時代劇拝見日記
2003年6月

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2003/6/30

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第5話「大奥に咲いた春」1978ANB/東映

 大奥改革に手をつけるに至るプロセスを描く一話。また、側室の話断り25年独身上様の起こりともなる。
 「徳田新之助」も助力し、やっと所帯を持った若夫婦に災難がふりかかる。ある夜、市中で殺しを見てしまい、殺された女を抱き起こしため組の弥七は犯人にされてしまう。このとき一緒にいた娘あり、しかし彼女は秘密で大奥を下がってきたため証言できず逃げ去る。娘が城を抜け出た因は、柳の局の道具として将軍の褥に上がることを強要されたためだった。娘を説得し弥七の無実を晴らしてやる上様、返す刀で女殺しも解決、大奥緊縮にも着手。
 ロケ地、お庭御目見得の庭、枳殻邸印月池畔、傍花閣前。城を抜け出て恋人と会うお静、大覚寺放生池堤。思い詰め心中を図ろうとする、中ノ島橋たもと堰堤前。城付近でお静をつかまえ説得の新さん、知恩院黒門道
*冒頭の辰五郎と木場政の喧嘩に割って入った新さん、顔を殴られ「ついカッとなって」殴り返し老人を昏倒させる、大奥改革を忠相に提案されるも方策は自分で考えてちょと言われ剣を振り回し「やってやるぞ」、女殺しの件では庭番に自重求められるも「ひと暴れしたいのだ」…若いなー、上様。

■  第15話「最後に笑う奴」1967TBS/松竹

 高崎城下で切腹した公儀徒目付の件で高崎入りの新十郎、道中でその未亡人と関わりいきなり深入り。事情を知る高崎藩次席家老にかけあうが埒あかず、どころか捕われてしまう。しかも問題の徒目付は実は生きていて、用林の横流しのごまかしに手を貸しているはの大騒ぎ。最後はしおらしい「未亡人」が正体現すどんでん返しも。
いつものかがりに加え、高崎に入り込んでいる甲賀の草も出てきて賑やか。この老爺はかがりを仕込んだ男で、かがり子供扱い。源爺いなんて呼んでるとこからすると、かがりは上忍なのね。
 ロケ地、OPに被せ高崎へ急ぐかがりのシーンに落合崖と清滝川。高崎藩次席家老・村沢監物邸、相国寺大光明寺(門、南塀、玄関先)。榛名権現は神光院かと思ったが微妙に違う。

■ 必殺仕事人 第1話「主水の浮気は成功するか?」1979.5.18ABC/松竹

 八王子に赴任していた主水が急に勘定奉行のお声掛かりで呼び戻される。これが元締・鹿蔵の差し金で、再び闇の稼業に誘われるが渋る主水。仲間の悲惨な死に様を語りもう二度と、と言う主水に己の生き様を誇るように話す鹿蔵。外で話を聞いていた左門が妻子を護るため殺し屋になると言い出し、一回きりと乗る主水。
仕掛けの際には姿を見せず、個人的理由で秀が関わってくる。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。ターゲットの勘定奉行所書役・戸ケ崎重内邸、相国寺大光明寺(庭、門)。半吉を追う戸ケ崎の弟、大覚寺御殿川の中。左門が橋上から飛び降り襲いかかる、勅使門橋。左門との立会い、有栖川へ。大沢池溢水口に秀が潜む。弟を倒したあと荒い息をつく左門の顔がオーバーフローの向こうに見える演出もあり。
*左門と主水の関わりがはじまる、鹿蔵の示唆で人体を確かめに行った左門が追っ手と誤認して斬りかかるシーンの殺陣はなかなか。*どぶ川で切り刻まれて惨死した仲間と赤井夫婦のことを語る主水、たしか新仕置の初回でも鉄に赤井夫婦のことをしみじみ話してた。やはりあれはとびきりのトラウマになってるのね。*岸田森に刀渡す主水、目釘抜いてあるという演出がいい。
2003/6/29

■ 奇兵隊 第一部 京洛の花に舞う 決起編 1989.12.30NTV/東映

 風雲急を告げる幕末を、国と民を思う高杉晋作を主軸に据え描く。
第一部は晋作の上海遊学から禁門の変まで。
高杉に松平健、脇も豪華キャスト。なかでも周布政之助の津川雅彦が光った。本筋から離れるゆえ描かれなかった山内容堂との大喧嘩も見たかったな。
 ロケ地、上海の租界、オランダ村。長州藩江戸邸、大覚寺大門。長井雅楽に食ってかかる久坂玄瑞は式台玄関前。薩摩藩京屋敷、大覚寺明智門。江戸・大森梅屋敷、中山邸(門、庭)。酔態の周布が土佐藩士をからかいに来るのは参道。高杉が松蔭の亡骸入れた早桶を行列仕立ててゆく上野不忍池、大沢池(北岸から放生池堤)。寛永寺三枚橋を押し通るシーンは大覚寺勅使門と橋。高杉が将軍に「よっ征夷大将軍」と高声で呼ばわる賀茂神社行幸、下鴨神社参道。大津宿近く、大村益次郎に英国留学の許可貰う井上聞多と伊藤俊輔、琵琶湖西岸の松林と汀(舞子浜か)。突然の出家後、祇園で浮かれ騒ぐ高杉、祇園の白川畔。大村益次郎が執務をとる長州普門寺、大覚寺聖天堂。有栖川宮邸、相国寺大光明寺南塀通用門と石庭。
2003/6/28

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第4話「遥かなる遠き日の母」1978ANB/東映

 旗本・大角が娘を使い商家に強請りを繰り返す。手口は娘に小銭を盗ませ、追いかけてきたところを身分明かして凄むというもの。或る日、いつものように銭掴んで逃げた娘は老婆と行き当たり捕まる。しかし居直り、老婆が犯人と強弁、二人して南町の牢へ。娘は大角が無理に引き取ってゆき、老婆はめ組に保護される。その老婆が鳴らすデンデン太鼓の音に古い記憶を呼び覚まされる上様、死んだと聞かされていた産みの母の微かな思い出。
このことを嗅ぎつけた尾張候が陰謀を巡らし上様を辱めようとするが、ねちねちと宗春にいたぶられる母の姿にたまらず評定の場に飛び出した上様のうるうる涙顔に大角の娘や偽証強いられていた商家の番頭が陥落し一件落着。
 ロケ地、お城の庭で大角の所業について庭番の報告受ける上様、枳殻邸侵雪橋上。上様の実母「とり」が赴くお城近く、知恩院黒門道
*実母役は中村玉緒と思い込んでいて、この婆さんはどんな立場なのかなーと見ていた馬鹿、途中で流れに気付く愚かさ…。

■  第14話「見ろ!言え!聞け!」1967TBS/松竹

 お話は、油を隠匿し値を吊り上げる悪党たちが実直な飼葉屋の兄弟を苦しめるが反撃されやっつけられるというもの。岡っ引殺しを目撃したことから巻き込まれ、悪行の手伝いをされかかり家族を人質にとられと散々な目に遭う兄弟たち。力に逆らえずにいる姿に新十郎は勇気を出して立ち向かわねば明日は無いとそっけない態度で示唆、しかしきっちり見守っていて最後は助太刀に入り黒幕の寺社奉行大番頭を兄弟の手で討たせる。ちょっと変わった趣向のストーリィ、時代の空気を反映したものか。
 ロケ地の亀戸付近設定の野原、全然判んねー。当時ならどこでもあったっぽいし。

■ 鬼平犯科帳3「馴馬の三蔵」1991.12.11CX/松竹 通算50話

 浅草橋場はずれの大川端の料亭・萬亀をキーポイントに進む話。うさ忠と猫殿が名物の汁を食いにゆき、どんでん仕掛けを見る。粂八が客を送ってゆき昔馴染みの盗賊が潜むのを見る。平蔵がやって来て粂八の態度の異変に気付く。動線が全てこの料亭に集中し、火盗改が追う凶盗と粂八が世話になった盗賊の接点が浮上する。粂八は実は盗っ人のアジトだった料亭から負傷して出て来た恩人の最後を看取り、意外な事実を知ることとなる。
 ロケ地、萬亀に八条池から見た錦水亭東屋と広沢池東岸が複合して使われる。料亭の船着への裏口には広沢池東岸堤に紅殻塀をセットしての場面もある。鮫津の市兵衛を探索の火盗改、北野天満宮境内各所。市兵衛に斬りかかる粂八は同境内の蔵の前。回想シーン、馴馬の三蔵の女房が小間物屋を営む岡部宿へと橋を渡る粂八、摩気橋(橋脚は木)。三蔵の女房と預けてあったお紋が惨殺されたことを知り嘆く粂八、摩気橋下手の園部川左岸汀。その後の大川端の汀には広沢池東岸
*事態推移するなか事情を打ち明けられぬままの粂八、事終わってのち平蔵に告白しにゆくが、おかしらはほぼ察知し語らせず「口に出しちゃあ、味ない、味ない」。
2003/6/27

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第3話「命を的の一番纏」1978ANB/東映

 火事が頻発するうえ火事場泥棒出て困窮する江戸の庶民。町火消しが採用されるに至るプロセスを描く一作、その間の鳶辰の苦悩がストーリィを貫く。
上様は酒肆で火事場泥棒を働く一味と接触、懐に飛び込んで探りゴロツキに便宜はかる大名火消しとやりあい懲らしめる。最後は晴れてめ組が結成され、木遣歌いながら「日本橋」を降りてくる例の辰五郎の晴れ姿で締められる。
 ロケ地、忠相と内緒話の上様、仁和寺宸殿庭先の衝立前。のちにゴロツキ虎五郎のことを忠相に話すのは同所縁先。

■  第13話「孤剣春を行く」1967TBS/松竹

 水野越前守暗殺を目論む元老中、新十郎を引き離しにかかる。左近の馬鹿な企みに陥ち北町に捕われる新十郎だが、かがりの助けで脱出し水野の危機を救う。元老中は自らの養女である将軍の側室を使い水野糾弾の訴状を上げようとするが、城中に潜入した新十郎はこれを奪還。次は元千葉道場師範代の使い手を雇い入れ水野への刺客とするが、これも阻む新十郎、遂に元老中は蟄居の身となる。
 ロケ地、正月三日深更に下城の水野の駕籠が襲われる、南禅寺僧堂坂。捕えた新十郎のことで早苗にボロクソ起こられる左近、大覚寺心経宝塔(石仏越し)。北町奉行所、大覚寺明智門、蔵。側室が参詣の寛永寺、仁和寺二王門?愛宕山に定例の馬攻めに赴く水野に刺客が放たれる、粟生光明寺石段上部。再会するも目の前で果てた恋人を思い川の流れを見つめる新十郎、木津川流れ橋
*同じ長屋に住む兄妹を気遣う新十郎、兄には妹を貰ってくれとまで言われる。盲目のその妹のため水野に金を要求してまで治療の段取りをつけてやったりする。また、元老中の養女の今をときめく側室は五年前仲を裂かれた恋人同士であったりする。妹と側室は二役。

■ 必殺仕掛人 第20話「ゆすりたかり殺される」1973.1.13ABC/松竹

 商家を脅ししゃぶり尽くし破滅に追い込む性悪コンビの徒士目付と岡っ引がターゲット。仕掛けにゆく梅安だが、目の前で凄腕を見せ付けられる。この徒士目付の息子がふとしたことから左内の押しかけ弟子を気取りまとわりついていて、父に左内を推挙する。身辺に危険を感じた徒士目付は左内を用心棒にと屋敷に呼ぶが、このとき配下の岡っ引が左内は仕掛人との情報をもたらす。庭先で立ち会う左内と徒士目付、勝負は辛うじて左内の勝ちに終わる。
 ロケ地、左内の息子に父の居所聞く徒士目付の息子、松尾大社楼門脇の通用門。釣りの左内、大沢池屋形船上。徒士目付の息子と立ち会う左内、大覚寺放生池堤天神島。徒士目付一色主水邸、相国寺大光明寺
*左内、一色と立会いの際たばさんでいるのは竹光。はじめ脇差を抜き戦う。竹光も抜くがすっぱり斜めに斬りおとされる。真剣白刃どりも見せる。最後は斜めカットの竹光で脇腹をぶすり。
2003/6/26

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第2話「素晴らしき藪医者」1978ANB/東映

 高い医療費を払えず難渋する庶民の現状を見た上様が小石川養生所を設立する動機となった事件を描く。
 市井で医師・小川笙船の悪評を耳にした新さん、さっそく行くが何度か接するうち阿漕な富商からはふんだくり、貧しい者には無償で治療を施すという笙船の真の姿を知る。笙船は、その行為を煙たく思う典医筆頭の桜井玄石の陰謀で罪をでっち上げられ投獄されるが、南町に乗り込み事情を聞いた新さんが玄石と手下の集う座に黒イカ頭巾かぶって斬り込みをかます。後日上様に召し出された玄石が見たものは黒イカ頭巾で座ってる上様、桜吹雪のかわりか。玄石は自裁勧められ幕。
後付は養生所設立と、初代責任者に笙船が任命されたことを描く。
 ロケ地、お城の池で褌一丁(単衣は着てるが)になり鯉とり上様、枳殻邸印月池。笙船の薬草畑、桂川河川敷か。巴屋が笙船を脅す現場に割って入る新さん、大覚寺護摩堂前。
*笙船役に天知茂、人情医者設定なのであんまりコワくない。新さんを将軍と気付くところは傑作。*今日もおわい船でお城を抜け出す上様、莚から首出さないでよ。しかし水門がギギーって開くと、どうも銛持った乱暴者が高速艇で出てきそうで怖いな。*鰊の蒲焼を旨そうに食うとこや、幸内に飲み代って小判置いてくとこは若くてスリムな上様ならでは。

■  第12話「絵姿五人娘」1967TBS/松竹

 次々とさらわれる江戸の美女たち。若年寄と組んだ絵師が美女をセレクトし自ら誘拐してきて異国に売り飛ばすという悪行を重ねる。こいつらのバックに大奥中揩ェいて、若い娘が憎いなどとヒステリー起こすおばさん、しかも若年寄の愛人。
ワルのほうはよくあるやつ、しかし本作の面白いのは絵師宅の蔵に監禁され異人に売られるのを待つ娘たちの間で展開される人間模様。それぞれの身分や境遇の違いで諍いが起こり、女房を探してやってきて一緒に放り込まれた旦那が脅えた挙句自分だけ助かろうとするなど、細かい描写がなされる。最後は「皆で戦おう」と言う新十郎(こいつもかがりも左近も捕まってる)の提案で辛くも逃走(二度ほど失敗するのがまた細かい)、逃げる際にワルはさくっと始末。
 ロケ地、歌川恋麿邸、相国寺大光明寺(南塀通用門、石庭)
*事後、解放され日常に戻った娘たちに接触の新十郎が傑作。婚礼の者には簪投げ込み紙に「御祝い 風」、貧しい家の少女には紙に包んだ小判・紙には「くらしがたつように」…。いちびっているのかの監督は実相寺昭雄。

■ 風流太平記「密命」1990NTV/東映

 紀州に謀反の企てあり、スペインから武器の提供を受け各地に砦を築くなど不穏な動向。この件を察知し、幕閣から調査の密命受けた大目付勤務の花田徹之助は弟二人と信頼できる同志総勢11人で陰謀に立ち向かう。これがメインの柱で、主人公の末弟・花田万之助はうるさい兄に口ごたえしたり、彼を恋い慕う娘たちに悩まされたりしつつ、仕事はきっちりこなしながらもどこかお気楽にひらひらと振る舞う。万之助を追い掛け回すちょっとキレたっぽい娘を密かに思う剣客も絡んでくる。お話は、調査終了後報告に行った長兄が始末まで任命され、これも遂行して大団円を迎える。一件が極秘とされ記録も残らず終わることを慨嘆した同志に万之助がこれも風流と洒落れ、タイトルにつなげる。
 ロケ地、箱根の山道をゆく万之助、谷山林道切り通し。紀州藩下屋敷を訪ね捕まりかかって逃げる万之助、大覚寺大門から出て明智門脇に隠れる。鋳掛屋姿の万之助を料亭に誘う木島かよ、大覚寺五社明神付近。紀州のみかん船浮くお浜屋敷前の江戸湾、琵琶湖北湖か。日光へ奉納される紀州蜜柑が運ばれる千住大橋、木津川流れ橋。筑波山麓の結城の郷士・古木甚兵衛屋敷へ入る蜜柑行列、摩気橋(橋脚は木)渡りたもとの民家(民家まわりと橋はこのあと何度も使われる)。古木屋敷を探っていて捕縛された同志を奪還する万之助と次兄、摩気神社(参道脇と楼門、社務所裏手)。万之助たちがアジトに使う鬼怒川の船頭の船、木津河原。追っ手から逃げ鬼怒川に船を出すシーンでは木津川上をゆく。筑波山中に作られた山砦を探る万之助たちがアジトに使う放棄された御堂、酵素ダート脇にセット。このあと酵素各所で大立ち回り。かよを担いで小川の中をゆく万之助は有栖川。山砦は砕石場、いつもの如く不明。
*剣客・石黒に本田博太郎、にこりともしない設定で台詞は押し殺し気味、渋い。長兄に夏八木勲、次兄に中条きよし。摩気神社で万之助らの同志捕縛して引き立ててゆく下っ端藩士に福本先生。
2003/6/25

■ 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第1話「春一番!江戸の明星」1978.1.7ANB/東映

 紀州藩主から八代将軍となる起こりの一話。喧嘩友達の将軍就任に浮かれ騒ぐ「鳶辰」、入城の行列に駕籠訴の少女、のっけから事件の香り。訴えの筋は油の値を吊り上げるための火付けの罪で捕われた伊勢屋の無実を晴らさんがためのもの。上様、初手から城を抜け出て市中を調べまわる。ワルの正体は高値で油を売りつける商人ではなく、親切ごかしに安値で売るほうという少し捻りの利いたもの。結託していた南町奉行以下は断罪され、空いたポストに大岡忠相を据え、吉宗の治世が始動する。
 ロケ地、江戸城イメージに姫路城天守。お城の庭先に仁和寺宸殿
*先頃拝見した最終回SPとはもう別人28号の若いスリムな上様、25年も前なんだから当たり前だけど、新鮮。紀州のお城で次期将軍の話するじいに「嫌だナー」「やってミルか」(発音ほんとにこんな感じ)も傑作。二分ほどで済んでしまう「徳田新之助」成立の瞬間も、焦れた辰五郎の「やい新公」も微笑ましい。*牢でコミにされかかる伊勢屋、お庭番が制止するがこれの一人にに福ちゃん発見。

■  第11話「百万両の腕」1967TBS/松竹

 「風」の偽物が出るお話。お公家さんのコレクションがコンプリートで欲しい船手頭が、元岡っ引の商人と組んでちょっと哀れっぽい元盗賊の大工を脅して追い使い盗みを働かせる。脅しの内容は「家族に言うぞ」という卑劣なもの。子煩悩な大工の、その息子に接触しいたく思いいれの新十郎が乗り出し宝物を全部取り返し船手頭の髷を斬り「幸福な家庭」を守ってやる、人情話。
今回、かがりはフォローのつもりの手裏剣を新十郎に刺してしまうは、左近の旦那は邪魔しまくるはとちょっと災難の「風」だった。妙な瓦版屋も登場(これがクレジット見たら音羽屋の万吉くんなのだった)
 ロケ地、方々から宝物を盗む風のイメージに姫路城天守。瓦版売りや大工の息子と接触する新十郎のシーンに今宮神社東門付近(門、橋、茶店)を内も外も使いまくり。船手頭・堀田備前守邸、相国寺大光明寺(門、石庭)

■ 必殺必中仕事屋稼業 第8話「寝取られ勝負」補遺

 母の死後、荒れる忠太郎をつかまえ去り状書かせる半兵衛と政吉だが、おせいからとんでもないツナギが入る。縁切寺に駆け込んだ忠太郎の女房・おきぬは後見人の叔父・藤左衛門とデキており、忠太郎の母は自死でなくこいつに殺されたものと判明。事実を見た忠太郎が憎悪をあらわにするのを制止したおせいは、仕事屋二人を見遣るのだった。
 ロケ地、東慶寺、不明。忠太郎が額ずく三州屋の墓、同じく不明(くろ谷か永観堂か…背後の山が??)。忠太郎を納得させるためおきぬと藤左衛門の密会現場を見せる、中山邸通用門。
2003/6/24

■  第10話「裏切者の谷」1967TBS/松竹

 左近の頼みで凶盗・日本太郎を追って筑波村へ赴く新十郎、現地には御馴染みの面々も。
日本太郎、前身は下総の国の藩士、これを夫の仇と狙う女、助太刀には藩士一の剣客。ちょっと暗めな仇討ち一行はやはりワケあり、助太刀の偉そうな侍は日本太郎をたばかり罪を着せた家老の手先。盗賊一味が仲間割れするなか、刺客の剣客は新十郎とサシで勝負、唐突に出現した硫黄煮えたぎる谷に落ちたりなんかして。
 ロケ地、いずこかの砕石場と思われるがモノクロだとよけいどこか判らない…。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第8話「寝取られ勝負」1975.2.22ABC/松竹

 女房に東慶寺へ駆け込まれてしまう三州屋のドラ息子、去り状を書かないうえ寺の周りでストーカー行為を働く。これを恥じたドラ息子の母と叔父が嶋屋に三行半を書かせるよう依頼。
おせいに頼み込まれた半兵衛と政吉はそれぞれ奇計を案じ書かせようとするが失敗。日数過ごすうち、依頼者のドラ息子母が縊れて死ぬ。母の枕頭で叔父に人でなしと詰られたドラちゃんは家を飛び出し…ここでいきなりモザイク入ったと思うと「受信不能」…降ってなかったよ昨日の晩は…南海上にモスラでも出たか。

■ 大奥 第4話「将軍死す」2003.6.24CX/東映

 炎に包まれる大奥、助けに来たという東郷に従わず残る篤子。以後倒れた家定の枕頭に詰める。瀧山は篤子の裏切りを家定に耳打ちするが、死の床の将軍は篤子の手をとり自らの死後自由になれと言い事切れる。東郷くんは再度忍んで来るが、篤子は家定の言を受け大奥に残ることに光明を見出し、申し出をはねつける。また、瀧山さまは憑き物が落ちたみたいに落飾した篤子に寡婦としての仲間意識を持ったり…なんかわるい人いないじゃん設定、大奥ものなんかでキョーレツな悪役いないと話になんないのではと思っていると、次項を示唆するラッシュ画面ぱたぱた、カルミナ・プラーナ鳴り響くなかなんか悲惨っぽい画がちらちら。コワー。
 ロケ地、火事の被災者が診療を受ける広場、彦根城西の丸三重櫓前。瀧山が初山に火事の折の篤子のことを告げられる、粟生光明寺方丈。家定が執務後倒れる廊下、大覚寺むらさめの廊。宿下がりのまるが東郷を訪ねる薩摩藩邸、大覚寺大門。上様危篤の報にばばーんと映る天守、姫路城(ちょっと笑える切り替えショット)。焼け跡の普請と偽り城に入る東郷たち、姫路城ぬの門

■ 必殺仕掛人 第19話「理想に仕掛けろ」1973.1.6ABC/松竹

 筆頭老中に招ばれた進歩派の学者・清沢正堂は、その座で老中を刺し殺すという挙に出るが唖然とした周囲は手を出せず。この行為が英雄視され図に乗った正堂は同志に次席老中をも襲わせるが、これは失敗し逃亡する。逃げ込んだ下総の村にも追っ手かかり、一同は庄屋の家に立てこもる。周りを捕吏に囲まれ膠着状態となり、囲みを解かせようとして自分を信じきっている百姓を人質に仕立て捕吏の目前で斬る始末、小屋では村娘を陵辱する者も出る。
 女房を殺された庄屋は音羽屋に依頼、梅安と左内が現地に赴く。まず左内が、次いで梅安が捕吏の放つ銃弾をかいくぐり小屋に駆け込み、左内は火箸で首領の正堂を仕留め、梅安は刀でならず者と化した「革命者」たちを斬り捨てるのだった。
 ロケ地、陽天塾へ向かう火盗改の捕り手が走る路地、随心院参道。塾の門、長屋門。正堂に心酔する女・鳴枝を送ってゆく左内、鳴枝が落とした櫛を大事そうに拾い上げる、今宮神社合祀摂社前。次席老中襲撃は随心院薬井門前。壊走する正堂たちが船で逃れるシーンは嵐峡か。下総、同志の一人が討たれた銃声を聞き固まる正堂たち、桂川…と思われるが場所が特定できず・松尾橋付近か。立てこもり現場はどこかの砕石場と思われるがこれも特定できず。
*今回のみどころはなんと言っても左内と梅安のやりとり。青臭い正堂の言説にかぶれた左内はめちゃめちゃ失礼な言葉をを梅安に投げかける。前回の近藤正臣には大人の余裕で見下すような態度もあったのに、佐藤慶にはがぶり寄る左内さん。手を血で染めた殺し屋の癖にナマに青い「理想」を得々と説く。でも正堂の情婦・鳴枝のことを持ち出されると途端に黙ったり。しかしさすがに小屋に入って荒廃を嗅ぎ取ってからは仕掛人に立ち戻り、冷徹に仕事をしてのける。梅安さんは相棒の豹変にも動じずいつもの通り飄々、しかしさすがにムカついたか、左内の飲んでる呑み屋に入ってUターンかましたりする。ラストの「あたしゃ理想とまずい飯は苦手でね」は名台詞。
2003/6/23

■ 翔んでる!平賀源内 第20話(終)「男の浪漫は永遠に」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 印旛沼干拓工事をめぐって対立の田沼意次と水野忠邦。新田開発で農民の窮状を救いたい源内は、たまたま助けた娘から判明した水野の助平爺という弱点を衝き「黙らせる」。この際源内は公家の格好で水野屋敷に乗り込み「おじゃる」を連発、長屋衆も大活躍。
そして事後、諸国遍歴を思い立った源内は、からくり長屋一同(同心チーム含む)にキラキラ音頭で見送られ旅立つのであった。
 ロケ地、向島正覚寺に田沼の駕籠を襲撃する水野出入りの両替商・備前屋、仁和寺観音堂脇〜経蔵、九所明神。旅行く源内、嵐山自転車道
*公家の使者に化ける源内、白塗りのうえ鉄漿まで施す凝りよう、紅もさして天上眉…局長、キモチワルイです。*ラストのキラキラ音頭、導入部は一平の旦那のアカペラ…長屋衆の合唱となるがズレまくり。わざとなのか?*べつに田沼さまを善人に仕立ててあるわけではないが、水野くんここまでボロクソ設定の時代劇も珍しいかも。

■  第9話「走れ!新十郎」1967TBS/松竹

 実相寺昭雄監督の一作。お話は、嫁入りを間近に控えた姫が逃げ出し、ひとときのアバンチュールを経験するというもの。しかし逃げたきっかけは輿入れ先の藩の家老に暗殺されかかってのことで、以降たまたま知り合った飛脚を巻き込み、いつものメンバーで大騒ぎ。騒動の間じゅう鳴ってるバロック調の弦楽、襲ってくる家老の手先の忍者たちもコミカルに描かれ、姫様は飛脚と中学生みたいなメロウをやらかし、芋泥棒を働いたりもする。最後には飛脚とラブラブ、このまま逐電かと思いきや一転屋敷に戻り御輿入れ、飛脚や新十郎は見物衆に紛れ見送る。で、タイトルは輿入れを見送ったあと飛脚と新十郎が駆けっくら…なんかヘンな話だったなー。
 ロケ地、左近に御用と追っかけられる新十郎、相国寺法堂脇の渡廊。左近の投げ縄にはかがりがかかってしまい、逃げる新十郎の腕にはかがりの縄がかかり、三人つながりで相国寺鐘楼まわりをどたばたと走り回る。忍びたちとのラス立ち、下鴨神社糺の森池跡周辺(まだまわりにビルとか建ってない)

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第10話
「さらば天罰屋!炎に消えた涙の折り鶴!!」2003.6.23ANB/東映

 苛烈な高利貸しが無体を働き、これに天罰をとの依頼が来る。さっそく忍び入る天罰チームだが、なぜか邸内には南町の捕り方、壱松は捕縛の網から辛うじて逃れるもメン割れてしまう。高利貸しの仕様そのものが天罰屋を誘き出す罠で、次々とメンバーがあらわにされてゆく。
仕掛けは南町与力が手柄を立てて奉行に成り代わろうというもので、しまいに元締の正体も知れ、茂助が捕われてしまう。救出に動く元締、そのことで決定的に正体が割れ窮地に。ただひとりメンの割れていない紅に手を引くよう諭し散る天罰屋。しかし最後の戦いに出てゆく仲間のもとに紅は現れ、共に赴く。与力宅での天罰を終えたチームだが、まわりを奉行の人数が固め絶体絶命。ひとり別の方向に逃がされた紅は、追い詰められた小屋の前で頭巾を被ったお亜季が紅に変装し名乗るのを見る。このあと小屋は爆破され、炎に消えた紅以外のチームの消息は杳として知れない。
 事後、市中にお亜季の幻影を見る紅、しかしからくり屋の家も壱松の仕事場も廃墟、恵比寿屋には竹矢来が組まれたまま。そんななか窓辺に置かれるツナギの折り鶴、置いた主を探し走り出る紅だが、後段は語られず。
 ロケ地、最後の川べりの小屋、桂?でもいま河原で爆破シーン撮らせてくれるのかな。
*最後の出陣のチームの前に現れた紅、参加の理由を良い世にしたいなどとぐだぐだ陳述、大ワルの与力の前に天罰下しに出た際もくどくどと正論を開陳、これが必殺とは違う本作のテイストと言えるか。わるぐちではなく、このへんに興をひかれてたりして。

■ 必殺仕掛人 第18話「夢を買います恨も買います」1972.12.23ABC/松竹

 飄々としたクーデタの闘士に近藤正臣がゲストの一作、左内との心の触れ合いが描かれ、未だ侍根性抜けぬ殺し屋の苦衷が焙りだされる。
 元締が受けた依頼は、殺された経師屋の復讐。富籤のからくりの秘密を守るため消されたもので、左内が寺に調査に入るが、応対に出た武宮浪人に煙に巻かれる。どころか同士にと請われる左内、武宮に親近感を感じるもあまりに青い理屈に同じることはできず物別れに。
武宮たちは結局裏切られ、裏で糸を引いていた大ワルたちは別口で梅安がさくっと始末。
左内に斬られるのを望むかのような武宮、迷いのうちに刀を抜く左内は結局彼を殺すことになるのだった。
*井筒で武宮と歓談後、珍しく上機嫌で平家の一節を謡いながら帰宅の左内、妻に万吉の来訪を告げられ一気に醒める酔い、左内の苦悩がはじまるあたりは圧巻。安保世代を象徴するかのような青年を演じる近藤正臣が上々。
 ロケ地、富籤の蓮華寺、見当もつかず。左内と武宮の対決の荒川成瀬の渡し、木津河原と思われるが判断材料を欠き不明。
2002/6/22

■ 松本清張の西海道談綺 1983/9/30CX

 作州・勝山藩士の伊丹恵之助は上司と妻の不義を許せず、男は斬って捨て女は自分の職場だった鉱山の立坑に落とし逐電する。その後放浪の果てお茶壺道中の北条宗全に拾われ、鉱山に詳しいことを買われ御家人として西海道へ金の不正流通について調査に向かうこととなる。
着任した日田では二人まで役人が殺されているは、怪しの山伏は横行するは、江戸で将来を誓った芸者が追っかけてくるはの大騒動。恵之助はここで勝山での知り合いの山師・甚兵衛と再会するが、彼の連れの白髪の女は立坑に落として死んだ筈の妻だった、というのが猟奇の極めつけ。最後は隠し金山での大立ち回りの末追い詰められたワルが坑道を爆破、あんなちょっとの火薬でそこまであちこち火を吹くんかいという派手な連続爆発シーンが繰り広げられる。
 ロケ地、大分県各所で。厳密なところは不明だが耶馬溪や日田の鵜飼、原尻の滝に竜門の滝などが散見される。

■ 鬼平犯科帳3 「剣客」1991.12.4CX/松竹

 酒井裕助の師匠・松尾喜兵衛が暗殺され、平蔵はじめ火盗改一統が犯人に気を留めるなか大盗賊の一味が網にかかる。盗人宿を張るうち、松尾暗殺犯の浪人がいることが確認され、これを聞いた平蔵は常のやりかたを変え酒井にまず師匠の仇を討たせてやるのだった。
職務に忠実な酒井が同門の侍たちに責められるのを密偵たちが平蔵に上げる場面や、浪人と対峙した酒井を見守り微妙な助け舟を出す鬼平など、人情味たっぷりに描かれる。
 ロケ地、うさ忠が石坂浪人にまかれる深川八幡、今宮神社境内各所。野見の勝平の盗っ人宿(千住山王権現近くの荒川べり)桂川山室の堤外地(対岸の八木町からの撮り)。おまさが野見一味の定七を見る深川霊雲院門前、今宮神社東門内石橋。おまさに気付かず定七がゆく新大橋、東門。アジト近くの山王権現、下鴨神社二の鳥居、林間。石坂が松尾に試合で破れた阿部駿河守下屋敷、相国寺大光明寺石庭(南塀越しの撮り・建物も)。江戸へ出て来た野見のかしらが捕まる、広沢池東岸
2003/6/21

■ 清水次郎長物語 1995.3.3CX/松竹

 凶状旅と石松代参、天竜河原での黒駒の勝蔵との大出入りを描く、松平健の次郎長もの。
ロケ地、保下田の久六のもとから逃げ水辺で野営の次郎長一行、沢の池。深見長兵衛のもとを去り清水湊へ帰る道中、小休止の堂は鳥居本八幡宮舞殿、山道は谷山林道、富士の見える清水の茶畑は宇治田原播磨園の畑。深見の悲報を聞き亀崎へ仇討ちに向かう次郎長、まず向かう金毘羅への道中、東海道の松林は琵琶湖西岸?堤道、山室金刀比羅宮、本物(ということはこの前に映ってた円錐形の山は三上山じゃなくて讃岐富士か)。代官と保下田を討ったあと小川の勝五郎と話す次郎長、広沢池東岸。罪を一身に負い凶状持ちの旅に出る勝蔵を見送る次郎長一家、大沢池堤。甲斐黒駒宿、みろくの里オープンセット。勝蔵との天竜河原での大出入り、木津河原。次郎長一家が帰途につく街道、谷山林道
*大政に左内さん、深見の親分にムネさん、都鳥の兄貴に正ちゃん、黒駒の勝蔵に石橋蓮司と豪華(あとが判らないのが情けない)。恋女房・お蝶に蔦吉姐さんはすぐ死んじゃって勿体無い。島木譲二の声が聞こえると思ったらパチパチパンチやってる…悲しい。しかしごっつい次郎長だこと。恰幅良すぎ。

■ マツケンサンバII

 ………。NHKの歌謡ショーでやってたのとはやはり一味キレかたが違う。
 インタビューで遠藤太津朗や河合伸旺も踊らされたと言ってたな…松健音頭からの発展型というが、サンバに至るプロセスにマツケンマンボなるものもあったらしいことを聞き絶句。

■ 必殺仕置屋稼業 第1話「一筆啓上地獄が見えた」1975.7.4ABC/松竹

 北から南へ配置換えの主水が仕置に戻るプロセスとチーム形成を説く一作。市松との緊迫したやりとり、捨三との再会、印玄との出会いがハードに描かれる。
 目の前で起きたおみよの事件が近江屋と通じた上司の横槍で無惨な結末となるのをなす術も無く見る主水。その妹からの近江屋殺しの依頼を取り次ぐおこうに裏稼業のことをしらばっくれるうち、事態はますます悲惨な状況を呈す。主水が市松を引き込み、次いで捨三のプッシュで印玄が参入、はじめての仕置は高飛び前の近江屋が逗留する船宿で行われる。
捨三が使用人面して宿をはたはたと走り回るなか、屋根落とし・脇差突き・竹串刺しがキマる。市松が幼女に殺しを目撃されるハプニングがあるが、子は盲目で消さずに済む。優しく女児を抱き上げる市松のワンシーンでキャラクターを際立たせるのがすごい。
 ロケ地、おいとの野辺送りを見遣る主水、嵐山自転車道(川側からの撮り)
2003/6/20

■ 翔んでる!平賀源内 第19話「飛べ飛べ飛行機」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 今回は飛行機製作に夢中の源内先生。いちおう飛ぶがすぐに落下、夢遠し。
事件は、田沼老中追い落としをはかる幕閣の一人が悪徳商人と組んで寛永寺の水煙を盗むというもの。加えて御金蔵を破ろうとするが、犯人の軽業師一味が大凧で上がったところを投光機で眩ませ落とす源内たち。
 ロケ地、上野寛永寺五重塔、仁和寺塔(一部模型みたいな合成の画あり)。飛行機の実験の野原、桂の河原と思われるが不明(竹林、積み上げられた砂…木津や淀じゃないよね)
*今回お奉行はわりとあっさり。粂さんは飛行機に乗せられて墜落するはシブ垣に拷問されるはでさんざん。

■  第8話「忍びの館」1967TBS/松竹

 思い切り怪しげなタイトルだが、これは水野越前守の隠密のアジトとなっている小間物問屋・唐津屋のこと。表から入ったかがりが奥へ誘われ秘密の抜け道を通ってゆくと、六部や虚無僧に化けた同僚がいるという寸法。
しかし復命の途中などで密殺される忍びが続出、かがりが唐津屋調査に入る。手代と旧知の新十郎も新参者として入り込む。案の定水野の改革をこころよく思わない西国の雄藩の手先が暗躍。そんななか新十郎の友人・手代の幸吉と唐津屋の娘の縁組が進むが、唐津屋に潜む内通者は両親が死んだ経緯から武家社会そのものを憎悪する幸吉と知れる。敵方の忍びやかがりに追い詰められ深い穴に落ちる幸吉、それはほぼ自死に近いものだった。
 ロケ地、事後新十郎にくっついて行こうとする幸吉の弟分の丁稚(忍者マニア)を諌める早苗、御室八十八ヶ所御堂前。幸吉が入手して暴露しようとしていた密書を破り捨てる新十郎、中ノ島橋

■ 必殺仕掛人 第17話「花の吉原地獄への手形」1972.12.23ABC/松竹

 飢饉にあえぐ下総25ヶ村、娘の身売りもザラ。この地の大庄屋として民から絶大な信頼を集める庄右衛門だが、とんでもない裏の顔を持っていて、藩留守居役と結託しでっちあげの運上金を民から搾り取り吉原で大盤振る舞いを繰り広げる。しかし、売られた恋人に会いたい一心で江戸へ出て来た青年が吉原で大庄屋を見かけたことから事態は動き始める。
 恋人の花魁から大庄屋の真実を知ったその青年の依頼で梅安たちが動くが、庄右衛門と供の斧吉は柔術の達人、下総では仕掛けられぬと舞台は吉原へ。大庄屋のあそぶ見世へ登楼り大騒ぎを繰り広げる梅安、女郎や幇間を交えて踊りながら近づき供の斧吉を殺。大庄屋は助平たらしく花魁の布団をはぐると左内、しかし火箸で左内の首を締め上げるという抵抗を見せ、最後は三味の撥で首を刺されて絶命。
 ロケ地、日本堤で釣りの左内をからかう千蔵、大沢池樋門。吉原を出た総吉が斧吉に襲われるのはこの近くの大沢池堤。下総某藩邸、大覚寺大門(大庄屋が薩摩藩士を片付けるのも同所・御殿川の中からの見上げ)。下総の橋は…流れ橋だと思うんだけど欄干が付いてるのがセットされたものかどうか…橋脚もちょっと…下の砂地はそれっぽいが結局断定不能。
*吉原での左内さん傑作。宴席での憮然とした態度、わけても敵娼に迫られる正座姿は爆笑もの。
2003/6/19

■ 翔んでる!平賀源内 第18話「嘘つき人情夢芝居」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 ゆすりたかり常習犯のおろく婆さん、幼い頃奉公に出した息子がはるばる上方から訪ねてくるとの話に、源内たちは身辺をつくろってやる。そして御金蔵破り一味の捕縛に尽力したかどで北町からのお咎めは江戸払い・息子が身元引受人となる温情裁き。濃い顔のおろく婆さんを藤間紫、ベタな芝居が却って涙をしぼる出来。局長泣き寸前。
 ロケ地、おろくが世話になっていた盗賊一味の伊之吉の死体上がる、大沢池北西畔。遠巻きの見物衆の向こう・有栖川畔でおろくが手を合わせている。おろくの息子が大坂へ奉公に出る道(回想)大沢池北東畔・水門付近の堤道。御用金を隠してあった伝通院毘沙門堂、大覚寺聖天堂前、おろくの危機には護摩堂をバックに粂八たち。
*北町奉行、御用金が見つからぬのに焦れた田沼老中に「能勢、そのほうの名はなんと書く」「能力の能に勢力の勢」「無能の能、不能の能、能無しの能じゃ」と怒られショボン。このあともねちねちといびられ挙句の果て「泣け」とやられてどぎまぎお奉行様、かわいい。事後も老中にまた良い格好をしおってと扇を投げつけられ、お奉行の髷にすぽっとはさまる。貰った音物は源内焼の絵皿、床の間に供えて朝晩拝めと皮肉。

■  第7話「その火薬をわたすな」1967TBS/松竹

 今回は上州のとある村に現れる新十郎。その村では在野の碩学が人々の難渋を救おうと強力な火薬を開発、鎖渡しの難所の岩塊を爆破するという偉業を成し遂げる。これに目をつけた西国の雄藩や大塩の乱の生き残りなどが武器として使おうと群がる。学者の息子は抱きこまれ、父に提供を迫るがもちろん先生は聞き入れない。
刺客が入り乱れるなか、かがりの助けもあり危機を切り抜ける新十郎、その意を汲んで学者は自らの工房を火薬ごと爆破するのだった。
 ロケ地、村祭りの鎮守、鳥居本八幡宮(石段、本殿他)

■ 必殺仕掛人 第15話「人殺し人助け」1972.12.9ABC/松竹

 エロ梅安、女に鍼取られてこれが突き立った死体が家の前に置かれ万事休す。音羽屋にも調べ入り、半右衛門と左内は奉行所へ連行される。その隙に音羽屋へ賊入り、おくらは土蔵に逃げ込むが、まさかりで壁を突き崩しにかかる凶悪な男あり。このどっかキレてるっぽい男は新進の仕掛人・鳥越の松十郎で、同心もグルにし音羽屋に匿われている伊勢屋の長子を殺そうとしていた。
これは伊勢屋の後妻が依頼したもので、はじめ半右鵜門のところへ来た話。断られて外道の松十郎のもとへ持ち込まれた。狂暴な松十郎の手口に窮地に追い込まれる音羽屋、しかし内懐に飛び込み死闘の末外道を仕留める。
 ロケ地、釣りの左内が同心・留中に連行される、広沢池観音島。後妻が来る伊勢屋の墓、西寿寺?シダがそれっぽいが確証なし。
*松十郎に津川雅彦、ちょっと異常でキモチワルイっぽい色悪を熱演。これの情婦で梅安を誑しこむ女が土壇場で音羽屋に松十郎殺しを依頼するシーンは哀切。

■ 必殺仕掛人 第16話「命かけて訴えます」1972.12.16ABC/松竹

 甲州16ケ村の窮状を老中に訴えるべく、選ばれた青年たちが江戸を目指す。安女郎が客を殺し金を奪い、音羽屋に駆け込み青年たちのガードを依頼する。その女郎の弟が一行にいるのだった。
大菩薩峠で役人達に追われる訴人一行を助ける梅安と左内、うち一人はそこで落命するも残った二人を江戸に連れ帰る。濡れた訴状を書き直してやり、段取りを整えてやり、吉原に売られた恋人と会いたい・女郎の姉に会いたいとの願いもかなえてやる梅安たち。しかし一人は姉が刑場の露と消えるのを見て臆し、一人は恋人への恋慕断ちがたく煩悶する。死ぬのは一人でいいと籤が引かれ、引き当てた男は恋人たる女郎と共に直訴するも門前で代官のシンパの旗本たちに斬られて果たせず終わる。
二人を葬った塚の前で、千蔵は自分が訴人して出ると言い出し承認される。村人になりおおせた千蔵の訴えは老中に届き、代官の首は飛び村は老中預かりとなる。牢にぶち込まれた千蔵は昔とった杵柄で抜け出すが、屋根には梅安と左内が助けに来ていた。
 ロケ地、訴人一行が襲われる大菩薩峠、清滝川畔の地道(1972当時は土道の水尾への道か)?役人を殺った梅安たちを信じず岩を登って逃げようとする百姓たち、保津峡落合落下岩。狙撃され一人が落命する岩場、落合河口。半右衛門の保護下から逃げ出す甚八がゆく桜橋、中ノ島橋(シルエット・見上げ)。左内が甚左をとっ捕まえる、鳥居本八幡宮舞殿。お清の刑が執行される、下鴨神社糺の森。老中酒井邸、大覚寺明智門勅使門橋
*弥んぞが恋人の女郎とめそめそしているのを見た梅安が、その女郎を買うと言い出し左内と対立するシーンは圧巻。梅安さんだって可哀想と思ってだと割って入る千蔵、このあとの身代わり申し出とともに侠気を見せる。
2003/6/18

■ 翔んでる!平賀源内 第17話「義賊を騙る悪企み」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 義賊・稲葉小僧を騙った凶盗が出没。真の狙いは大店を潰してのし上がろうとする悪徳商人の陰謀、狙われた店に預けられていた旗本の宝物を盗ってゆく。
宗助の弟分だったほんものの稲葉小僧のため尽力する源内たち、犯行現場に残された稲葉小僧参上の札に残る指紋を鑑定してメデタシ。
*今回の北町奉行のお茶目は、評判の義賊を捕えて手柄/民衆に総スカンいずれを取るか壁をつかんで悩む姿、加えてお白州の出の際平伏している下僚の手の甲をぱきっと踏んでゆく姿。

■  第6話「小判を買う男」1967TBS/松竹

 懐の寒い武家が、慶長小判一万両を現行小判二万両と交換、という唐人の話に次々と乗せられ、取引現場で惨殺されるという事件が相次ぐ。新十郎はその話に乗りエラい目に遭いかかっている御家人とその乳兄弟の芸者を助けてやるが、芸者がまわりをうろつくもんだから早苗もかがりもジェラシーから新十郎を邪魔しまくり。
 ロケ地、会津藩士たちが唐人一味に小判交換の場で殺される鈴ケ森、木津川堤(バックに流れ橋小さく映りこむ)。新十郎を探索の左近たちが渡る橋、中ノ島橋。唐人の滞在する寺、黄檗山万福寺山門法堂(卍崩しの匂欄)。かがりから慶長小判受け取る新十郎、仁和寺(塔、経蔵、九所明神)

■ 必殺仕掛人 第13話「汚れた二人の顔役」1972.11.25ABC/松竹

 博打狂いの息子のため財を失う唐津屋、娘を角筈の重五郎に差し出すはめに。もう博打はやらないと言ったその晩、再び無茶な勝負をして負け、今度は別の親分に店を取られてしまう。このことから唐津屋をめぐって二つの勢力が角付き合わせることとなり、出入りかと思いきや双方とも音羽屋に互いを殺す依頼をしに来る。取り下げられたとは言えはじめに唐津屋から殺しを受けていた元締は梅安と左内に召集をかけるのだった。
 ロケ地、旅姿で江戸を出ようと急ぐ唐津屋の娘と下僕が行く道、大覚寺有栖川(河床から見上げ)放生池堤。しかし角筈の手下に阻まれ下僕は斬られてしまう、護摩堂。妓楼へ往診の梅安が角筈一家にショバ代要求されボコられる、天神島

■ 必殺仕掛人 第14話「掟を破った仕掛人」1972.12.2ABC/松竹

 受けた仕事を遂行しに入る仕掛人たち、しかし先を越されてターゲットは惨殺されていた。その後も「殺されても仕方ない」者達が連続してむごたらしく殺され、先の仕掛けの依頼人まで消される。一連の事件から仕掛人に悪い噂がたち、依頼はぱたりと途絶える。そんななか、久しぶりに来た依頼は大身旗本から。ターゲットの動向を示唆され甲府への道中を襲う仕掛人たち、しかしここでも怪しの一団に囮に使われる結果に。江戸へ取って返した半右衛門が依頼者の旗本に会うと、依頼直後別のが売り込みに来たので念には念を入れそちらも頼んだのだという。また、後金を渡す段に襲われたともいう。そのうえ、その別口を殺ってくれと新たな依頼をする始末。
そしてまた殺人、ここでいつも現場にいる岡っ引を見つけ話は急展開、仲間の仇をとりにきたいけこみの依頼などあり、しまいにおくらがさらわれる。
正体を現した黒幕の依頼人の旗本と対峙する元締、堂々の論陣を張り、一瞬の隙を見ておくらを救出、左内と梅安も襲い掛かり始末するのだった。
 ロケ地、井島玄斎邸、大覚寺参道橋大門。甲府への道、ターゲットの駕籠を見る仕掛人たち、北嵯峨農道?岡っ引を拉致する橋上、中ノ島橋。おくらを捕われた元締が赴く上野霊雲院、くろ谷墓地石段金戒光明寺三門
*虚偽の依頼をでっちあげてのいけこみ、この直前に左内の女房が夫の職場の道場を訪ね千蔵がごまかすシーンと対になっていて面白い。
2003/6/17

■  第5話「脅迫者」1967TBS/松竹

 今回は水野さま大ピンチ、未だ唐津の城も継がぬ若い頃言い交わした女のことで脅される。女は異人の血を受けた曰くつき。今は髪を下ろし江戸の片隅に隠棲するその女のもとからラブレターが盗まれ、窮地に陥る老中を助ける新十郎、半分は匿ってくれて傷を手当てしてくれた庵主さまのため。脅迫者は闇将軍と称する仮面の男、実は目付。これに返り咲きを目論む元大奥老女も絡んで大騒動。
 ロケ地、闇将軍を探る新十郎が撃たれて逃げる際追っ手がわらわら出てくるのは相国寺大光明寺石庭の中仕切南塀を乗り越えてゆく。越後屋を脅した帰り、闇将軍が駕籠で帰る、相国寺境内(溝、方丈塀)

■ 翔んでる!平賀源内 第16話「源内櫛の女」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 業績不振の小間物屋のため源内が創作した櫛がモチーフとなる。シブ垣の贔屓の湯女殺害現場に落ちていた割れた源内櫛。亭主に買って貰ったそれを無くしたことを気に病み同じものを購めに来てアシついてしまう女、裏には盗賊の片割れに関わりいいように使われていた悲しい事情が隠されていた。
一平を秩父まで探索にやり事情を知った源内はお奉行にはかり、女が実は殺しはしていなかったことを突き止めメデタシに終わる。
 ロケ地、湯女殺害現場の浪花河岸、嵐山公園中州舳先の河原。和泉屋の後妻・おしのが勤めていた両国の水茶屋、嵐山公園内の料亭・錦。おしのが駿河屋番頭・新助(凶盗・鳴滝の銀二)とツナギの祠、大覚寺天神島

■ 大奥 第3話「江戸城燃ゆ」2003.6.17CX/東映

 篤子が飲まされていた毒の正体は子をなさぬための薬、瀧山ちゃん開き直りでええ入れてましたがなにか、習慣ですと言ってのける。また、斉彬は後継が紀州に決まったことで篤子は用無しと東郷に言い放つ。井伊大老就任で風雲急を告げるなか大奥から出火、炎の中で東郷と再会の篤子さま、一方上様は篤子を火の中に探しに行こうとして血吐いて昏倒しちゃったり。
篤子に諦観を語る、自らを省みず火の中に助けに行こうとする純情を見せるなど、既成の家定像とは違った、いいヤツじゃん設定の上様が面白い。
 ロケ地、薩摩藩邸、大覚寺大門。まるが篤子に薬を調べると言う縁先、粟生光明寺方丈。家定が篤子に諦観まじりの「手水鉢の亀」を語る、彦根城玄宮園臥龍橋上。東郷が眺めやるお城の入口、姫路城ぬの門

■ 必殺必中仕事屋稼業 第7話「人質勝負」1975.2.15ABC/松竹

 松浦藩船着場に停泊した船の中で開かれる大きな賭場、ここで大負けした挙句女をカタに取られる男が続出。その女たちを異国に売り飛ばし大儲けの悪党を殺してくれとおせいのもとに依頼が来る。おせいは半兵衛と政吉にその賭場へ行き、とことん負けて女をカタに取らせどうなるかの追跡調査を命じる。半兵衛のカタは女房のお春、政吉のカタはおせいが姉として体を張る。蔵に運び込まれた彼女らを、「破蔵師」利助の働きで救い出し、大ワル二人は騒ぎのさなかに始末される。
 おせいの資金源が明らかにされるなど見所の多い一作、わけても導入部となる油屋栄三郎の博打のシーンは哀切かつダイナミックで見せる。
 ロケ地、おせいが身の上を語るシーンのバックに柊野堰堤、墓地(永観堂?くろ谷?)金戒光明寺石段
*松五郎親分主催の賭場はルーレットふうの独楽で行われる。このイカサマのからくりを思い悩む仕事屋二人のシーンで幕が引かれるが、博打うちの生態がよく描かれていて傑作。
2003/6/16

■ 翔んでる!平賀源内 第15話「愛しい妹は女掏摸」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 粂八の生き別れの妹が見つかるが、彼女はスリとなっていた。そのうえ、全国博覧会の開かれた湯島天神で掏った財布に偽小判、かざり職人で元贋金作りの養父も渦中に巻き込まれてゆく。もちろん源内チームの活躍で偽小判を製造していた鋳物問屋一味はお縄で、粂八の妹は微罪で済みどっとはらい。
 ロケ地、冒頭、妹のことを思い出し沈む粂八を身投げと勘違いのシブ垣(岡っ引は池落)大覚寺大沢池木戸大沢池船着き脇。あとで粂八の妹が一平たちに追い詰められて池ボチャも同所。全国物産会会場の湯島天神、大覚寺勅使門前。さらわれたかざり職人の養父の人質交換の明神裏稲荷、鳥居本八幡宮(舞殿上にならず者)。江戸払いとなった妹とその養父を見送る源内たち、大覚寺護摩堂前。
*今回北町奉行のお茶目は寝返りうって「本日はこれまで」の寝言。このあとにたぁと笑って目が覚める。夜更けに訪ねてきた源内にぶつぶつ文句を言いながら髪を整えるしぐさもかわいい。

■  第4話「海賊と空と青春と」1967TBS/松竹

 地理学者・山崎と関わる新十郎、師匠・伊能忠敬よりも正確な日本地図をと意気込む青年の夢に共感。山崎の持っていた信玄の隠し金の地図をめぐり、海賊は出るは水野さまも出張るはの大騒動。見つかった金の地蔵を前に、しかし受け取り拒否の山崎、新十郎との旅で行く道を見付けたと旅立つ。
 ロケ地、海のシーンは琵琶湖。福内宅で地図をひらひらさせている山崎からこれを奪い逃げる九鬼の手下、中ノ島橋(落)。金の地蔵を船に乗せ川を下る新十郎たち、保津峡。旅立つ山崎を見送る、琵琶湖西岸
*海賊、海だろうと川だろうと頻繁に潜る潜る。これが非常にコミカル。

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第9話
「禁じられた男と女!15年の陰謀、黒幕の謎」2003.6.16ANB/東映

 市中に阿片が出回り犯罪が多発。阿片中毒者に殺された者、阿片で死罪になった者、双方の身内から阿片を広めたものどもへの天罰をと依頼が来る。阿片を扱う吉田屋へ仕掛ける天罰チーム、しかし売人の女一人は影之介が連れて行ってしまう。
女は影之介の盟友の妻で、夫が無実の罪を着て切腹して果てたあと藩の役人に騙され阿片中毒にされたうえ売人に身を落としていた。この女を紅とともに介抱し禁断症状をやり過ごさせる影之介だが、女は奉行所へ駆け込む寸前に見つかり殺されてしまう。これを受けて真の黒幕に再びの天罰が下されるのであった。
 ロケ地、影之介がお雪を匿う川べりの小屋、山室対岸?紅に経緯を語る元締、大覚寺梅林?奉行所へ急ぐお雪、妙心寺東海庵前路地〜大覚寺参道橋大門前。血塗れのお雪のもとに駆けつける影之介、有栖川(河床にカメラ据えて見上げ)
*ラス立ちに帰国間もない福本先生、ぬおーと吼えくるりと元気に回転。

■ 必殺仕掛人 第12話「秋風二人旅」1972.11.18ABC/松竹

 乞われて京へ赴く梅安たち、仕掛けの相手は町衆を苦しめる山犬の如きゴロツキ浪人六人。仕掛人・彦造と道中の梅安、見かけた侍が女房と子供の仇と言う彦造。しかし彼の家族を嬲り殺した犯人はその侍の弟で、今回のターゲットの首領格の男だった。しかも依頼人は見かけた侍・山犬の実の兄。大勢なのと手強いのとで、少しずつ殺してゆく梅安たち、途中彦造がフライングして斬られる場面もあるがそつなく仕掛けを終える。
事後、「兄」と街道筋で会った梅安は白子屋の名を出し、訝る左内にアレが一番の悪党かもと感想を洩らすのだった。
 ロケ地、侍と行き合う峠、保津峡を見下ろす、下六丁峠?津山悦堂の墓所・墨染の欣浄寺、西寿寺(墓地、石段)。山犬衆が山端から洛中へご出勤の道、谷山林道。事後、「兄」と接触後梅安と左内が渡る橋、渡月橋(今と様態は異なる)
*原作をトレスしながら微妙にニュアンスの違う一作。彦さんの設定がそもそも違うが、兄と弟二役の天知茂が凄過ぎ。原作の気弱そうな兄の設定飛んでるっぽい。どうかすると山犬の弟より凄味が。当初の企画通り天知茂が梅安役だったらいかに凶悪か、怖いが見てみたい気も。
2003/6/15

■ 必殺仕掛人 第11話「大奥女中殺し」1972.11.11ABC/松竹

 江戸城大奥筆頭年寄・浦尾の部屋子が責め殺され、音羽屋に浦尾殺しの依頼が来る。無理に近い仕掛と半右衛門は言うが、梅安はやりがいがあると乗り気。以降、仕掛の準備がいきいきと描かれる。
調査段階でも元締自ら大奥出入りの商人に助平親父を演じて入り込むエピや、左内が代参の増上寺で仕掛けるエピ(ターゲット来ておらず失敗)などあり、緊迫感が高まる。
このあと、遂に大奥潜入を決意したチームは葛西船、年末の畳替え、古い瓦版から見付けた金蔵破りの侵入経路など三方向から支度を進める。盗っ人よろしく忍び込んだ梅安が湯殿で侍女と××の浦尾をぷすっと始末し、左内がサポートして半右衛門の操る葛西船で逃走。小気味良いテンポで仕上げられた必殺大奥モノの祖形(完成形に近いが)
 ロケ地、千蔵の知り合いの大奥お末が語る大奥の説明に彦根城玄宮園魚躍沼龍臥橋池畔。大奥出入りの碇屋の番頭について大奥へ入り込む元締のシーンに彦根城各所。堀端に佐和口多門櫓、白川御門に天秤櫓、このあと太鼓門櫓をくぐりその都度鑑札のチェック入る。大奥入口、入ると七ツ口というところの伊賀者詰所、天守下部南西角。七ツ口、大覚寺宸殿まわり。警護の伊賀者がうろつく御広敷門、大覚寺勅使門。増上寺廊下、大覚寺むらさめの廊。左内の仕掛け失敗後後図をはかるチーム、佐和口多門櫓前堀端(埋木舎前)。盗っ人経路で入る梅安、彦根城各所(犬走り、石垣、天秤櫓)。畳職人の混じって入る万吉、太鼓門櫓。畳替えの大奥、大覚寺むらさめの廊。仕掛け後逃げる梅安が伊賀者に囲まれる、彦根城西の丸三重櫓の南・観音台へ通じる石垣付近。半右衛門の操る葛西船を待つ、内濠犬走り

■ 鬼平犯科帳3 第1話「鯉肝のお里」1991.11.20CX/松竹

 おまさが行き合わせた婀娜っぽい年増女、男を買うは博打は打つはの行動を聞き、女賊と勘ばたらきの鬼平。果たして女は盗賊の一味、しかしかしらに無断で亡夫の父の元に身を寄せていた。その義父もまた元盗賊の一味の鍵師。女は居場所を突き止められ、義父に押し込み先の蝋型が届けられる。そんななか、盗賊一味のアジトが火盗改に突き止められたきっかけは女が飯を奢ってやった棒手振りの若者からだった。
因果を背負った女・お里に野川由美子、原作と些か異なるつくりとなったのはこの女優の起用も一因か。
 ロケ地、腹を減らし牛の草橋にへたりこむ棒手振りの岩吉に声をかけるお里、中ノ島橋。お里がくわえ込んだ富商のボンと密会の不忍池の船宿外観、罧原堤か。倉田屋の使いと称する一味の男が来たあと、ふらふらと外出するお里、待っていた男たちと船に乗る、罧原堤下汀。その船を橋上から見掛けついてゆく岩吉、宇治川橘橋
2003/6/14

■  第3話「王手飛車とり」1967TBS/松竹

 蘭学者・半井英山が暗殺され、新十郎を襲った刺客は次は鬼外という。北町奉行・畠山軍蔵の繰り出す七人の刺客と戦う新十郎、かがりと従妹のくの一も参戦。関係者を装った賊に鬼外を斬られかかったり、自身はトラバサミに引っ掛かったりと苦闘が続く。そして事後奉行失脚ののち残った意外な七人目が襲うが、ことの空しさを説かれ去るのだった。
 ロケ地、半井邸へ駆けつける新十郎、中山邸(参道〜門)。刺客の襲撃をかがりらの助けで辛うじて防ぐ新十郎、南禅寺経蔵付近か。北町奉行所、大覚寺明智門

■ 必殺仕掛人 第10話「命売りますもらいます」1972.11.4ABC/松竹

 頼母子講から派生した命講がおおはやり、保険金めあての殺しも横行する。そんななか舞い込んだ依頼は、金をせびるヤクザ者の兄を殺してくれというもの。はじめ命講がらみを疑う一同だが、調べの末境遇に同情を寄せる。しかし殺し屋が迫ることを関知したか、当の兄は姿を晦ます。依頼主の弟のもとへ届く不気味な文、さらわれる子供。時折、追う左内たちの前にちらりと姿を見せるがその都度鮮やかにかわし逃げる、その正体は依頼主本人で多大な借財を整理するため自分に命講を掛けてあったのだった。
 ロケ地、ターゲットの兄の情婦のところへ聞き込みにゆく千蔵、中ノ島橋上手かわと。左内にこれを報告の千蔵、中ノ島橋上。事後、依頼主が音羽屋へ宛てた文を見る寝転び左内、柊野堰堤下河原。
2003/6/13

■  第2話「獣の城」1967TBS/松竹

 今回は下総・関宿藩へちょっかい出す新十郎。前藩主は水野老中の政策に逆らい隠居命ぜられ、将軍ゆかりの殿を前藩主の妹と娶わせ、という話が進んでいる。
その「婿殿」に化けて入る新十郎、忍との対決の果て蟄居中の前藩主の謎を突き止める。
 ロケ地、関宿藩の城に彦根城。天守、佐和口多門櫓と前の濠・いろは松の岸、天秤櫓など各所が使われる。婿入りの駕籠が爆破される、木津堤。前藩主のいるという下屋敷に赴く新十郎のシーンの坂、門の向こうに早い流れ、宇治興聖寺・琴坂。事後、関宿を発つ相川左近が新十郎の煙管投げると爆発、木津堤。新十郎の渡る橋、流れ橋
*関宿の忍・一作に菅貫太郎、伝わる技が発揮できたとカタルシスのうちに死ぬ。蓬髪垂らし狂気じみた演技、忍者やっても菅貫。

■ 翔んでる!平賀源内 第14話「命で償う恩返し」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 源内の盟友・杉田玄白が登場、ターヘル・アナトミアの翻訳のため腑分を切望している。小塚っ原から刑死人を持ち出そうとして赤垣の邪魔が入ったりする。悪徳医者と組んだ薬種問屋が玄白に辻斬りをけしかけたりするが、当の辻斬りは妹を助けてくれた玄白を殺るのをためらううち狙撃されてしまう。ここで一平たちがワルを召し捕り、辻斬り侍は死の間際自分を腑分に使えと言い残し死ぬ。
 ロケ地、小塚っ原の小柴垣、わらびの里?

■ 必殺仕掛人 第9話「地獄極楽紙ひとえ」1972.10.28ABC/松竹

 弱い立場の者から金を毟りまくる御数寄屋坊主を成敗する話。梅安はカツアゲの現場に行き合わせ伊皿子日乗の手下をシメて刺客を差し向けられたり、潜伏先の寺で日乗の美人局に引っ掛ったりと散々な目に。やがて美人局の餌に使われている女から元締に日乗殺しの依頼あり、カツアゲに赴く日乗と用心棒は梅安と左内に始末される。
 ロケ地、狆のカクちゃんを抱いた梅安がカツアゲ現場に行き合わせる、相国寺方丈塀際〜黒谷塔頭道。梅安が日乗を仕掛ける石段、知恩院勢至堂への石段。左内が用心棒を斬る鐘楼、知恩院鐘楼。斬られた侍が突き棒にぶら下がり梵鐘ゴーンと鳴り響く。事後、脅されていた夫婦が釣り船に遊ぶ、錦水亭前の八条池。梅安が堤道をゆくのを見て共に緊張の夫婦。
2003/6/12

■ 翔んでる!平賀源内 第13話「本日土用丑の日」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 江戸での日常に戻った源内、酷暑をやり過ごす土用ウナギを売り出す。メインのお話は勘当息子の更正と、謀殺された父の仇を討とうとする人情話。
セット撮りでロケは無し。
*久しぶりに登場の北町奉行、鰻の毒見・カッコつけたお裁き・田沼に紙屑ぶつけられるの三点セット。お白州の出の前にアンチョコ見てる仕草がかわいい。襖に裾をとられて、しゃっと足を払うシーンもあり、愛くるしさ満点。

■  第1話「新十郎登場」1967TBS/松竹

 風雨の夜、大凧で名古屋城の鯱盗む新十郎のシーンではじまる。この鯱はあとで道端に晒してあったという、破天荒な盗っ人・新十郎は未だ着任せぬ同心・相川になりすまし北町同心としてしばらく勤務するトンデモぶり。そこでフィクサー・土方鉄山の不正の証拠つかみ、これに消された同心の仇を討ち隠されていた米を市中にまいたりなんかする。老中・水野には寝所へ忍んでゆき了解得たりもする。水野の女密偵との関わりの起こりも描かれる。
 ロケ地、北町同心・安藤が鉄山邸の腰元と共に爆殺される、広沢池東岸に屋形船仕立て。この犯人を尾けた水野の密偵・かがりが同心「相川」とチャンバラの末川に落ちる橋、中ノ島橋。水野にツナギのかがり、坂口?北町奉行所、大覚寺明智門。庭で与力に安藤の件を話す「相川」、相国寺大光明寺石庭。鉄山邸を探る途中露見し追われるかがりを助ける新十郎、そのあとかがりが鳥追いになりを変えて出てくる堂、大覚寺護摩堂。これと話すこれもなりを同心に変えた「相川」、木津河原か。なりすましがバれ牢に押し込まれる新十郎、その夜与力(鉄山とグル)を拉致し逃げる北町まわり、相国寺方丈(湯屋前〜渡廊・法堂)。事後、凧あげの安藤の妻子、木津堤か。
*ノリは大活劇。モノクロは見るの疲れるかと思ったがさほどでも。主演の栗塚旭、さすがに若いが、暴将出てるのとえらくは違わないように見える…のはギョロ目の印象が強烈だからか。

■ 必殺仕掛人 第8話「過去に追われる仕掛人」1972.10.21ABC/松竹

 左内に過去からの魔手が忍び寄る。藩のため領民の苦衷を救うため、無謀な干拓工事を進める奉行を斬って捨て逐電した左内。しかし殺したと思った相手は生きていて、江戸詰め家老となりおおせていた。しかも音羽屋に左内殺しを依頼し、かつての左内の同志を抱きこみ刺客に仕立てるなどの策謀が企てられる。その同志も結局消され、元締のバックアップもあり左内は再び「昔斬った男」を斬るのだった。
 ロケ地、蔭山藩邸、大覚寺大門。左内に江戸を離れるよう促す元締、大覚寺護摩堂前の大沢池畔に茶店セット(堂は映らず石仏や放生池堤が背景に)。左内の元同志・松岡弥太郎が斬りたてられ逃げる藩邸付近、門前参道橋御殿川有栖川池水落ち口。松岡は探っていた千蔵の船で大沢池へ。元締が主膳を誘き出す墓地、愛宕か。
*左内を同志の墓に誘い出し斬ろうとする松岡、過去と現在が交錯する緊張の場面や、左内に協力し藩邸に早桶持って乗り込む半右衛門の侠気が描かれるなど見せ場多し。墓地で左内の死体役やって目むいてる千蔵ちゃんも良し。*今回は仕掛けは無しの梅安、何度も逢瀬を邪魔されるコミカルなシーンが描かれ、刹那的享楽を大肯定する言がキマっている。
2003/6/11

■ 翔んでる!平賀源内 第12話「天下一品南蛮揚げ」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 大坂へ入る一行。源内は知り合った吝嗇な青年の事業に手を貸し「南蛮揚げ」なる料理を考案し売り出す。これを手伝った鴻池の娘の友人の宮中御用の昆布屋の娘が陰謀に巻き込まれるが、来合わせた一平が赤垣を「眠らせ」参加、ワルを罠にかける。用心棒たちを蹴散らし黒幕の城番を糺す源内、曲者じゃ出会えという運びになりおっラス立ちかと思ってると城代出てきて幕。
 ロケ地、三十石船の船着場へ来る源内、罧原堤下河原。昆布屋の娘がならず者に襲われる、広沢池東岸。お葉たちも合流し乗船する下り船、広沢池上。事後、罪人を唐丸で運ぶ同心たち、嵐山自転車道。鴻池の船で江戸へ帰る一行、罧原堤下汀に船のデッキをセット。

■ 家光が行く! 第3話「魚河岸の暴れん坊」1972NTV/渡辺プロ

 魚政が魚を一手に扱い、庶民の口には入らぬほど値を吊り上げる。窮して魚政の荷を襲う一味には弥平次もいたりする。そして三河から出て来た若者・太助に突っかかられた竹千代ぎみは不正を一新することを決意、大坂のざこばにならい魚河岸設立を企図、紆余曲折あるが大御所の助けもありメデタシ。太助は一心太助の模様。
*菅貫再登場、竹千代ぎみの身辺を嗅ぎ回る。こすい役柄がとてもよく似合う。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第6話「ぶっつけ勝負」1975,2.8ABC/松竹

 今回の仕事は、女と駆け落ちした息子を連れ戻してくれとの富商の依頼、場所は草津。骨休めがてらと送り出される二人だが、行った先ではすったもんだの大騒ぎ。当の息子は素性を知った地回りに食い物にされようとしていた。息子を連れ出し女郎屋に立てこもる半兵衛たち、強引な地回りとの攻防が見もの。
その妓楼には息子と逃げた女がいてひと悶着。地回りに毟られて窮した挙句女は身を売ったのだった。帰らぬと駄々をこねる息子、行く末を案じた女はたまたま通りかかったお鷹様の行列に直訴しようとして地回りに捕まり殺されてしまう。嘆く男に、こうなれば一蓮托生と肝を決める二人、打って出て女の仇の地回りたちを仕置。
事後、おせいのねぎらいを受ける二人、しかし事を語らず済ませるのだった。
 ロケ地、おせいとのツナギおよび帰還後の一席、錦水亭(東屋外観)。道中の街道筋は…谷山林道かと思ったが、下に棚田見えてるし山なみちょっと違う…不明。
*こんな話でもはしばしに博打からむ。道中では軍鶏の賭博、囲まれて窮した際には「勝ち目無し」と撤退、戦況を語るにも「流れを変える」とギャンブル色ぷんぷん。

■ 必殺仕掛人 第7話「ひとでなし消します」1972.10.14ABC/松竹

 迎えた婿がトンデモで、家の金を使い倒す放蕩者のうえ、妻に毒薬を飲ますは忠実な下男を斬るは富商の娘を誑かして妻に迎える算段しているはの、まるで四谷怪談のようなお話。
薬を飲まされて放心しているお此を助けた左内は以降ずっと関わることに。微妙なからみを見ていた左内の女房はヤキモキしまくり。
はじめお此の依頼を断る半右衛門だが、のちに事情把握し受けることに。最後は仕掛に夫婦揃って一役買う。仕掛の当日が息子の誕生日な左内の振舞が傑作。
 ロケ地、ならず者の浪人からお此を助ける左内、罧原堤下河原。仕掛終わった左内が急ぎ帰宅するところに襲撃かけてくる浪人者、大覚寺放生池堤
*左内一家がやってくる縁日、金魚すくいのシーンにガラス板使ったアオリ。*今回梅安はお此が夫の引き込んだ「下男」に手籠めにされかかるところへ登場、ぷすっと始末。登場はこれだけ。*お此の夫の色悪に中尾彬、クレジット見るまで判らなかった…すげぇ若いんだもん。
2003/6/10

■ 翔んでる!平賀源内 第11話「瞼の父は盗賊か?」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 舞台は伊勢。父を待ち続けるいたいけな母子に同情の源内先生、患った母の眼も診てやり長崎行きを勧めるがあくまで夫を待つという女。しかし偶然巡りあった夫は、旅先で助けてくれた大泥棒の一味となっていた。山田奉行に「念書」を見せて捕り方を出させ盗賊を一網打尽にしたあと、奉行配下に仲間がいたことを黙認するのと引き替えに父親だけ見逃してもらう先生。からくりは盗賊たちを照らし出すサーチライト。
メデタシのあと激しく泣き入りかける先生、周囲に遠慮して半泣きに留まる。
 ロケ地、盗賊のアジトの小屋、広沢池岸?

■ 家光が行く! 第二話「竹千代の初恋」1972NTV/渡辺プロ

 またまた市中を徘徊の竹千代ぎみ、今回はスリ呼ばわりされて知り合った娘のあとを追いまわす。娘は篤志家の医師・硯斎の孫で、小早川家からの招聘を断り様々な圧力をかけられている窮状を竹千代ぎみが救うというストーリィ。しかしタイトルの「初恋」は、最後に身分が明かされ女を泣かせる結果に終わる。だいいち、竹千代ぎみになんか思い入れがあんまり感じられないんだけどね。異星人みたいで。その割にはしっかり女の脛見てたか。
*医師に嫌がらせの小早川の殿様は「秀秋」、医師は長曽我部の家臣で関ヶ原の恨みとか言ってる…まだ大御所生きてるし当たり前なんだけど、ドラマがほんわか江戸中期っぽい雰囲気なのですげぇ違和感。

■ 大奥 第2話「狙われた姫君」2003.6.10CX/東映

 いよいよ始まる瀧山の嫌がらせ、質素のふうの篤子に反発の女たちの空気と相俟ってねちねちぎとぎと。そんななか篤子は斉彬に従ってきた恋人と顔をあわせ意味深な言葉を口にする。そして将軍の子を産む決心をして閨のなか家定の心情がぽろりと漏れるとき、盛られた毒が利いてきたりなんかして。
 ロケ地、雛の宴、姫路城西の丸(天守バック)。島津候の下城、いの門(表側)
*「斉彬」博太郎、今回迫力で「政治家」の顔。例の口調でぼそっと部下を脅す。キレる役柄より迫るものがある。一回きりの役多いから複数回見られてラッキ。
2003/6/9

■ 翔んでる!平賀源内 第10話「男の夢は夜開く」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 舞台は三河・岡崎城下。三河花火を一手に握ろうとするワルの企みをぶっ潰し、名人・治平の「菊の大輪」製作に手を貸す源内。悪徳商人と結託していた奉行には田沼老中の念書を見せて落着。今回の「からくり」はライター(妙にデカい)
 ロケ地、三河に入る源内と沙織、大覚寺放生池堤護摩堂。また茶店で引っ掛かり酒をやる赤垣に呆れる一平、心経宝塔前に茶店セット。大平川で治平の弟子が狙撃されるのに居合わせるお葉たちと同心たち、広沢池東岸。花火工房も同所にセット。ラスト献上花火打ち上げも同。遠州屋の手下が張りこむ街道筋の橋、中ノ島橋(治平が止められる/その後源内一行が旅の一座に化けて通過)。遠州屋が最終手段として雇うブーメラン男(ブーメランで放火して治平の小屋を爆破)の試技を見る、鳥居本八幡宮。花火献上の朝、岡崎城イメージに彦根城(南面・天守のみ頭出す)出立の同心たち、花火上がる音に二日酔の頭ガンガンのシブ垣、大沢池北西畔
*シブ垣ははじめから終わりまでレロレロ。*宴から帰らぬ一平に焦れお鈴親分がお風呂に「入ッチャカチャ」…寒。*シブ垣の宴会芸、でかい薦かぶりでよたよた踊るアレはひょっとして「ちょろ」?

■ 家光が行く! 第一話「飛び出した若君」1972NTV/渡辺プロ

 大御所に三代将軍指名を受けた竹千代ぎみが「社会見学」に市中を徘徊、銭持ってない・メザシに感心したりするなど落語のようなふるまいが描かれる。町娘に惚れられたり、実は豊臣残党の鳶職と知り合ったりする。娘を拉致った赤鞘組とひと悶着やらかすが、背後には竹千代追い落としを謀る存在が。これの手下に菅貫、赤鞘組を使うが失敗。
*お城に帰った竹千代ぎみ、足を投げ出して足袋をぱんぱんすり合わせる…このビジュアルは馬鹿殿もののそれでは。*殺陣はペラいが刀の抜き差しは妙に早い竹千代ぎみ。

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第8話
「悲しき10代の反抗!殺しの罠と母の着物…」2003.6.9ANB/東映

 不良少年グループがヤクザの傘下に入れられ、深みにはまってゆく。リーダー格の政吉は以前紅の長屋にいた少年で、壱松ともかかわりがあった。母の形見の着物を渡し昔に戻れと言う紅、壱松も見守り説得するが、政吉は代紋を背負わされてしまう。しかし示唆された殺しがどうしても行えず、仲間の少女が人質にされるに及び覚悟を決めた政吉は、母の縫った着物をまといヤクザの親分に決死の抵抗を試みる。結果は政吉の斬り死にとなり、天罰チームが仇を討つかたちとなる。
 ロケ地、熊蔵に殺しを強要された政吉が茂助に斬りかかる、上御霊神社拝殿裏の透垣前。元締に事情話す紅、大覚寺天神島朱橋上。政吉の命令で逃げる少年たち、大沢池堤。仲間を船で逃がし斬り死にする政吉、大沢池北西畔(夜)。事後、少年たちが立てる政吉の墓、大沢池堤?

■ 八州犯科帳 第4話「小舟に棹さす女」1974CX/C.A.L

 潮来宿の博徒・仏一家の手下が続けて殺される。見え隠れする老渡世人の影。
手口は一様に酒に酔って水に落ちたふうを偽装、これは老渡世人が酒を満たした鉢に押し込んで殺ったもの。十年前息子を殺された意趣返しに選ばれた手段で、渡世人の正体はもと八州役人。息子の死を酔って溺死と片付けられたことで、役人はクズと決め付ける老人を捕縛しない八州たち。
仏の庄九郎に渡された金を娘の白内障治療に喉から手が出るほど欲しい左近だが、やせ我慢しまくり。しかし清廉なはずの新兵衛は取っておけと言い、左近が投げ捨てた金を拾い上げ手渡すのだった。
2003/6/8

■ 必殺! III裏か表か 補遺

 ロケ地補遺
出役してゆく南町の捕り方、奉行所門に鴻池新田会所跡門。塀、西本願寺南塀。江戸城イメージに姫路城(南東濠から)。勘定方へ運ばれる荷の荷揚げ、彦根城佐和口多門櫓前。お城の金蔵、彦根城西の丸三重櫓。仕事帰り、清原と金の仕組みについて話す主水、妙心寺庫裏西塀。政が潜む汀、琵琶湖岸の柳下。ラストのおこうの降りてくる石段、粟生光明寺石段。

■ 必殺仕掛人 第6話「消す顔消される顔」1972.10.7ABC/松竹

 市中でいい女を見てふらふらとついてゆく梅安と千蔵、夫・直吉の見えぬ目のことで夫婦で願掛けに来たさまを見、乱暴な夫の態度に「殺す」などと呟く。ここから目の治療で夫婦に関わってゆく梅安、そんな折元締から指示されたターゲットはその女・お妙の父。当初火事場での働きから尊敬されている人物をなぜと訝る梅安、次第に事情は知れる。直吉の目が見えなくなった経緯、彼を襲う女殺し屋、火事の大もとなどのエピソードが散りばめられる。
直吉の家に火をつけに行くターゲット・多左衛門を殺る梅安、金も貰ってないのにそっと入ってきて共犯の手代をさくっと殺ってゆく左内、お妙のため父の不名誉は避けてやる優しさを見せる梅安がいい。
 ロケ地、お妙夫婦が願掛けの「神社」、神光院本堂(蔵や中興堂も映りこむ)。あとでお妙に事情聞くシーンは庭の池に架かる石橋上。元締に仕掛けをせっつかれる船の上、大沢池
*神光院のページ作った途端に出て来たよ、最上の使用例が…書き直しだー。

□山田誠二氏の必殺本を読んでたら、仕掛人一話の左内スカウトの場面は長岡天神とありびっくり。見直してみたけど…八条池かなぁ、アレ。大沢池だと思うんだけど。でも松林はちょっと大沢池と違うような気もする。どっちにせよもう使えんわ、あのアングルじゃ天一の看板見えちゃうと思う。1972年当時の長岡へん…ほとんど覚えてないけど、今よりもうちょっと竹林はあったよね。馬鹿なことに錦水亭のタケノコの味ははっきり覚えている。旨かったなー。
2003/6/7

■ 必殺仕掛人 第4話「殺しの掟」1972.9.23ABC/松竹

 今回山形屋の紹介で元締に持ち込まれた依頼は、町医者の玄竹の女房が狂暴な侍・松永彦七郎に無体を働かれた仇を、というもの。さっそく左内が仕掛けるが腕は互角に近く、互いに浅い傷を負ったうえ松永の師匠・中根が介入し水入り。しかもこのあと山形屋らが偽りを述べていたことが明らかに。仙蔵の再調査の結果、松永は妹夫婦を殺された謹厳実直な男でトンデモ侍は山形屋らがつるむ法眼・金子安斎の庶子のほうと知れ、元締の怒り爆発。
左内は両国の川開きに船を出す法眼の息子を襲い松永のもとに届ける役を果たし、梅安と元締は玄竹と山形屋を始末。騙された元締はけれん味たっぷりに山形屋を追い詰める、迫力。
 ロケ地、冒頭うずくまる松永、下鴨神社河合社前。行き合わせ具合を聞く左内、糺の森林間。襲ってくる刺客を返り討ちの松永、泉川畔。玄竹が申し立てる松永の掛川での悪行のイメージ、黒谷塔頭道。左内と半右衛門のツナギ、大沢池…と思うが方形造りの大きめの堂に見覚えが無い…蓮いっぱい浮いてるし護摩堂っぽいの見えるんだけどなー。松永に仕掛ける左内、黒谷墓地。水入り後立ち去る左内、茶店の梅安に声を掛けられる、金戒光明寺本堂前石段上。左内の回想、師匠の思い出…桂の堤か。松永のもとに馬鹿息子を送り届ける船頭姿の左内、大沢池?暗くて判らん。

■ 必殺仕掛人 第5話「女の恨みはらします」1972.9.30ABC/松竹

 今回の依頼は娘に無体を働かれたうえ店を潰される羽目になった亀屋の主人から。犯人の六人の富商の放蕩息子たちには与力の大井が手を回していてほぼお咎め無しの「叱責」のみという仕打ちに亀屋は最後の財を投げ出す。この与力というのが昔おくらを脅して食い物にしたワルで、偶然出会ってしまったおくらをまたまた脅すという、エピソードてんこ盛りの一作。
窮したおくらの行動と、禁に触れ捕縛された長屋の鋳掛屋を左内の女房が気遣うエピなど絡み、複雑な感情が交差する。
 仕掛けのほうは、六人の馬鹿息子をさくさくと殺る。梅安の仕掛けがトリッキーで見せる。母の形見の簪を質入れして左内の女房に頼まれた金を作るおくら、これを知った左内はおくらに事情を聞きその足で与力を斬りにゆく。これには後段あり、与力配下の下っ引がタカリに来るのを釣竿に仕込んだ刀でぶすっと殺る半右衛門、帰宅した彼がおくらに渡したのは彼女が流用した左内から預かった金と、質入れした簪だった。
 ロケ地、おくらが与力に脅される神社、松尾大社(亀の水場、拝殿、用水に架かる橋)。梅安が六人の一人・伊之助を殺る向島への渡し舟、大覚寺大沢池。元締が下っ引を殺る、保津峡落合河口
2003/6/6

■ 翔んでる!平賀源内 第9話「殺意が潜む大井川」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 川止めのうえ田中藩のお家騒動に関わる源内たち。藩主の弟ぎみは同心・一平にそっくりという設定、身代わりとして大活躍(二役)。この一平役のジャニっぽい俳優けっこう面白い。源内のからくりは藩主をビリビリのエレキテルに、捕物に協力の投石器。
 ロケ地、大井川、植生から木津河原と思われるが??藩主弟の身代わりで捕まる一平と尾行して一緒に捕まるシブ垣、大覚寺五社明神〜天神島
*源内先生、「ハッチャカチャ」などと台詞にも音頭が…。

■ 江戸中町奉行所 第五話「大奥に棲む魔物」補遺・ロケ地確認

 中掾Eお伝の方が代参と称し若年寄と密会の谷中の末寺、上賀茂神光院。「本堂」に中興堂、お篠と多吉が様子を窺うのは宝筐印塔の陰、本堂西側。多吉が用心棒に見つかり追いかけまわされるのは中興堂まわり、渡廊も映る。

□パソコンで見るの疲れたDVD必殺仕掛人、発注しちゃった明日来るプレイヤー、金食い虫に取り付かれ中。いいよいいよ一回呑みに行ったと思えばさ(泣)。
2003/6/5

■ 翔んでる!平賀源内 第8話「湯けむり幽霊騒動」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 いきなり旅モノに。赤垣と一平は出張、源内は鴻池の用でそれぞれ上方へ。長屋衆は一部がお伊勢講と称しついてゆく。道中関わった宿の主人を助ける源内、箱根湯本で大騒動。
田沼さまのお墨付きが代官たちに示され、お約束時代劇のへいつくばり解決に。
旅に出ちゃうから当然北町奉行は出てこない。まだ箱根だからしばらくは旅モノ?
 ロケ地、東海道の山道に谷山林道各所。

■ 必殺仕掛人 第2話「暗闘仕掛人殺し」1972.9.9ABC/松竹

 湯治場の梅安と左内が何者かに襲われる。急ぎ江戸へ帰る一行、二手に別れてみると狙いは梅安のほう。井筒に逃げ込んだ梅安はおぎんと再会。
その後、音羽の元締から頼まれた鷹匠の始末にかかる梅安だが、偵察に行き悪行を聞くうちターゲットを見て驚愕。鷹匠は昔梅安が密通した女の亭主だった。間男を見つかった際の女の裏切りが許せず、梅安は女を殺したのだった。湯治場の刺客が鷹匠・小野寺の仕向けたものと知った梅安は先手は王手と小野寺を襲いあっさりと始末、自宅を襲う「仕掛人」は左内の手も借りて返り討ちに。最後に襲ってきた仕掛人の親玉が湯治場で息子を助けてくれた老僧と知り、左内の苦悩は深まるのだった。
 ロケ地、湯治場(弘法霊泉とある、箱根か)保津峡落合(旅館、河口)。千蔵が捕まる大川端、桂か。

■ 必殺仕掛人 第3話「仕掛けられた仕掛人」1972.9.16ABC/松竹

 蝋燭問屋・辻屋の後妻がターゲット。妙な話作り女を自宅に誘き寄せる梅安だが、これが盗賊の一味でボコられ拉致されてしまう。だが盗賊のかしらは梅安をあっさり解放、仕掛人としての勤めを果たせと言う。後妻殺しを依頼したのはその盗賊で、引き込みに入りながら途中で遺産目当てに変節した女を始末するのが目的だった。
 一方、女のほうからも音羽の元締にかしらをターゲットに依頼が来る。これも受けた半右衛門は、戻ってきた梅安に女を始末させ、自ら盗賊のもとに乗り込み、左内を使って仕掛けるのだった。
 ロケ地、辻屋の主人に死相出ていると持ちかける梅安、梅宮大社神苑汀に茶店セット。
2003/6/4

■ 翔んでる!平賀源内 第7話「蜆売りは恋の辻占」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 昼は蜆の行商、夜は遊里で辻占売りをして稼ぐ孝行息子に感じ入り競って蜆を買い求める長屋の女たち、しかしその母親は幼い息子の稼ぎで飲んだくれるというトンデモ。
孝行息子が油の値の吊り上げに絡んだ殺人を目撃してしまい危機に陥ったとき、源内先生は母親を叱り飛ばし、チームは子が監禁されている油問屋に乗り込んで救い出してやるのだった。
今回の発明は背中にエンジン積んで早く歩くヘンな機械、全くの役立たず。なんなのかと思ってると、一緒に装着しているゴーグルが主役で、泣きの入る源内の涙隠しになるのである。
*北町奉行、田沼老中が源内に「ビリビリ」されてる部屋を覗き、怪しの青光線を目撃してビビりまくり。
 ロケ地、蜆売りがゆく日本橋界隈、大覚寺大沢池周辺各所(放生池堤、池北西畔、観月台下)

■ 必殺スペシャル春一番
「仕事人、京都へ行く・闇討人の謎の首領!」
1989.3.30ABC/松竹

 主水は出張で、政は偶然関わった同心殺しの故に、加代は仕事の匂いを嗅ぎつけて、それぞれ京都へ向かう。主水は公家の手伝いに、政と加代は京都の仕事人の元締・五兵衛のもとへ。
御所の改築工事を巡ってキナ臭い動きがあり、入札に加わった播磨屋がまず消され、江戸で同心を殺った気砲を使う仕事人も消される。この際の手口から小太刀の道場が浮かび、政たちは脅迫状を送りつけ呼び出し黒幕を吐かせようとするが、秘密が漏れる寸前に駆けつけた五兵衛の娘・ろくろのお竜が喉を切り裂き、黒幕の正体は不明に終わる。
このことに不審を抱いた政はお竜のかつての仲間・新吉を問いただすが、意外なつながりが隠されていた。お竜を始末に行った新吉は返り討ちに遭い、今わの際に政に始末の完遂を託して死亡。また、主水も刺客に襲われていて、遂に闇討人の正体を知る。
 ロケ地、冒頭「最後の仕事」に集い散る京の仕事人たち、南禅寺三門。解散後、天神さんの縁日へゆく新吉とお竜、北野天満宮(三光門、境内)。江戸へ帰った片山同心が京都所司代の不正を訴える前に襲撃され落ちる橋、中ノ島橋。政がゆく東海道、嵐山自転車道(バックに富士山合成)、加代が追いつく浜の茶屋、琵琶湖西岸松原。京都所司代、大覚寺明智門(明智陣屋も映る)。姉小路邸へ出向の主水を裏口に呼び出す加代、大覚寺東塀通用口(バックに大沢池)。姉小路が出てくる階、五大堂。気砲の説明を政たちにするお竜、広沢池観音島。説明に引くかわらけ投げの愛宕、本物。政がお竜の生い立ちを聞く河原、罧原堤下河原。気砲の使い手・弥平次が住む糺の森を探りにゆく政たち、本物。京八流に探りを入れた加代が新吉に助けられ一息つく、今宮神社高倉下。仁和寺へ京八流を呼び出す新吉、本物(新吉が扉を使い糸で仕掛けるのは中門、他に仁王門がシルエットで)八坂神社へお参りの新吉を政が問いただす、本物(本殿、西の楼門)。元締殺害を聞き新吉が駆ける三条大橋、渡月橋か(擬宝珠ついてる)。死体上がる河原、桂と思われるが確信無し。このほか、役者の出ないイメージ映像やEDに清水寺、金閣に御所など。ED塔は東寺か。
*お竜に惚れる政、おじゃる宅の下女の死に許さなねぇと呟く主水、細やかな感情の襞も丁寧に描かれる。外道に堕ちた女・お竜と、クールに見えて熱い元結の新吉がたっぷりと尺をとって描かれているのもイイ。関西弁の近藤正臣がなんか新鮮。
2003/6/3

■ 翔んでる!平賀源内 第6話「疑惑の十段」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 舞台で殺された歌舞伎役者を巡って大騒動、先走ってシブガキが捕えた黒子の無実を晴らすべく動く源内たち。裏には役者買いの大奥中揩ニ、取り入ろうとする呉服商がいた。
今回のからくりはスライド、殺された役者を映し出し中揩脅かすのに使う。
*今回、中揩竚熾桴、を適度に脅して抱き込み儲けようと企む田沼老中、悪の顔がちらり。しかし呉服商は捕まり中揩ヘ自害という結末に怒り、北町奉行に瓦版を丸めて投げつける…奉行は手鏡でこれを防いだりなんかする…あのいつもの毛づくろいのやつ。しかし川合伸旺氏、里見浩太朗ばりのキラキラお目々が凄い…お白州で断罪の際もなんかにたにたしてるし。*毎日見てると体のどこかに残りそうで怖い主題歌、サビ部分で八丁堀捕物ばなしのいかりや長介がフラッシュバック。

■ 必殺仕事人 第81話「捜し技高利蟻地獄斬り」1981.1.9ABC/松竹

 内情の苦しい八丁堀同心の妻たちが、次々と借金のカタに金貸しの雲市に食い物にされる。無体を強いられ殺される者も出る。これを探索する気鋭の堀田同心の妻も毒牙にかかり、しまいには夫婦して密殺されてしまう。最初に死体となった同心の妻から木更津へ依頼が来ていて、愚図愚図しているからだと秀の罵声が浴びせられるなか、主水は木枯しの夜道を雲市のもとへ向かう。
 ロケ地、同心・染谷の妻の死体が上がる柳原土手、罧原堤下汀。八丁堀の女房たちが魚を買う道、相国寺塔頭道。雲市の指図で客をとらされていた堀田の妻が借金の理由を夫に告白する水辺、広沢池畔。堀田が雲市に呼び出される寺(石段と墓地)、永観堂?確信無いのでキャプチャ。

■ 必殺必中仕事屋稼業 第5話「忍んで勝負」1975.2.1ABC/松竹

 入牢した新人から金を毟り取る牢名主のもぐらの留三がターゲットとなる。留三はお裁きが下れば獄門の極悪人、金をばらまき牢に居続けるという人種。
これに仕掛けるためわざと賭場の手入れの際捕まり「入る」半兵衛と政吉だが、不調に終わる。その後おせいのもとに来た髪結いから囚人相手の仕事の話を聞きつけ、髪結いとして入り込み博打に事寄せてうまうまと殺る二人。
筋立ては単純だが、牢内の活写が秀逸。二人の日常がコミカルに描かれるところも興味深い。ことに、再度牢に潜入した二人が留三と博打を打つシーンのガラス越しのアオリは特筆もの。イカサマの手口など透かして見える工夫は、昔ループルで見たペテン師を描いた中世絵画を想起させた。

■ 大奥 第一話「将軍の女たち〜運命の出逢い〜」2003.6.3CX/東映

 13代家定の世、島津候の養女として御台様となる篤子の輿入れ、お国言葉も抜けぬ篤子が曲折を経て、大奥総取締・瀧山と対決する覚悟を決めるに至るプロセスが描かれる。
篤子の恋人との別れ、次期将軍を巡っての島津候の思惑、暗躍するっぽい紀州候の実母など、風雲急を告げる幕末の空気が出ているんだかいないんだか、よく判らないおんなのドロドロの予感。
 ロケ地、安政三年薩摩のイメージに桜島(役者出ず)。錦江湾の浜辺、琵琶湖西岸?なんか違うか。江戸へ出立の篤子の駕籠がゆく薩摩の街道筋、山室堤道。輿入れの篤子と大奥勤めに赴くまるの出逢い、姫路城好古園松の庭付近の通路。城まで一緒に映る高所からのアングルもあり。島津候登城シーンの門は姫路城菱の門。このほか、姫路城西の丸天守外観、はの門など各所が使われる。蔵のシーンでは彦根城西の丸三重櫓も使用。
*島津候斉彬に本田博太郎、四賢候の一人をどう演じるか以降が楽しみ。キレる役ではないみたい。天罰屋といい暴将ラストといい、最近渋い役多いの。上様のがどんだけキレてるか見ものかな。
2003/6/2

■ 翔んでる!平賀源内 第5話「炎の中の白い影」1989TBS/東映太秦/C.A.L

 島抜けの罪人を匿う源内、冤罪を晴らしてやる大活躍。今回の「発明」は石綿の防火服。アスベストとか大きい声で言ってる…局長、発癌物質だよそれ。タイトルはその防火服をまとった真犯人が主殺しの現場(火事)に立つ姿。
ロケ地、石綿採取にゆく荒地、および防火服実験の小屋、府境の砕石場か。
*北町奉行、実験に立会いハラハラの表情がおかしい。

■ 必殺仕事人 第80話「踊り技回り舞台振り落とし」1980.12.26ABC/松竹

 「加代、純愛する」お話。
初めて江戸へやって来た若衆座は両国座の意を受けた地回りに妨害を受ける。それでも前向きな市之助は徐々に評判をとる。加代は当初より市之助を慰め励まし、二人は次第に心通わせるようになる。主水らも加代の行為を静観。
しかし若衆座の女形が謀略に落ち殺され、更なる地回りの妨害で遂に興行不能となる。市之助は刃物をとり両国座へ駆け込むが返り討ちに。市之助の土饅頭の前で主水に殺しを懇願する加代、市之助との暮らしを夢見ていたと語る哀切な姿が描かれる。鮎川、さすがに巧い。
 ロケ地、冒頭、お参りの加代とおしま、今宮神社摂社。若衆座が小屋を掛けるのは同境内。女形の国三が謀殺され浮く大川、罧原堤下河原。国三と市之助の土饅頭、下鴨神社糺の森
*若衆座の花形二人には本物の歌舞伎役者を登用。出し物は仮名手本忠臣蔵お軽勘平の段。

■ 天罰屋くれない 闇の始末帖 第7話
「江戸VS上方 刺客の激闘!!親子鈴に託した愛」2003.6.2ANB/東映

 紅の息子が関わり負傷し記憶を無くした男を救うが、男の正体は同業の殺し屋だった。
男は上方の元締・加賀屋のもとで殺しを生業としていたが、変質し金で請け負うようになった加賀屋から逃げたのであった。男が江戸へ来たのは昔天罰屋になりきるため捨てた娘に会うためだったが、願いが適ったとき男には死が訪れるのであった。
男と旧知であった「江戸の元締」はチームに加賀屋一味の始末を金無しで布告、死を見届けるまで関わった紅はもとより全員が許諾。
 ロケ地、山城屋の依頼を蹴る元締、鳥居本八幡宮(本殿前・夜)。加賀屋から通告のあった人相書き見て動揺する紅に釘を刺す元締、大覚寺大沢池木戸(南側)。紅の息子が飴売りに飴を貰う、中ノ島橋上。その後襲撃される飴売りの男、橋下右岸水路脇の岸公園林自転車道下桂川右岸河原嵐山東公園。新八の馴染みだった上野山下の水茶屋へ聞き込みの影之介、今宮神社東門外茶屋・一和。新八の記憶を戻そうと湯島天神へ伴う紅、今宮神社境内に縁日セット。通行人に当たり転倒した新八と休む茶屋は高倉傍にセット。来ていた元締とツナギは若宮社前。加賀屋を始末する夜の神社は鳥居本八幡宮(鳥居下、夜間撮影・スモーク焚)。ラスト、何も知らぬ夫と息子が新八を案ずるのを聞く紅、大覚寺放生池堤
*新八を綿引勝彦が好演、いつもの如くぶっきらぼうな役回りだが子供の相手するぶんちょっとソフトな五郎蔵さん。

■ 八州犯科帳 第3話「忘れな草に泣く女」1974CX/C.A.L

 飯盛女のもとへ上楼る左近、そのおゆうに惚れる。女がそこへ身を沈めた経緯は、凶悪な盗っ人・権左に拉致され弄ばれ売られたというもの。権左は、女房が間男して逃げたことがトラウマとなり祝言をあげたばかりのカップルを狙うという、ちょっと変態じみた大入道。
おゆうの亭主と称する股旅者が現れ復縁を迫るが、なぜか昔やった簪に妙にこだわると思いきやこれが権三の上前をハネるワルで、簪は隠し金の鍵なのだった。
女の心を踏み躙るその股旅者を「屑」と斬り捨てる左近だが、女は自分も屑さ、と吐き捨て去る。
このファム・ファタルっぽい飯盛女を宮本信子が怪演。緒方拳の細かい仕草もなかなか。
2003/6/1

■ 鬼平犯科帳 「熱海みやげの宝物」

 事後、密偵となる馬蕗の利平治との出会いを描く一作。
 熱海へ夫婦で湯治の鬼平、彦十とおまさも伴う。ここで、彦十の昔馴染みである利平治と出会う。彼は高窓のおかしらを亡くしたあと、若頭に連絡を取るべく江戸への道中で、高窓一味を乗っ取った一派の手下に張り付かれていた。事情を知った平蔵は介入を決め動く。
火盗改の鼻を明かそうとする小田原奉行、高窓乗っ取りの高橋九十郎の暗躍が描かれ、程ケ谷宿手前の権太坂で鬼平と高橋の大立ち回りが行われる。
その場で利平治を解放し見逃してやる平蔵だが、一月後若頭を亡くした利平治は役宅に出頭してくるのだった。
*利平治にいかりや長介、嘗役という微妙な役柄を好演。彦十との絡みもたっぷりと尺を取り細やかに描かれる。はじめ盗賊の頭という設定で利平治に接する鬼平、闊達で鷹揚な人柄に徐々に惹かれてゆく利平治の変化も見もの。ゆえに原作では書かれている火盗改長官であることを名乗るシーン省かれても納得。*今回とってつけたように出てくる猫殿はおむすび講釈、珍しい佐嶋与力のお茶目と併せて長編の息抜き。
 ロケ地、東海道の海のシーンはいつものような琵琶湖でなくマジ海(どこかは不明)。利平治に張り付いている高橋の手下をまき小田原城下手前まで来る平蔵たち、早川畔で二手に別れる、保津峡落合河口。小田原奉行所(長屋門)と続きの土塀、例の判らんとこ(どこじゃ一体)。高橋一味のアジトの寺、橋を渡って寺、不明。ラス立ちの権太坂、谷山林道(手前の東海道にも使用)
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