時代劇拝見日記 2004年4月

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2004/4/30

■ 暴れん坊将軍 II 第21話「裏切りを覗いた女」1983-1987テレ朝/東映

 紀州藩で揉め事、加納じいの友の息子である大目付が暗殺され、じいにはほとんど孫の娘が仇討ちに江戸へやって来る。ワルの江戸家老に寝返ったかと見えた娘の許婚者が、実は生前の大目付に頼まれての潜入だったりで、上様は元の家来を成敗「昔の主の顔見忘れたか」。
 ロケ地、行き倒れてめ組に保護された絹江のことで上様がじいをからかう城の庭、枳殻邸侵雪橋上。熊野材を一手に扱う那智屋のことを市中で話し合う上様トリオ、大覚寺勅使門橋。許婚者の神尾と話す絹江、上賀茂神社ならの小川畔。神尾と接触の新さん、大覚寺護摩堂。お散歩中のじいと絹江を襲う刺客、五社明神(新さん駆けつけは有栖川畔から)。ラスト、弓のお稽古上様、枳殻邸傍花閣

■ 斬り捨て御免! 第25話「江戸城危機一髪」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 ご落胤騒動もの。下総香取在にいたホンモノを殺し、お墨付と刀を奪いお世継ぎ・照千代ぎみを名乗りブイブイのならず者コンビ。しかし金で抱き込めたと思った老中は上をいくしたたか者、政敵を消させ大金を掴んだが早いか牙をむきニセモノ一巻の終わり。これを見逃す筈もない三十六番所、金持って帰る前に立ち塞がり「御免!」。
 ロケ地、「照千代ぎみ」ご滞在の妙法寺、相国寺林光院門と庫裏、粟生光明寺石段をラス立ちに使用。老中・牧野備前守邸、大覚寺大門。老中・池田若狭守邸、相国寺大光明寺門上部、若狭守が暗殺される屋敷近くの練塀小路、大光明寺南路地。はつねが拉致され出雲呼び出し指定の池之端、広沢池東岸。駆け付けシーンは桂川右岸堤松尾橋付近。ラスト、長崎へ旅立つ出雲を見送る、木津堤流れ橋
*今日はちゃんといる蔵さん、はつね救出に赴き大将の代わりに膾となるが急所はずれてて生き延び設定。そして大将は唐突に一年間の長崎行きとなり、第一シリーズおわり。

■ 暴れん坊将軍 VI 第12話「人情落語長屋」1994-1996テレ朝/東映

 恋しい女の身売りを止めるため盗っ人に身を落とした男、七年を経て巡りあった女には既に亭主がいた。男は義賊を気取り、大名や富商から奪った金を貧乏人に撒くが、或る日盗んで配った小判が偽金、そのことで恋しい女の気のいい亭主が捕縛され、また盗法伝授の島仲間の老爺が殺されるにおよび自訴を決意、新さんはこれのサポートにまわる。
 ロケ地、義賊の撒いた金が偽金と報告の忠相、大覚寺聖天堂前に茶店セット。偽金つくりの職人が消され上がる汀、桂川自転車道下右岸汀。朝吉の回想、心中者を助ける橋、中ノ島橋
*朝吉に「田中さま」山内としお。タイトルの落語は押入れに隠した朝吉を逃がす小頭と、ラスト田所のじいと時そばをやる上様など。上様のヘンな顔で止め絵となる。
2004/4/29

■ 暴れん坊将軍 II 第20話「花札地獄の甘い罠」1983-1987テレ朝/東映

 公儀御用船を巡り入札で不正を働く船大工、女と博打で奥祐筆組頭をハメて情報をリークさせる。所行に気づいた娘をはじめみんなして動くも空しく、加納さまに訴えにゆくところを狙われ非業の死を遂げる男、最期の声を聞いた上様は次の漏洩役を忖度するワルの宴に乗り込み成敗。
 ロケ地、弓の上様、姫路城西の丸。父が賭場に出入りと文之進にボヤく奥祐筆の娘、大覚寺有栖川(御殿川落ち口)に茶店セット。忠相や庭番とのツナギに下鴨神社河合社。奥祐筆を城中で見掛け声をかける上様、姫路城天守下の道。文之進が奥祐筆の娘と話す、忠相が上様に事情を話す、大覚寺放生池堤(草ぼうぼう)。加納邸へ向かう途中船大工の用心棒に襲われる奥祐筆、大沢池堤
*奥祐筆に品川隆二、今回はコミカル要素全くなしの悲劇の主人公、大わらわで壮絶な最期を遂げる。これを襲う用心棒のリーダーに福本先生、台詞も恐喝や退却指令など多数あり、役名も「浦山」とクレジット。もちろんラス立ちにも登場。

■ 国士無双 保坂延彦監督作品 1986.10.25東宝サンリオ

 戦前の伊丹万作のサイレント映画をリメイク、導入は弁士つきの映画館からはじまり、書割の舞台セットで終わる。
お話は「剣豪の贋者が本物に勝ってしまう」と一言で済んでしまう筋立て。食い詰め浪人たちに拾われ騙りの片棒を担がされることからはじまり、剣豪に勝って、剣豪の娘に惚れられて、入水の町娘を助けて惚れられて、女ヤクザの出入りに介入して惚れられて、再度修行してきた剣豪にまた勝って、名を譲ると申し出られて断って、剣豪の娘と道行きで終わる。贋伊勢守を演じる中井貴一は、終始天然系の抜けてるんだか強いんだかなんだかわからない不思議な男を演じきる。これに絡む人々は定型のコメディタッチで進み、天然男のとぼけた行動に振り回される。昔の映画を意識した各人のしぐさは傑作、ニセの守水辺のストレッチダンシングなど、見てのお楽しみ。また、時代劇の「記号」が処々にはめ込まれるお遊びも楽しい。オープニングに映し出される西岡善信氏のスケッチ画や特製の書割も必見。
 ロケ地、お供えの芋を盗み食う浪人・瀬高と小鹿、「おねむの祠」、不明(谷地田であることは明瞭)。伊勢守の贋者に仕立てる男を探す二人、谷山林道か。閻魔堂で一夜を明かす二人、門で「長楊枝を銜えた渡世人」に逃げられる、龍潭寺かと思ったが細部が違う…。贋者と三人、騙しとった着物を着てゆく橋、中ノ島橋。瀬高浪人が相撲の相手を募る茶店、今宮神社かざりや。相撲の相手と試合、上賀茂神社北神饌所前。贋者が拾った財布のことで喧嘩別れとなる水辺、沢ノ池源頭部か?盛大に砂を流す様は天神川とも思われるが確定要素見出せず。贋者が道場破りの羽黒月仙と会う道、。月仙に伴われ赴く一筋縄兵衛道場、相国寺大光明寺(門、玄関と前庭)。江戸入りの贋者、襲われ娘を助ける巣鴨六地蔵の森、下鴨神社糺の森。女を送るのにおぶってやる贋者、馬場。女の屋敷・伊勢伊勢守邸門、随心院薬医門。玄関は相国寺林光院玄関(水石越し)。庭で伊勢守と立ち合いの贋者、枳殻邸印月池畔。贋者に破れ修行し直しにゆく伊勢守、湖南アルプス天神川若布谷。遊里に売られるのを苦にして入水の娘を助ける贋者、中ノ島橋。伊勢守邸、八重に言い寄る近藤土方(門弟)枳殻邸侵雪橋。八重に金を借りる贋者、相国寺湯屋脇〜通用門。入水未遂女に金を渡す贋者、尾行する八重のシーンは鐘楼基壇部をくるくる回り。おケラの六の出入りに介入の贋者、桂川宇津根付近と思われる。八重と話す贋者、上賀茂神社御所舎。お初と話す川、ならの小川神事橋下。
2004/4/28

■ 長七郎江戸日記2 第24話「父子草、浮世の浪」1988.9.13NTV/東映

 牛さんに隠し子発覚の巻。息子はなさぬ仲の養父に疎んじられグレており、これに付け込んだワルが彼に養父殺しの罪を着せる。いつもはのそのそ牛さんも今回は厳父の顔を見せ息子の危難に立ちあがる。夢楽堂チームの気遣いも泣かせる一話、息子をハメた南町与力とその一味は「已むを得ん」成敗、一人罪を逃れようとする毒娘は内ゲバで落命。
 ロケ地、旅立つ直吉を見送る牛さんと長さん、大覚寺護摩堂前。

■ 暴れん坊将軍 II 第19話「妻は長良のひと柱」1983-1987テレ朝/東映

 梅雨の豪雨で隅田川が破堤、責を負い普請奉行は自刃。息子に後を継がせようとする上様だが実務上の不安から、長良川作堤に功績あった元大垣藩郡奉行を探し出し補佐の任にとプランニング。作堤は自分がと企む作事奉行が妨害を働くのを成敗、この過程で元郡奉行のトラウマも癒され、「偶然」その娘と恋仲の普請奉行の跡継ぎはメデタシなのであった。
 ロケ地、水の引いた隅田川に入り何やら調査の元郡奉行「大野」と出会う新さん、木津河原。普請奉行の遺児・俊平が大野の娘に求婚の松原、琵琶湖西岸。人柱志願の名主の身代わりに自刃の大野の妻女の遺体を堤に埋めるべく行く葬送の列、木津堤。作事奉行が宴会を開いているところへ馬で駆け入る上様、琵琶湖西岸(浜に舞台セット、殺陣は汀でばしゃばしゃ)。事後、作堤の指図をする大野と俊平、木津河原
*作事奉行の野郎、蛇籠を細工して破堤を招くというトンデモ。妙なとこでちゃかぽこ宴会してるし。上様もぱかぱかと蹄の音も高く登場して流鏑馬もどきに矢射掛けるし。見映えはいいんだけど、シチュエーション的にちょっとヘンな場所設定かも。

■ 斬り捨て御免! 第24話「野獣討つべし」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 出雲の剣の後輩夫婦が国許で祝言を挙げ江戸へ入る際、身持ちの悪い大名のどら息子に新妻を襲われ夫は銃殺、妻は三十六番所へ辿り着き事を告げたあと自害して果てる。この無惨に立ち上がる出雲、国へ逃げ帰ろうとするどら息子を追い、たった一人で雇われ用心棒たちと死闘のすえ討ち果たす殺陣もハードな一作。
 ロケ地、工藤夫妻が江戸へ向けて歩く中山道、谷山林道。見送り坂手前の茶店、下鴨神社河合社南東角にセット。狩り帰りの酒井源次郎が工藤の妻女を襲う、馬場泉川。鷲見藩酒井家江戸上屋敷、大覚寺大門と周辺。元鷲見藩士・鉤十兵衛がヤサにしている苫船、広沢池東岸。上州掛井藩城、彦根城天守閣。中山道風景の地道や谷地田に土橋、死闘の廃村など不明(おねむの居眠り祠や、上様疾駆の道と同じとこなどもあり。廃村は初見なれど無茶苦茶雰囲気良し)
*見当違いの駕籠を追わされるとっつあん、関所で張ってて動けない伝十郎、強敵待ち構える死地に単身赴く出雲、否が応でも盛り上がる展開に、用心棒の愛人が絡みちょっといい味。この女、自分の男にも出雲にもぺらぺらと見たまんまを喋り、要所で事態を転回させる役回り。ちょっとカワイソーな最期を遂げる。

■ 暴れん坊将軍 VI 第11話「大喧嘩!め組対定火消」1994-1996テレ朝/東映

 いつもめ組と火事場で角突き合わす水野の定火消。その火事、実は放火で水野の仕業、火事場泥棒を働き猟官運動資金に使うという無法ぶり、辰五郎をダイレクトに殺そうとしたりもする(水野の殿様が自ら槍持って湯殿でチャンバラ…暴将ならではの無茶展開)。こやつらに狙われた両替商、その娘の恋物語をからめて話が進む。
 ロケ地、め組と定火消の喧嘩の件を話す上様トリオ、二条城清流園。弓のお稽古上様、大覚寺白州。奸計に陥ち店を放逐された佐吉と会うお久、大覚寺護摩堂(バックに心経宝塔)。火事場泥棒を目撃した佐吉が追われ、船をつける川端、広沢池東岸(お久が番頭に連れ込まれる船宿の裏手でもある。ちょっと都合良すぎかも)。ラスト、馬をやる上様、下鴨神社馬場
2004/4/27

■ 暴れん坊将軍 II 第18話「飛脚鳩ちゃんを訪ねて乱れ舞い」1983-1987テレ朝/東映

 佐渡からの御用金を奪取の旗本、ブツを捌くのに御禁制から外されている仏像を利用。職人さらってきて自邸の地下工房で作らせ、グルの仏具屋と連絡をとる際は伝書鳩を使う徹底した保身ぶり。しかし行方不明の父を思う子の気持ちがワルの牙城を突き崩す。
 ロケ地、鳩が飛び越えてゆく大川、広沢池東岸。各場面で鳥居や灯台などあしらい演出。弓のお稽古・報告受けるお庭は姫路城西の丸
*鳩の行方を追うのに火消し動員、皆して屋根に登りツナギの文を運ぶ一羽を待つが、来たのは団体さんで大混乱。

■ 斬り捨て御免! 第23話「女の敵は地獄へ送れ」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 柳橋芸者を騙し大金を貢がせ、邪魔になると消す極悪与力。その裏には「西の御前」と称される悪い噂のある西の丸留守居役、富商と組んで更なる野望を紡ぐワルどもは番所衆の断罪を受ける運びとなる。
 ロケ地、柳橋芸者・駒勇が殺されて見つかるあやめ河岸、大覚寺大沢池畔。駆けつけた番所衆が帰るさ、犯人について忖度の水辺、放生池堤。駒勇が毎月願掛けに来ていたあやめ河岸裏手の夫婦稲荷、吉田神社竹中稲荷(参道中ほどの重ね鳥居下に茶店セット、絵馬探しの小笛は摂社の祠)。西の御前・本田外記邸、大覚寺大門

■ 暴れん坊将軍 VI 第10話「おいらん高尾太夫の正夢」1994-1996テレ朝/東映

 大身武士の辻斬り、吉原の花魁のマジ恋愛、大藩のお家騒動とてんこ盛り。辻斬りは松倉藩江戸家老の所業で、村正とか正宗とか口走っててフェチっぽく、庭番が調べに入ってわんさかため込まれた武具にげんなりしてたり。花魁の恋は紺屋の若旦那と、売られる前から続く十年来の純愛。その紺屋の若旦那が実は松倉藩主の実弟で、これを利用し藩政改革を進める殿の追い落としを図る辻斬り家老は、上様に乗り込まれちゃって一巻の終わり。
 ロケ地、め組と夜回りの新さんが辻斬りを撃退、大覚寺五社明神。船で逃げやがるのは大沢池。花魁の回想、松倉領から売られる際の松次郎との別れ、山室堤道。弓のお稽古上様、嵐亭前庭。
*藩主と双子の弟の紺屋の若旦那はもちろん二役、坂上忍。養父の阿波屋には初期シリーズでめ組の小頭をつとめた岡田裕久がいて楽しい。そして高尾太夫を連れてゆく女衒には福ちゃん、松次郎が渡した柿を取り上げ放ったり、幼女の襟首を掴んで乱暴に扱ったりする。役名もあり、「女衒」とかではなくちゃんとクレジットに「仁助」とあるが、劇中呼ばれることは無し。
2004/4/26

■ 銭形平次 第3話「哀しい瞳!死神と呼ばれた女!!」2004.4.26テレ朝/東映

 辻斬りの仕業に見せかけた米問屋あるじの殺害、家には後妻やら行かず後家の妹やらがいて険悪な通夜。ここに隠し妾まで乗り込んで大騒ぎ、この妾、これまでに三度(死因、暴れ馬・喧嘩沙汰・河豚中毒)亭主をで亡くしているというちょっと凄い境遇。なにやら怪しい振る舞いのその女を調べた平次、錯綜する事情を解いてゆく。
 ロケ地、巴屋の死体が見つかる大川端、大覚寺大沢池堤。後妻の弟を張り込み三輪の親分、八幡堀白雲橋下堀端。巴屋の後妻を呼び出すお吉、大覚寺五社明神(張り込みのハチは有栖川の中に潜む)。「手切金」授受の場に指定される須崎弁天、天神島(祠と仏をセット)

■ 暴れん坊将軍 II 第17話「花嫁学校討入り前夜!」1983-1987テレ朝/東映

 勘定方の下役が不正に気づき密かにゲットの帳簿は剛直な吟味役に渡され、彼は覚悟を決めて大元のワルを焙り出そうとするが敢無く横死。父の死の真実を知った娘は、白装束も凛々しく薙刀持って勘定奉行邸へ討ち込みをかける…娘の友人たちも呼応し集団で。娘たちは吟味役邸で開かれている花嫁学校のメンバー、新さんは阿呆な巡り合わせでその講師をつとめていたのだった。
 ロケ地、吟味役・宇津木邸、相国寺大光明寺門と前庭。講師に呼ばれた新さんが歩くのは湯屋前路地。荒療治に怒った宇津木の娘が勝負を挑むのは鐘楼前。庭番のツナギや弓のお稽古上様のお城のシーンは枳殻邸傍花閣前。事後、学校メンバーとめ組の野遊びは広沢池東岸、お弁当広げはバルコニーをセットし新さんと宇津木の娘の会話は桟橋ふうのセット。
*宇津木家の老女にスカウトされ講師となる上様、クソ生意気な娘たちに根性入れる…竹刀で尻叩き。*討ち入り兼ねたラス立ち前段、福本先生はご学友の肥えた娘にどーんと突き飛ばされフレームアウト。この福々しいご学友はかわいのどか。

■ 斬り捨て御免! 第22話「目の前から消えた女」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 キョーレツに悪い一味を退治るお話、町娘を誑し込んで結婚を餌に心中偽装までさせ使い捨てる旗本、これとつるみ次々とライバルを消し儲けるためには江戸を焼き払うつもりの材木商、小判じゃらじゃら飛び交う腐臭を断ち切るは三十六番所、「御免!」の気合は御府外の街道筋に響き渡るのであった。
 ロケ地、武蔵屋の若旦那と「心中」の果て日本橋に晒されるおちよ、中ノ島橋上。これを救い出した謎の侍について忖度の旗本たち、くろ谷墓地(文殊塔下付近)。出雲が保護した長屋から逃げ「恋人」の旗本と会うおちよ、金戒光明寺三門。「恋人」永田兵馬邸、大覚寺大門。柳橋近くの道で材木商・吉野屋の娘にからむ旗本、大沢池堤。吉野屋の娘と手代が心中死体として上がる浜町河岸、広沢池東岸汀。再び抜け出し兵馬と会うおちよ、金戒光明寺本堂縁下から基壇亀腹越しのショット。賄賂の効かぬ堅物の材木奉行を暗殺する旗本たち、金戒光明寺石段鐘楼(西側崖下からのショット)
*鼻の下伸ばしてたり居眠りこいたりして二度もおちよを逃す伝十郎に大将の大喝「馬鹿もぉん!」は、ほぼうさ忠を叱る鬼平。

■ 暴れん坊将軍 VI 第9話「お婆よ泣くな江戸の春」1994-1996テレ朝/東映

 ぐれた孫でも孫は孫、博打で作った借金のことで泣きつかれた祖母は勤め先の金を持ち逃げという挙に出る。盗った相手は名うての因業高利貸し、勘定奉行を抱き込み小藩の侍など朝飯前に始末するワルどもは、持ち逃げされた三百両を求め孫息子を拉致ったり。上様との関わりは、財布を忘れた上様の団子代を立て替えた老婆から。
 ロケ地、おきん婆さんに団子代を立て替えてもらう新さん、上御霊神社(楼門〜境内)。大川に土左ヱ門となって流れ着く岡部藩勘定方、桂川松尾橋付近汀。
*おきん婆さんに三崎千恵子、柴又くるまやの「おばちゃん」。ラス立ち、浪人ルックのセンセイ確認。

■ 水戸黄門33 第3話「亭主オロオロ女の決闘」2004.4.26TBS/東映

 舞台は尾張・有松宿。特産の藍染の粗悪品を偽朱印捺して大儲け、と悪企みの問屋を成敗するお話。もちろん当地の代官は結託している。ワルに付け込まれ苦境に陥る哀感漂う夫婦を軸に進むお話、職人気質の意地の張り合いで離縁となるも未練たらたらの中年男女を、「かがり」土田早苗と「死神」河原崎健三が演じる豪華なキャスティング。後妻討の古習がはじめと終わりに描かれ、リズムを作る。
 ロケ地、有松宿へ入る際と発つ際の街道筋に山室(堤道、堤下農地に祠セット)
*ラス立ちに福ちゃん、出会え出会えの制服組。
2004/4/25

■ 新選組! 第16話「一筆啓上、つね様」2004.4.25NHK

 江戸の妻に宛てた勇の手紙をフレームに、会津御預かりとなる経緯を語る。
オルグで同志増えて八木さんち困惑、山南・歳会談は汁粉屋、久坂玄瑞を誰何の際の「斬りますか/斬ってイイぞ」は傑作。
 ロケ地、会津本陣、金戒光明寺。京洛イメージに東寺五重塔池越しと川、白川と思われるが川面のみで確定要素無し。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第2話「わらを掴んだ女」1975-1976日テレ/東映

 博打で身上を潰し首吊りの蝋燭問屋。依頼は娘から、汚名を晴らしてやってくれと岡場所からの訴え。しかし調査途中に娘は自ら仇に向かってゆき横死、その後ワルは揃って始末される。ストーリーはこのように単純でありきたりだが、ディティールで見せる。召集は夢之介が仏間の鉦がんがん叩いて。床の間はずごごーって開く仕掛けだし(会議をこんな秘密のお部屋でやるくせに、榊は依頼者の店へ堂々と登楼る)。菊造じいさんは女中に化けてワルのお座敷へ。極めつけは片岡の御大が賭場で代貸と道師をぷすってやる毒針のからくり。
 ロケ地、女形が岡場所調査の報告を榊に上げる、大覚寺護摩堂
2004/4/24

■ 鬼平犯科帳5 「浅草鳥越橋」1994.6.22CX/松竹 通算95話

 江戸は初めての大盗・傘山の瀬兵衛、周到な筈の手配りは配下の造反によりとんでもない結末を迎える。分配金への不満から頭目を裏切り別の盗賊へ話を売る定七、引き込みの仁助を抱き込むため殺される女哀れ、女に裏切られたと思い込み懊悩の果ておかしらを刺す仁助哀れ、望むはずもなく手下と相討ちになる瀬兵衛も空しく生を終える。事を知らず押し込んだ定七らは火盗改の出役に遭い、企みは潰えるのであった。
 ロケ地、おひろと仁助が密会の浅草の船宿、錦水亭東屋外観。おひろと仁助の家(南葛飾新田・亀高村)琵琶湖東岸(東岸は沖ノ島の位置から間違いなし、日野川河口と思われる)。定七が仁助におひろと瀬兵衛がデキてる情報(嘘)を吹き込む御米蔵近くの浅草の八幡さま、上御霊神社。舞殿が映り、福寿稲荷で二人の会話、見張るおまさは高倉下(茶店仕立て)。後段再度出てくる際には高倉と稲荷の間に茶店セット。瀬兵衛おかしらにツナギをとるべく道をゆく定七、目黒・大鳥大明神は今宮神社境内〜東門〜かざりや(社前の茶店・いろは屋、瀬兵衛の盗っ人宿)
*タイトルの鳥越橋は松竹のオープンセット、常設の太鼓橋の傍にわざわざ橋を設けてある贅沢さ。恋人たちの逢瀬の橋であり、おかしらと仁助が死闘のすえ二人ながら斃れる別れの橋でもある。また、人物のバストショットでは本物の川を使って流れのある水面を背景にしてある細やかさ、さすが映像京都。ちょっと増水気味の「水面」は桂か。*定七が仁助に抱く感情が男色であると映像で再三示され、事後平蔵の口からも語られ、池波作品の妙な「艶」が微妙に演出される。こういう部分、鬼平はけっこうエロチック。

■ 剣鬼 三隅研次監督作品 1965.10.16大映

 狂疾の殿を戴く信州の小藩、同じく物狂いの御母堂の侍女から産み落とされた男は摩訶不思議な経緯から「犬の子」として侮られ蔑まれて育つ。名も犬の柄から斑平。この男、ひそひそと噂される怪しの出自ゆえか天性か能く花を作り、これを契機として殿に近侍することとなる。その後も異能発揮され、実は公儀隠密だった剣客から学び取った居合の術は彼をして「人斬り」の道へといざなう。格段のポリシーあるべくもない男は、求められるままに剣を振るいその身に返り血を浴びてゆき、殿の頓死により一変した情勢下、仇として追い詰められる運びとなる。
 花の心を読み美しく咲かせ、居合の極意もただ「視る」ことにより会得する斑平の異能、人と一線を画した能力は彼をして夢に描いた「花の谷」にその身を散らせる悲劇的なゆくたてとなるのだった。
 ロケ地、海野藩城、彦根城(天守、大手橋ほか)。斑平が教えを乞うた居合の達人を公儀隠密として討つ羽目になる寺、法然院(山門、石橋、砂盛り)。殿を排し、よそから藩主を迎えようと図る目付一派が江戸表へ放つ藩士たちと一人闘う斑平、大覚寺五社明神河内風穴保津峡落合(崖の上下に河口)下鴨神社(馬場と林間)。花の谷、上桂川付近か。野駆の殿のくだりは饗庭か。
*冒頭から語られる斑平のネガティブイメージ、筆頭は犬。へっへっと舌を出すブチ模様の大型犬、怪しすぎ。もう一つは怨霊のやしろから斑平が持ち出す妖刀、景清の佩刀と伝わり山賊が数多の人を斬ったという沸も派手な美しい刃。凄絶なこれらと、斑平が作り上げるお花畑の落差が、目も眩むような不協和音を醸し出す。
2004/4/23

■ 暴れん坊将軍 II 第16話「鬼が棲む浮世風呂」1983-1987テレ朝/東映

 禁じられ廃れた隠れ遊びの浮世風呂を復活させようとする立花屋、深川八幡門前の長屋を追い立てる。その長屋で孤児を養育する学者父子を助けて動く新さんたち、放火までしやがる一味を成敗の運びに。貧ゆえに老母を死なせたあと出世の鬼となり、ワルの一味になっていた寺社方の役人(学者の娘の元許婚者)が土壇場で正道に立ち返るエピソードが挿まれる。
 ロケ地、料亭・立花屋、嵐山公園内料亭・錦。矢沢に会い立ち退きについて話す梢、大覚寺大沢池堤(南岸、池越しに心経宝塔)。梢に矢沢のことを聞く新さん、襲撃の刺客と立ち回りは護摩堂。放火のあと矢沢に会い諭す新さん、仁和寺金堂前。
*裏にいるワルの寺社奉行に河合伸旺、浮世風呂サンプル視察の態度もかわいい恰幅の良さ。

■ 斬り捨て御免! 第21話「男に惚れたはぐれ鳥」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 青梅で拾った不良娘を更生させようとする出雲、その真情通じ娘は正道を歩みかけるが、過去からの魔手は哀れにも彼女を儚く散らす。
 ロケ地、武州・青梅の寺に乳母の墓参の出雲、丹波国分寺。地回りに追い回されるおもん、国分寺近くの田や川堤を使用と思われるが特定に至らず。地回りから助けて貰ったあと足を洗うおもん、広沢池東岸(北望)。おもんが御籤売りの露店を出す縁日、今宮神社楼門。出雲をお昼に誘うおもん、連れ立って行く二人を見る南町与力と直八、高倉脇坂。暮らし向きについておもんに聞く出雲、広沢池東岸(堤から見下ろし)
*栗田ひろみ演じるおもんの可愛らしさが全編を貫く。これが後段、深手を負いながら出雲のもとへ行こうと這いずるくだりの哀れさを際立たせる。這って船を求めるおもん、この船どうか三味線掘へと願うシーンは涙もの。

■ 暴れん坊将軍 VI 第8話「め組が運んだ涙の訴状」1994-1996テレ朝/東映

 信州・峰山藩の城代家老が進める新田開発、百姓たちに苛酷な労働を強いる。しかも収穫はごっそり横流しで私腹肥やしまくり。これを将軍に訴えるべく江戸へ向かう庄屋の娘、め組や新さんの助けを得てめでたく訴状は届けられるのだった。
 ロケ地、直訴に向かう娘たちが追いつかれて斬られる峰山藩国境、酵素(河川敷、降り口ダート)。川の攻撃斜面が通常より深く抉られている)。一人逃れて江戸入りのおいちが追われる、大覚寺五社明神裏〜有栖川(娘は川へ入りやり過ごす)。新さんたちに拾われる茶店、梅宮大社神苑汀にセット。おいちに事情を聞く新さん、大覚寺心経宝塔放生池畔。おいちを助けて死んだ吉兵衛の墓、くろ谷(墓参の幼い息子がおいちのスケジュールべらべらと「墓」に喋り、ワルモノに聞かれてしまう…ちょっと脚本安易)。峰山出の大奥中揩ノ訴状をを取り次いで貰うため直訴のおいち、代参の寛永寺は粟生光明寺(山門、本堂、阿弥陀堂)。峰山入りの上様、横流し米の運び出しを見る、広沢池東岸。事後、お庭を逍遥の上様、坂口青龍苑(築山をバックに切石橋を渡る)
*中揩ノ訴状を渡す座敷の屏風の陰に上様、半身出してちょこんと座ってるのが可愛い。中揩ノはウインクで黙っててね合図。事情聞いた上様、馬を飛ばして峰山入り…そんな、気軽に…いくら暴将でも。
2004/4/22

■ 暴れん坊将軍 II 第15話「盗っ人新さん御金蔵破り!」1983-1987テレ朝/東映

 大泥棒・天竺呂久平から目安箱に御金蔵破りの予告状が投げ込まれる。その根城が深川のスラム・無法河原と聞いた上様、八人殺して五百両窃盗のお尋ね者「徳田新八」としてムシリ頭もむさくるしい浪人に扮して潜入、呂久平と一当たりののち意気投合して盃交わしたりなんかする。この泥棒、御金蔵へ入る目的は大判一枚を盗ってくること、馴染みの女郎が自分の盗みのせいで親を亡くしたと聞かされ、罪滅ぼしに女の頼みを実行しようとしていたのだった。しかし女は大騙りで正体は上方の盗っ人・紅姫小僧、天竺の縄張りを我が物にしようとの企み。裏には勘定奉行失脚を目論んだ下役が控えていた。
 ロケ地、弓のお稽古上様、枳殻邸傍花閣(幔幕張り)。呂久平の根城について報告を受ける新さん、大覚寺大沢池畔。馴染の女郎のもとへ船を出す呂久平、広沢池東岸。紅花小僧の裏切りで捕り方に追われた呂久平と新さんが会う払暁の鎮守、鳥居本八幡宮舞殿前。北町へ自首して出る呂久平、大覚寺明智門
*呂久平とお城へ侵入の新さん、警護の衛士はさぎりが手配して行く手から遠ざける。予告状出したのにこの警備は?と訝る呂久平、大判持って去る二人の背にさぎりの一言「酔狂が過ぎます上様」。*スラムに上様を探しに来た文ちゃんをボコるならず者に福ちゃん発見。

■ 斬り捨て御免! 第20話「奈落の底に潜む謎」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 金奉行の御母堂様は元大奥勤めのどえらい好き者で、これにお相手の役者を供給する水戸藩江戸家老は弱味につけこみ公儀から金を借り入れ全て自分の懐に入れていた。これを知った水戸家の若侍は義憤にかられ御母堂の相手の役者を殺害ののち自刃、これが最初の犠牲者。現場を見ていた楽屋番の老爺が二番目。そして御母堂の新たな贄として差し出された役者は閨を拒否し顔を傷つけられ絶望、恋人と心中。三十六番所には上つ方から捜査中止の指示が下るが、公方様お許しの斬り捨て番所はそんなこと聞いちゃいねー状態で成敗に入るのだった。
 ロケ地、水戸家上屋敷、大覚寺大門。下屋敷、中山邸門。中村座のパトロン・大山友助に斬りかかるおみつ、大覚寺天神島(朱橋、祠、大楠)。おみつと役者の心中死体が上がる両国河岸、罧原堤下河原
*おみつは実はパトロンの実子で、彼女の死後友助は財を返上し出雲に証拠書類を託し江戸を去る。この際には自身の境涯を茶化した短歌を残してゆくエピソードあり。*成敗に入る際、伝十郎くんの障子越しセコ突きは中村主水を髣髴とさせたり。

■ 暴れん坊将軍 VI 第7話「虹をつかんだ女」1994-1996テレ朝/東映

 薬種問屋・相模屋の主は老いてなお元気いっぱい。息子をいつまでも半人前扱いするが、若旦那はもう41歳で実は十年来日蔭の身に置いた妻子もいたりする。ここへ持ち上がる騒動は「孫」の誘拐、脅迫状来て日蔭の母子の存在が知れ大騒ぎ。抜き差しならぬ事態と周囲の説得に加え、お百度を踏む「嫁」の健気さを見て大旦那は折れ、事件は収束に向かい中年夫婦の子連れ祝言でメデタシ。誘拐犯は完っ璧に金目当ての元書院番頭、返り咲きのための猟官運動資金ゲットの企み。こやつらは別に米泥棒なんかも働いていて、山田浅右衛門に阻まれたりしている情けない役どころ。
 ロケ地、「孫」直八が魚とりの水辺、広沢池東岸。新さんに行方不明の直八探索の報告をする朝右衛門、今宮神社参道に茶店セット、バックは楼門。身代金持って来い指定の本英寺裏むささびの森、鳥居本八幡宮(鳥居下、広場を使用。庭番がワイヤー吊りで降下の派手なアクションあり)。ラスト、お庭を逍遥の上様、二条城清流園
*大旦那に小林昭二、クサいまでに泣き入る演技がキマっている。
2004/4/21

■ 長七郎江戸日記2 第23話「苦死を落とした女」1988.9.6NTV/東映

 家を欠所にされ父母を失い自身は苦界に落とされた女は、復讐の爪を研いで生きてきた。私欲のために人を追い込んだ若年寄一味は、闇から伸びる手によって一人ずつ消されてゆく。復讐劇の途中、事情を知った長さんはこれ以上手を汚させるに忍びず介入。
 ロケ地、庭で弓を引く若年寄・谷田部兵部、相国寺大光明寺石庭(門は映画村)。元使用人・久造が車坂の陣八に仕掛けて返り討ちに遭う、金戒光明寺墓地脇路地〜本堂脇〜永雲院下路地。静香の父母の墓がある大黒寺、不明(神護寺かくろ谷か)
*静香らの策謀により消される与力と回船問屋、与力は蔵の中に括られ開けたら首が切れるようにセット、回船問屋は若年寄屋敷の庭で矢の的の裏に括られ弓が刺さっちゃうセット、恨みが深いゆえすげー残酷・猟奇っぽい殺し方。*タイトルは最初の殺しの晩、静香が落として行った櫛を長さんが拾うことから。櫛を拾うなんてフキツと宅兵衛さんが口喧しくまくしたてるのが傑作(櫛→苦+死の語呂で迷信かつぎ)。

■ 暴れん坊将軍 II 第14話「文金高島田の泣き上戸」1983-1987テレ朝/東映

 定職に就かず酒浸りの父に何度も縁談を潰されている薄幸の女と知り合う新さん、その素行悪いアル中父は元加賀藩の中間頭だったことから賊に目をつけられ、屋敷の見取り図を書かされてしまう。裏にはきれいごとを言上の大目付がいて、諸大名を罠にはめ脅していた。
 ロケ地、大目付・朝倉佐渡邸、大覚寺大門(若槻藩家老があてつけハラキリ)。茶問屋の息子との話が破談になったと新さんに話すお春、仁和寺九所明神
*大目付が諸大名から宝物を奪うのに使う忍群、月の輪衆なんてネーミングされてる。熊か。ラス立ちにはこれらも参戦、上様は忍には脚をぶっすり刺すという細かい殺陣。でもなんか弱いぞ忍者。

■ 斬り捨て御免! 第19話「闇夜に笑う天狗の面」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 久々に登場の蔵人、とっつあんがタレコミ屋を使うのを不快に思う心が、弟夫婦を救い損ねる時差を作ってしまうカワイソーなお話。次々と富商を襲い凶行を重ねる賊・天狗党はクーデターを企図し筑波山にパラダイスを築こうとしている怪しい設定、政治結社なんだかカルトなんだかよく判らないが派手。
 ロケ地、天狗党が凶行後逃走に使う船、桂川大堰(杭沿いに横に船をすべらす)、後段タレコミ屋が消されるのも同所。出雲が捕われている天狗党一味二人を貰いうけにゆく南町奉行所、大覚寺明智門。蔵人との交換が行われる浜町河岸、広沢池東岸(水中戦闘と接舷攻撃が見られる)。蔵人の弟夫婦の墓、真如堂墓地か。

■ 暴れん坊将軍 VI 第6話「江戸城危うし 吉宗の寝所」1994-1996テレ朝/東映

 飛騨郡代に陥れられ離散した浅井一族の残党が上様を狙う。一味の女が旗本にからまれているのを助けた新さん、思い切り信頼され将軍暗殺に協力を求められてしまい、寝所へ手引きをする羽目に。頬っかむりで案内ののち、素早く上様ルックに着替え御簾の中で待ち構え、斬りかかるのを真剣白刃取りという派手さ、真のワルを成敗のラス立ちに彼らを伴い仇を討たせてやる。
 ロケ地、元飛騨郡代の新勘定奉行が下城の駕籠を襲われる、二尊院紅葉の馬場。これを上様に報告の庭番、姫路城西の丸芝地(ガーデンセットに上様トリオ)。城内を警戒する衛士のシーンや城に侵入の浅井衆のくだりは姫路城はの門下坂など各所と彦根城佐和口多門櫓など使用。綾たちを助ける新さん、大覚寺五社明神に茶店セット。一族離散後、山野に起き臥す浅井衆のシーンに琴滝広沢池東岸など。老中邸に潜入し殺された久美の遺体を荼毘に付す、罧原堤下河原。事後、江戸を発つ浅井衆の船、広沢池(東望、林の上に天守合成)
*浅井氏は元国司の家柄設定、綾たちの衣装が水干ぽい中世ふう、市女笠被ってたり。
2004/4/20

■ 暴れん坊将軍 II 第13話「修羅場に咲いた隠れ妻」1983-1987テレ朝/東映

 「珍しい菓子」を富商から貰う大身旗本の談合現場に踏み込む目付方吟味役、正義の味方かと思いきやさに非ず口止め料を強請る。お話は、こやつらの悪事を知る下役が罷免されたうえ謀殺される悲劇を描き、残された女房が身分の違いを越えて義父に認められる涙の物語が添えられる。
 ロケ地、お城の橋から白鳥(コブハクチョウ、二条城備え付け)を見る上様とじい、二条城本丸櫓門橋上。召し出した目付役・梶野と話すシーンは本丸御殿石垣の間〜内濠沿い桜並木。罷免された目付方の若侍・相楽弥一郎が駕籠訴の梶野邸、相国寺大光明寺(前庭、門、方丈縁先)。弥一郎が酔っ払いの喧嘩を偽装され暗殺される麹町の路地、大光明寺南塀際。目付方に口止め料を持ってくる旗本、鳥居本八幡宮舞殿。この仕儀を上様に報告の才蔵、相国寺法堂基壇上。うまうまと連れ出された弥一郎の女房の危機に馬を飛ばす新さん、相国寺路地

■ 斬り捨て御免! 第18話「黄金地獄の闇を斬る」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 豆を買占めて物価を高騰させ民を泣かせ私腹を肥やす両替商、豆腐屋の首くくり相次ぐ。これで親を亡くした子らが役人を憎み悪態をつくのも笑っていなし手を尽くして助けてやるガキにはとっても優しい大将、買占め資金に御用金を流用させる金奉行らのもとに乗り込みばっさり断罪「御免!」。
 ロケ地、両替商・唐津屋で悪態をつく平吉を助け話を聞く出雲、広沢池東岸。平吉が妹を診て貰いにゆく小石川療養所、大覚寺明智門。お城の御廊下で出雲の流した金奉行交代のガセネタを聞く金奉行、相国寺方丈縁先(中からのショット)。金奉行・高垣邸、大光明寺門。療養所の千絵先生と平吉が罠に落ちて出雲呼び出しの明神神楽堂、鳥居本八幡宮(舞殿、林間)
*金奉行に和崎俊哉、千絵先生に西崎みどり。

■ 暴れん坊将軍 VI 第5話「頑張れ!江戸っ子若君」1994-1996テレ朝/東映

 相模・蟹江藩のお家騒動、殿と嫡子を暗殺しよそから養子を迎え藩政を壟断する企みの家老と、これを阻止するため「殿が昔芸妓に生ませた子」を求める家老。お血筋の若君は定職にも就かず偽名で娘を誑かし孕ませるなどのやんちゃを仕出かしていて、これをシメて根性入れる上様、すったもんだの挙句悪家老は成敗され、若君と御生母と嫁は相模へ向かいメデタシ。
 ロケ地、田之倉のじいを自領に招いて浜辺で宴会の蟹江美作守、琵琶湖東岸(バックに沖ノ島、地続きに近江八幡の山なみ…水茎浜あたりか)。新之助と名を騙り娘を誑かした平太郎を追っかけてシメる新さん、今宮神社地主稲荷。ボコってるところへ当の娘が現れ泣いて止める、高倉脇坂。平太郎の仕事場近くで昼飯を使いながら相模行きを勧める新さん、梅宮大社神苑汀。平太郎が孕ませた娘の父が暗殺される、梅宮大社楼門(内側、設定は寺)。ラスト、今回の件について礼を述べる田之倉のじい、二条城清流園
*藩主暗殺は料理自慢の殿が手ずから捌いた河豚に食傷って頓死設定、食べてすぐに「うぐぅ」のちょっと笑えるパターン、醤油に毒仕込みというオチ…時代劇の「毒」ってば即効性きつく、ムムッとか言って放り投げると床がじゅっと焼けたりするんだよね…今回の毒は詳細語られず。ラス立ちは能狂いだった嫡子を演出の「田村」で出てくる上様、面は外すが衣装はそのままで殺陣、当たり前なんだけど動き悪し。
2004/4/19

■ 水戸黄門33 第2話「金貸し泣かせた黄門様」2004.4.19TBS/東映

 西へ向かう老公、御油宿で出逢った因業金貸しの用心棒をつとめる羽目に。呵責ない取立てで民を泣かせるとみえた金貸しはその実、悲しい過去を持つ優しい男なのだった。
「スクルージ」に林与一、前シリーズの悪代官と剣客商売の老武士に続き嬉しい復活、今回ははじけたコミカル設定もあり(金入った壺抱いて寝てたり)。御油宿の悪代官には栗塚旭(引き立ててゆく駿府城代よりイイもの着てて押しも強い)まで出ているゴージャスなキャスティング。
 ロケ地、また不明な民家増えたよ…ほかんとこも判りにくいアングル。はー水戸黄門はけっこうキツい。

■ 銭形平次 第2話「愛しすぎた女!殺意の残り香!!」2004.4.19テレ朝/東映

 富商の変死、財産目当てと疑われる芸者上がりの後妻。しかし彼女の不審な行動の裏には真摯な捨て身の愛が隠されていた。
テレ朝だからか現代ふうなのか大川版より単純な作りのお話、勘当息子のくだりなどは些かクサいがあんまり凝ると却ってマズいのかも。小道具はけっこう細かい。
 ロケ地、隅田川の屋形船で身分ありげな男と密会の近江屋の女将、嵐峡。これを見る平次夫婦、大覚寺心経宝塔前に縁日セット。女将を襲う浪人とゴロツキ、八幡掘舟橋上。これを助けたあと事情を聞く平次、白雲橋上手堀端。女将を呼び出し父の仇を討とうとする勘当息子、仁和寺塀際疎林(遠景に九所明神)
*今日は「だぜい」目立つ平次親分、ラス立ちには前回同様髷を振りさばいての熱演。長身ゆえ目立たぬものの顔もデカい銭形平次。画面は豪勢に桜を散らして心象を綴るが、下草の様子からはとても咲いてないっぽい…持って来たのね…。

■ 暴れん坊将軍 II 第12話「めおと千両大漁節」1983-1987テレ朝/東映

 お浜御殿まわりで巻き起こる怪事、近づいた漁師が捕縛されたり消されたり。抜け荷と察した上様チーム、御浜御殿奉行にゆさぶりをかける。これに、素行は悪いが一本気な漁師の青年のエピソードがからんでゆく。
 ロケ地、御浜御殿付近の築地浜、琵琶湖西岸(松原、桟橋、遠景には近江八幡の山なみや沖ノ島など映り込み、漁具をセット)。剣の素振り上様、二条城清流園(ラストも同所)。御浜御殿奉行所に入る忠相、大覚寺勅使門橋(御殿川堰堤越し)
*漁師・長次に森川正太、火野正平とよく似たスタンスの役どころ。GKだったっけ。

■ 斬り捨て御免! 第17話「女たちの仇討ち無情」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 上司の不正を発見し糺そうとする勘定方の小役人、しかし調査を勘付かれ謀殺されてしまう。残された妻女二人と中間の許婚者は健気にも仇を奉じんと狙うが、巨悪の前に無力な女たちは散々な目に。これを掬い上げる三十六番所、大将は女に託された小刀を持って斬り込み、吉右衛門二刀流の殺陣が披露される。
 ロケ地、勘定方役人の二人が狙われる路地、相国寺方丈塀際と大光明寺南路地。勘定方組頭・金井邸、大光明寺門。金井邸に探索に入った妻女の死体が上がる、広沢池観音島(導入はロング)

■ 暴れん坊将軍 VI 第4話「吉宗、まさかの新妻道中」1994-1996テレ朝/東映

 じいにたばかられお見合いの席につかされる上様、遅延の加賀の姫と間違って席に「追われる姫」を連れ込んじゃう田之倉さま、ここからドタバタ展開で富商への貢物にされかかる「姫」を助ける運びに。
 ロケ地、「見合い」の寺へ入る上様の駕籠、門不明。幸姫を狙う刺客が走る、赤山禅院参道。遅延の姫を迎えに出る田之倉、粟生光明寺石段上部。幸姫の乳母が射殺される道、大覚寺大沢池堤。幸姫を町娘に作り縁日へ連れ出す新さん、神光院(中興堂、放生池橋、本堂、茶室)。刺客から逃れ乗り込む屋形船、広沢池東岸に船着きセット。大川を下った船は観音島に着く。川越への道をゆく幸姫と新さん、大沢池堤。川越城、彦根城天守。家老の衛士をボコる庭番、神光院蔵前。
*札差に公金借りて私腹肥やしの江戸家老に菅貫、ラス立ちでは姑息風味満点。
2004/4/18

■ 新選組! 第15話「行くか、残るか」2004.4.18NHK

 八木さんちでは箒の逆さ置きが続き、受け入れ二組は京都残留で苦悩はやっぱり続くのであった。
京に残って新しい組を作るプランはトシ由来。山南(笑みの消えた顔怖く先への布石打たれる模様)とは早や齟齬を来たす場面もあり。鴨は清河暗殺を勇に阻まれたにも関わらず、忖度はせず。
 ロケ地、市中へ出る近藤らのイメージに白川、祇園付近。
*勇らが話すため入る茶店の「ところてん」、酢醤油でなく黒蜜掛けた葛切りのくだりはなかなか笑えた。ウチでは鍵善のお土産セットを解体し葛切りは鍋に入れ、ついてる蜜は焼肉の甘味に使っちゃってるんだよなー。

■ 十手無用 九丁堀事件帖 第1話「粋に雨降る九丁堀」1975-1976日テレ/東映

 ルーティン決まってる設定で進む第一話、九丁堀稲荷へ依頼→調査→ワルの始末が描かれる。主人公の「榊の先生」は元八丁堀のやり手同心。
 依頼は近頃態度のおかしな表具師の女房の素行調査、大盗の娘という出自を隠していた女が過去の闇からの魔手に絡めとられるのを掬い上げてやるお話。罪を償うという女房には、役人じゃナイから融通という先生、あくまでアカるい高橋英樹。
 ロケ地、九丁堀稲荷、広沢池東岸に祠セット。広沢池はこのあとはじめに女を脅した男が浮く仙台堀や、深川の船宿(南岸の料理屋を使用か)として使われる。女を脅迫する橋には前後とも中ノ島橋(橋上、橋下)。南町同心・秋山久蔵が榊に土左ヱ門に針で突いた傷があったと話す路地、西本願寺と興正寺境の路地

■ 鬼平犯科帳5 「盗賊人相書」1994.6.15CX/松竹 通算94話

 奉公先が凶盗に襲われ、ただ一人生き残った小女は仇を討ちたい一心で気強く鬼平に申し立て。証言をもとに賊の人相書きが仕立てられる運びとなるが、絵師の態度は画が書きあがるにつれおかしくなってゆく。
うさ忠と小女・およしのやり取りがおかしく、泣かす忠吾に落とされるおかしらの大喝も笑える。知る辺の和尚を使って絵師を追い詰める平蔵の狸芝居も見せるが、柄本明の竹仙うますぎ。事後、仕上がった衣冠束帯の肖像画を眺めてご機嫌のおかしらのくだりもなかなか。
 ロケ地、凶盗に殺された奉公先の主人夫婦の墓に参るおよし、くろ谷墓地(バックに文殊塔、諸堂の甍)。およしが偽の文で呼び出される真崎稲荷、吉田神社竹中稲荷(参道の重ね鳥居、本殿裏手の祠)。ここで危機一髪のおよしを救い立ち回りの忠吾、上賀茂神社渉成園
2004/4/17

■ 必殺からくり人 第9話「食えなければ江戸へどうぞ」1976.9.24朝日放送/松竹

 流入する民で溢れかえる江戸の町、老中・水野越前守は人返令を発布。そして飢饉続く故郷に帰っても食えない女たちに、裏から魔手が忍び寄る。そうした経緯で恋人を見失った男に関わり闇に迫る仇吉たち、女の生き血を啜る外道どもを仕置する。
 ロケ地、人返令による送り返しの場となる千住大橋、中ノ島橋(橋上、河川敷)。追われた弥助が入り込んでいる百万坪の天平の小屋、木津河原(遠景に小さく流れ橋)。日光街道・竹ノ塚付近で恋人を待つ弥助、桂川堤松尾付近。女衒と口入屋が女たちを騙し売りつける旗本屋敷、大覚寺明智門(逃げた女が女衒に刺されるのは御殿川べり)
*時次郎不在、穴埋めの形で当事者・弥助が探索に加わる珍しい展開。現代風景に大阪市バスの澪マーク発見。
2004/4/16

■ 銭形平次 第803話「偽証」1982フジ/東映

 サブタイから明らかなように偽証のお話だが、銭形なので単純ではない。命賭けての偽証は冤罪を着て獄死した大事な人のための復讐、お上と御定法への面当てであった。
 ロケ地、証言者の夜鷹が殺されて見つかる水辺、広沢池東岸。OPでは平次夫婦のデートに平安神宮蒼龍池・臥龍橋(飛び石橋)と栖鳳池・橋殿を発見。
*夜鷹に三島ゆり子もいい味、平次に「庇う価値もない」と言われる金貸し殺しに火野正平、偽証にまつわる二転三転の際ワルモノ顔ではドラマが盛り上がらないゆえの起用と思われる。

■ 暴れん坊将軍 II 第11話「花散る里の夢見鳥」1983-1987テレ朝/東映

 恋に賭け職を辞したくの一、健気に男に尽くすが旗本の勘当息子はろくでなし。それに加え辞職の際の義理で盗っ人の片棒を担ぐ羽目に。やがて彼女の不幸は全てその「義理」の蔓から出たものと知れ、上様に本道へ立ち返るよう示唆されるも、男に去られた女は自死に近いかたちで賊の刃を受けて散るのだった。
 ロケ地、元御広敷勤めのゆかりを尾行するさぎり、じきに露見し話をする汀、広沢池東岸。才蔵とツナギは大覚寺護摩堂、ゆかりのことは告げず。ゆかりについて上様に報告の才蔵、鯉に餌の上様は枳殻邸侵雪橋上。さぎりにゆかりのことを聞く上様、大覚寺五社明神天神島。さぎりの回想、ゆかりと訓練・辞職の際の幸せそうなゆかり、枳殻邸傍花閣前。事後、ゆかりの墓に参るさぎりと上様、二尊院墓地
*ゆかりが協力させられていた賊・山猫組の一人に福本先生、役名あり・清六。ドスの利いた声でゆかりにヤキ入れしたりする。

■ 斬り捨て御免! 第16話「涙に曇る江戸の空」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 胸を病んだ御徒士組頭、心も病んでいて一人斬るごとに寿命が延びるなどと妄想を抱き、拝領の正宗で辻斬りを働く。仕官を餌にこれに付き合わされていた浪人は、三十六番所に露見したことを覚り娘に後事を託し死を賭して諫言、しかし狂気の「殿」に聞く耳ある筈もなく無惨にも正宗の露と消える。その現場に踏み込んだ番所衆、怒りの鉄槌は居合わせた御徒士組全員に下されちゃったり。
悲惨極まりないこの話にひらひらと舞う男あり、浪人父子と親しく、しかも辻斬り被害者の幼馴染。フツー、この男が不幸のどん底に落ちる設定が多いが期待を裏切り事後めでたく浪人の遺児と祝言をあげるハッピーエンド。火野正平なんだから、泣き入って掻き口説いて「旦那ァー」かなんか言って頓死かと思いきや意外。かなり珍しい運びかと。
 ロケ地、正宗を拝領した旗本を張る番所衆、とっつあんの見張る御先手組頭屋敷は相国寺林光院(門を東側から)。伝十郎が担当の本多主膳邸、相国寺大光明寺(門から見える甍は塀越しの湯屋)
*魚屋・金太に正ちゃん、十手に憧れ設定は「江戸の牙」でも演ってたような。
2004/4/15

■ 斬り捨て御免! 第15話「狼の仮面を斬れ」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 上州へ遠征もする三十六番所、国元での揉め事解決を雁金藩主である老中に「政務忙しいから」と頼まれちゃったり。現地では城代討つべしと血気にはやる若侍たちがいて騒ぎを起こすが、真のワルは別というよくあるパターン。城代邸へ入り込む出雲や、誰何されて仇討ちだと口から出まかせをやるとっつあんなど、ディティールが傑作。
 ロケ地、雁金城、彦根城天守。城代の娘をさらいに出る若侍たち、。雪江が出てくる楼門は不明。城代・横山監物邸、(以降、長屋門ほか主屋に蔵も使用)。若侍たちがアジトにしている堂、相国寺鐘楼。ラス立ちはここから法堂前回廊へ移動。

■ 暴れん坊将軍 VI 第3話「若殿新さんいじめられる!」1994-1996テレ朝/東映

 プチ忠臣蔵、恥をかかされ自刃した大殿の恨みをと高家にかかってゆく「浪士」は四人。これに関わった上様、若殿の代わりに「稲葉守」に扮して高家の悪行を体験しに入るという無茶をやらかす。見てる間に意地悪く扱われた大名がもう一人犠牲になったり。ラス立ちは浪士の討ち入りが導入となり「引き継ぐ」上様、今回はいたずらっぽくお茶目なシーン多し。
 ロケ地、お城の庭、姫路城好古園御屋敷の庭築山と石橋、滝組も映る。大殿の仇を狙い市中に潜む浪士に真実をと迫る恋人の芸者、梅宮大社神苑汀・門内の石橋上。浪士たちが屯する寺、粟生光明寺本堂(内部)。小山藩主の変死を上様に報告の才蔵、粟生光明寺石段
*高家に遠藤太津朗、イジワルというより下品な右京太夫を好演。恰幅のよい体に豪奢な大紋烏帽子がよく似合う。

時代劇じゃないけど
■ 水の旅人 侍KIDS 大林宣彦監督作品 1993東宝

 山崎努の所作がキマっているので、特撮合成画面が絶妙の面白さ。野武士が妖精さんの少名彦というのもなかなかの設定、殺陣もカラスやゴキブリ相手なれど見どころ多し。説教くささや脳天気なCGで叩かれるかもの映画だが、素直に見れば面白い。この、見て楽しいという要素が失われればダメと思うし。
2004/4/14

■ 長七郎江戸日記2 第22話「捨て身の説得」1988.8.23NTV/東映

 おれんが殺人犯として捕われ大ピンチ、証言者の憎さげな女を説得にかかる長さん。強弁にはワケあり、阿片がらみの悪事が隠されていた。
タイトルは、証言者の女の前で手をついて翻心を懇願の長さんから。
 ロケ地、おれん捕縛を釣りの長さんに注進の辰、大覚寺天神島放生池堤(カメラ切り替えなしで姿追う。マジで脚早い正ちゃん)。阿片盗難の責を負い自刃の小石川薬園の小役人の墓、二尊院か(合祀無縁仏がトイレ近くのそれっぽい)。おくらの養い子たちと遊んでやる長さん、上御霊神社本殿裏手。事後、釈放されたおれんに土下座して謝罪のおくら、大覚寺五社明神鳥居脇。江戸払いで旅立つおくらたちがゆく道、放生池堤
*酒肆で働き拾い子を育てている「金ずく」と評判の蓮っ葉な女・おくらに左時枝、憎態→健気に変化の好演。

■ 暴れん坊将軍 II 第10話「泣くな吉宗大江戸無情」1983-1987テレ朝/東映

 闇の大老と呼ばれ、娘を尾張候に娶わせいずれ天下を睥睨せんと野望ぎらぎらの元老中・根岸道斉。しかしやることはセコく、仕官を餌に釣った浪人たちを使嗾し、尾張の殿様が孕ませた邪魔な侍女を殺させる。このあと浪人たちの一人は罪の意識に苛まれ狂死、残った者も仕官などさせて貰えずなぶり殺しに。急を聞き駆けつけた上様はこの無惨にプチっと切れ、道斉の胸倉つかみ悪し様に罵り成敗。
 ロケ地、道斉の高輪・皇乾荘、中山邸(門、参道)。庭で鯉に餌やりながら策謀の道斉、枳殻邸臨池亭縁先。殺された侍女の死体が見つかる、中ノ島橋(群衆は橋上、死体は中州汀)。黒幕がわかっていて何故手をつけぬと新さんに迫る文之進、広沢池東岸(水無、汀に水天宮の鳥居セット)
*今回は浪人の悲哀がテーマ、冒頭前将軍時代の慶安の変イメージが描かれるが、この中で由比小雪の炎の自刃を演じるは福本先生。ラス立ち要員にも登場。*フィクサー・道斉に藤岡重慶、べたべたに生腥い悪党を演じる。手下の用人には白影さん。

■ 斬り捨て御免! 第14話「江戸の怪盗流れ星」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 あろうことか三十六番所頭取を騙り大名屋敷からまんまと大金を盗み取る男あり、義賊・流れ星と称される。外道は働かぬその盗っ人、或る日身投げから助けた女を保護するが、これがとんだ悪女で大騙り、蓄えた金を盗った挙句半次郎が父とも思う同居人の老爺を殺してゆく非道を働く。しかも女は火盗改与力とつるんでいた。老爺の仇も討てず無念のうちに惨殺された流れ星の死体を見た番所衆、殴り込みに近い形でワルのもとに踏み込み皆殺しにしてのけるのだった(出雲は言うに及ばず、伝十郎ととっつあんの「仕置」も見もの)
 ロケ地、流れ星に騙され金を盗られた大名屋敷、相国寺大光明寺(南路地、門)。身投げ女をとどめる半次郎、中ノ島橋。半次郎が賭場にとの情報を話す番所衆、広沢池東岸汀。賭場(本所・高倉邸)で出雲に見つかり逃げる半次郎、大ジャンプで塀外・追ったとっつあんたちが出るのは相国寺大光明寺通用門
*流れ星に目黒祐樹、気のいい盗賊を好演。悪びれず出雲に対する表情が秀逸。彼を騙す悪女には鮎川いずみ、今回のお色気要員もつとめる。*ED主題歌変わるもユリカモメはそのまま。

■ 暴れん坊将軍 VI 第2話「標的は将軍様」1994-1996テレ朝/東映

 上様を暗殺し後釜に座ろうと画策の「縁戚」戸田山城守、思い切り怪しい外見の武芸者が加担。スナイパーに選ばれた元猟師の植木職人、父が帰らぬと辰五郎に哀訴した幼女から事は次第に明るみに。その職人が新さんを撃つよう強要され芝居を打つ一幕を経て、事成ったと高笑いのワルは上様に乗り込まれて一巻の終わり。
 ロケ地、増上寺参詣の警護役を山城守に下命の上様、姫路城西の丸。植木職の和助を連れ込んでいるアジト、鹿王院(本堂、客殿、参道脇塀とくぐり戸)。父を案じ佇む娘を励ます新さん、大覚寺天神島汀。和助を救出し事情を聞く新さん、木津河原流れ橋(真下)。撃たれる芝居で川落ちもあり。
*EDロケ地、庭番のくだりに妙心寺法堂回廊。
2004/4/13

■ 暴れん坊将軍 II 第9話「女泣かせの付けぼくろ」1983-1987テレ朝/東映

 松平健が二役の「そっくりさん」もの。新さんに瓜二つ設定の遊び人は、左目の下に黒子もあやしいジゴロ。彼が巻き込まれる抜け荷事件が主軸で、やばいヤマに手を出すも恩人の船番所役人の死を見て反省→新さんが身代わりに出てワルを成敗。
 ロケ地、新さんが忠相とツナギおよび政吉の愛人の芸者が拉致される宮、上賀茂神社境内。芸者が龍虎と話す水辺、ならの小川。堺屋の用心棒たちに仇と斬りかかる政吉、大覚寺有栖川(バックに収蔵庫)。船番所役人を回想の政吉、広沢池東岸に船着きセット。政吉に化けた上様の船がゆくのも同所、ラス立ちは汀〜堤道。
*やばいヤマは思い切り物騒な将軍暗殺計画、銃いっぱい買い込む長州の江戸家老。せっかくの大層な設定だが今回は二役を見せるのが主眼なので中途半端。それにしても町人姿だと松平健はなんであんなにでっかく見えるんだろう…不思議。江戸弁語尾の「〜よン」がその巨体と違和感。

■ 江戸を斬る III 第26話「八百八町は日本晴れ」1977.7.11C.A.L

 最終話は大物ゲストを迎え、大物フィクサーを退治る金四郎のお話。大奥を阿片で牛耳り政権を制しようとした「隠居」は伊賀者まで繰り出して証拠隠滅を図るが、焦れたハネ上がりコンビのおゆきと次郎吉のフライングで窮地に追い込まれる。彼らが最後の切り札に用意した阿片漬けの剣客は金四郎を庇うかたちで凶弾に斃れ、これには敬意を表し計らうお奉行、フィクサー宅に乗り込んで大立ち回り。最後は遠山ファミリーの日常が描かれ、日本橋をゆく夫妻で幕。
 ロケ地、おばば様が饅頭食いすぎで癪起こし怪しの薬(阿片)を買う四万六千日の縁日の金竜山浅草観音、仁和寺茶店。その薬を求める咲が赴く鳥越神社門前茶屋、今宮神社社務所。紫頭巾が金持って来い指定の鎮守、鳥居本八幡宮(石段、広場)

■ 斬り捨て御免! 第13話「冥土へ送る地獄船」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 出雲がスケッチ中出会った盲の美女からはじまる一作、彼女のまわりで巻き起こる血腥い盗っ人たちの事件を描き、女を医者へ連れてゆく出雲で終わるお話。女が出雲に抱く淡い思いは一連の騒ぎのあとか細くフェードアウトしてゆく。島帰りの女の実父の抹殺、女を囲い妙な可愛がり方をする凶悪な元盗賊の鶴屋、プロの殺し屋まで出てけっこう派手。たくさんの蝋燭が各場面で印象的な使われ方をする。
 ロケ地、出雲とおゆきが出会う水辺、大沢池畔。船着きや汀をたっぷりと使う。鶴屋寮、一話と同所、不明。
*鶴屋に狙われた目撃者・勘兵衛の振る舞いが傑作。はじめ布団部屋に閉じこもりガタガタ、しまいに女装して千扇に入りびたり。癖になって事後もそのまま、伝十郎にしなだれかかったりする。よって今回のお色気入浴シーンは小島三児が胡麻塩のばあさんカツラつけてつとめる…げろげろ。*ラス立ちにおいては、OPにある如くの頭取大跳躍飛び降り斬りが見られる。重量感あって迫力、スローで見せるので細かい所作判ってなかなか。
2004/4/12

■ 銭形平次 第1話「炎の投げ銭!消えた二万両の謎」2004.4.12テレ朝/東映

 サイズ大きめの村上平次は青山さまの面影をいい方向に残してスタート、お話も大川版ほどはディティール語られぬもののかっちりと作られている。これから先、三輪の親分や笹野さまとの掛け合いに期待(渡辺哲と西岡徳馬…ひそかにファンだったりする)
 汚職で私腹を肥やしていた元勘定方が、溜め込んだ金を狙った配下に殺られるお話。その殿様、連れ込んだ女に無体を働き「あーれー」のすえ突き飛ばされ床柱に頭を打ち昏倒、このあと息の根を止められてしまうというおきまりのド助平「御前」。自分が殺したと思い込んだ女とその恋人が互いを庇いあい処断される運びに。これを看過できぬ平次親分、夫婦の記念日も擲ち牢に潜入→恋人たちの話を突き合わせ解決。
 ロケ地、松前邸の庭を逃げる恋人たち、梅宮大社神苑・池中亭土橋。神田明神、長岡天満宮拝殿ほか。笹野さまを祝宴に誘う平次、八幡掘(お稲荷さん売ってる屋台が白雲橋上、そこから見下ろしで二人を映し堀端へカメラ移動)。出入り商人に事情聴取ののち手裏剣で狙われる平次、粟生光明寺石段と墓地。
・OPロケ地、粟生光明寺石段(見下ろし)で殺陣〜渡月橋渡る平次(橋下から見上げ)、河畔にセットの茶店でふかしたての饅頭〜神田明神にお参りの平次夫婦、長岡天満宮〜現場へ走る岡っ引たち、八幡掘堀端新町浜で平次の殺陣、銭トスしながら平次が渡る橋、白雲橋〜山伏と大立ち回りの平次、粟生光明寺石段(見上げ)
*キングサイズ平次、鴨居の上に顔があるのがおかしくも可愛い。口調が青山さまをひきずるのも持ち味なので良し。牢のくだりは「子連れ」とよく似た画。手当ての際ムシリ頭の付け毛が置かれている情景がユーモラス。明るいめに仕立てられた画面も適度に輪郭ボヤけてて良い。

■ 暴れん坊将軍 II 第8話「五万両のとんぼ返り」1983-1987テレ朝/東映

 武田の隠し金を巡っての騒動。大判大量ゲットの前勤番支配、汚名を着せて下役を殺したことからアシがつく。断絶の憂き目を見たその家、よそに作った子を実子として養育の奥方に深く感謝の実母が陰から様々に援護し、これが上様の目にとまるのだった。名乗れぬ身の母の悲哀を片桐夕子が演じ、憎体なワルを菅貫が演じて話を縁取る。
 ロケ地、お庭で素振り上様、枳殻邸印月池畔。苛められている松之助、金戒光明寺三門。軽業の太夫をしている実母が松之助を励ましとんぼを切る橋、中ノ島橋(橋標鮮明に映る)
*若衆姿で探索の「実母」が危機に陥るところへ現れる新さん、通常なら正義の扇が飛んでくるところだが、今回は若衆の遺留品の頭巾被った新さんが上から降ってくる。まるで「紫頭巾」、しかし「特大」。ラス立ちには福ちゃんもいて、上様と才蔵にやられてうおぉー。

■ 江戸を斬る III 第25話「掠奪された御用金」1977.7.4C.A.L

 死神重蔵、日和るの巻。盗っ人が盗っ人を嵌め、火盗改に捕えさせて油断させたあと内懐に入り込み情報をとってまんまと御用金を奪う。この結果重蔵は叔父に叱責され絶縁を言い渡されハラキリ寸前。ここへ金四郎の助け舟、一味の女を捕え泥を吐かせ隠した金のありかも重蔵に教え面目を施させるが、恥を知ったか嫌になったか死神は御役御免を願い出て幕を引く。
 ロケ地、金四郎が次郎吉を釣りに誘い殺された橋番について聞く、罧原堤下河原。伊豆・土肥から御用金を運ぶ一行、表を避けてゆく大山街道、保津峡付近。叔父に絶縁され「善処」を言い渡された重蔵が深刻な顔をして降りる石段、粟生光明寺
*金四郎に御用金のありかを教えられた重蔵、感謝の言を吐くほか、事後魚政を訪ね「今までゴメン」、これに金四郎が「これからは仲良く」に死神「暇になるから来る」…成田三樹夫のコワモテがらがらと崩壊…これで「III」の最強キャラはおばば様ということに。

■ 斬り捨て御免! 第12話「江戸を走る通り魔」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 立て籠もりネタ。鉄砲方から新式銃を盗み出した賊、追い詰められ三味線堀へ。内情を知悉していることから入り込む一文字屋、騒ぎを押し付けられてしまうお隣の三十六番所、人質にはとっつぁんの娘もいて緊迫のドラマが展開される。膠着状態を尺とって描き、残弾を数えつつ出雲は賊を追い詰める。
 ロケ地、鉄砲方が銃盗難に泡食って入る北町奉行所、大覚寺明智門。盗った銃を試し撃ちし反動でコケる熊蔵、心経宝塔前。捕り方から逃げるシーンに御殿川河床。金を掴んで逃走の賊を追う出雲、木津河原(ちらっと流れ橋映りこみ)

■ 水戸黄門33 第1話「将軍を狙った男」2004.4.12TBS/東映

 冤罪を着て殺された父母の仇と将軍を狙う男、しかしそれは彼を拾い育てた富商が彼に焼き付けたものだった。事を知った老公のはからいで彼が狙うスコープには妹の姿映り暗殺は果たされずに終わるが、男は消される。そして大名貸しでブイブイの富商を追求するため、将軍は老公に因州への旅を示唆するのだった。
 ロケ地、助さんが村娘の教練にいそいそ急ぐ西山荘近くの道、山室堤道。江戸、花火の夜狙撃される元黒川藩筆頭家老、大覚寺大沢池に屋形船(銃撃を目撃のアキたちは天神島朱橋上)。江戸城イメージ、姫路城。久能山へ出立の将軍、二条城本丸西橋(駿河入城のシーンは別アングルの同所)。久能山東照宮のくだり、石清水八幡宮(頓宮、鳥居、回廊)。ラス立ちの野原、沢ノ池北ガレ場。
2004/4/11

■ 新選組! 第14話「京へ到着」2004.4.11NHK

 壬生狂言のおさらいをしていて寄合に遅れ、鴨と試衛館一行を押し付けられる八木さん、娘が安全のため男装という些か阿呆らしい逸話が挿入されるのも愛嬌。京都の情勢を語るのは等持院の木像梟首と黄色い声の天誅、そんななか清河の策謀のみぎらぎらと生々しく小悪魔チック。鴨の肉声や新見の意外な一面も見られ、既定の事実をどういうふうに嵌めてゆくか興味深し。
 ロケ地、京都イメージの塔、雲肘木の形から真如堂の三重塔と思われるが確信なし、クレジットされてないし。会津本陣、金戒光明寺庫裏

■ 鬼平犯科帳5 「犬神の権三郎」1994.5.24CX/松竹

 佐嶋与力が三度目にしてやっと捕えた凶盗が何者かの手により破牢、これが信頼を寄せていた密偵・雨引の文五郎の仕業と判明し鬼平は嘆息。彼の行動原理は盗っ人だった頃と変わらぬ強固な信念に貫かれており、権三郎に受けた恩を返し、貸していた不義理を清算せしめるのであった。我慢ならぬ男をケジメた後、出張った平蔵と対峙した文五郎は自身をもケジメる仕儀となる。
 ロケ地、権三郎の情婦・おしげの叔父の筆師宅を張りこむ火盗改、下谷御切手町・浄蓮寺、梅宮大社楼門前に茶店セット。仁和寺がクレジットされているが不明。
*おしげに土田早苗、往年のヒロインと変わらぬ可愛らしさが盗っ人の婀娜っぽい情婦を演じても出ていて秀逸。
2004/4/10

■ 決闘鍵屋の辻 荒木又右衛門 1993.3.23NTV/東映

 著名な仇討ち事件を丁寧に描く一作。荒木又右衛門に高橋英樹、河合甚左衛門に夏八木勲をキャスティングし、当時ともに大和郡山藩の武術指南役であった彼らが友から敵同士に至るプロセスもきちんと描写されている。庇護を求めて駆け込んだ河合又五郎を肴に気勢を上げる旗本をけしかける大久保彦左衛門に大滝秀治を配し、これもよい味。決闘は案外短くあっさり目、又五郎の付け人には福本先生もいたりする。
 ロケ地、旗本・安藤治右衛門邸、妙心寺大通院(前の路地で殺陣あり)岡山城天守、本物。登城シーンに二条城北大手門。回送途中斬殺される又五郎の父・半左衛門、谷山林道頂上近くの作業場。江戸城、姫路城。大坂を発った又五郎一行を追う際立ち寄る薬師寺、本物。金堂に参拝、門前の茶店で甚左衛門を見る。又五郎たちが泊まる佐保の法華寺、西明寺山門。伊賀へ向かう一行を追う又右衛門たち、摩気神社裏手谷地田。門弟の孫右衛門が一行が島ヶ原に宿をとったと報告に来る道、摩気民家北側の田畔。長田川(木津川)を渡る又五郎一行、摩気橋(木の橋脚)。事後、鳥取の夫のもとに向かう又右衛門の妻子、山室堤下。
2004/4/9

■ 暴れん坊将軍 II 第7話「わらべ地蔵の子守唄」1983-1987テレ朝/東映

 地回りとつるんで悪事を働く寺社奉行の配下、め組が差配の火除地を遊郭にと図るが、思いっきり上様に不審持たれて断念、地回りを闇に葬ろうとする。しかし地回りは捕り方から逃れ寺子屋に立て籠もり、同様の事件で息子を亡くした元館林藩士で現寺子屋師匠の哀話が挿まれる。
 ロケ地、寺子屋のある新徳寺、大笠灯籠林立の庭、不明。寺社奉行所、大覚寺大門
*悪いような間抜けなような地回りに汐路章、新さんとともに囲みを突っ切ろうとするが頭カチ割られる。

■ 江戸を斬る III 第24話「殺しの疑惑」1977.6.27C.A.L

 長崎奉行と組んで禁制品で大儲けの回船問屋、伝手となった役者は殺すは、まだ儲け足りないとばかりに老舗の同業をハメるはの悪行を重ねる。ひさごの勘当息子が役者殺しの罪を着せられたもんだからおゆき介入しまくり、調査に入るのに「夫婦喧嘩で実家に」と飛び出す始末。ワルの密談立ち聞きして捕まったりするが、じきに紫頭巾になってチャンバラ。しかし事後、おばば様に女大学の講義をされてしまうのだった。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。禁制品仕込みで老舗をハメた成功報酬を取りに行く次郎吉、仁和寺鐘楼脇。用心棒が出てきて仲介のヤクザともども落とされてしまう底無し井戸、手水場

■ 斬り捨て御免! 第11話「傷だらけの墓標」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 千扇の女将が七年前別れたきりの恋人に再会、しかし男はワルに追い使われる殺し屋と成り果てていてつれない。そのワル、元長崎奉行とつるみ阿片窟を開いている大ワル。しかも元奉行は、女将の恋人に手籠めの罪を肩代わりさせた経緯を持っていて、男を見て始末を命じる。回りまわった奇縁に絡めとられ男は命を落し、女将は阿片窟に放り込まれるが、真実を探り当ててブチ切れ出雲が乱入、一同ぶった斬り。
 ロケ地、絵馬売りをしている男の噂を聞き縁日に赴くはつね、会えず放心して帰る彼女に声を掛け損なう出雲、相国寺大光明寺まわりの路地。やっと会えた弥九郎と話すはつね、嵐山公園中州岸。男が去ったあと水面を見る橋、中ノ島橋。元長崎奉行・堀田刑部邸、相国寺林光院。阿片窟の増田屋寮、中山邸通用門。弥九郎が始末される汀、広沢池東岸。事後、弥九郎の名をかいた灯籠を流すはつね、罧原堤下河原
2004/4/8

■ 暗闇仕留人 第27話「別れにて候」1974.12.28朝日放送/松竹

 黒船が江戸前で大砲をぶっ放し、緊迫する世情。頑迷な幕閣のなかに開明派の若年寄あり、しかしこの男裏の顔は汚く、「愚民」どもの家を目障りと撤去させるなど傲慢。依頼はこのために消された職人の娘から来る。そして仕置の場、これを最後の仕事と決めていた貢が返り討ちに遭い死亡、チームは解散となる。
 ロケ地、高台から黒船騒ぎを見る民衆、その下で情勢について語る主水と貢、西寿寺石段。北町奉行所、京都御所管理事務所北門。貢が佇む隅田川、嵐山公園中州舳先付近汀。貢を送るため船を出す主水たち、嵐峡
*世を厭い来し方に深く懐疑を抱く貢、惑いは決所で彼の命を奪う。矢立で迫る貢に投げかけられた松平玄蕃頭の「日本の夜明けが」に躊躇し返り討ちにあうシーンは何度見ても圧巻。

■ 暴れん坊将軍 II 第6話「絵文字が告げた吉宗暗殺」1983-1987テレ朝/東映

 性懲りもなく上様を狙う尾張方の陰謀、凄腕の忍びを差し向けたり、証拠隠しには爆破までするが、最後は加納じいの教えた上様のスケジュール変更を鵜呑みにして失敗。これに、己の野望のため娘の幸せを踏み躙る北町与力の哀話がからむ。
 ロケ地、市中でツナギのシーンに上御霊神社(本殿裏手、舞殿、本殿、高倉)。尾張とつるむ木曽屋の寮、中山邸門。父の法要に向かう上様の駕籠(半蔵入り)を襲う忍群、鳥居本八幡宮(竹林、広場)。亡き許婚者の墓に参る与力の娘、二尊院墓地
*タイトルは耳と口の利かぬ船頭が客の唇から読み取った陰謀を絵にして出した訴状から。前回に続き目安箱判じ物シリーズ?

■ 江戸を斬る III 第23話「男の約束」1977.6.20C.A.L

 香具師の元締に騙されて殺しの罪を被る男、無実の者を死罪にできぬと動く南町メンバー。容易に役人を信じない男に、片桐同心は母の死に目に会わせてやるため身を挺して脱走させる。これが明六つまでに帰るか否かがドラマとなる。
金四郎の名を出し、死神重蔵を焚きつけて男を始末しようと動く香具師とグルの火盗改与力に岸田森、牢屋敷の前で追い詰めるが中から成田三樹夫出てきて「俺の顔に泥を塗ったな」でおしまい。斬られる顔がまたなんとも岸田森。

■ 斬り捨て御免! 第10話「天童駒に秘めた謎」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 禁制品の密取引で私腹を肥やし幕閣入りを目論む西の丸御留守居役、長崎からの輸送に使った者を消し我が世の春と高笑い。こやつらに別口で虫けらのように殺された仇持ちの、元天童藩鉄砲方の妻女と弟の死を見たブチ切れ出雲が乗り込み、問答無用の皆殺し。
 ロケ地、勘定方組頭が追われる夜の川、大覚寺御殿川河床。勅使門橋から上がり息をついているところをバッサリやられる。この死体が切腹を装って置かれる妙法寺、神護寺金堂前。検分に来る出雲は石段を来て去ってゆく。三又中州で水深を測る回船問屋・相馬屋が銃撃される、広沢池中央(船上)。通りかかって目撃の番所衆、観音島。相馬屋の葬儀に潜り込んだ小笛が出雲に報告の茶店(仇持ち妻女が勤務)神護寺山門内側にセット。元勘定方・榊原邸、。西の丸御留守居役邸、第1話で出た萱葺き門と同じ、不明。

■ 新必殺仕事人 第17話「主水心中にせんりつする」1981.9.11ABC/松竹

 四千石の旗本が知行地の百姓娘と心中、隠蔽工作がなされるも市中は噂でもちきり。加代はこれを聞いて恋に憧れ、バイト先で見た酒代に刀を置く浪人と深間に落ちる。「待っていて」などと言われ足抜けを申し出る加代、しかし浪人は仕官につられ旗本の奥方の使嗾による百姓一家暗殺を仕出かし、恨みの筋の仕事が入ってくる。
 心中現場となる百姓家、例の「庄屋屋敷」、不明。賭場荒らしの春吉が逃げ込む神社、今宮神社(石橋、境内)。加代を呼び出し、待っていてくれと告げる井上浪人、今宮神社楼門
*足抜けを申し出た加代に昔の仲間の例を引き脅す主水、しかし恋をあきらめ男を刺した加代に「殺したのは自分」と気遣いを見せる。
2004/4/7

■ 暗闇仕留人 第26話「拐かされて候」1974.12.21朝日放送/松竹

 仕留人チームに危機迫る話。事件は、行商仲間の浪人が借金で苦境にあるのを見たおきんが狂言誘拐を仕出かしたことから起こる。高利貸しには目明しと北町与力がついており、主水の動きが封じられるなか、妙心尼まで関わって誤魔化しをはかるも当の浪人は疲れ果てて自ら縛につき、責め問いのすえ殺されてしまう結果となる。そして仕留は、高利貸しの毒牙にかかる寸前の浪人の娘救出も兼ねる運びとなる。
 ロケ地、おきんの長屋からおさきを運び出す「野辺送り」がゆく道、大覚寺放生池堤。尾けてきた目明しの手先を貢が始末するのは護摩堂前。着替えさせたおさきを寺にいざなう妙心尼、西寿寺山門(おさき出奔を石屋に告げに走る際は本堂石段が映る)。おさきが松五郎親分のもとへ走る道、広沢池東岸京都御所厳島神社(与力が根岸へ向かう道にも使用)。北町奉行所、御所管理事務所北門と塀。松五郎の根岸寮、中山邸通用門、参道。

■ 長七郎江戸日記2 第21話「友情の命燃やして」1988.8.2NTV/東映

 友吉くん大ピンチの巻。幼馴染の吉太郎が作る「正義のため不正を糾弾」の瓦版に感動した彼は、身代わりに殺しの罪を着て牢で待つが、いつまで経っても自首してこないどころかグルの与力に手ひどく責められ遂に斬罪を言い渡されてしまう。夢楽堂チームの奔走の結果、吉太郎の悪事の証拠あがり土壇場で執行は中止、逃げをうつ吉太郎と与力の前には長さんが断罪に現れる。
 ロケ地、吉太郎と昔話をする友吉、大覚寺護摩堂。襲ってきた刺客から逃れる二人、有栖川河床(刺客は川岸)。吉太郎の子を身籠った女が突き落とされた石段、神護寺石段。吉太郎の瓦版を使った強請り行為について話す長さんと宅兵衛さん、大覚寺五社明神舞殿。

■ 暴れん坊将軍 II 第5話「狸に化けた弁天様」1983-1987テレ朝/東映

 父に置き去られた娘二人の人生が橋上でクロスする。一人は今棄児となったばかりの幼女、いま一人は捨てられたのち裏街道を歩んだ女。鮮やかに悪人から金を掠め取り消える女は、幼女の父を探し当て巡り会わせてやるのだった。
金をとられるのは贋金作りをしていたかつての大盗、女は新さんを騙し強請りの場で闘わせその隙にまんまと金持って逃走、馬鹿を見る新さんだが、女と所帯を持って差しつ差されつなどと空想しきっちり鼻毛を読まれている始末、とりあえず悪党が捕まってよかったねで幕。
 ロケ地、おりんが贋金入りの財布を掏った浪人が殺されて見つかる大川、酵素河川敷。新さんと文之進が幼女をあやしているのを橋下から見るおりん、渡月橋下桂川右岸(橋脚のみ映る)。新さんに須貝救出と騙し強請り話を持ちかけるおりん、広沢池東岸(汀に鳥居セット、水天宮の額)贋金作りの八丁畷の太兵衛と取引の水辺、木津川流れ橋下河原。
*おりんの養父で強請りネタを企画する甚左に遠藤太津朗、太兵衛を強請りに行く際は凄味のある悪人面を見せる。殺陣もちょっとだけ披露。タイトルは、幼女の父・須貝浪人がおりんに言われて届けに来る信楽焼の狸から「分け前」の小判がざらーっと出てくるのを見ておりんを表現の浪人の言「弁天様のようなお人」から。その金、あとどうしたんだよ上様。

■ 斬り捨て御免! 第9話「小太刀に濡らす涙雨」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 獄門になった息子の仇と出雲を狙う裏稼業の大物、刺客に選んだのは小太刀を使う女。夜鷹のなりをして出雲を襲うが、女は名乗りを聞いて驚愕、出雲は彼女の幼馴染の「新ちゃん」だった。
 ロケ地、柳原土手で桔梗屋に腕を試されるおしの、下鴨神社河合社塀際。おしのの回想、喧嘩の新ちゃんに加勢して立ち回り、糺の森林間。出雲に別の刺客が差し向けられる妙法寺、金戒光明寺(石段上部〜三門)。小笛がおしのの身の上を出雲に報告、極楽橋上。
*桔梗屋に義理あり殺しを引き受けるおしの、亭主の浮気現場に踏み込み相手の女を殺し亭主の腕を落とした事件の尻拭いが義理。しかし相手の女って女郎…アリなのかなこういうの…江戸時代なんだし。常よりエキセントリックな性格っていう表現?

■ 江戸を斬る III 第22話「人を見て法を説け」1977.6.13C.A.L

 阿漕な金貸しをとっちめるお話。病人の布団を剥ぐやり口に怒った魚政の若い衆が巻き込まれ、しまいに魚政全員訴えられて入牢→白州に。ここでも御定法を標榜し開き直り、和解を勧告の金四郎にも嫌味たっぷりに食って掛かる憎態さ。しかし定法を逆手に取った金四郎のはかりごとで泣き入り、賠償金をとられてしまうのだった。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門
*因業金貸しに西村晃、偉そうなのから泣きまで百面相が秀逸。発端の借金娘に西崎みどり、幸薄い「被害者」を好演、責め問いはあるものの今回はハッピーエンド設定。

■ 新必殺仕事人 第16話「主水家で説教する」1981.9.4ABC/松竹

 万引き女を摘発し、脅して隠し女郎に仕立て生き血を吸う極道な岡っ引。その情婦もまた同じ経緯で絡めとられた女だった。女は偶然会った昔の恋人が祝言をあげると聞き祝福するつもりでいたが、稼業を知った男に嫌悪され逆上、彼らを嵌め心中に至らしめてしまう。これが岡っ引の謀略と知った女は、仕事人を求め自身も含めての仕置を依頼するのだった。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。女郎となるを拒み舌を噛んだ女の死体が上がる川端、広沢池東岸汀。岡っ引の情婦・お吉がかつての恋人・徳松とデート、柊野堰堤落差工に茶店セット。徳松に所業を罵られ袖にされるお吉、木津川流れ橋下。徳松の心中死体上がる、嵐山公園中州汀。これを聞き駆けつけるお吉、大覚寺放生池堤
2004/4/6

■ 暗闇仕留人 第25話「晒されて候」1974.12.14朝日放送/松竹

 米の仲買商・越後屋を狙う悪党、正面から搦め手から陰謀の手が伸び女将は心中を装い始末、残った娘も一味だった愛人の奸計に陥ちる。女将は岡場所から落籍された、かつての主水の初めての女性で、辛くも命はあったが心中の片割れとして高札場に晒されることとなる。女将の言い分を認めチームを招集して探索にあたる主水だが、シロアリは既に越後屋を食い尽し逃げにかかる段、女将の願いで娘の恨みを晴らすことになる。
 ロケ地、お陽が心中態で見つかる大川端、広沢池東岸汀。
*シロアリの親方に河合伸旺、お陽に中村玉緒。

■ 暴れん坊将軍 II 第4話「富士の白雪に消えた女」1983-1987テレ朝/東映

 久能山東照宮の修復工事をめぐり私腹を肥やさんと企む駿府城代と宮大工、上様のお声がかりで決まった棟梁を襲わせるが阻まれ命は奪えず。しかし棟梁の傷重く実務には耐えず、勘当中の息子を呼び戻す運びになるが、これが悲劇の発端となる。
遊女あがりの身を恥じる息子の妻に西崎みどり、彼女が出たからあー悲劇設定だなーと思わせる雰囲気ぷんぷんの、幸薄い女を好演。
 ロケ地、駿府の浜、静岡ロケ・バックの富士も美しい。弓のお稽古上様に棟梁負傷を報告の才蔵、枳殻邸印月池畔。久能山東照宮、本物。楼門・唐門・廟所など映る、日光ほどではないもののさすがに派手。城代の手に落ちるを拒み胸を突いた七重が投棄されかかる川、上賀茂神社ならの小川神事橋下水場。
*後釜を狙う宮大工に梅津栄、悪役の際は玉助の面影なく素でワルく迫力。

■ 江戸を斬る III 第21話「狙われた女」1977.6.6C.A.L

 兄に毒を盛り家を継ごうとはかる弟、旗本のお家騒動は事を察知した侍女を狙ったことから金四郎たちの知るところとなる。紫頭巾で出ていて彼女を助けることになったおゆき、よく見ると幼馴染のちぃちゃんだったり。旗本の弟とつるむ材木商はずる賢く立ち回り、火盗改を巻き込んで雇った刺客ごと侍女を消そうとするが、雇い人を殺された駕籠屋の親父が義憤に燃え協力したことなどあり、金四郎の策略にハマり野望は潰えるのだった。
 ロケ地、捜査について話しながら歩く片桐同心と佐吉、相国寺路地。材木商の番頭が釣りをしている刺客の親玉とツナギをとる、広沢池観音島。ここへ「強請り」に出る次郎吉は観音さまの裏から出現。
*今回の見どころはなんといっても紫頭巾(大)の登場。火盗改に囲まれ危地に陥る紫頭巾を救いに出た金四郎が扮しているもので、あろうことか大股開いて褌をちらちらさせながら大立ち回り。出張った死神重蔵と鍔ぜりあいの一幕もあり、直後何食わぬ顔で駕籠から出て「何か」の金四郎の目を見て??状態で首を傾げる成田三樹夫が可愛い。駕籠屋の親父の「東八」北村英三もいい味。雇われ刺客の親玉には伊吹聡太朗、梓右近・IIと続いて登場、でもわりとあっさりヤラれてしまう。

■ 斬り捨て御免! 第8話「中仙道に草笛が哭く」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 前回の「千姫御殿」に続き今回はプチ忠臣蔵。事の発端は、将軍(家斉だな)が約束した姫様降嫁を「忘れていて」ほかへ縁付かせたのを怒って訴えた大名が切腹・お家断絶の憂き目を見たこと。二年間雌伏していた家臣団、殿の恨みを奉じんとお輿入れの梓姫を狙うのだが、事を公けにできない幕府は三十六番所に警護を任じる。派手に葵紋をつけた行列はとっつぁんたちが担当し、本物の姫は出雲が付き添って二人連れ、しかし途中で見露わされすったもんだの挙句、輿入れ先の安中藩領はずれの碓氷川鷹巣橋にてラス立ち。
 ロケ地、江戸を発つ梓姫の葵紋の駕籠、相国寺大光明寺南路地。兄妹設定で山道をゆく出雲と姫が小休止の茶店ほか、谷山林道。蔭山藩家老が遺臣団を集めアジる桶川宿手前の鎮守、鳥居本八幡宮(演壇は舞殿)。出雲が姫を慰めるため草笛を教える崖、保津峡落合落下岩の上。草笛を聞きつける遺臣団、崖下河口。これから逃れた出雲と姫が農民に偽装してゆく野、北嵯峨農地(遠景に大覚寺心経宝塔の天辺が映りこむ)。鷹巣橋、木津川流れ橋(橋上、河原、橋脚)。安中藩のお城廊下、大覚寺宸殿縁先。
*ラス立ちの際、「とっつぁん」関大助は槍で立ち回り。トンファーもよいがやはり長門勇は桜京十郎、長槍での殺陣はピカ一。
2004/4/5

■ 暗闇仕留人 第24話「嘘つきにて候」1974.12.7朝日放送/松竹

 喜捨を施す備前屋に人生訓を聞いた直後、手ひどく現実を突きつけられた蜆売りの少年は幼稚さ純真さゆえに暴発、自身も思わぬ立て籠り騒動を引き起こす。そしてこの騒ぎに乗じて邪魔な女将を始末の備前屋、罪は少年に着せられ死体は二つとなる。事の裏には、先代を殺して後釜に座った備前屋の悪行とその実行犯、つけこんで脅迫しようとしていた十手持ちのヤクザがいた。
 ロケ地、乱暴な十手持ち・虎松の噂をする大吉とおきん、大覚寺大沢池畔に茶店セット。備前屋の河岸の米倉、伏見・松本酒造酒蔵(米俵をあしらって両岸堤をうまく使い、蜆売りの佐助の帰り道や仕留後おきんが歩くシーンは詩情溢れるよい画となっている。菜の花も似合うが遠目にはセイタカアワダチソウの黄色もなかなか)。佐助たちのため弔いの鐘を撞きに玉泉院へ行く大吉、西寿寺(石段と本堂〜鐘楼)

■ 暴れん坊将軍 II 第3話「気になるあいつの恋びんた!」1983-1987テレ朝/東映

 上様が女の子とイイ感じ、でもって綱吉公のお墨付きかざしたイヤーな旗本が悪いこといっぱいして、その娘狙うわけ。女の子は三原順子、愚連隊みたいな旗本に石橋蓮司、女の子を妾奉公に出す極道親父に北村英三、ラス立ちまでテンポよく進むこの出来のよい作になんというタイトルをつけるのかテレビ朝日。杉村楚人冠以来の朝日の伝統なのか。
 ロケ地、神谷召し出しを命じる弓のお稽古上様、嵐亭庭。お墨付きの一件でクサる新さん、池の鯉に餌投げてるところへ声をかけるおふね、梅宮大社神苑・池中亭への土橋上、追儺の踊りを見るのは舞殿。その後ユリカモメ乱舞する水辺でお茶する二人、桂川臨川寺地区左岸汀に茶店セット(鴨という意見もあり)。事後、親元へ戻るというおふねに別れを告げられてしまう新さん、広沢池東岸汀夕景、水際に鳥居セット。
*タイトルの件でテレ朝に文句を垂れたが、暴将だから仕方ないかもの脱力エピソードあり。おふねとの出会いってば、忠相とバードウォッチング中の上様が遠眼鏡で娘の小用を見てしまいド助平と殴られる設定。しかもどこから見ても真っ白で脚指さえちゃんと黄色いコサギを「珍鳥」とか「ゴイサギ」とか言うし。また、これをお城へ帰った上様がボヤくし。加納さまは「上様が女の股ぐらを!?」なんて大声出すし。庭番まで失笑してるし。こんな妙なヒーローにあるまじき挿話を入れられている割にはラス立ちは大マジ、石橋蓮司がこれ以上はない憎態でお墨付きかざして「これが目に入らぬか上様といえど頭が高ーい」とやるのにマジ斬り、お墨付きをばらばらに切り裂いた上でバッサリ、倒れたレンジの顔はガラス越しのアオリ。

■ 江戸を斬る III 第20話「悪徳検校」1977.5.30C.A.L

 悪辣な取立てで庶民を泣かせる検校の手下、検校自身はまともなイイ人、しかしその妻女が手下と通じており消される羽目に。この際には伊蔵親分がアリバイ工作に使われて証拠上がらず難渋。しまいに検校の跡を継ぐ大ワルに仕掛ける金四郎たち、典薬頭へ差し出す娘をかどわかすところへ介入しお縄、危機にはきちんと紫頭巾も駆けつける。
 ロケ地、武山検校の死体が見つかる汀、広沢池東岸。駿河へ調査に馬をやる片桐同心、桂川堤〜林道(特定に至らず)

■ 斬り捨て御免! 第7話「魔性の女にひそむ業」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 放火魔で男狂いのやんごとなき姫君、父・水戸中納言の懊悩、姫にあくまで忠誠を捧げる従者、そして出雲は止まらぬ乱行を終息させる役を負う。
幼時のトラウマから炎に狂い、父にさえ迫る狂気の姫君に「ラブハンター」田中真理、姫を狂おしいまでに恋い慕い最後は運命を共にする従者に石橋蓮司、父中納言には江見俊太郎と豪華キャスト。よくあるパターンのお話だが、姫の凄絶な美しさに加え、冷血から激情に至るレンジ炸裂の見応えある一作。紅蓮の炎に包まれ死にゆく姫を凝視しつつ、ぎりぎりと腹を抉るレンジのくだりは圧巻。自身も罪人と懺悔の中納言を演じる江見氏の、悪役でない姿も貴重。
 ロケ地、姫の屋敷、中山邸(門、参道、通用門)。姫の見合いの野点、枳殻邸印月池畔芝地。水戸中納言の駕籠を葵紋の「印」を示し止める出雲、相国寺大光明寺南路地。水戸屋敷、大覚寺大門
2004/4/4

■ 新選組! 第13話「芹沢鴨、暴発」2004.4.4NHK

 中山道夜の大キャンプファイヤーにより、物語は一気に加速をはじめる。無責任な「上役」、腹をさぐりあう上つ方、オーガナイザーとして頭角を現すトシ、機敏に動く試衛館チームの結束、動かされつつ大将としての重みを身につけだす近藤。今まで語られてきたディティールがぱちんぱちんと嵌められてく心地よさ、京都篇に期待。
*既存作品で描かれ尽くしてきた往来での焚き火のくだり、宿が無い→即暴発ではなく、手配の離れが鶏小屋なんていう細かい設定、事後の一斉水掛けや勇の名を脳裏に刻む男たちの段は些かクサいものの、勢いあって良し。視聴率と評判にへこむというライターの記事朝日に載ってたけど、なんでNHKまで数字言うのかなー、フジがあんなだからある意味牙城なのにぃ。
 ロケ地、中山道本庄宿、大内宿(冒頭イメージのみで芝居は無かったけどイイなー、ここ)

■ 必殺からくり人 第8話「私ハ待ッテル一報ドウゾ」1976.9.17朝日放送/松竹

 行方不明の子を求める親心につけこみ、ニセモノを送り込んで富商乗っ取りを企てる悪辣な集団。過去を暴かれぬため罪も無い娘も始末してのける非道さ。赤子を負った母という己をも利用する冷血の女でも母は母、藤兵ヱを人殺しと叫ぶ少年の悲痛な声が耳に残る。
 ロケ地、本所本石町の橋たもとにある尋ね石、中ノ島橋下手南岸に祠セット。

■ 鬼平犯科帳5 「お菊と幸助」1994.5.18CX/松竹 通算92話

 鬼平の留守に、迂闊にも凶盗の引き込みに就職斡旋してしまう久栄。しかし久栄をたばかった女には悲しい事情があった。その賊の死をめぐって庇いあう夫婦、久栄の嘆願の際は聞かぬふりをしながら、平蔵の下した裁きは温情に溢れるものであった。
 ロケ地、目くばせして合流の佐嶋与力とおまさ、大覚寺大沢池(佐嶋のいる茶店は船着きにセット)。伝吉のアジトの百姓家、殺されて浮く小川、不明。事後、所払いとなったお菊と幸助がゆく甲州路、山室堤外地か。
2004/4/3

■ 日本犯科帳 隠密奉行 金沢編「手箱に秘めた子の涙」1981.10.9フジ/中村プロ

 将軍綱吉に献上された加賀からの塗りの手箱、取り落とした際出てきた、底板に隠されていた紙片に救済を望む謎めいた文言。これについての取り扱いを任されちゃう隠密奉行・朝日奈河内守、加賀さして出発、前回同様見張り役の真鍋くんももれなくついてくる。道中では親分の仇なんつって斬りかかってくる渡世人を拾い、彼の衣装ととっかえて潜入のヨロキン。以降、渡世人姿で当地をうろつき忍びを斬ったり民衆と接したりして悪事の根幹に迫ってゆく。
 ロケ地、ヨロキンが渡世人として裏街道を行くもんだから、ほぼ山中。谷山林道かな酵素かな琵琶湖かなと疑わしき個所数多あれど、断定に至る記号見出せず、子供狩りに逆らって斬られた百姓女の死体が晒される鹿島の岩山(けんじょう山と言うが当該個所不明)のみ保津峡落合落下岩と判明。
*前後に朝日奈邸での妻とのやりとりを入れるのは前作と同様、お土産を要求されるが帰ってきたヨロキンは手ぶらというのも同じ。これだけのために岸田今日子を使う贅沢さ。*真鍋くんは全く上役に信用されておらず追者をつけられるが、これがヨロキンに斬りかかったあと「雇われる」ベコの三平で、ラストに正体を現す火野正平、ぎこちない袴姿が愛くるしい。くの一が化けてる腰元の接待攻勢のくだりや、視察の際などコミカルな演技で真鍋くんとからむあたりは長崎犯科帳を髣髴とさせ楽しい。そしてこの二人、殺陣には一切参加せずラス立ちもヨロキン一人でばっさばさ。山中で忍群とやりあうのももちろん一人で。慌しいまでに斬り抜けるさまは拝一刀なみ、でもダークなものでなく「明朗快活」ヨロキン、苦し紛れの真鍋くんの勧進帳の最中現れ「ちょっと替わって貰ったんだ、ゴメンよー」。*今回のワルの首魁、加賀藩からも独立性を保つ偉そうな陶氏の総帥に菅貫。領内の子供を五歳になったら全部徴発して漆器職人か忍者にしちゃうトンデモ専制君主を演じる。アイパッチが酷薄さを演出、最後には正体を現した隠密奉行に「やかぁしぃやい叩っ斬ってやる」とやられてしまう。*山中でヨロキンに襲い掛かる加賀忍びの一人に福ちゃん、台詞あり「貴様ー、渡世人ではないなー」、斬られてくるっと海老反り。
2004/4/2

■ 暗闇仕留人 第23話「晴らして候」1974.11.30朝日放送/松竹

 抜け荷探索の与力を消すのに、偽装のため一家皆殺しのうえ無実の男を罪に落す外道ども。アリバイをめぐってさまざまな経緯があり、兄の無実を信じる妹の希望の糸は次々断ち切られてゆく。証言できぬ立場の石屋の煩悶が活写され、依頼を受けるくだりも殺しの段も凝った濃い一作。
 ロケ地、佐吉をハメた与力のいる南町奉行所、大覚寺大門。証言を約束していた伊佐次の死のあと、佐吉の妹と話す大吉、中ノ島橋(橋上〜中州岸、堰堤バック)
*これまでも時々人前で殺しをするシーンが見られたが、今回は主水が石屋を窺っていた目明しを戸越しにぶっすり殺るところが目撃され三人揃った状態で「あなたたちはもしかして」。

■ 暴れん坊将軍 II 第2話「紅蓮の炎に鬼を見た!」1983-1987テレ朝/東映

 禁制品取引で私腹を肥やす長崎奉行と、品行のとても宜しくない弟が、真面目に働く植木屋夫婦を苦しめる。以前妻を狙う弟に借金のカタとして指を詰められた夫、今また幼い娘が弟の殺しを目撃したことから命を狙われる。無力な民への無体に怒った上様、荷を隠そうとしている奉行宅へ乗り込み大暴れ、一味は捕縛される。
 ロケ地、目安箱へ笄を入れた女のことを報告の忠相、姫路城西の丸。ここではじいからこそこそ逃げてゆく上様のコミカルな走りも見られる。ラスト、弓のお稽古は天守をバックに。
*乗り込み時、黒塚の趣向で登場の上様、赤頭に般若面。刀持ってないので彩物でぴしぴしぶっ叩き、一旦退場ののち通常スタイルで再登場、殺陣に。

■ 江戸を斬る III 第19話「どじな兄貴の妹思い」1977.5.23C.A.L

 碌に働きもせず博打三昧、妹から稼ぎを掠めるうえ酔って暴れ仕事の邪魔をし諸人に迷惑をかける兄、白州でも反省の色も無く悪態をつく。こう書くと陰惨でどうしようもない男だが、品川隆二が演るから傑作になる。事件も、ハメられて妹を女郎にと脅され岡っ引殺しを請け負うという、本来ならどん暗話を落語的世界へ持ってゆく。これにレギュラー陣がそれぞれに持ち味を生かして絡み、佐吉親分が健気な妹に堅苦しく接近という華も添えられる。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。グズ虎を尾行の佐吉が姿を見失う薩摩藩上屋敷裏口、相国寺大光明寺南塀と通用門。表門は大覚寺大門。甘酒売りの妹・さんのところへ来て売り上げをひっさらう長助、今宮神社境内(バックに東門、佐吉お参りは本殿)。その後さんの荷を担いでやり道々話を聞く佐吉、上賀茂神社ならの小川畔。グズ虎の手下に連れて行かれる長助、相国寺鐘楼前。

■ 斬り捨て御免! 第6話「女の肌に秘めた謎」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 同僚に横領の罪を着せられ切腹を装って殺された見習い蔵奉行の妻女、夫の無実を信じ恨みを晴らすべく一味を狙う。色仕掛けで一人は殺ったものの女一人の徒手空拳、一味とグルの悪徳商人の毒牙に操を奪われてしまう。絶望し自死を思う女を留めた頭取、欲をかいた一味が代官領からの蔵米を奪い私する証拠を押さえ、番所衆全員引き連れて勘定奉行を狙う黒幕・筆頭吟味役のもとに乗り込み大立ち回り。しかし、夫の無実が証明されたことを聞くや妻女は仏壇の前で自刃してしまうのだった。このことを頭取に告げられず空言を報告のとっつぁんの胸中を察する、渋い出雲なのであった。
 ロケ地、蔵奉行一味が札差・武州屋に三十六番所に尾けられたことを告げる、相国寺鐘楼(後段の金の授受も同所)。夫に詫び入水未遂の八重、広沢池東岸汀。筆頭吟味役・榊原邸、相国寺林光院。小笛とツナギの出雲が銃撃される、大覚寺大沢池(難を避け水中に飛び込み。刺客をやっつけたあと抜き手切って泳ぐ出雲の姿も見られる)
2004/4/1

■ 暗闇仕留人 第22話「怖れて候」1974.11.23朝日放送/松竹

 獣のような男から逃れ江戸の家に帰り着く女、しかし少しの物音にも脅える日々。そして遂に獣はやって来て山へ戻るよう脅迫。我が身をあきらめ子を父に託し山へ赴く女、そのとき仕留人たちは裏で獣を操る女の叔父を始末し、山中の小屋にて待ち構えるのであった。
 ロケ地、大吉が荷車を引いて駕籠屋と競争の街道、北嵯峨農地(竹林際、畦道)。熊蔵たちが砂金採りの川、保津峡落合河口部。以降、逃げ出したちよと檜屋一行が出会うくだりに崖上と河口部を使い、熊蔵に返り討ちにあう山狩りの男たちのくだりはトンネルを使って。北町奉行所、京都御所管理事務所北門。檜屋の主人が用心棒を雇いに行く道場、大覚寺明智門。子を抱いて菩提寺の玉泉院へ来るちよ、西寿寺墓地。大吉が檜屋を呼んできてからのくだりに山門、石段、鐘楼、本堂も映る。ちよが秩父へ発つ道、大覚寺大沢池畔。孫を抱いて見送る檜屋、放生池堤。これを窺う儀助と、暗殺に来た貢のくだりは護摩堂から天神島へ移動してゆく。祠に儀助を押し付け仕留める貢の場面では、大楠の向こうで何も知らず孫に小便をさせている檜屋の姿を映す。秩父山中・アシビ谷の山小屋、酵素。ダート部も使用。事後、大八を引いて去る大吉のシーン、落合崖上を桟道から見上げ。
*夫を殺して女房は二年間も監禁のケダモノ熊蔵、江戸では屈強の用心棒たちもビビって逃げ出す凶暴さ。最後の大吉の仕掛けの際も手強く、小屋なんかかしいでしまう始末。心臓掴みが空振りというオマケもついている。

■ 暴れん坊将軍 II 第1話「一番神輿が俺を呼ぶ!」1983-1987テレ朝/東映

 徒歩目付の若者と恋仲の魚屋の娘、男に縁談あるを嘆き自死と見えたは偽装殺人で、談合を聞かれた目付と富商の陰謀、そもそも縁談も仕込み。暴発する若侍と娘の弟を抑え保護した新さん、ワルを断罪。
 ロケ地、津川文之進が城中で暴れた経緯を聞く弓のお稽古上様、姫路城天守をバックに。失踪した弟の行方を探すめ組のシーン、渡し場は罧原堤下河原。目付の悪行について報告を受ける新さん、相国寺庫裏前。弟が侍たちに囲まれピンチに駆けつけチャンバラ新さん、鐘楼脇。目付・兵頭内膳邸、大光明寺
*文之進をやり過ごし高笑いで賄賂の受け渡ししている座敷に飛んでくる正義の扇、弧を描いて障子を突き破り悪徳商人の手に刺さる。血ダラーっと出てしかも抜けないハイパー扇。新規お庭番の活躍も天井板割って乱入のさぎり、土中から出現の才蔵と派手。成敗は二段構え、ひとしきりワルを相手に立ち回り、後日お城に召し出して「カーン」。本日のワルをつとめる南原宏治は「もはやこれまで」と斬りかかってくるが制止され、庭に走り降りて意味不明の呟きを残し自刃。
*第二シリーズ、キャスト変更は庭番二人、さぎりに才蔵。新規参入に今回の主人公・文之進。龍虎はなにやら診療所を開いている。テーマ音楽とアイキャッチが少ぅしアップテンポになり、OP上様は白馬に昇格。


■ 江戸を斬る III 第18話「医は仁術か算術か」1977.5.16C.A.L

 お政の霍乱を糸口にはじまるお話、最初に来た金ぴか衣装の表御番医は欲深の藪医者、次は襤褸を着た変わり者の名医。ヤブのほうは回船問屋と組み薬の横流しで大儲けを企むが、良心的名医に患者が流れるのを恐れ、ゴロツキを使い医療事故を装ってハメる。母の恩人に報いるため紫頭巾が出張り、口封じされかけるゴロツキを助け、仕上げは金四郎が踏み込んで幕。
*ヤブに遠藤太津朗、ぐぬーぐふーと呻く声が見苦しさ満点の好演、きらきら衣装も恰幅よい体によく似合う。高潔な名医には大滝秀治、目つき鋭くなんか毒盛りそうでもあるが笑うと福々しくて可愛かったり。しかし声を聞いているとお酢を勧めそうな感じ、あのCMは印象強すぎ。

■ 斬り捨て御免! 第5話「捨て身の勝負 江戸の花」1980TX/松竹/歌舞伎座テレビ

 お話は旗本奴と町奴の対立、これに町奴を束ねる実力者「風吹けば」散右衛門と娘の確執がからむ。頭取は旗本側からきな臭い嫌な匂いを嗅ぎ取り、散右衛門の内懐に飛び込み信頼を得るが、旗本たちの策謀で悲惨な事態に。出雲は怒りのオーラをまとい、ほぼ暴徒と化した旗本奴たちを雨の夜に斬り捨てる。
 ロケ地、意味なく中間を無礼討ちし抗争の発端となる旗本・田所邸、相国寺大光明寺(門、前庭)。この事件を頭取に報告の小船、広沢池東岸。散右衛門の娘・おきみに接触の出雲、大覚寺天神島(導入のショットは祠裏から)。事後、旅立つおきみを見送るおふね、広沢池西岸
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