時代劇拝見日記 2003年12月

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2003/12/31

■ 鬼平犯科帳6 「泥亀 すっぽん」1995.8.2CX/松竹 通算101話

 本格のお盗めのおかしら・牛尾の太兵衛から引退金を貰い、小さな茶店の主として暮らす老爺・七蔵は、或る日知り合いの錠前師からおかしら一家のその後を聞く。その錠前師は火盗改の網にかかり、鬼平は七蔵の情報も掴むが、牛尾の太兵衛に泥を掛けて去った凶盗探索のため彼を泳がせる。結果、これは苦境にある太兵衛の妻子を救うこととなり、七蔵から凶盗の情報がもたらされるのだった。
太兵衛に受けた恩を返そうと病をおして動く七蔵、七蔵にかけられる平蔵の温情、いかにも鬼平らしい情話。
 ロケ地、おまさと彦十が盗賊発見を祈願する芝・三田寺町の魚籃観音堂、真如堂本堂。その門前の七蔵の茶店、真如堂茶所。尻を押さえつつ魚籃坂を歩む七蔵、参道。太兵衛のおかしらの死を聞いた七蔵が物思う橋、渡月橋(シルエット、川面にユリカモメ群れ飛ぶ)。太兵衛の妻子に会うべく三河・御油をさして東海道をゆく七蔵、山室畦道堤道。凶盗・梶ヶ谷の三之助一味が押し込み前に集まる下谷氷川明神、吉田神社竹中稲荷(本殿、鳥居)
2003/12/30

■ 助け人走る 第9話「悲願大勝負」1973.12.15ABC/松竹

 将棋の鬼才・玉井市左衛門は、腕を妬んだ将棋所家元に陥れられ流罪に。雌伏する彼が得た勝負の機会、しかしこれも家元たちの画策により勝負中ほどで遂に命を落とすことになる。
この一番に手を貸した助け人たち、さんざん走り回った挙句玉井とその娘の悲惨な死に遭い、裏の仕事に移行するのだった。
 ロケ地、御将棋所、相国寺大光明寺(門越しに中仕切り、玉井座り込みのシーンでは内外を映す)。大一番の勝負所となる寛永寺、不明(鐘楼越しの大屋根、金戒光明寺に似るも確信なし・見覚えの無い建物もあるし)。文さんと平さんのヘボ将棋に口出しの玉井、いつものしのの茶店は今宮神社高倉下。
*罠に落ち重傷の玉井のため代わりに駒を指す文さん、位置がわからず目を数える姿が可愛い。この際の、助けチーム四人で次の一手をリレーのさまが見もの。
2003/12/29

■ 千年の恋 ひかる源氏物語 2001.12.15東映

 紫式部が語り聞かせるかたちで進行する「光の君のお話」、現実世界と物語世界を行き来するパラレルワールドが展開される。光君の恋の遍歴に重ね語られる彰子と定子のゆくたて、紫上を亡くした源氏の君には道長の死がレイヤーされる。
 ロケ地、越前へ赴任する父に従いて牛車でゆく紫式部、沢ノ池ダート。中宮として帝に召される定子の行列がゆく、仁和寺中門下参道、見送る彰子と式部は勅使門前。スタックした光源氏の牛車に突っ込んでくるかに見える六条御息所の車、下鴨神社馬場。光君の車は河合社前。明石より帰還の光源氏、木津川流れ橋。帰宅した源氏を迎える紫上、仁和寺宸殿。玉蔓の緋衣が流れる遣水、上賀茂神社ならの小川。ラスト、越前の海岸、間人。大極殿等のセットは藤原の里の模様。
*光君に女性をキャスティングしてあるのに、なんだかかえってオヤジくさい感じの構成、無理矢理入れたっぽい殺陣あるし。途中挿まれる松田何某のイメージソングもなんだかなー。明石の寓居を襲う高潮は迫力、でもなんか津波じみてる。明石入道の「じゃーい」という語尾が笑わせる…かような所作は某陰陽師のが似合うな。桐壺帝の、ほとんど声だけの本田博太郎は存在感あり、似合っているかどうかは別。
2003/12/28

■ 太閤記〜サルと呼ばれた男 2003.12.27CX

 フジの年末時代劇、人道的平和主義者の秀吉を描く「新機軸」の一作。藤吉郎を演ずるは、確か何年か前の夏に蚊忌避剤のCMで尻で網戸を破っていた元気な兄ちゃん。
お話は、今川領で侍屋敷奉公をはじめる日吉丸から説き起こし天王山で終わるもので、最初の主となった松下嘉兵衛が門下生に太閤の半生を語るというフレームがついている。信長は優男の武家貴族で、光秀は野心逞しい脂っこい武将だったりする。
 ロケ地、松下嘉兵衛邸へ向かう太閤の使者、山室堤道。萱葺きの嘉兵衛邸、不明。松下嘉兵衛が帰宅の道、下鴨神社馬場。松下家放逐後、尾張在で信長と出会い小者となる日吉丸、大津市仰木の棚田か。今川義元との戦に出陣の信長、彦根城大手橋(清洲城)。墨俣城築城の材を運び出す木曽川の谷、保津峡落合河口。墨俣の橋頭堡、三上山麓の野洲川河原か。お市の方の婚礼の駕籠が出る岐阜城、彦根城天秤櫓(見送る信長は天守に、立ち尽くす藤吉郎は橋上)。不破南宮山の竹中半兵衛寓居を訪ねる秀吉、高山寺(金堂道石段、石水院門と内部)。朝倉攻めの越前海岸の水辺は琵琶湖北湖畔か。この戦闘シーンに使用の谷山林道は、以降浅井討伐の小谷城前の陣や毛利攻めの中国道筋、高松城水攻めの遠望にも使われる(一部背景を合成のものも)。摂津有岡城攻め、彦根城太鼓門櫓(内と外)。中国大返しのあと山崎の会戦、饗庭の演習場か。大坂城には本物を使用、周囲の林は合成。また、天守から見る大坂の野もCGかなんかの合成。

■ 鬼平犯科帳4 「掻堀のおけい」1993.3.10CX/松竹 通算77話

 幼い息子を侍の馬の蹄にかけられ失ったあと身を持ち崩し、盗賊の手先となった女。また、親代わりの頭のもとをしくじり上方へ流れ、その際の知る辺の女と深みにはまりヒモとなる若者。この二人が二人ながら鬼平の密偵と関わり、捕物のあと女はおまさに看取られて息子の名を呼びつつ死に、男は自首を認められ五郎蔵の手に委ねられることとなる。
 ロケ地、木村忠吾が深川の縁日でおけいを見かける、金戒光明寺御影堂…と思ったがこのあとまかれるシーンの渡廊が疑問なので留保。鶴吉とおけいの事でツナギの五郎蔵とおまさ、広沢池東岸汀に船着きセット。大奥御用の紅白粉問屋・玉屋を篭絡するおけい、待ち合わせの神社は梅宮大社本殿〜神苑汀〜出合茶屋は神苑奥のゲストハウス。
2003/12/27

■ 必殺仕掛人 第32話「正義にからまれた仕掛人」1973.4.7ABC/松竹

 人気役者・沢井菊次郎が、取り巻きの女たちを騙し弱みを握り売春を強要、中には自死者も出る。その一人の旗本の奥方の自殺現場に居合わせたことから関わる梅安、以降話はこの件を追う老同心・岡島久兵衛を中心に進む。元締と岡島の因縁、岡島の上司の菊次郎との癒着などあり、貧の裡に妻女を亡くした同心は仕掛けを依頼しにやって来るのだった。
 ロケ地、梅安の座敷で死んだ登世の邸(旗本・牧野邸)大覚寺(大門、参道、式台玄関)
*今回の見ものは、何と言っても同心の久兵衛を演じる伊藤雄之助。設定は清廉潔白な小役人で、その昔半右衛門を島送りにした凄腕。しかし、その正義ゆえに貧しく、病の妻女を医者にもろくろく診せられず死なせてしまうに及び、初めて十手を悪用し仕掛けの依頼金を捻出するくだりなどは心に迫る。上司に十手を放り投げ職を辞するが、それには紐ついててずるずる引きずって歩くとこなんか、おかしいのに哀切極まりない。

■ 鑓の権三 補遺

 松江城のシーンに彦根城。大手橋、佐和口多門櫓、旧西郷家長屋門、天秤櫓。乗馬のシーン、琵琶湖じゃなくてマジ海。京、浅香市之進が休む茶店、今宮神社門前茶屋・一和、あぶり餅も映る。
2003/12/26

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第147話「日本一の小泥棒」1978-1982/東映

 若年寄の陰謀に利用され殺されかかるコソ泥を助け、更生させるお話。このなっさけない泥棒を遠藤太津朗が好演、夢の中で大泥棒として町方に見得を切る映画村日本橋上の姿が傑作。
 ロケ地、商人が賄賂を持ってきたと弓のお稽古中の上様にボヤく加納じい、枳殻邸印月池(ゲストハウスに幔幕)。おさいとおまちが休む茶店、今宮神社門前茶屋・一和。おさいの荷物を置き引きしたコソ泥・めだかの吉兵衛がめ組に追いかけられ捕まる、東門石橋たもと。不謹慎な言辞を吐き、来合わせた新さんに塀に押し付けられグーで殴られたり。

■ 必殺仕掛人 第31話「嘘の仕掛けに仕掛けの誠」1973.3.31ABC/松竹

 呉服屋・丸幸の主・定吉は、女房と、浮気相手の番頭に扼殺される…があくる日何でもない顔をして現れ、恐慌を来たした女房は「埋めた場所」に走り掘る掘る、出てくるは番頭の死骸。女はパニくった姿のまま音羽の元締のもとに駆け込み、始末を依頼。梅安たちは調査のうえ真相を探り出し、依頼を果たすとともに、虚偽の申し立てをした女を掟により抹殺するのだった。
 ロケ地、定吉がひそかに囲っていた妾が、旦那の変化に思いあぐねて梅安を訪ねた際出かける神社、梅宮大社本殿。その後更に事情を聞く地蔵茶屋、神苑汀に茶店セット。
*定吉の故郷・二子村に調査に赴く梅安、仮寝の夜目撃する口減らし、その後村の老婆から定吉の出生を聞くシーンは凝っている。村の女たちが寄って唱える地蔵和讃の哀切さ、老婆の賽の河原は「田園に死す」を思わせる不気味さで目をひきつける。*丸幸の女房、伊之吉の情婦、定吉の妾と三様の女たちに対する梅安さんの態度も味わい深い。
2003/12/25

■ ニュー・三匹が斬る! 第8話「紀州旅、毒矢が狙ったお犬様」1994.3.3テレ朝/東映

 舞台は紀州、藩主の愛犬の狆を押し立てて横暴の限りを尽くす犬飼方同心たち、これがため恩人のお嬢様を殺された侍女は雌伏し狆を狙ったり。三者三様に関わった三匹、元侍女で見世物小屋の出刃打ち芸人・おりんの死を見て立ち上がる。
 ロケ地、和歌山城天守、本物。犬飼方が狆を放す御狩場、酵素(殿様が行き合わせるのはダート、おりんが狆に毒矢を吹くのは獣道、狆が走るのは河川敷)。犬飼方の戸田に無体を働かれ縊死した庄屋の娘の墓、二尊院墓地。吊りの木は酵素ダート下林間。墓地のある寺、常寂光寺(仁王門、石段、庭)。陣之介をおぶって根来の子守唄(ちょっと歌詞違う)を歌うおりん、広沢池西岸湿地。島野屋の手代が主家から盗んだ狆を犬飼方に渡しに来る橋は湿地付近にセット。島野屋の孫をさらった犬飼方が狆と交換に指定の八幡神社、鳥居本八幡宮(石段、鳥居下広場)、ここでラス立ち。旅の一座を見送る三匹、広沢池東岸に桟橋セット。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第146話「め組が架けた恋の橋」1978-1982/東映

 芝の掘割を埋め立てて利権ウハウハを目論む若年寄、千石屋を抱きこみ金を供出させるほか、人をやって堀に不法投棄させ埋め立て正当化を図る。しかしこの企ては、千石屋の娘の一途な恋を支援の新さんが介入して悪さバレバレ、真底からの悪人ではなかった千石屋の離脱と、幕閣・諸侯に働きかけ若年寄を孤立化させた忠助の工作に阻まれ、失脚→切腹に。
 ロケ地、汐留〜芝の漁村を見回り新さん、琵琶湖西岸(イメージのみ)。芝の掘割の情景には中ノ島橋と周辺を様々なアングルで多用、渡月小橋も使う。若年寄の埋め立て申し出の件について報告を聞く弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔。恋人と密会していて用心棒に捕まる千石屋の娘、大覚寺天神島。若年寄が千石屋に堀に油を流すよう迫ったとの半蔵の報告を聞く新さん、大覚寺有栖川(御殿川流れ込みと築地をバック)。目論み悉く潰え国へ帰って再起とばかり道を急ぐ若年寄と配下の前に立ちはだかりラス立ち上様、大覚寺大沢池堤水門そば。
*若年寄・坂部下野守に「玉助」梅津栄、総体的にコミカルな演技なれど処々に阿部怪異テイスト。でも扱うのは毒薬ではなく、オットセイの陽物を黒焼きにした強壮剤…。
2003/12/24

■ 長七郎江戸日記2 第8話「人斬り数え唄」1988.3.1日テレ/東映

 わらべ歌になるほどその義が知れている「仕事人」人斬り五郎造、しかし依頼者にたばかられ無辜の者を殺害したことから自らを断罪し島送りに。赦免も断る五郎造だが、遺族の難儀を耳にし江戸に立ち戻り動く。長さんは、彼のし残したワルの始末を引き継ぎ、おおもとの目付以下皆殺し。
 ロケ地、人斬りのわらべ唄歌う子らが遊ぶ宮、上賀茂神社ならの小川神事橋脇。島造を尾行している辰夫婦がいるのは橋下手の河畔。島造に事の経緯を聞く長さんと辰、水石いっぱいの石庭、不明。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第145話「ああ!成敗涙あり」1978-1982/東映

 妖刀・村正のお話。町の刀屋で村正を目にした若侍はたちまち怪しの刀に取り込まれ、師匠に引き合わされた徳田新之助への軽い反発が引き金となり暴発。手始めに刀師を斬り、これを難詰した師匠も斬ってしまう。これに、不祥事を誤魔化し忠相を失脚させたい勘定奉行の思惑が乗っかり、事態は最悪の方向へ転がり落ちてゆく。
 ロケ地、焼け出された人々の暮らしを見つつ淡島神社界隈をゆく新さん、金戒光明寺経蔵(北面、流麗な花頭窓映る)。一心斉の墓、黒谷墓地。新さんが預けた寺で手習いを教えている一心斉の娘・美佳の描写に金戒光明寺放生池極楽橋(め組と子らが騒いでいる・池落ちもあり)、加えて神光院中興堂前。一心斉の弟子で勘定方与力の藤島が仇討ちにと美佳を迎えに来る、神光院山門。仇討ち場所に設定された護持院河原、木津川流れ橋下の河原。これに騎馬で駆けつける新さんはを走る(見上げ)。殺陣は河原から川中も使う。
*村正に取り憑かれる工藤源三郎のビジュアルが凄い。憑依されるやいきなり白塗りとなり、目許に紅の隈取り入り唇は真っ赤っか。加えて、髪が電髪あてたみたいにびょんびょん左右におっ立つという悪乗りぶり、ライト後ろから来ててざんばら髪がシルエットになってブキミ。これは、上様に斬られ刀を取り落とした途端に元に戻る。という訳で今回上様は刀憑きをマジ斬りの真っ向割り(新さんのハイジャンプが見られる)。やりたくないのに(斬りたくない…とモノローグ入るのがクサかったり)刀を振るってしまった上様の怒りは勘定奉行に向けられるが、こちらはいつも通り峰打ち。
2003/12/23

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第144話「男は黙って三下り半」1978-1982/東映

 よく尽くす妻に難癖をつけ去り状を放り投げる横暴な夫、と見えたは表向き。火盗改同心・島田は、近頃のさばる凶盗の正体を同僚と気づき、南町奉行失脚を目論む巨悪に立ち向かうため妻子を安全な場に置き、一命を賭して職責を全うしようとしていた。
 ロケ地、庭番たちが凶盗出現ポイントと火盗の出動場所についてツナギ、大覚寺勅使門(おそのは太鼓橋を渡ってくる)。島田に刺客が放たれる、大覚寺五社明神。事件の黒幕たちが集う浅草の料理茶屋、嵐山公園内料亭・錦。盗っ人要員の浪人たちを飼ってある下谷の博多屋の寮、中山邸門。
*ラス立ち、わらわら出てくる若年寄配下の侍に福本先生、おそのに後ろ手で刺されるも、直後何食わぬ顔で上様の背後に立つ。

■ 助け人走る 第8話「女心大着服」1973.12.8ABC/松竹

 わるいヒモに食らい尽くされる女の悲哀を描く。
はじめの依頼は、飛脚屋の「重鎮」おていを苦境に追いやる難癖つけの検校を懲らしめる役、しかし文さんが踏み込んでみると当の相手は消されていて、ここから色悪は本領を発揮し女を泥沼に叩き込もうとする。二回目の依頼は、使い込みがバレて逐電したおていの捜索、この過程でヒモの本性が明らかとなり、始末された恋人の前で女は自刃することになる。このとき、助け人二人はヒモの本性と死を見た女が取る行動に制約を加えず、黙って見送るのだった。
 ロケ地、文さんの妹にコナをかけに来る長次、今宮神社高倉下に茶店セット。長次の馴染みの船宿、嵐山公園内料亭・錦(門、裏手掘割)。うまうまと女衒のもとへとヒモに連れ出されるおてい、グルの浪人が芝居を打ちにやって来る、下鴨神社泉川畔。
2003/12/22

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第143話「お命焼酎一升にて候」1978-1982/東映

 上様出先で腸重積で重態の大ピンチ、これを救った医師は偏屈のヒューマニスト。上様は、医師の元の藩の同僚が無体を働きに来るのを成敗し、ついでに医師の家庭問題にも介入しちゃったり。医師に故高橋悦史、医師の娘に西崎みどり(朗々と追分を歌う)、タイトルの「お命」云々からつい仕舞人を連想してしまう作り。
 ロケ地、医師宅の下人がゴロツキに殴打されているところへ駆けつける上様、下鴨神社河合社塀際。殺陣は池跡へ移動してゆく。
2003/12/21

■ 鬼平犯科帳4 「密偵」1993.2.24CX/松竹 通算76話

 火盗改の忠実な密偵の、やっと掴んだささやかな幸福は無惨に切り刻まれて終わる。
或る日出くわした盗っ人仲間は、彼を義理と、女房子の命を盾に再びの泥道に誘う。そして、彼が「さした」元の一味の生き残りが背後で糸を操っていた。
 ロケ地、青坊主の弥市が乙坂の庄五郎に連れられ話す英信寺裏の雑木林、土塀と林、随心院かと思われるが塀の小屋根等に疑問残り不明。庄五郎が弥市を呼び出し盗めの手伝いを強要する屋形船、広沢池東岸に桟橋セット。
*原作とディティールが少し異なる。弥市の断末魔の描写等は、本田博太郎を起用したゆえの変更か。気のいい子煩悩な一膳飯屋の亭主も、大童の血塗れでずるずる畳を這う迫力もマル。
2003/12/20

■ 必殺仕置屋稼業 第27話「一筆啓上大奥が見えた」1976.1.2ABC/松竹

 大奥に娘や養女を送り込んで侍の地位を得る元古着屋の溝口甚兵衛。しかし、養女のほうは婚約者のある身を甚兵衛に騙され上がり、お手つきとなって戻れぬことを悲観し駆け落ち。これは二人ながら密殺され、実の娘が事を知って訴えるというのも殺してしまう外道ぶり。
主水は、道行きの二人に声をかけたせいでと悩み、大目付から貰った口止め料を仕置料として差し出すのであった。
 ロケ地、道行きの竹次郎とおときを誰何する主水、今宮神社石橋上。その後二人が追いかけてきた浪人に斬られる、相国寺大光明寺南の路地。横溝邸、相国寺林光院(門を内外から)。横溝が死んだ養女の代わりに目をつけた娘・みわに声をかける市松、大覚寺放生池堤。みわと、おときの母がやって来るお城の御門、彦根城天秤櫓。通りかかった甚兵衛の娘・おさとが二人に事情を聞く、佐和口多門櫓前堀端。主水が甚兵衛とグルの徒歩目付らを殺る、相国寺大光明寺南塀際。
*今回主水が自分で仕置料を置くかたちとなり、おこうは介在せず・登場無し。依頼は、印玄がおときの通夜の席で仕置屋稼業のことを口にして、母から金を受け取る。

■ 必殺仕置屋稼業 第28話「一筆啓上崩壊が見えた」1976.1.9ABC/松竹

 市松が殺しを見られ、崩壊の序曲が鳴り響く。殺った相手は外道殺し屋・睦美屋佐兵衛の息子、愛息の死に激発の佐兵衛は強引なやり口で仕置屋たちを追い詰める。その過程でおこうと印玄は落命、市松は訴人され捕縛されてしまう。進退窮まった主水は、闇に佐兵衛を葬り、市松が伝馬町へ護送される途中「へまを仕出かして」逃がすが、減俸・降格が待っているのだった。ラストは、マフラー巻いて寒そうな牢屋敷回りの主水を映して、幕。
 ロケ地、中村家へ髪結いに赴いたおこうと話す主水、大覚寺放生池堤(今わの際の「告白」を仄めかす意味深な会話がなされる)。おこうが佐兵衛一味に連れ出されるのを阻み「連行」する主水、中ノ島橋。その橋から二人が見る、依頼者父子の「心中死体」、中州舳先の河原。逃げおおせた市松が、主水から渡された握り飯を食う、広沢池観音島
2003/12/19

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第142話「俺は天下の鼻つまみ」1978-1982/東映

 一度も定職に就いていない前科二犯の無頼、車坂の権九郎。ゆすりたかりで日銭を稼ぐ放埓な男だが、陰では孤児を養うなど妙な可愛げを見せる。或る日、彼の弟分がやばいヤマに突っ込んでしまい消され、頭にきた権九郎は相手が殺し屋だろうが大身旗本だろうが一直線に殴り込み。これを助けに入ったかたちでワル成敗の上様、正体を知った権九郎萎れまくり。
思い切りガラのわるい権九郎を怪優・志賀勝が演じる、この男の個性なくして成立しないお話。思わずDVD保存。
 ロケ地、新さんと権九郎が出会う縁日の宮、不明。権九郎のことを調べてきて報告の忠相、枳殻邸印月池畔。弟分の死体が上がる大川、権九郎号泣の汀、広沢池東岸

■ 必殺仕掛人 第30話「仕掛けに来た死んだ男」1973.3.24ABC/松竹

 音羽の元締が溜め込んだ金を狙って、駆け出しの四ツ玉の勘次が陰謀をめぐらせる。この走狗となり元締を襲う刺客は神谷兵十郎、妻の裏切りを見て以来酒びたりの日々を送り、その精神は既に死んでいた。
企みの主を探るため半右衛門の葬式を出す、おくらや千蔵が拉致されるくだり、身代金受け渡しの際の緊迫したドラマと見所多し。しかし勘次の予想を半分に減じている元締のお金の使い方がいちばんの見ものかも。
 ロケ地、元締がいつも釣りをしている大池、大覚寺大沢池。船上、船着き、放生池堤など今回はここが主舞台。元締を膾にした神谷を尾行する千蔵、神谷は大覚寺明智門参道(欄干越しのショット)勅使門橋、千蔵は御殿川の中をゆく。
2003/12/18

■ ニュー・三匹が斬る! 第7話「お伊勢参り、妖怪の正体見たり狐花」1994.2.24テレ朝/東映

 抜け参りの女を拉致り女衒に売り飛ばす一団あり、次第によっては殺すという悪辣さ。アジトの偽装に狐の崇りを使う一味の正体は、女宿の主と目付、そして藩主の縁戚という善人面の尼僧。邪魔な家老を消し、更なる悪事を重ねんとするワルに三匹の鉄槌が下る。今回は女でも容赦せずぶっすり。
 ロケ地、殿様が茶店の転寝で見るお伊勢参りの女が殺される夢、霧にけぶる夜の大覚寺五社明神(舞殿に扉セット、殿様は中で寝ていてすき見)。その茶店、谷山林道にセット。白蓮の寺、中山邸(門、参道)。目付・荒谷邸、妙心寺衡梅院門。千両が寝ていて取り立てた金が石に変じる祠、鳥居本八幡宮舞殿。家老が殺されたと騒ぐ野良の村人、広沢池西岸農地
*三匹お得意ネタの狐狸妖怪モノ、千石が出てたらきっと憑かれてコーン、なんだろうなー。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第141話「年の暮れ新さん巷の煤払い」1978-1982/東映

 一年の終わりに、家臣を集めて「今年の不祥事」をがみがみ叱責の上様、これを聞いた脳天気なワルが、上司が失脚してワシが若年寄にと、風が吹いて桶屋が論法で猟官運動の資金を集めようとする。狙った先は、学費値上げ反対などでバリスト中の私塾。ここの婿養子が韜晦のすえ気抜けになっているのに喝を入れ、悪企みはばっさり斬って捨てご夫婦のカウンセラーまでする上様、ラストはめ組で餅搗いて幕。
 ロケ地、昌平黌の学生が騒ぐと報告を受ける上様、枳殻邸縮遠亭下の石橋。婿養子の伊織に声をかける新さん、大覚寺大沢池堤下・畑地への道
*結城塾の老先生に有島一郎、じいと二役。脳天気な大御番頭の手下に福ちゃん発見。

■ 必殺仕置屋稼業 第26話「一筆啓上脅迫が見えた」1975.12.26ABC/松竹

 ワルの岡っ引が、質屋から金を盗ろうとして金蔵に細工した大工を罠にはめ、入牢させた挙句死に至らしめる。ばかりか、父の命を盾に娘を吉原に売り飛ばすという欲深。
大工の老爺は捕まる間際おこうに金を託すが、ターゲットはおろか仕置依頼かどうか判らぬ始末、このどたばたは最後まで尾を引き、主水の殺しは奉行所と往復のマラソン状態。牢の老爺に印玄が接触しターゲットを聞き出すくだりは傑作。必殺畳抜きが見られる。しかし釈放の際の百叩きでぼろぼろの印玄は今回仕置ナシ。
 ロケ地、南町の明智門くらいしか見当たらず。
2003/12/17

■ 長七郎江戸日記2 第7話「はしり雨」1988.2.23日テレ/東映

 陸奥の寒村に生まれ、13の歳に江戸へ女郎として売られた女、年季明けて髪結いをして暮らす彼女に再び不幸が降り注ぐ。江戸を荒らし回る凶盗・夜嵐、その正体は実の兄、しかも土壇場で知れる兄の出自、陸奥よりももっと貧しい地から労働力として買われてきた兄、女郎にはいっそ年季があって羨ましかったと呪詛を吐く兄、父母をも殺したと嘯く。これを断罪に現れた長七郎は、女にとって女郎時代唯一人間扱いしてくれた懐かしい面影。短筒を突きつけられた長七郎を庇って凶弾に斃れる女は、雨の日の出会いを胸に薄幸の生涯を閉じるのであった。
 ロケ地、長さんの示唆で直次郎と接触の輩を尾ける辰が突き止める両国の顔役・又蔵の別業、中山邸(門、塀)。かえで床の裏手、おさわが佇む川辺、下鴨神社泉川。長さんに兄のことを語る背景には本殿河合社塀際、楼門等。事後、おさわの墓参の帰りの長さんがおりて来る坂、二尊院紅葉の馬場

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第140話「春遠し凶賊の母」1978-1982/東映

 書庫で見つけた綱吉に贈られた万葉歌の短冊からはじまる、将軍の気まぐれで子を宿し、世に出ることなく産み育ててきた女の話。老いて尚家業に黙々と精出す彼女に降りかかる不幸はグレた息子の行状、凶行の果て獄門となる実はご落胤の彼を見送る母の悲哀…話の振り方も内容もしんみりした哀話なのに、賊の名前で全てぶち壊しの「春雨小僧」。制作者には非常に悪いが笑いのツボを突かれて名前出るたびに吹く吹く、はるさめって…「緑豆春雨」「麻婆春雨」「はるさめサラダ」挙句の果てには中村玉緒の歌と踊りつきで「マロニーちゃん」が頭の中を盆踊り。いや参った。落ち着いてきたかと思ったら大岡さまのお裁きで、ハムレット役者横内正の真面目くさった発音の「さて、ハルサメ小僧」鼻水出ちゃうよ。
 ロケ地、愛宕下の娘手踊り見物に赴くめ組&新さん、鳥居と石段不明。綱吉との経緯を語る団子屋の女将、大覚寺天神島。息子の処刑後姿を消した母を追って馬を遣る上様、131話紀州号レースの野道と同所、不明。

■ 助け人走る 第7話「営業大妨害」1973.12.1ABC/松竹

 稼げなくなった女郎を密殺する、楼の主たちを束ねる金主。「楽な軽い仕事」からこれに関わってゆく平さんと文さん。小遣い稼ぎにわざと岡場所で桶伏せになる平さんが見る真実、からくりに感付いて消される女郎と、復讐し損ねて同じく消される気のいい女衒。男が死の間際握った二両で動く二人、カッコよくワルをさくっと始末してのけるが、元締からは女衒の育てていた孤児たちの世話を押し付けられて勝手に動いちゃダメと釘を刺されてしまうのだった。
*コレほんとに田村高廣と中谷一郎?と自問のコミカルさ。わけても桶伏せになってる平さんとこにはじめにやって来るのは養育料取立ての妻…。
2003/12/16

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第139話「天下御免のあばれ槍」1978-1982/東映

 岡山藩の家老が抜け荷で私腹肥やし、殿様に告発しようとした船手組同心は江戸入り直後消される。逃避行には妻子を伴っており、これが槍使いの浪人に助けられるが、彼もまた岡山藩の抜け荷の一件で国を出奔した者という奇縁、彼らはそのうえ将軍に援護されるという縁も持つのであった。
 ロケ地、江戸入り直後の中丸辰之進が斬られる、大覚寺有栖川畔の道〜五社明神(夜)。中丸の妻子が帳簿を狙って襲われる、中山邸参道。杢兵衛さんが大道芸はじめる縁日の宮、仁鶴が飴売りしてたとこ…不明。岡山藩下屋敷、不明。
*槍使いの岡山の郷士に長門勇、暴将御馴染のゲスト。槍振り回してるとこが陣内そっくり…って彼は桜京十郎だったか。

■ 水戸黄門32 1000回記念三時間スペシャル 2003.12.15TBS/東映

 新旧のメンバーを織り交ぜゲストも多数の豪華な一作、何やらローカル局のバラエティ組一行まで出演の賑やかなつくり。お話は、薩摩の家老が殿を押し込め武器密造のうえ抜け荷。これにお家再興を期す甲賀忍者が絡み、藩主の弟ぎみを擁する老公一行を妨害しまくり。薩摩をさして東海道を下り、行く先での人情噺を挿みつつ、薩摩のご落胤の成長物語も描く。最後は薩摩で藩主を救い出しワル家老を成敗し印籠。
 ロケ地、服部半蔵配下の忍びが三剣一味に斬られる、大覚寺御殿川河床勅使門橋下。江戸を出立の老公、南禅僧堂坂。大井川渡し、木津河原。七十郎が勘太と話す岡崎手前の海浜、琵琶湖西岸松原。京の都のイメージに東寺(南塀越しに塔)。京入りの老公が平松勘兵衛の消息を求める指示、南禅寺三門下。平松のことを尋ねに訪れる茶匠・津田宗八の草庵、大覚寺望雲亭門。伏見をゆく一行、松本酒造前東高瀬川堤。大坂イメージに大坂城天守。阿波山中の武器密造所、酵素(ダートに茶店、河川敷に基地セット)。薩摩のイメージに桜島遠景。
*歴代黄門さまや助格、うっかり八兵衛に飛猿まで出ているが弥七は回想イメージのみ。悪家老には河合伸旺、ちょっと崩した髷がラブリー。福本先生は阿波への船で渦に老公を消そうとする船頭(ここ、海津大崎?渦潮と複合)。「渦潮」に飛び込んでの熱演もあるのに、クレジット角淳一より下…。
2003/12/15

■ 子連れ狼 第19話 「大五郎涙の決意!一刀対烈堂大爆破の死闘!」2003.12.15テレ朝/東映

 三峰藩の隠し金山を追う山目付、これに乗じて金山の利権を狙う烈堂。一刀は、死目付となった夫を求める女と出会い、彼らと関わってゆく。相変わらず、アレもコレもみぃんな柳生の陰謀てんこ盛り、最後は鉱山で烈堂とガチンコ、満身創痍となりながら烈堂の片目を傷つけ、第二部完。
 ロケ地、三峰藩家老の依頼の護符が貼られている神社、鳥居本八幡宮。雲助に嬲られている弥生を助ける一刀、沢ノ池(ダート、東岸汀)。山目付のアジト・黒谷村の庵、酵素(民家セット、竹林、木)。弥生に事の次第を聞く一刀、保津峡落合河口。山目付たちと鏑木の死闘、大覚寺御殿川河口〜有栖川河床(鏑木が斬られたあとくらいに、溢水口からの水量が増し、足元激流に。放水車でも出たか池水か)。隠し金山で柳生と一刀のチャンバラ、どこかの砕石場か。事後、傷つき血塗れの一刀を介抱する大五郎、菩提滝下・滝壺の汀。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第138話「口説いた相手が悪かった」1978-1982/東映

 上様が抜擢した代官の致仕願いが出る。私用で出向いた先でのおそのの報告もあり怪しんだ上様、甲州入り。そこでは、年貢の多寡をめぐり賄賂とりまくりの役人たち、生真面目な代官は着任早々監禁されているという仕儀、背後には勘定奉行まで噛んでいやがる始末なのであった。タイトルは、鳥追い姿で村を通りかかったおそのを役人の饗応に使おうとして大失敗のエピソードから。
 ロケ地、131話の紀州号(馬)のお話の、レースの描写と同じところ。神社や道、川など一致。
2003/12/14

■ 鬼平犯科帳4 「霧の七郎」1993.2.17CX/松竹 通算75話

 獄門になった兄の仇を奉ぜんと鬼平を狙う凶盗、これに一旦雇われるも事情を知り考え込む浪人剣客。腕も立ち、大らかな好人物の侍はしかし、一度酒飯を共にした盗賊を手にかけることをためらい姿を消し、世に出る機会を放棄するのだった。
 ロケ地、霧の七郎のアジト(渋谷村の寺、門前に木橋)、不明(歌姫街道で死闘のアレと同じ)。下痢で道端にへたり込んだ辰蔵をおぶって巣鴨へ連れて行ってやる上杉浪人、大覚寺梅林(遠景に心経宝塔)。上杉の申し出で立ち会う平蔵、下鴨神社糺の森池跡。巣鴨の三沢仙右衛門宅へと走る霧の七郎一味、大覚寺有栖川畔の道(見上げ)五社明神放生池堤
2003/12/13

■ たそがれ清兵衛 山田洋次監督作品 2002.11.2松竹

 幕末、東北の小藩に仕える下級武士の日々を描く、静謐な一品。ふだん碌な格好をしていない彼は同僚に侮られ「たそがれ殿」などと称されるが、実は小太刀の名手だったり、幼馴染の友人の妹に熱い思いを抱き続けていたりする。野心を抱かず淡々と日々を送る清兵衛の、ささやかな幸福をうつくしい山河が彩る。
 ロケ地、庄内・海坂藩の蔵、大覚寺蔵。お城に彦根城(太鼓櫓、三重櫓外石垣、天守)。友人の妹の元亭主のDV男との決闘に赴く清兵衛、随心院土塀。藩主亡きあと江戸から取って返しお城入りの家老を迎えざわつく城中の廊下、相国寺方丈か。あと、クレジットにある光明寺、どこを使ってたか不明。山や川はだいたいの見当はつくが、あまり馴染みないので保留、河原のヤナギがいつもテレビ時代劇で見る淀川水系のものとかなり違って新鮮。
*都合二回描かれる殺陣は見もの。男の小太刀での立ち回りって、あんまり見ないけど緊張感あってマル。
2003/12/12

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第137話「箱根小しぐれなさけ雨」1978-1982/東映

 加納じいの病を案ずる上様、平癒の願ほどきと後養生にとじいを連れて箱根へゆく、プチ旅もの。で、お話は湯治に行った加納さまそっちのけで、沼津藩の後継騒動へ。ひそかに育てられていた若君の双子の片割れ少年が、我が孫を跡目に据えようと謀る老中の奸計に陥ちようとするのを阻む上様、ワルを退治て少年を養父と暮らせるよう計らう、加納じいとの絆を絡めてのナレーションは牽強付会…でもないか。でもめ組が箱根へ来ている設定は、新さんとの接点まるでなし、なんなんだ。
 ロケ地、箱根をさして橋を渡る上様一行、木津川流れ橋(右岸側のコンクリ橋脚部分を見上げのショットで。水量多し)。実は若様の馬子少年に過分の代金を渡し断られる新さん、広沢池東岸。小三郎の病平癒を祈し滝行の養父、およびラス立ちの滝、琴滝。帰途、上様とじいが駕籠で渡る橋、流れ橋(茶店の婆さんと行き会うシーンがあるので、早川設定と思われる。右岸に書割っぽい富士山合成)

■ 水戸黄門1000回直前SP

 設定やスタッフの裏話が中心のバラエティ。
当たった要素のひとつ・ご当地ものは確かに見ていて面白いが、黄門って当地ロケ少ないように思う…けどイメージはよく本物使ってる、スタッフも大変そう。悪役特集は無かったが、福ちゃんの槍の殺陣ちらっと映ってた。宍戸大全氏の弥七くるくるジャンプ吹き替えのからくりは面白すぎ。しかし、二時間も見るとコーナーごとに鳴ってる「ああ人生に」が頭の中に響きまくり、ご馳走様でした。
2003/12/11

■ ニュー・三匹が斬る! 第6話「葵のご紋の印籠で関所破りの大盗賊!」1994.2.10テレ朝/東映

 「お役者喜平次」なる窃盗団が各地で大名家のお宝を盗み、悪さを重ねる。一味に女あり、娘の頃惚れた侍に身を売ってまで貢ぐも捨てられ、盗っ人にまで堕ちたもの。そして哀しい女は、仲間にも出世した元の男にも裏切られ、しかし束の間の芝居の夫婦だった千両の優しさに感謝しつつ死んでゆく。
 ロケ地、緋桜のお涼が右近に夫婦のふりをしてくれと頼む吉田手前の街道筋、広沢池東岸。殿様がお涼を説得する城下の水辺、広沢池西岸(水中に祠セット)
*今日も怪しい物売り陣ちゃん、媚薬のお香に本日は正宗の包丁とお出かけセットまで付けちゃう。*松本藩から奪われた神君拝領の印籠、三つ葉葵の紋、模様見えなくてカタバミみたい。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第136話「江戸育ち女棟梁」1978-1982/東映

 芝・増上寺の工事をめぐる陰謀、御用の棟梁が事故を装って消されるのが発端。忠相は、儲からないのにと首を傾げるが、ワルどもときたら寺に火を放ち全面建て替えを企んでいやがるという悪辣さ。上様は残された寡婦が店をしょって立つのを助け、襖絵の絵師の手配もしてやる。この際、事情ありクサっていた老絵師を更生させる挿話もあり。そして、女棟梁と絵師を始末しようと拉致った寺社奉行屋敷へ乗り込み上様、逆臣を成敗。
 ロケ地、増上寺は本物…かなぁ、アレ、三解脱門ってあんなんだったかなー記憶が怪しい。鹿野屋で川田屋に皮肉を言った新さんが帰路襲われる神社、今宮神社稲荷社前。寺社奉行・神崎備前守邸、金戒光明寺瑞泉院。絵師・司馬岳堂が改心し新さんとお斗代を追ってくる水辺、広沢池東岸堤道(池からのショットあり、アオコまじりの池水が大写しに)
*増上寺で上様に声かけられて舞い上がる鹿野屋、先祖が神君にお声頂いて以来だもう死んでもいいなどとやっていると事故、お声がかり思いっきりフキツ。だいたい、増上寺に一人で来てる設定の上様、その大名ルックでどこをどう歩いていったの…。
2003/12/10

■ 長七郎江戸日記2 第6話「春遠からじ」1988.2.16日テレ/東映

 寄合旗本の次男坊に娘を弄ばれ孕まされたと知った父は、正当な扱いをと迫るが、そのろくでなしに幕閣からの縁談あり、不祥事が漏れては困ると消されてしまう。一方、娘はその場におらず身の不運を嘆き入水、これを牛さんと六が助け夢楽堂へ。しかし娘は頭を強打し記憶喪失となっていた。長さんは記憶が戻って再び死のうとする娘にお説教ののち、ワル高笑いの座敷へ乗り込み血の雨を降らせる。
 ロケ地、斬られた挙句家を燃された書道教授・篠原の位牌を東光山・妙源寺に預けにゆく向かいに住む行商人・佐吉、神光院(山門越しに庫裏)。嫁と甘酒飲んでサボリ中の辰が、夢楽堂で保護している記憶喪失の娘を見る、今宮神社稲荷社前。これを襲う編笠の武士、場面西明寺にスイッチ、辰らが人殺しと喚く、参道・清滝川に架かる橋。香苗が落とされるのは河原か。事後、二人して父の位牌を受け取りに来る香苗と佐吉、神光院本堂西・中興堂前〜本堂前放生池石橋。陰で二人を見送る長さんは本堂バック。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第135話「火の山に賭けた女」1978-1982/東映

 続いて九州・旅もの。別府から熊本へ。今回は、将軍暗殺を企む加藤家の忍びの残党という物騒なお話。背景には薩摩と通じる細川家の家老、世の転覆を目論んでいる。暗殺実行犯には熊本城下に潜む「草」のくの一が使われるが、夜中に宿に侵入した女はあっさり上様に見破られ、情をもって説得され失敗。しかし懲りない面々は女の家族を盾に取り再び阿蘇に上様を襲撃、今度は悪家老もまとめて成敗されてしまうのであった。
 ロケ地、熊本城に本物(天守、石垣等)。加藤忍びのツナギに仁和寺九所明神。庭番のツナギに仁和寺観音堂前。ラス立ちに阿蘇火口草千里
*加藤忍びの一人・野田に福本先生、切り下げ髪のポニーテール。*上様、どこで調達したか草千里を白馬で駆ける。やはり草原に白馬はよく映える。

■ 必殺仕置屋稼業 第25話「一筆啓上不倫が見えた」1975.12.19ABC/松竹

 謹厳実直な同僚の死に不審を抱く主水、これにまつわる公共工事の不正入札の件で貰っていた金が仕置料となる。貞淑に見えて、あっさり夫を裏切り死因を作る羽目になった同僚の妻女を見る主水の心情は複雑、仕置された性悪の女たらしを探し回る狂態を見て家路につき、せんりつにこき使われる自分に納得したり。
 ロケ地、降り続く雨で決壊の危機にある小石川新堀河岸、柊野堰堤(落差工下段に土嚢積み上げ)
*不貞の妻女に市原悦子、ちゃっかり男の長屋に転がり込んでいるところを主水に咎められ主人の自刃を聞かされてもどこ吹く風、この演技が寒くて生々しくて怖い、さすが。*女たらしは印玄に投網を打たれ屋根上でぶん回しされ、「助けて降ろして、目が回るぅ」。
2003/12/9

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第134話「湯けむり地獄の決闘」1978-1982/東映

 別府温泉で採れる硫黄を用いて強力な火薬を作り大儲けを企む一味あり、調査に入ったおそのが戻らぬことから、上様九州乗り込み・一月江戸を留守にという無茶設定の旅もの。
お話は、平和主義者の湯の華製造元が頑として硫黄精製を断り密殺されるのを見た上様が、跡継ぎの娘を圧力に屈しないよう励まして、出てきた代官以下のワルを叩きのめすもの。ロケは別府で。田之倉屋の娘と池辺で話す上様の背後にオオオニバスなんか浮いてて笑える。また、次回予告には投宿したホテルなど映ったり。

■ 助け人走る 第6話「上意大悲恋」1973.11.24ABC/松竹

 道行っぽい男女を行きがかりで助ける文さん、女の懐剣には三つ葉葵の御紋があったりしてタイヘン。余計なものを引きずり込んだと怒る元締だが、変態殿様に引き裂かれた悲恋の仲と知り、逃がす算段に出る。しかし、女の懐妊を知った男の怒りと迷いから、事態は最悪の方向へ転がってゆく。そして二人の死後、元締は亡き人の気の済むようにしてやるのも助け人のつとめと、文さんと平内を藩邸に向かわせるのだった。
 ロケ地、津島小十郎と待ち合わせのあずさが藩主に目をつけられる、粟生光明寺石段。婚約者を殿に連れ去られた小十郎が激昂し騒ぐ城の廊下、相国寺方丈(内からの撮り、塀越しに法堂が垣間見える)。取り返されてしまったあずさを追って小十郎が駆けつける浜田藩上屋敷、随心院薬医門(門に至る道には塔頭の塀なども映る。この頃の塀は漆喰が剥落)。変態藩主が小十郎の目前であずさを嬲る、大玄関式台
*なかなか身の上や事情を言わない男女をめぐって、文さんの長屋で繰り広げられるやりとりも見応えあり。藩邸玄関での小十郎の壮絶な斬り死にも、様式美ありなかなか。藩主を殺しに入った平さんが煙草に気をとられぷかぁーと呑気に一服、のくだりは笑わせる。しかし、文さんに小判投げつけられ、額に半分陥没してるのに死なない殿様って怖いぞ。この殿様、悪さの動機も碌に語られてないし。
2003/12/8

■ 子連れ狼 第18話 「待っていろ烈堂!一刀怒りの剣と妻の悲痛な涙…」2003.12.8テレ朝/東映

 舞台は小諸、一刀父子と知り合った幸福そうな藩士一家だが、好人物の主は或る夜ツナギの狼煙が上がるのを見る。彼こそ柳生の里入り忍、刺客・拝一刀を討ち取れとの命が下る。
子が産まれた際夫の正体を聞かされていた妻の、以来「恙無く」と祈り続けたけなげな心は一刀に届き、一家は密かに落とされる運びとなる。
 ロケ地、千曲川の橋を渡る一刀、木津川流れ橋(バックに浅間山合成、一刀を襲った柳生の刺客は川落ち)。小諸城、彦根城天守遠望。開墾予定の北の荒地、不明。釣りの大五郎が勘定方・御影の息子に教わる天神下の穴場、保津峡落合。一刀が傷を癒す小屋、落下岩上にセット(柳生の一団が清滝川岸をゆくのを見下ろす場面もあり)。御影の妻が額づく天神さま、鳥居本八幡宮(本殿、舞殿)。柳生衆とのラス立ちも同所、広場や井戸など使用。城を下がる御影、彦根城天秤櫓埋木舎前堀端(佐和口多門櫓バック)。小諸を去る一刀、山室堤内地畦道。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第133話「油地獄のバカ踊り」1978-1982/東映

 油問屋・越後屋の三代目がしたたかに遊蕩と見えたはお芝居、謀殺された父のため悪党の正体を探っていたもの。正体、北町奉行と結託し行灯油を売り惜しみ値を吊り上げる同業の鴻巣屋、当の越後屋の番頭もグル。これに、一味に加担しつつも次第に若旦那を慕う花魁の話もからみ、ワルが退治られたのち祝言になだれ込み。
 ロケ地、弓のお稽古上様、枳殻邸印月池畔。越後屋の乳母と話す新さん、金戒光明寺放生池極楽橋(池は水湛えていて草ぼうぼうではない)。越後屋先代の法要が行われる寺、金戒光明寺永雲院門。庭番のツナギに三門を複数回。越後屋の墓、黒谷墓地(バックに文殊塔)
*北町奉行に河合伸旺、普通に悪役、しかしラス立ち前「成敗」と言われ「…かっ」と吐き捨てる素振りはなかなか可愛い。

■ 御家人斬九郎5 第10話「最後の死闘」2002.2.26CX/映像京都

 シリーズ掉尾を飾るスペシャル版。渡辺謙自身がメガホンをとる一作。
開始後十分強はいつものコミカルな仕立て、メリケンの接待が首尾よく進み和やかなムードの舟久に、下女のよねが泣き顔で駆け込んでくる。悲報は兄の切腹。納得ゆかぬその横死を追及する「弟」の動きは、背後に隠れた巨大な時のうねりに突き当たり、意地を張り通す御家人の運命は死神との道行きとなる。
 ロケ地、久方ぶりに訪ねてきた兄を見送る斬九郎、妙心寺福寿院への路地〜八幡掘新町浜。もの言いたげに兄が渡る橋、明治橋。メリケンのキャプテン接待の屋形船、八幡掘掘割〜舟久下の舟着きは八幡掘東端のかわと。下河原藩邸、大覚寺大門参道石橋。下河原藩家老・内藤が長野主膳と密談、粟生光明寺御廟への階〜本堂裏回廊〜方丈縁先。しばらく舟久へも東八へも立ち寄らぬと佐次に言い置き去る斬九、八幡掘明治橋・白雲橋間左岸の堀端。家老が斬九に会見を申し入れてくる白口橋天正寺、法然院山門、参道。死地に赴く斬九を待ち受ける蔦吉、上賀茂神社ならの小川神事橋。開化後の東京、人力車に乗った黒服の芸者がゆく道、龍谷大学大宮キャンパス

■ 水戸黄門32 第17話「老公を叱った娘漁師」2003.12.8TBS/東映

 舞台は磐城、柳カレイ目当てで小名浜に立ち寄った老公は、気風のよい漁師の娘と出会い、密命を帯びて行動中刺客に斬られ重傷を負った若侍と関わる。背後には、領民からの上納金を私し、高利貸しでぼろ儲けの次席家老がいた。正義派の首席家老が、若侍の報告来ず窮地に陥る評定の場に乗り込み老公、ひとくさり助格暴れさせて印籠。
 ロケ地、小名浜漁村、琵琶湖西岸。磐城藩領の山道で刺客に襲われる若月誠四郎、保津峡落合落下岩落合崖下(落ちる先は海設定)。江戸城、姫路城
*傷を負いお久美と老公に保護される誠四郎、ずっと落ち武者ヘアー…。
2003/12/7

■ 鬼平犯科帳4 「鬼坊主の女」1993.2.10CX/松竹 通算74話

 江戸に跳梁した凶盗・鬼坊主の清吉がお縄となり、盗っ人として最後の意地と画策した一件は、残った手下たちの内紛となる。一件とは、市中引き回しの折、見物の市民の前で辞世を披露すること、この代作が手下たちによって手配されるが、その代金として六百両もの大金を払うとしたことで、金をめぐって手下や情婦の間で血腥い闘争が繰り広げられることとなる。
代作をつとめ消された浪人をめぐるエピソードが加味されている。
 ロケ地、伊勢から護送されてくる鬼坊主の唐丸、琵琶湖西岸松原。棚倉浪人の娘・お冬が辻占を売る夜の橋、中ノ島橋。事後、お冬を連れ信州へ向かう五鉄の三次郎、山室堤道

■ 町奉行日記 工藤栄一監督作品 1992.12.23CX/東映

 のちに「どら平太」として映画化された、山周原作もの。望月小平太を渡辺謙が演じる。
 濠外の大掃除を殿から仰せつかった新任奉行は、型破りなアプローチをかけ、濠外の親分衆の内懐に飛び込み、奇計を用いて彼らを退去せしめる。望月の遊びっぷりや、シャープな殺陣の端々に斬九郎のイメージが重なる。
 ロケ地、冒頭の早馬、琵琶湖西岸松原。丹後田辺藩天守、丸岡城。新奉行に望月と聞きわらわら集まる御徒歩組、妙心寺東海庵前路地。安川が望月の宿へ馬で走る道、山室堤道。城を下がる望月と堀、長岡京・勝竜寺城高麗門。城下を話しながらゆく二人を尾ける剣士組、妙心寺大通院裏路地。大目付・堀邸、妙心寺福寿院。剣士組に会見を申し入れられる望月、妙心寺三門前松林。望月の役宅、剣士組と会見の泰月院、不明。濠外の橋、琵琶湖西岸に流入する小河川の河口と思われるが特定に至らず(橋や町並みは現地にセットと推測)
2003/12/6

■ 栄花物語 1983.11.12CX/東映

 「濁り」の田沼意次を老いて尚産業振興を図る見識高い政治家として、「清き流れ」の松平定信を経済の判らぬ頑迷な守旧派として描く、江戸中期秘史もの。
田沼の質素な日常が描写され、これに戯作者の無頼旗本、定信に仕えながら主の仕ざまに疑問を持つ青臭い堅物官僚、彼らの間をひらひらと舞う運命の女をからめ、時流の渦に飲み込まれてゆく人々のそれぞれを淡々と綴る。
 ロケ地、松平定信の示唆で田沼中傷の戯作を制作する青山信二郎邸、中山邸通用門。田沼が視察に赴く印旛沼、広沢池西岸。視察団一行が投宿する寺、不明。「佐野大明神」に刺殺された田沼意知の葬儀が行われる駒込の菩提寺、随心院薬医門
*印旛沼視察に田沼を狙う、定信差し回しの刺客団に福本先生と小峰さん(あと一人名前判らず)、田沼の女を拉致したりするが、宿のまわりで騒ぎを起こし敢無く失敗。後段、三人は河豚の毒にあたって死んだことで処理された旨出てくる…河豚…。
2003/12/5

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第132話「聞いてちょ!爺ちゃん(とっちゃん)若様評判記」1978-1982/東映

 尾張柳生が、家老の使嗾で三河の天領を我が物にと謀る。ターゲットは、あろうことか加納じいの知行地・西大平。じいを若様扱いの矍鑠たる田所甚兵衛が亡くなった後にちゃっかり入り込み、跡継ぎを決め込む自称隠し子の「甚蔵」は、柳生の穴沢帯刀。代官も丸め込むが、加納じい立会いの書付披露の際、爺さんの昔の名を取り違えているというしょーもない不備を問い詰められ、野望潰える。
 ロケ地、名古屋城、本物。尾張柳生新當道場、大覚寺明智門。三河へ出陣の柳生衆がざっざっと行進の川、勅使門橋下の御殿川…君らはなんでわざわざそんなとこを歩くのか。三河へ赴く新さんと加納じい、天竜川渡しの茶店で潮見坂の飛脚殺しの噂を聞く、広沢池東岸(背景に富士山合成)。領地入りした加納じいが代官所役人に誰何される道、大覚寺大沢池堤。じいの菩提寺と墓、不明。田所邸、例の不明な「庄屋屋敷」。
*尾張柳生の穴沢に菅貫太郎、書付披露の際や代官をだまくらかす際には頓狂な猫撫で声、事が露見し新さんに痴れ者と縁先から突き落とされるや一転、すくっと立ち上がり配下に「構わぬ斬れ!」上様との一騎打ちの殺陣もある。*代官には江幡高志、田舎代官を好演、尾張なまりのみゃーぎゃーが笑える。短か目の袴が可愛い。菅貫に騙されてるだけで、悪人ではない設定。

■ 御家人斬九郎5 第9話「冬木町の女」2002.2.19CX/映像京都

 奔放で思い込み激しく、斬九を自分の男と触れて回ったりする天然系の女・おつや(美保純)。しかしその振る舞いは、島流しになって帰ってこない男を待つ女が、束の間甘えてみたいじらしさ。捕物のため斬九の頼みを受け、身を危険に晒しつとめを果たした女への「ご褒美」のデートは、付きまとっていた馴染客の嫉妬の刃に血塗られて終わる。
 ロケ地、島井の弥五郎一味が裏切り者を刺す川、および酔ったおつやが斬九郎に拾われる小川、上賀茂神社ならの小川神事橋下。介抱してくれたお礼に来たおつやと茶店で団子を食う斬九、神光院茶室(池と橋越しに本堂)。まとわりつく新八をすげなく突き放すおつや、神光院蔵前。雷おこしの依頼でおつやに頼みごとをしようとして菖蒲市へ行こうと切り出す斬九、広沢池東岸。佐次の姿見て事を察知し、捜査協力を申し出るおつや、神光院中興堂東面縁先。斬九と蔦吉が参るおつやの墓、広沢池東岸
*蔦吉に嫉妬し突っかかる場面もあるおつやだが、刺されて息絶え絶えの彼女は枕頭に蔦吉を呼び寄せ話す。その真意は、借りていた斬九を返すというものだったろうか、応えは途切れ悲しい女は眠りにつく。

■ 必殺仕置屋稼業 第24話「一筆啓上血縁が見えた」1975.12.12ABC/松竹

 自ら泥の中に咲く悪の花とうそぶく悪党の兄妹、各地の富商に後妻として入り込んでは殺しと乗っ取りを繰り返す。そして、女将を殺し入り込んだ新たなターゲット宅にいた女中は昔捨てた娘と判明、身の安全のためこれをも始末してのけようとする冷血の兄妹。しかし殺された女将に拾い育てて貰った女中は仇討ちを仕置屋に託し、実の母でも仕置されるべきと言い放つのであった。
 ロケ地、毒婦・おきぬと悪党の兄・伝蔵の回想、下総小田村から妹を連れ去る際の夫殺し、柊野堰堤落差工下河原。
*毒婦を母に持つ依頼者への配慮を話し合う仕置屋たち、トラウマを抱える印玄が激す場面も描かれる。ほんの一瞬町ですれ違っただけで毒婦をも誑かす市松の色気が強烈。
2003/12/4

■ ニュー・三匹が斬る! 第5話「艶姿!度胸で渡す大井川」1994.2.10テレ朝/東映

 大井川総元締の座を狙っての陰謀、金谷代官もグル。これに捨て子拾いで関わる陣ちゃんと殿様、難癖をつけられ斬られた正田屋の仇を報じんと三匹が乗り込む。
 ロケ地、金谷の東西の街道筋に谷山林道、茶店セット。金谷手前の街道筋で足を痛めた仇討ち女(詐欺師)を助ける右近、大覚寺護摩堂前。陣内が捨て子を拾う宇津ノ谷峠夜鳴塚、鳥居本八幡宮石段と鳥居。大井川島田の渡し、木津河原
*正田屋の嫁・気風のいい若女将に八代亜紀。*陣内さん、夜鳴塚に「手押し車」を「ごとごとと」来る…しっかり仕込み槍もついてそうな感じ。出陣三匹は「死して屍」とかテロップ入ってもおかしくないふうに横並びで道を行くし。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第131話「駆けろ!天下の紀州号」1978-1982/東映

 外国から馬を入れて改良しようとの上様のプランは、利権まみれの諸大名や野馬奉行、御用の馬師が阻止の動き。輸送途中に襲われ行方不明となったアラブ種の駿馬は、箱根山中に暮らす元南部藩士の馬医者に拾われ保護される。
このあと、異種導入の議論は馬競べにて決することとなり、レースがたっぷり描かれる。もちろん紀州号の乗り手は新さん。途中わらわらと出てくる妨害の手を始末して、この間のブランクもはねのけて紀州号一馬身以上差をつけゴール。馬医者は帰参叶い、上様から紀州号託されて南部へ旅立つのであった。
 ロケ地、箱根山中で襲われる紀州号、酵素ダート(上の山からの見下ろし)。紀州号を保護する馬医者の寓居、酵素河川敷。レース、スタートとゴールは下鴨神社馬場、途中の川沿いの道や山道、堤道は…山容から亀岡のどこかと思われる。

■ 御家人斬九郎5 第8話「乱調麻佐女」2002.2.12CX/映像京都

 富商の祝言の宴に鼓を所望された麻佐女さま、相方の笛の吹き手を選ぶ際、名手ながら音色に険あると看破したその慧眼は、過たず正体を見抜いていた。
レッスンを重ね、老いらくの恋にはまってゆく麻佐女さま、相手の正体を盗賊と知った斬九郎は母のため、仕掛けた夢の始末を男に迫る。
 ロケ地、麻佐女さまが庄三郎とデートの高田屋の庭、梅宮大社神苑(八ツ橋、池中亭、入口門)。庄三郎を待ち受ける斬九(夜)粟生光明寺山門と石段下部。盗賊同士の抗争の果ての死体があがる川、桂川堰堤下。検死は中州(中ノ島橋バック)。佐次が庄三郎の件を報告、粟生光明寺石段上部(昼)
*庄三郎に林与一、老いて尚色気たっぷり。笛方の所作もいいが、上方の「本格のお盗め」のかしらとしての台詞の関西弁も新鮮「仇討ちや!地獄へ送ったるで」。*男に心揺れる麻佐女さま、庄三郎に触れた手を愛しむ姿や、こっそり派手な紅をさすところは些か気持悪めに描かれるが、可愛さ横溢。
2003/12/3

■ 長七郎江戸日記2 第5話「仇討ちという殺人」1988.2.9日テレ/東映

 長さんが関わった亡き友の仇討ち、裏には変態の血を見るのが好きな藩主がいて、あろうことか長さんが血塗れで斃れるのを見たいがため、瓦版屋まで使い誘き出そうとする。友の遺児と寡婦を守るため、長さん乗り込みで馬鹿殿を成敗。フェチっぽい殿様、そもそも長さんの友が殺された時点から仕込みというトンデモなさ。
 ロケ地、まだ詳細も明かされぬまま仇討ちの場所と書き立てられる采女ヶ原、酵素(河川敷に竹矢来が巡らされ、地回りが場所の采配をしている)。辰夫婦が見物衆相手に席を売る、酵素の二本の木(半分腐ってる木に登って辰っあん危ない)。阿漕な瓦版屋・朝文堂とツナギの編笠侍、金戒光明寺本堂裏の野ざらしの青銅仏。長さんの回想、結城新三郎の悲報を聞き山中藩に赴く長さん、街道筋に大覚寺大沢池堤。結城の遺児・勇太郎の剣の師が助太刀を申し出ての帰途斬殺される道、金戒光明寺長安院下路地。事後、勇太郎が仕えることとなった岡部藩邸、大覚寺大門(長さんが対岸から見ている)。見届けて行く長さん、ナレートに被せ放生池堤北縁の石橋。

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第130話「蜆汁から弾丸が出た!」1978-1982/東映

 突如巻き起こる「浅草辰巳堀鉱毒事件」、堀で採れた蜆食った連中が腹下しで大騒動、め組の面々から加納じいまでやられる。蜆売りの少年は腐った蜆を売ったかどでとっ捕まり窮地、父亡きあと母を養っていた孝行息子の難儀に新さんが立ち上がる。
そもそも少年の父が死んだのは、悪徳商人が大身の武家を呼びつけての新式弾丸の試し撃ちのお披露目。屋敷内で弾丸作ってて鉛毒を川に流すという行為から起こった事。半蔵の身を挺しての調査から証拠ゲットで乗り込み上様。
 ロケ地、本所で駕籠かきが狙撃され死亡、大覚寺五社明神。正太が蜆とりの辰巳堀、上賀茂神社ならの小川。庭番に正太の蜆の調査命じる新さん、北神饌所前。辰巳堀を調べる庭番たち、ならの小川から場面は大覚寺御殿川にスイッチ、武家屋敷の樋から濁水発見は有栖川。その屋敷、物部刑部邸、大覚寺大門(半蔵が蜆売りに扮して入る際には式台玄関と門内が映る)。これを報告の庭番が狙撃される、今宮神社合祀摂社前〜稲荷社前。
*事後、正太が礼にくれた蜆を密かにおそのに調理させ食う上様、書見台の前で匂いを嗅ぐのが笑える…おその、茶釜で蜆炊いてるし。

■ 御家人斬九郎5 第7話「母の夢」2002.2.5CX/映像京都

 斬九に降って湧く鍋島藩留守居役の娘との縁談、諸氏を呼びつけてのそれにカチンと来た斬さまは娘を面罵、説教して去る…が却って気に入られたり。同じく話のあった鍋島藩の若侍の母が現れ、麻佐女と斬九に辞退せよと迫る。この猛母、麻佐女さまの幼馴染で幼少時の恨みつらみをブチまけまくる。猛母を持って相身互いと動く斬九郎、ことは鍋島藩のお家騒動と関わってゆく。
 ロケ地、見合いの寺、随心院本堂(大木の娘が欠伸をする縁先を池越しに・斬九らが控えさせられているのは表書院)。斬九がむっさい格好を作って断られに赴く大木隼人正邸、相国寺大光明寺門。倉林母子が斬九を呼び出す回向院本堂裏、下鴨神社糺の森池跡。大木の娘・吉乃が拉致される道、金戒光明寺善教院前坂。大木隼人正が妻の実家の墓参中襲われる、金戒光明寺本堂裏墓地。吉乃が連れ込まれる肥前屋の寮、中山邸門
*麻佐女の幼馴染を務めるは藤村志保、林隆三の万吉相手に芸者の小左門姐さんを演じていた姿が蔦ちゃんに重なったり。*斬九の見合話を聞いて変調蔦ちゃん、舟久でお掃除は水ぶちまけ、東八で手伝いには食器パリーン。可愛すぎ。でも拭き掃除しながら歌うのは「かんかんのう」…。*見合を強要する麻佐女さま、言うことを聞かねば「舌噛む!」に息子は「…噛め」、絶妙の間が笑わせる。*吉乃に「嫌われる」算段に四十年女無しの佐次親分に秘訣を聞く…佐次、ハイとか言って「まず、しばらく風呂に入らず人前で歯をせせり屁を」このアドバイスに倣ってのスタイルは泥足…。
2003/12/2

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第129話「幼なじみは大奥の女」1978-1982/東映

 大奥の老女と御広敷御用人が結び、重代のお道具(ニセモノ)を破損したとして腰元を嵌め、親から大金を毟り取るという悪行を重ねる。そのうちの一人はめ組の久ちゃんの幼馴染、彼女を密かに慕っていた久ちゃん、身を案じて訪ね、見張りのワルに斬られたり。彼の心は新さんに通じ、のこのこと金を受け取りに来たところに乗り込まれ成敗。事後お女中はお城に戻り、久ちゃんの恋は遂には実らず。
 ロケ地、おそのとツナギ・大奥潜入を命じる新さん、御室八十八ヶ所大窪寺前池の石橋上。半蔵に今津屋探索を命じる新さん、御室霊場のお堂。今津屋にお澄を訪ね気晴らしにと外へ連れ出す久ちゃん、上賀茂神社ならの小川(刺客に斬られて川落ち)。今津屋が要求された一万両を荷車に乗せ持ってゆく本所小梅光雲寺、仁和寺九所明神。新さんが騎馬で駆けつける道に前と林間
*ラス立ちに福本先生。

■ 新必殺仕事人 第9話「主水留守番する」1981.7.3ABC/松竹

 強烈な紐帯を持つ盗っ人の正体は、怪僧・知識(大前均)が開く隠し念仏講。なかなかにエロい真似もしてのける知識に拾われた兄妹あり、妹の恋人である弟分を始末さされてから歯車が狂いだす。兄は罪の意識に魘され、妹は放心して彷徨ううち勇次に拾われる。クールに対処しようとする勇次、しかしある夜、決死の覚悟で妹を逃がす兄、妹はからがら辿り着いた勇次の家の戸を叩き、兄から託された頼み料を渡すのだった。
 ロケ地、政吉に刺された清助の死体上がる大川、広沢池東岸汀。釣りの勇次がおふみを拾う川辺、桂川松尾橋上手右岸河原。ツナギの墓地はくろ谷か。
*おふみと政吉兄妹のことを仲間に質される勇次、お上の片棒はと忌避。主水が吐き捨てるようにつながりは仕事料を懐にした時だけと呟き、勇次との距離が描かれる。タイトルはせんりつ富士参りで不在から。

■ 御家人斬九郎5 第6話「捨値五両」2002.1.29CX/映像京都

 おカネのことから仇討ちに関わってしまう斬九、仇持ちのほうを匿う羽目に。兄の仇とこれを付け狙う若侍は女たちに気に入られ、斬九立場無し。そのうち知れる、仇持ちの冴えないお納戸役の無実、重役が加担しての公金横領。藩からも真の標的・若侍の叔父の側用人に追捕の手伸びるが、お納戸役の、年下の頼りないあどけない妻女は自害の悲報がワルの側用人によってもたらされる。
 ロケ地、質入れした鼓を請け出すため、自身に値札をつけ縁日で「お侍の御用は」と呼ばわる斬九、金戒光明寺三門。殺された徒歩目付の同役に朱印を見せ協議、仁和寺塀ぎわ。ラス立ちのブッシュと砂河原、木津と思われるが確定要素見出せず。
*妙に女たちの気を引いて同情あまたの若侍、舟久トリオからりよ殿、るい殿から果ては麻佐女さままでメロメロ(…りよ殿、佐次を選んだ君だけはそんなじゃないと思ったのにぃ)。もちろんクサる斬九、子供じみた悪罵「女が三人も四人も五人も/もうおめぇらとは口聞かね」。

■ 助け人走る 第5話「御生命大切」1973.11.17ABC/松竹

 ゴロツキの辻斬りにやられ手傷を負い、共にいた同輩を失い、武士の面目丸つぶれの若侍。切腹の危機に、若侍宅に使える女中が助け人に依頼、文さんたちが仕留めたゴロツキを主人の手柄に偽装して名誉を回復させる。一転して武門の誉れと評判をとり昇進の沙汰もおりるが、噂を聞きつけたゴロツキの一味が恐喝にかかる。これをアフターケアの助け人、女中は身を引き、残された若侍は悲愁を噛み締めるのだった。
 ロケ地、辻斬りが出る藩邸近くの橋、大覚寺参道石橋。高島藩上屋敷は大門(内と外両側からのショットあり)。元締の隠れ家へお吉を「連行」する文さんと平内、嵐山公園中州水路(船上)。水門を開けてアジトへ入るシーン、広沢池を使用か(水門の向こうにちらっと映る)
*文さん宅へしけこんでいて、平内の軽口から「助け人」のことを聞いてしまうお吉、本来始末されるところを元締の声掛かりで仲間に。その日のうちに仕事に入る。*必殺悪役にはお馴染の津川雅彦、ゴロツキ浪人のヘッドを怪演。髭の剃り跡も青々とした、欲望ギラギラのビジュアル。最後は一人だけ無様に逃げ出し、藩邸の門を叩き「辻斬りやっつけ」を虚偽と喚くが、門内で待ち受けていた平内に始末されてしまう。頭から衣を被せられ、くるくるとのたうち回ったあと、口の中にぐっさりと仕込み煙管を突き立てられる。いつも通りの傑作な断末魔もちゃんと叫ぶ。*面目失いの小山内圭介に池田秀一、シャアの声には聞こえなかった。
2003/12/1

■ 子連れ狼 第17話「乳房あらための女と一撃必殺の刺客剣!」2003.12.1ANB/東映

 一刀に刺客依頼のターゲット、そして大五郎を保護した女が夫と子の仇と付け狙う藩主の驕慢な側室は、岡崎藩改易を狙う烈堂が送り込んだ草であった。
ちょっと粗い印象の筋立て、しかし関所に側室を襲う一刀が破壊的なので個人的にはマル。この分だと堺筒もアリかも。アレが出てこないくらいだと、阿部怪異も無いかも知れないもんね。見たいぞ平成版毒屋の子。
 ロケ地、安全のため分けてゆくお浪の方の駕籠、二の駕籠がゆく脇街道の土橋、不明。田舎道をゆく三の駕籠、山室堤道。岡崎藩目付の回想、一刀に聞いた柳生の草の件、大覚寺大沢池北岸・護摩堂前、セピア色。事後、黙して去る一刀父子の前に走り寄る女改役・おもよ、大覚寺大沢池堤。街道筋、柴田らが一刀に礼を述べる、山室堤道。彼岸花咲く畑地をゆく父子、山室堤外地の畦道

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第128話「父よあなたは強かった」1978-1982/東映

 新興の両替商が横暴の限りを尽くし、追い詰められ死人も出る始末。このバックと見えた勘定奉行も腰が引けているほどの悪党、これに雇われている用心棒の浪士は、或る日息子のガールフレンド宅を強襲する羽目になり、顔も見たくないと嫌われる。その息子が重い心臓疾患で、金が入用のため汚れ仕事を受けていた浪人は、新さんの示唆で改心、成敗の糸口を開く役割を果たす。
 ロケ地、悪徳両替商に財も娘も根こそぎにされ大川に身投げの小間物問屋夫婦の土左ヱ門が上がる、中ノ島橋北詰中州岸(橋脚越しのアングル)。GFの店が蹂躙され、父を厭い駆け出す幼い息子、上賀茂神社御所舎前。両替商・佐渡屋は長崎で現勘定奉行と腐れ縁と報告の庭番、今宮神社東門内石橋上。

■ 御家人斬九郎5 第5話「ゆうれい長屋」2002.1.22CX/映像京都

 芝居仕立てのSEがフレームとなる、コミカルな一作。
鰻重で喧嘩の母と息子、「こんなウチ出てってやる」と吐き捨て借家住まいとなる斬九、安値で諸道具も付いた部屋は曰くつき、吊りの現場。柄にも無く脅える斬九の耳に深夜聞こえてきたのは幽霊でなく密会の男女の睦言。ここから大身旗本の子女と関わり、話は大奥だの将軍だの、派手な展開に。そして大奥の老女に化けて敵方に乗り込んだ「蔦山さま」の働きで、事は諸侯の間で婚姻の周旋をして回るたちの悪い大奥御添番の謀略と知れる。
 ロケ地、醍醐三郎邸、妙心寺衡梅院門。醍醐を尾行する佐次親分、妙心寺玉鳳院前路地
*貧乏長屋でしっぽり差し向かいの斬九と蔦吉、しかし麻佐女さまが来てワヤ。その都度押入れに籠められてしまう蔦ちゃんなのだった。長屋でのコミカルなやりとり、名言続発。縊れて死んだ前の住人の食器を平気で使う斬九に呆れる蔦ちゃんに「洗ったよ」などなど。

■ 新必殺仕事人 第8話「主水端唄で泣く」1981.6.26ABC/松竹

 貧窮者に篤い保護を施し評判の浄雲院、内実は平気で老人を消しボロ儲けを企む生臭尼と寺侍、これに役所を誤魔化す役割の寺社奉行同心。
加代がたばかられて騙りに一枚噛んでしまい、身辺に迫る魔手と、余生を人のためのボランティアに過ごそうとしていた篤実な老夫婦が消されるにおよび、チームは始動する。
 ロケ地、浄雲寺、不明(劇必殺でも使ってたような)。寺に不審抱いた多平が、尼姿の加代を振り切って行く、大覚寺参道石橋上。多平が主水に寺の実態を話し助力要請、大覚寺放生池堤(バックに望雲亭と心経宝塔)

■ 水戸黄門32 第16話「開かずの鍵が解いた謎」2003.12.1TBS/東映

 舞台は白河、旅の一座の花形女形と、腕のいい錠前師父子の確執を解き、公費をちょろまかして私腹を肥やす勘定奉行一派を成敗する老公。裏帳簿が隠されている箱の錠前は父子が協力して開けるが、中には何も入っていなかったというオチ。
 ロケ地、三の蔵にと謎の言葉を鬼若に残し事切れる御蔵番、鳥居本八幡宮舞殿脇。
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