの橋の間)。そこへ菊太郎連れで通りかかる一行、参道石橋上。鏑木に事情を聞く老公、梅林(心経宝塔バック)。仇討ち広場は大沢池畔の広場に幔幕張って。事後、仇の護送駕籠のあとをゆく鏑木親子、放生池堤
*仇討ちの広場で、銃隊が露見したあと次席家老に呼ばれて飛び出てくる槍隊の一人に福本先生。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第114話「一攫千金ご用心」1978-1982/東映

 富籤で大掛かりな詐欺を働く薩摩の留守居役、一番富を引き当てた職人たちが惨殺される。自身に疑いがかからぬよう手の込んだ芝居をかますが、新さんをスカウトした示現流の剣客から薩摩とバレバレ。親を亡くした子の哀れさから、今日は上様ワルに刃を向ける(フィニッシュは庭番たち)
 ロケ地、弓のお稽古上様が三千両富の話題を出す、枳殻邸印月池(北のほう)。薩摩藩江戸屋敷、随心院通用門。釣りの新さんに富の抽選は公正に済んだと報告の半蔵、大覚寺大沢池畔。
*子供に頼まれたカブトを折る新さん、呑み屋で将軍の悪口を言われながら黙々(耳に入っていない)、お城の居室でもせっせと無数の歪んだカブトを作成…やっとできた一件を枕元に大事そうに置いて寝ている将軍様が可愛い。*ラス立ちに福ちゃん、上様と半蔵にのされている。

■ 御家人斬九郎4 第1話「おふくろ」1999.1.13CX/映像京都

 女に騙され、奉公先に凶盗を引き入れてしまう仙松、以後仲間に引き込まれ罪を重ねてゆく。逃げたくて母に出したSOSの文、はるばる京から駆けつけた母は約束の東八で待ち続けるが、息子は運拙く瞬時の邂逅のあと落命することになる。
 時が経ち、雷おこしは父となり娘にデレデレの日々、東八の親父は上州に隠居、店を引き継いだ佐次は戻ってきたりよと新生活。相も変らぬは斬九ばかり、しかし蔦吉との距離は幾分縮まったかのような、阿吽の呼吸。
 ロケ地、息子の文に東海道(ラストシーンのSEから海浜設定と思われる)を急ぐりく、山室堤道(堤外地へ降りる坂をうまく使用、堤上には高灯台をセット)。女をまいて東八の手前まで行く仙松、追いつかれ踵を返すが、りくが気づいて追う、しかし共にいる女を見て声をかけず灯明掲げたお堂に入る、神光院蓮月庵。盗賊一味の女を探して歩く斬九と八重、小休止の蔵は神光院本堂西の蔵。ここで女を見かける、中興堂前。
*希望の灯 りくが、息子の目印にと無理を言って灯させる東八の提灯、闇夜にぼうっと黄色く浮かぶ。わざとにじませたその灯、瀕死の仙松の目に霞んでゆき「東八だ」の言葉を残して事切れる。事後、りよ母子と佐次が忙しそうに立ち働く繁盛している現実の東八の提灯は、明るく光っているがにじんでいない、心利いた演出。*りよの申し出を受け、相生町の親分「二人の面倒は俺が」「俺でよかったら」「俺が」の、可愛さブレイク。

■ 新必殺仕事人 第7話「主水女の気持わかります」1981.6.19ABC/松竹

 冒頭、せんりつも混じってバーゲンに群がる女たちが描かれる、この泉屋が取り込み詐欺を働き、貧しい職人たちを陥れる。秀の簪も二束三文で売られていたりする。手口は、両替商がバックにいると思わせるもので、もちろん騙り。被害を訴えた職人は消され、夫を思う妻の心を利用して吉原に叩き売った挙句夫婦とも惨殺するという非道な振る舞いに、仕事人が動く。
 ロケ地、南町へ被害を訴えた職人二人が殺され、首吊りに偽装して見つかる、大覚寺大沢池畔
2003/11/10

■ 子連れ狼 第14話「鉄壁城の陰謀!牢に入れられた大五郎!」2003.11.10ANB/東映

 凶作の続く大田原藩、藩主と城代が相次いで逝去したあと残された勝気な姫のまわりには、忠義面して柳生と結ぶ奉行と、暖かく見守る者がいた。行き合わせた一刀は元藩士の長助の意気に感じ、関わってゆくこととなる。
 ロケ地、香苗姫が馬で女児を引っ掛ける寸前救い出す一刀、山室堤道。庄屋屋敷(不明)。村なかの塀、京都郊外民家西塀。大田原の城、彦根城(入城シーンに天秤櫓、弓の香苗姫は天守裏手三重櫓前桜林)

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第113話「正体見たぞ!隼小僧」1978-1982/東映

 前老中の息・江川主殿は、己の悪所通いの入費を賄うため、飢饉や災害に苦しむ領民から冥加金を取り立てる始末で、民は泣く泣く娘を身売りさせたりと難渋。ここに義賊あり、世話になった名主の娘を世話したり、盗んだ金を冥加金に当てたりと立ち働くが、身辺には警吏の手伸び、またひとつの村しか救い得ず、遂に悪の首魁に討ち込む仕儀となる。
 ロケ地、甲州横手村の名主が江川に斬られ死体となって上がる、嵐山公園中州北・桂川堰堤下。これを見た新さんと次郎吉が話す、今宮神社石橋付近。忠相が上様に文鎮屋を装った隼小僧の人相書きを渡す、大覚寺護摩堂前。冥加金を補填したことで却って隣村が苦しむことを知り悩む隼小僧次郎吉、中ノ島橋上手堰堤(左岸)。忠相に名主殺しの主犯は江川と聞く上様、大覚寺有栖川畔。
*隼小僧に坂上二郎、調子よく人を煙に巻く台詞回しが秀逸。

■ 新必殺仕事人 第6話「主水喧嘩の仲裁する」1981.6.12ABC/松竹

 心中の片割れ女は、定法通り吉原へ送られる。そこで田舎侍に岡惚れされ、富商の若旦那に落籍されと転変の日を送る。しかし馬鹿息子の妾は束の間、身を固めることとなった男は再び彼女を吉原に売る。引かれ際、手伝いとして入っていた加代に恨みの依頼が託されるのであった。
仕事には当初宿直で不参加の主水、田舎侍の破牢騒ぎで出張り妓牛太郎を仕留めて一両ゲット、藩から見捨てられた哀れな男は逃がしてやる。女を嬲り者にした馬鹿息子とその仲間は勇次と秀に始末される。
 ロケ地、心中の片割れ女が晒される本所緑町、金戒光明寺石段。チームのツナギ、木津川流れ橋(左岸の短い橋脚の下)
2003/11/9

■ 鬼平犯科帳4 「正月四日の客」1993.1.13CX/松竹 通算70話

 ひとつの食べ物を通して結ばれた縁は、四年続いて、数奇な結末を迎える。
双親を凶盗に惨殺された蕎麦屋の女将は、辛い蕎麦を食べに明けの日に来る男を心惑いつつも鬼平に差す、この間のドラマを山田五十鈴が演じる。亡き父母を偲び唄う追分が哀切。
原作を「にっぽん怪盗伝」に持つ一作、設定を主から女将に置き換え名女優を迎えての作りが細やか。
 ロケ地、亀の小五郎一味がターゲットに選ぶ本所・常泉寺、粟生光明寺(山門と石段を使用、山門前に茶店をセット)
*話のキィとなる辛い真田蕎麦、麩屋町のかわみちやなどでも同様のものが出るが、ドラマに映っているぼそっとした感じの田舎蕎麦で食べてみたい…。
2003/11/8

■ 阿部一族 1995/11/24CX/松竹 深作欣二監督作品

 殉死をテーマに、武士の意地が遂に一族を破滅に追いやる悲劇を描く。森鴎外の簡素にして骨太な原作を、深作特有のスピード感溢れる演出で一気に見せ切る。
 ロケ地、危篤の君主に殉死を願い出て却下された弥一右衛門を城門で迎える長子・権兵衛、彦根城天秤櫓の内と外(夜間)。殉死者出るの報を聞き、急ぎ城を出て駆けつける藩士たち、天秤櫓橋上。小姓の小十郎たちが亡き藩公の菩提所前で自刃、仁和寺二王門東側の広場に卒塔婆セット。このあと続発する殉死者たちのシーン、青蓮院大楠下(切腹)三井寺村雲橋(白装束の武士二人通過)西教寺境内(本堂前・墓地バック)三井寺唐院門、お犬様を連れて自刃の犬牽役は小姓たちと同じ。この間、経緯を語るナレーションに被せてめまぐるしく画面が切り替わる。亡き藩公の荼毘が執り行われる春日村岫雲院、檜尾川源流部の砕石場に似るも確証なし。城の廊下、弥一右衛門が殉死しないことへの陰口を聞く、知恩院御影堂外廊下。帰宅の弥一右衛門、山崎の屋敷近くの武家屋敷街に随心院北西角付近の塀。父の死後、禄が分割相続となった件について道場仲間の又七郎と話す四男・弥五兵衛、大覚寺大沢池に船を浮かべて釣り(背景に望雲亭)。亡君の一周忌法要が行われる向陽院、粟生光明寺(本堂大屋根上部と内陣)。法要の席で髻を切った権兵衛が打ち首との報を山崎屋敷に走り報告する末子・七之丞、随心院西塀〜長屋門。権兵衛が斬首される井出の口の刑場、下鴨神社馬場。払暁、残された四兄弟が兄の首を取り返しに来る梟首台は糺の森池跡の倒木前にセット。阿部一族に差し向けられる討手がゆく、彦根城天守裏手〜随心院北西角塀〜長屋門(切り返しでセットにスイッチ)。藩公が一族への討ち入りを遠見する天守下、彦根城天守裏手の垣上。戦死者の検屍も同所(三重櫓との間の広場)。ナレーションの背景などの役者が映らないイメージ画に熊本城
*一徹な老武士・弥一右衛門に山崎努、気骨ある戦国武者を好演、死出に舞う屋島も良し。一年も鬱屈の挙句いきなり過激な行動に出る長子・権兵衛に蟹江敬三、優しい温厚なアニさんと、外記に悪罵を吐く激情、そして斬首の場における苛烈な気迫が見せる。新藩主と腹心の林外記のみ白塗りビジュアル、わけても外記を演じる石橋蓮司、ちょっと「おじゃる」気味の狡猾な文官を吉良さまばりに熱演。鷹が亡君に殉じて火中に身を投じる場面や、権兵衛髻切りの場面など、仁義なき戦いふうの迫力ある画がわんさか。そしてなんといっても、方言がよくできている。
2003/11/7

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第112話「どうにも止まらなかった男」1978-1982/東映

 飛鳥ひろし脚本に時々現れる破壊的展開、今回は婚約者と母を失い自暴自棄の荒法師が阿弥陀を求めてひたすら西へ進む話。こう書けば巡礼か何かみたいだが、にわか坊主の彼は目前に何があろうが破壊して進むのだ。湯屋だろうと、め組だろうと、壁をこう、ばりーんと突き破って。そして行き当たる千代田のお城、これを通させてやるというんだから乱暴。番士を去らせ大奥をだまくらかし立ち働く、上様トリオのヘルプでひたすら進む猪男。そして彼が辿りつくのは伽の意向に抵抗した恋人を射殺した、憎い鉄砲方の屋敷。上様の大暴れののち荒くれ男は仇を討ち果たし、破壊的西行は止むのであった。
 ロケ地、市松の許婚者・お咲がお先手組鉄砲方に射殺される印旛沼、広沢池東岸。半蔵が「荒法師」市松の突進を見る下総の街道筋、北嵯峨の竹林脇の道。一年前の印旛村、旅の僧に弟子入りの市松、下鴨神社河合社塀際。江戸城、堀端から天守を見上げる市松、姫路城裏手付近の堀端。忠相が番士をたばかり去らせる門、ろの門。城を通り抜けた市松が出る門、ぬの門
*止まらぬ乱暴者を鎮静化する上様、柄杓に汲んだ水を飲ませる。これに、懐から出した眠り薬を「盛る」のだが…そうしたものを常時携行していること、その薬が一瞬で利く強力なヤツであること…上様ってば。
2003/11/6

■ ニュー・三匹が斬る! 第1話「女駆け込み寺にゃ魔物が棲んでいる!」1994.1.6テレ朝/東映

 鎌倉・東慶寺の寺役人として、不幸な身の上の女たちの世話を焼く松岡伸之丞。時には我が身を危険に晒しても役目を果たす。その行動原理は、かつて放蕩の果て妻を死に至らしめた自責の念から。そして彼は、駆け込み女を密かに始末する「闇の防ぎ屋」と対決し落命するが、闇の組織の元締は松岡とは対照的な、駆け込み妻により禄を失い憎悪に燃える男だった。
 ロケ地、東慶寺、不明。荻野藩次席家老邸、不明。防ぎ屋の雲水を尾行する殿様、妙心寺雑華院前路地。その雲水が消される路地、福寿院への小路。防ぎ屋のアジトの寺、不明。松岡の妻の妹が殿様に松岡の過去を話す海浜、琵琶湖西岸松原(毒を盛られた千両が翌朝顔を洗う浜も同じ)。陣内が荻野藩次席家老の妻を伴い東慶寺へ辿る亀ヶ谷、酵素ダート(待避所に茶店セット)。松岡がお雪を見て身を隠す路地、妙心寺大通院裏のラウンド塀際。ED、千両のゆく塀際、高山寺石水院

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第111話「誇り高きカモ侍」1978-1982/東映

 鳥身役のつとめを篤実に果たす堀部政之進、御狩場に紛れ込んで鴨を獲るめ組一同を見逃してやるなど、人情に溢れた好人物で新さんとも意気投合。しかし許婚者の娘とは、最近の父親同士の齟齬でままならず。娘の父は出世欲から悪事に加担させられかけていたが、最後は非を覚り娘を政之進に託して逝く。これを死に至らしめたのは、お浜御殿修復で公金横領を働く作事奉行と富商たち。上様は仇討ちに乗り込んだ若い恋人たちの危機を救い、ワルを断罪して二人を娶わせて、目出度しで幕。
 ロケ地、亀戸の御狩場でカモを獲るめ組、広沢池北岸。め組で鴨鍋を食ったあと、話しながら意気投合する新さんと政之進、大覚寺護摩堂脇石仏前。御狩場から帰る二人に行き合わせる許婚者・澄江、五社明神。家を出てきた澄江をめ組に預けたあと、刺客に襲われる政之進、日吉大社走井橋上。お浜御殿の材に不審を持ち消された大工の死体が上がる汀、中ノ島橋(忠相とこれを見る上様は橋上、死体は堰堤脇)
*御狩場のカモに一羽一羽名をつけている鳥見役が微笑ましい。各種カモのほかカイツブリやオオバンまで見える…この部分は広沢池でないかも。
2003/11/5

■ 長七郎江戸日記2 第1話「散るが命か、寒椿」1988.1.12日テレ/東映

 辰三郎に果し合いを挑んできた訳ありげな母子は、徒歩目付の父を謀殺された子と、我が子として主の遺児を育ててきた乳母だった。厳しく頑なに「若様」に仇をとらせようとする「母」を庇い諭す長さん、ワルの大目付邸に乗り込み母子を救い断罪の刃を振り下ろす。
 ロケ地、母子が子犬を試し斬りしようとしているところへ介入の辰、広沢池東岸。魚とりの町の子らが鉄之助を誘う小川、下鴨神社泉川。さらわれた鉄之助のため刀を売りに言った帰りのおトキを襲う大目付の配下、下鴨神社河合社塀際。その後長さんがおトキを諭す川辺、泉川(走りの紅葉が見える河畔にちょっと季節的におかしい椿が配置され、これに事寄せてお説教の長さんの言辞がタイトルに。椿は下鴨の名物、川を流れてゆく赤い花が映える)
*果し合いを挑まれた辰が勇んで棒切れを振り回すくだりで「迷わず地獄に堕ちるがよい」とやるのが傑作。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第110話「咲け!姥捨山の恋」1978-1982/東映

 将軍家の菩提を弔う大奥の女たちの「姥捨山」、桜田御用屋敷が舞台。ここに無理矢理押し込められて恋人と裂かれた中揩救い出し、屋敷に巣食う公金横領犯たちを断罪する上様。乗り出すきっかけは、お転婆のお端下の目安箱への投書。「将軍は馬鹿ですね」などと書かれていて、以後もそのお端下は新さんを振り回す。
 ロケ地、お端下が目安箱に訴状を入れる評定所、相国寺林光院門。秀月院が生木を裂かれた恋人と密会の神社、今宮神社合祀摂社前。手引きしたお端下が「恋っていいな」とくねくねするのは若宮社前。これを叱り付けに来る「鬼ババ」賢光院たちがくぐるのは楼門。賢光院が御用屋敷奉行にしなだれかかり「今月のお手当て」を渡すのを目撃してしまう秀月院、枳殻邸回棹楼。鯉に餌をやりながら、桜田御用屋敷の改革に着手すると言う上様、枳殻邸侵雪橋上。
*ラス立ちの福本先生、上様にぶっ叩かれたあとおそのにバッサリ。

■ 必殺仕置屋稼業 第19話「一筆啓上手練が見えた」1975.11.7ABC/松竹

 藤岡宿で横暴の限りを尽くす石神の辰五郎、母を売られ父を殺された幼女が、父の今わの際の言葉を頼りに江戸へ走り、仕置を依頼する。
江戸へも聞こえていた辰五郎の件で、主水は藤岡出張。チームはともに上州へ。
警戒厳重な辰五郎のガードを突破して仕掛けるは市松、しかし同時に屋根から降って来た「渡世人」が同時にブスリ。彼もまた仕事人なのであった。
 ロケ地、上州への道中に使われる竹林と畑地の道、北嵯峨農道
*謎の渡世人・疾風の竜に中村敦夫、アイパッチ以外はまんま木枯らしの紋ちゃん。えげつない辰五郎には「東八の親父」北村英三、風格あり。
2003/11/4

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第109話「立て!江戸の若者たち」1978-1982/東映

 一番組の肝煎り名主を操り、公共工事で大儲けを企む富商と勘定奉行。名主たちの腐敗を嘆く若手が立ち上がり、制度の刷新を図るが、様々な妨害工作が来る。上様は陰に陽にサポートし、最後は勘定奉行宅に乗り込み成敗。
肝煎に名乗りを上げる若者の妻は、勘定奉行らが傀儡にしようと画策の有力者だったりして、これが娘夫婦を庇って落命する哀話が挿まれる。
 ロケ地、冒頭肝煎・庄兵衛が暗殺される寺?や、名主組合の建物等不明点多し。新さんが助太夫と接触後ムッとして石を投げ入れる、大覚寺放生池堤

■ 助け人走る 第1話「女郎大脱走」1973.10.20ABC/松竹

 ドブ掃除や犬の番などの助け人たちの生態がひとしきり描かれ、やがて「裏」の仕事が入ってくる。依頼は女郎の足抜け、一人の筈が平内の軽口で25人に。この大量脱走を巧みな仕掛でしてのけるチーム、切見世女郎たちの哀切なさまも活写される。
 ロケ地、おしのの茶店に簪を持ってくる利吉、今宮神社高倉下に店をセット、簪を渡すのは脇の、文十郎が妹にコナかける男をシメているのは合祀摂社付近。女郎の投げ込み寺の浄願寺、犬の番の文十郎の無縫塔の墓地、女郎が埋められる穴の背後に映る大屋根、金戒光明寺と思われるが確信なし。ラスト、依頼人の足抜け女郎が法華信者の扮装の姉(他の女郎も一緒)と会う橋、木津川流れ橋
2003/11/3

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第108話「天下晴れてのつまみ食い」1978-1982/東映

 職分に不満たらたらのお毒見役、上役の甘言に乗せられ、安値で庶民の家計を助ける正義派の米問屋を陥れる道具に使われてしまう。徳田新之助の助言もあり、死を賭して単身ワルの大もとの勘定奉行邸に乗り込む彼は、危地を上様に救われることとなる。
 ロケ地、下城の毒見役・柳田市十郎が同僚に「つまみ食い」と揶揄される坂、姫路城はの門下坂。良心的な米問屋・上州屋を襲撃したのは近江屋の手先と新さんに報告のおその、今宮神社若宮社付近。柳田の妻女に進言の新さん、大覚寺放生池堤(上州屋の土左衛門が上がる大川も同所)。御膳奉行に上州屋の件を質す柳田、姫路城三国濠前。新さんと話す柳田に刺客が放たれる、今宮神社東門内の石橋と周辺。このあと、半蔵が新さんに上州屋暗殺の事情報告するのは本殿舞殿
*お毒見役に目黒祐樹、小役人の悲哀を好演。*今宮神社で柳田を襲う刺客の一人に福本先生、覆面の下に薄髭。

■ 必殺スペシャル・春
 「世にも不思議な大仕事 主水と秀香港マカオで大あばれ」1991.4.5ABC/松竹

 長崎で、混血の前マカオ総督令嬢から仕事を依頼される主水と秀、しかし依頼主は拉致され追いかけた二人は船から落ちて…ここから現代とのパラレルワールドへ展開。マカオの丘の上の教会で磔刑のセシリアの画を見た添乗員の「中村誠」とツアー客「田村秀夫」は、幻影に言われるまま開けた扉にホワイトアウト、仕事人となって江戸末期のマカオで前総督殺しの現総督・ディアロと闘うこととなる。ディアロに加担する呂宋佐久衛門や、日本人村の利兵衛、主水のロマンス相手となる元海賊のお仙など、漂流組がいっぱい。
 ロケ地、香港マカオロケのお土産映像が溢れるが、海辺の情景には南紀が多数用いられてるっぽい。マングローブ林は太地町にあったような。マカオ総督府、龍谷大学大宮キャンパス。秀が総督府の庭で闘技士と解放を賭けてやりあう、黄檗山萬福寺開山堂(卍崩しの匂欄にセシリアが括られていたりする)

■ 水戸黄門32 第12話「奉公先は子だくさん」2003.11.3TBS/東映太秦

 舞台は仙台、道中行き会った気の強そうな娘の受け人となる老公。娘の奉公先の町奉行所の小役人宅は、やもめの厳父が仕切る「トラップ大佐邸」だった。
ナチのSS仕立ては、接収した商家の財を横流しして私腹を肥やす町奉行とその配下、黄門チームの活躍で太田鉄之介と子らは危地から救われる。
 ロケ地、太田邸、京都郊外民家長屋門(他作品での使用例と異なり、武家屋敷ふうのいかめしいイメージに撮れている)。太田の子らが教練の川堤、および良江が蜆とりの小川(堤下の水路・水量豊富で清冽)、不明…バックの山容は亀岡っぽい・堤外地かなり広い。横流しの品を隠匿の町奉行所の蔵、大覚寺の蔵
*女中・良江と太田の子らとのからみはほぼサウンドオブミュージック、童謡を屋根の上で合唱のモロのシーンもあって傑作。長女の反発はまんまだが、ナチの恋人なんかは出てこない。*奉行邸で太田に放たれる刺客の一人に福ちゃん、槍持って突進、由美かおるや助さんとのからみもあり。
2003/11/2

■ 鬼平犯科帳4 「盗賊婚礼」通算69話1992.12.16CX/松竹

 いまどき珍しい、本格の盗めをする盗賊・一文字一味。その手口鮮やかで、鬼平の密偵たちも感心することしきり(これに平蔵は少しご機嫌斜め)。その一味の若いおかしらに、畜生ばたらきの盗っ人・鳴海の繁蔵が先代からの約束と花嫁(実は妹でなく情婦)を送り込み接触を図る。乗っ取りを前提としたその企みは、一文字の先代をしくじって鳴海の身内となっていた長島の久五郎によって阻止される。
事後、一文字の盗っ人宿と知らず駒込の料亭で佳肴に舌鼓を打ったことを述懐の鬼平、料理の細やかさは本格の盗めの神経に通じると、久栄を相手に笑うのであった。
 ロケ地、鳴海の婚礼申し入れを談義の一文字の弥太郎と配下の勘助老人、八幡掘明治橋付近の路地と堀端〜西の湖太鼓橋下手・船上(設定は駒込や小石川から近い隅田川か)。鳴海の繁蔵が江戸入りを目し滞在の箱根、落合と思われるが確証なし。鳴海の「妹」を伴い東海道をゆく久五郎たち、嵐山自転車道
*一文字の弥太郎に三ツ木清隆、原作に「団栗のような眼」とあることからの起用か。清新なイメージの若い頭目を好演。
2003/11/1

■ 銭形平次 第690話「秋しぐれ」1979フジ/東映

 火野正平ゲストの、しんみり話。
島帰りの元盗賊・直次郎の更生を見守る平次親分。ことごとく彼の邪魔をする苛烈な同心とはきっぱり対立、熱く理想を語る。
珍しく、火野正平がらみの女は不幸に落ちず終わる。
 ロケ地、八丈帰りの罪人が解き放ちとなる霊岸島御船番所、大覚寺明智門。高山同心のせいで仕入先をしくじり、橋場まで出張った帰りの直次郎に声をかける平次、大沢池北西畔。橋場で溺れかけた女児を助ける直次郎、嵐山公園中州下の桂川

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第107話「あわれ、女お庭番」1978-1982/東映

 新しく伊賀から来た「試用期間中」の女お庭番は、生き別れの双子の妹と数奇な出会いを遂げる。無実の罪を着せられ詰め腹を切った夫の無念を晴らすべく、汚職官僚と腐敗商人を付け狙うその妹は、最後の仇に返り討ちに遭い落命。これを見た姉は、上様の制止も聞かず作事奉行の駕籠を襲うのだった。
 ロケ地、渡船に乗り遅れる源三、大沢池北岸。品川宿はずれで狭霧(姉)が野博打の駕人足に絡まれる、鳥居本八幡宮鳥居下広場。一年前の大川橋の件で詰め腹を切った侍は無実だったのではと語る上様トリオ、相国寺大光明寺石庭。お堂に隠れている深雪(妹)が、お参りに来た百姓の会話から狭霧が自分を庇って捕まったと知る、大覚寺五社明神(深雪が隠れているのは舞殿で、扉をセットしてある。百姓からが拝むのは本殿のほう)。作事奉行の駕籠を襲う狭霧、下鴨神社河合社裏の糺の森
*深雪に斬られる商人の一人、翁屋に菅貫太郎、姑息風味で異彩を放つ。*品川で狭霧に絡む雲助の一人に福ちゃん、口ひげつき、台詞もクレジットもあり「なんだとぅこのアマ」。
←2003/102003/12→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪目次テキスト ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ