時代劇拝見日記
2006年6月

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて  ・サイトトップ

←2006/52006/7→

2006/6/30

■ 遠山の金さん 第28話「折鶴の謎を追え!!」1976.4.8NET/東映

 立て続けに二人の医者が殺される事件、意味ありげに合掌の上に銀の折鶴。母を診て貰えず死なれた恨みと思いきや出てくるのは幕閣がらみの汚職で、兄弟には温情裁きが下る。
 ロケ地、寄場帰りの長兄について妹に聞く金さん、今宮神社境内。殺された二人は御目見得医師候補と報告する青木さま、中ノ島橋下手右岸堀端
*長兄、死んでる医者見てややこしい細工…せめて恨みのとか言ってるけど、なんでそんな余計なことを。*次兄を見張っていたお竜に差し向けられる刺客、リーダー格は阿波地大輔で手下に福ちゃん。金さんに見事な空振りをやらかしたあと、ちょんと小突かれて堀落ち。

■ 水戸黄門21 第1話「悪鬼が巣食う岡崎城」(前)1992.4.6TBS/東映

 岡崎藩の後継をめぐる内紛、次席家老と側室の専横に上の姫様が老公に縋る。襲い来る謎のドクロ団(忍者?)を薙ぎ払いつつ岡崎を目指す一行、途中で出た小松政夫のニセ黄門を使っての世直しもしてゆく。
 ロケ地、袋田温泉イメージに袋田の滝。水戸城、大垣城天守。袋田へ急ぐ鶴姫が毒を盛られかける茶店、酵素ダートか。忍群に襲われる姫らを助ける弥七ら、谷山林道。忍群と混戦の河原、木津か。岡崎城、松江城天守
*第1話はスペシャル。*次席家老が追い使う怪しの海賊の首領は川合伸旺、ニセ黄門は小松政夫。国家老の娘の許者に中条きよし。

■ 銭形平次 第201話「紅い手裏剣」1970.3.11フジ/東映

 万七親分の燃え上がる恋、しかし相手は盗っ人の娘で、札差に入る大金の運搬ルートが目当て。娘の親父は本格の盗賊、粗暴な手下に背かれた意地から最後の華と名人芸を見せようとしていた。
 ロケ地、万七がお国とデートの神社、今宮神社(本殿ほか境内各所。舞殿前に簾立てて茶店あしらい)。蔵前の札差へ金を運ぶ途中喧嘩(雇われ者のお芝居)に巻き込まれる土手、東高瀬川堤(背景に松本酒造酒蔵)。仙造が金の入った長持を沈めてあった川、東一口の前川か(難を逃れて一時長持を運び入れた小屋の裏手という趣向、土手に張り出した建物が見える。護岸は石垣)
*万七親分の家族設定、女房に先立たれ息子が一人。前に出た坊よりかなり育っている。この子を見捨てなかったことで平次は老盗賊を目こぼし。タイトルの手裏剣は仙造の元手下が使う得物、こいつは血も涙もない凶賊。*見ものはやっぱりうきうき万七、くねくねと女に迫る気味悪さ満点のしぐさは絶品。巨体を揺するのが可愛いんだよね。
2006/6/29

■ 銭形平次 第200話「盗賊に賭けた十手」1970.3.4フジ/東映

 義賊と呼ばれた男は島から帰り更生を期するが、元の手下の困窮を見捨てておけず一度きりと盗みに入る。その金が外道に狙われ、悲劇を出来する。
 ロケ地、亡妻の墓に参る島帰りの佐吉、黒谷墓地。隼の伝三が金を持ってこいと呼び出す大妙寺、不明(お堂脇に蔵、塀はクリーム五本線入り)
*仲間の錠前師の老爺の孫がさらわれ身代金に盗った金が要求されるが、親分は変装して佐吉とともに現場へ同行、語り草だと笑う。
2006/6/28

■ 銭形平次 第199話「暮六つの鐘」1970.2.25フジ/東映

 幼い頃生き別れた父親の形見の仏像、愛する女のため売りに出したところ当の父の目に留まる。しかし父は大金を出してそれを購おうとし、道具屋に悪心を起こさせてしまうのだった。
 ロケ地、父に香華を手向けに行きとんだ天一坊と京屋を叩き出された彦太がぶらつく川端、罧原堤下か(平次に報告に来る八のシーンも同所)
*彦太に地井武男。
2006/6/27

■ 銭形平次 第198話「大外れ壱番富」1970.2.18フジ/東映

 富商乗っ取り話。主と後継を殺し店を牛耳る番頭だが、闇から脅迫の手。結局その店の経営方針である、商才ある者をよそから引き抜き役立たずになるとポイという手口が招いた悲劇と知れる。狂言回しに富籤狂いの若者を出し、オチも彼が締める。
 ロケ地、湯島天神の富突場、木島神社舞殿。欲をかいて一番富を受け取りに来た用心棒を追っかけてやっつける親分、黒谷墓地
*富籤狂いの優男は川地民夫、溝に落ちてた財布に入ってた大当たり五千両の富籤は濡れてパァ、最後は八が着物を持ってゆく質屋の店員で渋チン商人を演じ笑いをとる。
2006/6/26

■ 眠狂四郎 第26話「狂四郎に明日はない」1973.3.27関テレ/東映

 酒肆で見た大トラの元深川芸者、彼女が荒れる訳は赤毛の子を産んだことで、伴天連を転ばせる道具に使われたのだった。不幸なその子を保護する美保代、しかし坊は狂四郎が知る秘密を求める一味に拉致されてしまう。
 ロケ地、墓地をゆく狂四郎、化野念仏寺石仏群越しに陣の外をゆく姿を望む(坊を人買いから庇う美保代のシーンでも出る)。寺へやって来た美保代の駕籠と出かける狂四郎が行き違いになるくだり、狂四郎は高山寺裏参道塀際、美保代の駕籠は茶園前を石水院のほうへ向かう。坊の身柄は金と引き替えと迫る山伏、下鴨神社河合社脇。指定の御嶽坊へ出向く狂四郎、高山寺石水院脇石段。狂四郎が渡した刀を折る山伏、開山堂
*最終回で出てくる祖父の大目付は芦田伸介、強い不快感を示す狂四郎だが、美保代が遺した坊は祖父に託される。最後の殺陣は強面の山伏と対決、斬られて倒れるがちゃんと帰ってくる。ラストシーンは「母の墓」、母と彫った墓標がひとつ増える。ドラマが終わったあとには撮影の思い出を語る(?)正和のサービス(?)映像入り、国際会館や鴨川べりが映る。

■ 銭形平次 第197話「系図のない武士」1970.2.11フジ/東映

 斬られた男が言い残した侍の名、出てくる二人の「同名」の浪人。裏には出自を偽っても仕官したい足軽出身の男の事情、系図を騙し取られた浪人には病の妻、武士の体面が引き起こした事件という、銭形お得意の「お侍ってヤツは」パターンのお話。
 ロケ地、系図を仲介した六造が斬られた石地蔵、大覚寺石仏護摩堂の間(裏手から)。「頬傷」ホンモノ相楽が六造に詰め寄るのは五社明神。「頬傷」相楽が平次に経緯を告白するのは仁和寺経蔵前、九所明神脇。「小林」ニセ相楽がグルの酌婦を始末しかけるのは哲学の道・宗諄女王墓脇右岸堀端(墓所前の橋も映る)
*ニセ「相楽」に小林昭二、秘密を知る者の口を封じ明日は屋敷入りの手前で捕まり。
2006/6/25

■ 松平右近事件帳 第33話「妻恋いしぐれ」1982-1983日テレ/東映

 結ばれる筈だった男女の、掛け違う運命。親方の許しなく修行に出た男も、彼の子を身籠っていた女も不幸なままだった五年の月日は、男の死によって昇華される。
 ロケ地、仁吉が浪人者に襲われる東海道品川宿外れ、舞子浜。通りかかった右近が彼を助け浪人を撃退する段では大覚寺大沢池堤にスイッチ。親方の墓に詫びる仁吉、不明(巨大五輪塔並ぶ)。魚とりの正太に声をかける仁吉、広沢池東岸
*仁吉は玉屋の花火職人、そこの娘と結婚予定だったが、無理に加賀へ修行に。そこで加賀藩の火薬密造を知り追われることに。演じるのは三田明で逃げる際ついた傷を顔に貼り付け。お相手は小林かおり。
2006/6/24

■ 遠山の金さん 第27話「花の廓の闇に咲け!!」1976.4.1NET/東映

 仇討ち姫のお話、敵を待ち受ける舞台は吉原。男に靡かぬ人気の太夫は実は姫様、土田早苗がきりりと演じる。
 ロケ地、北町を出て吉原へ帰る太夫の駕籠を見送る金さん、上賀茂神社ならの小川畔。一葉斉藤が手品をしている横で種明かしのいたずら金さん、今宮神社境内。
*ワルは将軍の若様の守役、近藤宏で手下は内田勝正。*雲の上の太夫に袖にされに行く男たち、一発目は赤目のダンナで120両請求され付け馬。お次は金さんで250両要求され桶伏せ。*OPがレギュラー写真入りに。

■ 座頭市物語 第22話「父と子の詩」1975.3.13フジ

 たちの悪い貸元にたばかられ身を持ち崩した八州回り、用心棒として無為の日を送るが子の危機におっとり刀で奔り大立ち回り、「生まれ変わって」歩みだす。
 ロケ地、市が用心棒の子と出会う橋、不明(欄干の違うのが二つ見える。低いほうは若森廃橋に似て、材は朽ちている。高いほうは用心棒が子と旅立つラストシーンにも出てくる。←橋蔵「平次」などでも時々見る橋と同じか)
*用心棒に田村高廣、仏頂面で役目をつとめ酒ばかり呑んでいてほとんど口も聞かないが坊がさらわれたと知るや一転、貸元宅へ走り出す。これからが大活劇、走る姿からもうキマっていて殺陣は絶妙、小躍りして斬り下げる豪快さはさすが阪妻の血。また、この間市は表で様子を窺っていて入ってこないのがたまらなくイイ。貸元に田中邦衛、つるむ役人に菅貫、お二人とも持ち味を発揮し見どころ多し。
2006/6/23

■ 眠狂四郎 第25話「黒髪が殺しを呼んだ」1973.3.20関テレ/東映

 悪者から救い出した娘は斬られ、結ばれるべき男女は破滅。大元のワルは斬って捨てるものの、狂四郎の心が晴れることはない。
 ロケ地、海賊・相模屋の唐丸が運び込まれる近江屋別宅、中山邸門。大目付の手下が狂四郎に殺到する竜勝寺境内、永観堂御影堂前。相模屋の娘が落命したことを確認し場を去る狂四郎、永観堂境内か(池畔の緩い坂)
*近江屋の横恋慕で引き裂かれる男女に伊吹吾郎と葉山葉子。

■ 銭形平次 第196話「木枯しの女」1970.2.4フジ/東映

 ダニのような男に見込まれてしまった女の話。島抜けした男が彼女のもとへ現れるのは防ぎ得ず、女が自棄ぎみに平次に語った通りの結末を迎える。
 ロケ地、中山道本庄宿、通行人改めの検問を突破して逃げる権次、不明(山道と野原)。奉行所門、大覚寺大門。平次の回想、権次の女・お滝の「身代金」をやり取りの寺(?)、不明(水場、手すりのある石段、前に大灯籠のお堂)。お滝が権次の強盗仲間に呼び出される神社、今宮神社境内。その男を尾行しかけた八が万七にぶち当り見失うのは東門。権次に殺された地回りの死体が見つかる護国寺音羽町、大覚寺大沢池北西畔。平次の回想、権次と切れるよう女郎のお滝を説得した音羽町の堤、大覚寺大沢池堤。同じく回想、板橋宿で佐渡送りの権次を見送るお滝、不明(両岸に竹林の川に木橋)
*お滝に桜町弘子、悪いヒモと離れられぬ悲哀を熱演。
2006/6/22

■ 眠狂四郎 第24話「禁じられた肌に泣く」1973.3.13関テレ/東映

 祝言の真っ最中に告げられた新妻の出自、血の禁忌ゆえ夫婦になれぬまま過ごす長い時間は、女の心を狂わせていった。
 ロケ地、お堂の縁先で寝ている男に「仕事」を持ちかける女、大覚寺護摩堂(稲荷大明神の幟あしらい、石仏も映る)。下総・江戸往還の船、不明。妻に手を触れなかった訳を狂四郎に告白する弟分、罧原堤下か。ラスト、河原をゆく狂四郎(ロング、コマ落しでぱぱっと移動)、松尾橋上手桂川か。
*弟分の女房に迫られた挙句死なれ、申し訳が立たぬと一家を解散・討たれる覚悟をする親分に佐藤慶。弟分は藤巻潤、彼を慕う義妹に奈美悦子。狂四郎は三人をまんべんなくケアするマメさを見せる。血がどうたらいうのはやはりぐさぐさ来るらしい。*弟分の手下で狂四郎に叩きのめされる一人に福ちゃん。

■ 銭形平次 第195話「江戸っ子長屋」1970.1.28フジ/東映

 とにかく騒がしい「お祭り長屋」に巻き起こる泣き笑い人情劇、酒癖の悪い職人を皆して懲らしめてやろうと仕組んだ芝居は、本物の殺人事件に発展する。
 ロケ地、締め出しを食った熊五郎がならず者に襲われる師匠を助ける寺の境内、金戒光明寺本堂脇(西側)
*長屋住人の一人に汐路章、連行される熊五郎にカマすねっとりした皮肉が大笑い。善人でもねちねち汐路章面白すぎ。*熊五郎の娘を見返る優男の若旦那に近藤正臣、平次の指摘に「違う」と発する裏返った高声が巧い。

■ 座頭市物語 第21話「湖に咲いたこぼれ花」1975.3.6フジ

 市が心中者を見るところからはじまるお話、その後入った酒肆で会った気のいい女が「待っているの」とうっとり話す男の名は、心中者の片割れと同じなのだった。
 ロケ地、湖畔、広沢池か(水面と葦原しか映らず判断材料に乏しい。根拠は亡骸となった男の髪を梳かす女のシーン、櫛を水で濡らす汀に浮いたオイル状の汚れ)
*色悪に林与一、済まないねぇとよよと泣く顔が酷薄な表情に切り替わる妙が見もの。彼を待ち続ける健気な女郎に小川知子。*大きな桶を被され、てとてとコミカルにステップを踏んだあと、ばらっと桶がきれいに割れて市登場の立ち回り傑作。
2006/6/21

■ 銭形平次 第194話「鬼子母神参り」1970.1.21フジ/東映

 材木商乗っ取りの企み、子が主の実子でないとの疑いを吹き込み破滅に追い込もうと謀るワル。翻弄されずたずたに傷ついた夫婦仲の修復にも一役買う親分、ルーティンの為吉お民の夫婦喧嘩をうまく本筋に取り込んだ、小気味よい作りの佳作。
 ロケ地、出合茶屋聞き込みの帰りに平次らがお民を見かける道、宝塔寺参道。平次らが身を隠すのは塔頭の大雲寺。お民が入ってゆく四谷坂下・日宗寺(鬼子母神)宝塔寺仁王門。お参りのお民に声をかけるのは本堂前。
*仙石屋主人に御木本伸介、女将に馬渕晴子。

■ 眠狂四郎 第23話「謎の女は闇を恨んだ」1973.3.6関テレ/東映

 盲目の巡礼娘を助けたことで田舎大名の若様に恨まれる狂四郎、刺客が放たれる。女房を使い狂四郎に毒を盛り視力を奪う手に出てくるが、ピンチを救ったのは巡礼娘が語った言葉だった。
 ロケ地、巡礼娘をいたぶる大名の馬鹿息子を懲らしめる水辺、大覚寺大沢池(背景に心経宝塔映り込み)。若様の馬に少女を乗せ道をゆく狂四郎、大沢池北辺水路脇か。追っ手の気配を感じ少女に同道できなくなったと告げる狂四郎、北嵯峨農地竹林際(馬鹿息子の手下が来て果し合いの場所を告げる段では農地映り込み)。雇われ浪人たちが待つ神社、鳥居本八幡宮。ちょっとまともな刺客の一人(和崎俊哉)との斬り合いは罧原堤下か或いは琵琶湖流入河川か。奸計をもって狂四郎に仕掛けた浪人(渡辺文雄)とやり合う海辺、琵琶湖(背景に雪嶺)
*最初に味噌汁に盛られた毒には気付く癖に、酒に入ってるのはぐびぐび呑む狂四郎…鋭いんだかいい加減なのかよく判らない。
2006/6/20

■ 眠狂四郎 第22話「尼寺に臙脂が匂う」1973.2.27関テレ/東映

 関白の娘に己と同じ孤独を見た狂四郎は姫を保護、送り込む東慶寺には美保代がいるが二人がまみえることはなかった。
 ロケ地、父の仇と狂四郎を襲う剣客の娘、広沢池西岸湿地。鎌倉・東慶寺、宇治・興聖寺(琴坂、山門、境内)。押上・龍勝寺、龍潭寺(山門、鐘楼、本堂、苔庭ほか)。姫を連れ鎌倉道をゆく狂四郎(駕籠)広沢池北岸。興聖寺も龍潭寺も、内部がたっぷり映る。姫が去る際の龍潭寺山門見返りには、参道脇にあった萱葺が映り込んでいる。
*今回狂四郎危機一髪、剣客との勝負で惨めに死んだ娘の顔がフラッシュバックし胸を斬られてしまうのがはじまり、姫を狙う一味がお庭番を多数動員してくるので負傷している狂四郎はふらふらで立ち回りを演じることになる。挙句の果て銃弾を浴び↓しかし生きてるから怖い…さすがに寝込んでるけど。それにしても弾着は派手だった。*サブタイトル「臙脂」の訓は「べに」。

■ 銭形平次 第193話「いぬ」1970.1.14フジ/東映

 平次に回ってきた嫌なお役目はお町のダンナの身辺調査、悪人どもが俺たちをなんと呼ぶかとお弓に問う親分の渋面が物悲しい。貧に喘ぐ浪人が何を仕出かして今に至ったか丁寧に描かれ、悲惨な結末を迎える。
 ロケ地、近藤のダンナに付くよう手配された平次が挨拶に出向く茶店、中ノ島橋上手中州岸に床机セット(近藤は堰堤脇の岸辺に佇み、平次らは橋を渡ってくる)。お兼婆さんの墓、近藤が供養している八丈送りになった畳職人の墓、不明(同じ所、平地と傾斜地で使い分け)
*抜け荷一味と結託との投書が来る鬼同心は川合伸旺、複雑な人間性を好演。*後味わるい結末に苦り切る親分、大事の十手も放り投げクサるが、八のてーへんに反応しぱっと手にしてバツ悪そうにする顔が可愛い。

■ 名奉行!大岡越前2 第7話 2006.6.20テレ朝/東映

 香織が知り合い懇意にしている小間物売りの女、母を亡くした香織と娘を亡くした女は深く心を通わせる。女は娘の死因を作った相手を許せぬまま十年を過ごしてきていた。
 ロケ地、おふじに届ける花を摘む香織、大覚寺大沢池北東汀。丹波屋の女将が殺されて見つかる郊外の野、鳥居本八幡宮広場。縁日で香織とおふじを見かける大助、今宮神社境内。舟着きに佇むおふじに声を掛ける香織、広沢池東岸。二人に声を掛けおふじに挨拶するお奉行、大覚寺放生池堤。十年前の誘拐事件のことを口にするお奉行、大沢池畔に茶店セット。おふじが丹波屋の女将を亡き娘の花簪で刺した野原、鳥居本八幡宮広場(夜)。事後、川辺に佇む香織のところへやって来るお奉行、上賀茂神社ならの小川。
*おふじは浅茅陽子。*おふじのことを父には内緒と大助に話す香織、お奉行の誘導にコロっと乗ってつらっとゲロる大助にカンカン。また、おふじに突然絶縁を言い渡され「父上が」と怒って「表」にずんずん罷り通るオーラを一同恐れるさまが大笑い。
2006/6/19

■ 銭形平次 第192話「春の風来坊」1970.1.7フジ/東映

 清廉な勘定奉行を陥れる陰謀、行動を制限されながら動く親分が行く先々で見る口入屋の俄か番頭は、閉門となった奉行の潔白を晴らそうとしていた。
 ロケ地、勘定奉行・秋月主馬邸、相国寺林光院(竹矢来を結われた閉門の場面と、晴れて標が解かれ「半次郎」のままの息子が入ってくるシーンでは式台玄関も)
*調子よく口入屋へ入り込む半次郎に舟木一夫、屋台で主題歌を盃叩いて歌うサービスあり。秋月を信じ続ける口入屋の娘は大原麗子。秋月の後を狙うワルと組む悪徳商人に神田隆。*商人たちが山吹色のお菓子携えて勢揃いの座敷に踏み込む平次、ぶちまけた菓子が全部おんなじ最中なのが笑える。

■ 眠狂四郎 第21話「女の蕾は二度ひらく」1973.2.20関テレ/東映

 米の流通を一手に握ろうとするワルは邪魔者を次々と暗殺、雇われた殺し屋はご丁寧にも死体に「狂」の字を刻んでゆく。殺し屋を追う老岡っ引に頼られたりする狂四郎、文字若が狂犬にさらわれるときちんとやって来るのだった。
 ロケ地、和泉屋が殺し屋に暗殺する相手の顔を見せる料亭のイメージに錦水亭
*文字若と経緯のあった残忍な殺し屋に内田良平、紫頭巾がコワい。老目明しに花沢徳衛。

■ 必殺仕事人V激闘編 第4話「顔と態度で損した親分の一生」1985.12.13ABC/松竹

 タイトルの、どんな顔よの親分は遠藤太津朗。にこやかに子供に話しかけると泣かれ道を歩くと人に避けられ、これっぽっちも悪気はなく堅気の衆の役に立ちたいのにと加代に愚痴るさまが大笑い。依頼者はこの吉蔵、佐渡金山へ身売りして金を作るまでの恨みは、民の尊崇を受ける偽善者の侠客に向けられていた。
 ロケ地、忠治ばりに山に籠る仁吉の小屋、下鴨神社糺の森池跡にセット。闇の会へ急ぐ加代が走る路地、相国寺大光明寺南路地(南側の塀越し)。仕事をとるため工作するのは法堂基壇や鐘楼(このあと中へ入っていく→闇の会)。伊香保へ向かう仕事人たち、北嵯峨農地か。代官が「横流し」の米の荷を襲う仁吉たち、下鴨神社河合社脇。仁吉に貰ったその米を分配する村人たち、鳥居本八幡宮
*仁吉は河原崎建三、痛快時代劇ではしょっちゅう被害者なのでさすがに「善人面」がよくお似合い。悪代官は五味龍太郎。*国定忠治もじりは遠藤太津朗が船で伊香保を去る際に唸ってくれるほか、当地を去る主水が「代官と刺し違えて死んだ義民の大親分」の墓を見たりしている。

■ 必殺仕事人V激闘編 第6話「加代、丸坊主になる」1985.12.27ABC/松竹

 的は生き仏と崇められる大僧正、叩けば出る埃は思いきり生臭。「依頼者」の子供は、元締が拾っていた尼僧の生んだ子という情話もついている。
 ロケ地、闇の会に遅刻した加代が走る路地、相国寺大通院西路地。入るのは鐘楼。人々が生き仏と誉めそやすなかを行く隆顕僧正の輿、仁和寺参道。人の波の外であれが的と竜に金を渡す加代のシーンでは相国寺方丈塀際にスイッチ。僧正の輿が入ってゆく大門、仁和寺二王門(表側から)。秋月尼の忍性院、相国寺大光明寺門〜前庭。二王門は夜に雲水が詰めて警戒していたり、相国寺方丈の塀は政の潜入の際にも映る。この潜入で僧正の建徳寺と忍性院は回廊でつながっていて好き者たちを導く仕掛けと知れるが、その回廊は妙顕寺本堂脇回廊と裏手の方丈へ行く回廊を使用、後で出てくる赤子を連れて逃げた尼僧が殺される三叉の石畳も妙顕寺と思われる。その尼の塚は不明。このほか、仕掛の段では上記の寺がめまぐるしく入れ替わり立ちかわり使われる。加代がツナギの文を外へ放るのに大光明寺中仕切前や、竜が好き者のご婦人と尼寺へ入る大光明寺南通用門や、雲水を倒す政が法堂基壇にいるかと思えば、仁和寺二王門から壱が建徳寺へ入ってゆくといった次第。
2006/6/18

■ 松平右近事件帳 第32話「帰って来た土蔵破り」1982-1983日テレ/東映

 鬼と呼ばれた岡っ引の父に反発し家を飛び出した息子は、賊の一味に成り果てていた。手配書を見て苦悩する岡っ引、父の病を知る息子、情は通い合うが死は二人を隔てる。
 ロケ地、岡っ引・佐平が息子とよく釣りをした池、大覚寺大沢池(大沢池堤、佐平が佇むのは天神島汀)。江戸を離れるべく千住へ向かう賊一味、神護寺参道南の道。右近に立ちはだかられ立ち回りは林間かわらけ投げの崖。文吉の島送り、広沢池東岸(船番所セット)
*佐平に内藤武敏、息子の文吉に星正人、賊の首領の旗本の部屋住みに五味龍太郎。
2006/6/17

■ 座頭市物語 第19話「故郷に虹を見た」1975.2.20フジ

 腹違いの弟の罪をかぶり故郷を出た兄が三年ぶりに帰って見たものは、人手に渡り変わり果てた店の姿。感情のもつれは命のやりとりまでいくが、絆は断ち切れない。
板前の兄に藤田まこと、弟に河原崎建三、妹に真野響子で父は浜村純と濃い家族。裏で糸を引き店を乗っ取った悪辣親分に織本順吉、市をべたべた触り嫌がられるのが傑作。手下に長谷川弘。親分の毒牙にかかる寸前の「妹」を助けに入る市の立ち回りが圧巻、女を庇いつつ振るうドスは見もの。
*ロケ地、山道や川べり等ほぼ不明。

■ 座頭市物語 第20話「女親分と狼たち」1975.2.27フジ

 先代が兄弟盃の狩場一家と松葉一家、互いの息子を交換し育てる仲だったが、狩場一家の女親分が育てた「息子」は増上慢の荒くれとなり狩場のシマも狙う始末。そこへ堅気の職人として育ったはずの狩場の後継が渡世人になって帰ってくる。市は女親分の組を潰したい意向を確かめ動くが、二人の息子の対決は避けられぬ運命だった。
 ロケ地、幸助に堅気になってと迫る松五郎の妹、大堰川河畔か。養母には手を出さぬという松五郎に焦れ、狩場の女親分を殺そうとした子分どもが市に殲滅される林、鳥居本八幡宮広場。サシで勝負の松五郎と幸助、大堰川河原か。
*松五郎に佐藤慶、幸助に山本圭、役者の個性がよくハマる配役。女親分はミヤコ蝶々。

■ 遠山の金さん 第26話「金の大黒を追え!!」1976.3.25NET/東映

 岡っ引殺しを目撃した寄場帰りの男は、訳も判らぬまま事件の中枢に。金さんに操られたうえ亡き岡っ引の娘に縋られてしまった彼は、蛮勇を奮い金の横流しをしていた札差のもとに乗り込んでゆく。
 ロケ地、札差の放った刺客に襲われる寄場帰りの正吉、大覚寺五社明神。密命を与えた岡っ引が殺されたことで悔悟の念しきりの青木与力が正吉に土下座して頼み込む水辺、大沢池(水無し)
*お調子者の正吉に尾藤イサオ。タイトルの大黒は札差が佐渡金山からの金を金山奉行から横流しして貰い鋳潰し売り出すもの。
2006/6/16

■ 眠狂四郎 第20話「紅い唇に狂四郎は死んだ」1973.2.13関テレ/東映

 高崎への道、盗っ人の臨終に立ち会った狂四郎は勘定奉行の横領を知り狙われる羽目に。襲い来るは忍者、しかし彼らの事情を知った狂四郎はわざと罠に落ちてやるのだった。
 ロケ地、高崎へ向かう狂四郎が盗っ人の最期を見る野原、不明。勘定奉行の手下に用心棒は地獄へ送ってやったと告げる高崎へ15丁の道、北嵯峨農地竹林際。爆死した子の母が狂四郎を家へ誘う城下、大覚寺五社明神。忍者・黒丸とゆく碓氷峠、谷山林道
*冒頭「生まれながらの捻じくれた性格」と膝の抜けるようなナレーションが入るが、悪人には我慢ならずか弱き者の悲鳴を見捨てておけぬ典型的時代劇ヒーローと実のところは同じなんじゃないかと思われる節あり、今回も孫を亡くした爺さまにいたく同情してるし、盗っ人の遺言聞いて「成敗」してるし、極めつけは真田忍者生き残りの困窮者を身を挺して救うという「美談」。去り際には蛾次郎の忍者に幸村さまの顕現なんて言われて神様扱いされてるし。しかし毒呷って仮死状態はやりすぎ…つぅかそんな長い時間息止まってたらフツー死んでるからやっぱり人外か。

■ 銭形平次 第191話「雪の降る町で」1969.12.24フジ/東映

 餓死者逃散相次ぐなか直訴を企てた庄屋、彼を捕縛に赴いた男は幼児を死に追いやるに忍びず指揮者の目付を斬り出奔。お話は、この男がささやかな幸福を夢見たところで断ち切られる。親分は男が守り通した子が捕われようとするとき侍たちの前に立ちはだかり、気迫で追い返す役まわり。
*ロケ地なしセット撮り、郷原浪人に小池朝雄、心を通わす酒肆の女将に赤座美代子。

■ 剣客商売スペシャル 「女用心棒」2006.6.16CX/松竹

 三冬が関わった誘拐事件は仔細ありげ、さらわれかけた娘の家には複雑な事情が隠されていた。大店の身代をめぐる行き違いやあきらめねばならぬ淡い恋は娘を苦しめるが、思い決めて臨んだ結納の席で彼女は望外の喜びを知る。

ロケ地
・井関忠八郎の十三回忌法要が営まれる寺、金戒光明寺阿弥陀堂。式のあと行われる追悼試合は方丈前庭(西望のアングルでは御影堂側面が映り込む)
・橋場・大川べりの山崎屋の寮へ行ってみる秋山父子、宝厳院通用門。
・山崎屋の迎えが来て秋山道場から帰るお雪の駕籠が通る道、民家塀際(西望、昼間)〜田畔は亀岡の田んぼか。
・弥七の店で手配を済ませ船で隠宅へ帰る小兵衛夫婦、八幡掘西の湖葦原松本酒造酒蔵合成(蔵の後ろの山は安土山、蔵は少しいじってある)西の湖
・道場へ捕えてあった男を逃がし泳がせる場面、足を引きずりながら去る渡り中間を見やる傘徳のシーン、民家塀際(東望・西望両方のアングル、夜間か早暁か)
・山崎屋の一件を田沼に告げにゆく小兵衛、門は随心院薬医門、会見は書院座敷。
・小太郎を鐘ヶ淵へ預けにゆく大治郎を見送る三冬、大覚寺大沢池堤
・山崎屋の庭に佇むお雪、洛翠庭園の池畔・橋たもと。
・お雪を平河天神に連れ出す三冬、休む門前の茶店は下鴨神社河合社前にセット。
・大治郎が出稽古に赴く平河天神裏の関口道場、随心院長屋門
・関口の門弟・小金吾と話す大治郎、不明(遠浅の干潟)
・不二楼で小兵衛と会った帰りの「隠居」をつける胡乱の浪人たち、嵐山自転車道か。襲撃は大覚寺五社明神(中の人は小兵衛で退却)
・その日山崎屋へ泊まった小兵衛が翌朝用心棒で入っている三冬と打ち合わせの庭、洛翠庭園・池畔橋たもと(渓猿亭映り込み)
・番頭に狂言と言い含められ夜中に家を抜け出したお雪が駕籠に乗せられゆく道、大覚寺五社明神(傘徳が尾行)丹波国分寺(小兵衛らが討ち込んでラス立ちもここ、門を中心に内外様々なアングルで用いられる。下ッ引が張り込む場面では石仏群も。立ち回りはセット中心、一部門付近使用)
・田沼に次第を告げる小兵衛、随心院書院(座敷、縁先)
2006/6/15

■ 眠狂四郎 第19話「魔性の女に男が哭く」1973.2.6関テレ/東映

 軽輩から取り立てられた男は、妻を寝取られ家中に侮られながらも忠実に人斬りを続けるが、情勢が変わるや切り捨てられ「御家大事」のお題目が私欲と覚る。
 ロケ地、城代の使いが暗殺される鎌倉古街道、大堰川堤と河原か。幼馴染の鉄砲使い(江波多寛児)と釣りの甚内、大覚寺大沢池畔。甚内と、一人残った一座の娘を見送った狂四郎が歩む汀、広沢池か。
*お話は阿波蜂須賀家のお家騒動、後嗣を巡り城代と江戸家老が対立。病臥中の殿様は既にニセモノだが、もう一捻りあったりもする。西村晃演じる人斬り甚内のキャラクターが出色、凄腕の剣客なのに腰が低く被害者に謝って歩いたりしている。傑作なのは「落とすから」と金を持たせてもらってないエピソード、いくらなんでもかわいそうだろ…こういうの魔性の女じゃなくてただの鬼嫁では。その妻女は緑魔子で家老は名和宏。

■ 銭形平次 第190話「二度目の獄門台」1969.12.17フジ/東映

 平次がお縄にした男は真犯人が名乗り出て釈放、しかし親分は信念をもって丹念な調査を続ける。積み上げた事実と細やかな情は、頑なに自分がやったと主張する男を陥落させる。
 ロケ地、米問屋に押し入った仙八が逃走するルート、橋と川は中ノ島橋と下手の河床。
*月番が代わるので未解決事件を残すなとか、事務がややこしくなるから再吟味はダメとか思い切り勝手なことを押し付けられる親分、こういうときは樋口のダンナは出してこず吟味与力がご登場。*ならず者同士の義理と半ばヤケで罪を引き受けてしまう儀三郎に森健二、仲間を騙しまんまと牢から出たうえ平次にキツい嫌味をかます極悪人・仙八に深江章喜。
2006/6/14

■ 眠狂四郎 第18話「悲しみは闇に消えた」1973.1.30関テレ/東映

 己の編み出した剣をもって世に出ることを夢見る男、その夢が二人の女を不幸に陥れる。そして「剣」は円月殺法の前に散る。
 ロケ地、藩勘定方が城代の手下と取引の神社、不明(檜皮葺の舞殿、傍に低い塀)。斬られ瀕死の勘定方に介錯を乞われる狂四郎、糺の森か(落ち葉みっしりの林床、カメラ真上から)。筧浪人が大道芸を披露する橋たもと、中ノ島橋
*剣客・筧浪人に西村利明、夜鷹に身を落として兄を支えようとする妹に吉田日出子、元筧の恋人で今は城代の愛人の魔性の女に中村玉緒。*起こりの「取引」は城代の公金横領を恐喝、横領の原因は愛人の芸者に貢ぐため。この城代、筧と芸者のシリアスな末期の場面で俺は悪くないと無粋に喚き、狂四郎にばっさり斬られてて笑える。

■ 銭形平次 第189話「能面の男達」1969.12.10フジ/東映

 面を被った男たちの押し込みは五千両。犯行に使われた能面を盗まれた富商が平次に語った、歪んだ人生観そのままの事件を「無益の殺生」と総括し親分は憤る。
 ロケ地、雇われ一味の虎吉が殺される墓地、黒谷墓地(回想シーン、後金を貰おうとして凄まれるのも同所)
*面マニアの美濃屋に山形勲、賊の首領に中田浩二。
2006/6/13

■ 眠狂四郎 第17話「岡っ引どぶが来た」1973.1.23関テレ/東映

 シバレンのもうひとつの人気キャラクター「岡っ引どぶ」がゲスト、どぶの追う事件に狂四郎が関わるかたちで進み、出てきた公金横領のワルどもを懲らしめたあと隠匿されていた五千両は資金繰りに難儀している大坂の大塩のもとへ。
 ロケ地、釣りの狂四郎に声をかけるどぶ、大覚寺大沢池水門脇。「島抜け」でどぶが追う政吉と失踪した芸者を見かけるどぶ、今宮神社境内(二人を見過ごしたと狂四郎に突っかかるのは石橋)
*どぶはもちろん初代・山崎努。はじめ胡散臭そうに「赤毛」とか言うどぶが、徐々に馴染んでいくさまが見もの。別れの際唇をゆるめ微笑する狂四郎が見られる。江戸へお救い米を運んできた大塩門下の正義漢に亀石征一郎、悪人要素全くナシは珍しい。

■ 銭形平次 第188話「四枚の花札」1969.12.3フジ/東映

 座頭殺しでいかにも怪しい女のアリバイを証言する元岡っ引の老人。平次に見せた敵意は娘の仇を渡したくない一心から、凄惨な怨念を生んだのは過去の無慈悲な振る舞いだった。
 ロケ地、按摩・茂の市の死体が上がる川端、罧原堤下河原。辻番所に弥七を訪ねた帰りの平次にお静が駆けてきて新たな死者発生を告げる路地、不明。弥七の娘の墓、金戒光明寺本堂裏手。
*悲惨な状況で娘を亡くし無慈悲な「四人」を憎悪する弥七に浜村純。憎さげな酒肆の女将(もちろん1/4)に白木マリ。すぐ死体の按摩に汐路章。*平次の好物と出される真桑瓜、弥七に食わせて貰った思い出の一品という挿話入り。手土産に包んで行くも投げつけられ気の毒な瓜、映っているのは「まっくわ」ではなくプリンスメロンかも。確かこの頃急激に作られなくなった覚えが。

■ 名奉行!大岡越前2 第6話 2006.6.13テレ朝/東映

 恋い慕う女のため謂れのない罪を着て出奔した男は、再び罪に落とされかかる。死も覚悟し全て己の仕業と主張する男だが、隠されていた真実がお白州で明らかとなる。
 ロケ地、村松藩江戸家老が娘に婚礼支度の進み具合を聞く庭、二条城清流園。斬殺された家老の傍らで血刀を持って立っていた佐竹浪人が捕縛される波除稲荷、今宮神社稲荷社前(白州での「再現フィルム」もあり)。牢内の佐竹の回想、柴田に渡してと鴛鴦の根付を託される水辺、広沢池東岸。柴田に相談を受け己が罪を着て脱藩すると申し出る佐竹、大覚寺護摩堂前汀。事後、逍遥のお奉行ファミリー、放生池堤
2006/6/12

■ 眠狂四郎 第16話「お洒落狂女が歌う」1973.1.16関テレ/東映

 対立する忍者集団、長の娘と息子の恋は凄惨な不幸を呼ぶ。惨劇を見て気触れになった姫のお相手に見込まれてしまう狂四郎、恋人たちを結びつける動きに出るが忍びの掟はそれを許さなかった。
 ロケ地、姫が遊ぶ林、下鴨神社糺の森泉川畔。姫を連れて船遊びの狂四郎、大覚寺大沢池。紅組の気配に船をつけさせるのは放生池堤、姫が逃れるのは天神島
*姫に珠めぐみ、狂四郎の刀を狙いまとわりつく盗っ人に小松方正、風魔の現頭目に大友柳太朗。「お洒落女」は町ゆく姫につけられた綽名、元が忍者だから悪さをする男たちがギタギタにされる場面あり傑作。

■ 銭形平次 第187話「二つの証言」1969.11.26フジ/東映

 恋人を思うあまり妓楼へ盗みに入る男、しかし目撃した小女は平次にも楼主にも頑として真実を語らない。男が盗ったのは、女たちを苦界に縛り付ける紙片だった。
 ロケ地、偽証した小女を待ち構え詰問するお弓、大覚寺護摩堂前。
*盗っ人が出てくる際お弓も居合わせ目撃、真実を証言したのに小女にミソをつけられ怒ったお弓はムキになり事態を転がす働きをする。
2006/6/11

■ 松平右近事件帳 第31話「拐わかし」1982-1983日テレ/東映

 事件は銃の密造、元鉄砲鍛冶を引き込むのに女房誘拐を企てる一味。しかし間違えてあろうことかお小夜をさらい、右近に出てこられてワル一巻の終わり。
 ロケ地、鍛冶屋が試し討ちのあと失敗作を咎められ殺される水辺、広沢池西岸湿地。ワルに目をつけられてしまった元鉄砲鍛冶の女房の回想、縁談を蹴り二人で出奔する備前の浜辺、琵琶湖岸。
*お加代とお小夜を聞き間違える手下に福ちゃん、クレジットは「男A」なれどお話を回す重要な役どころで台詞もいっぱい(主に脅し文句)。黒幕の旗本に高野真二、悪徳商人に北村英三、元渡り中間のワルに大木正司。ハメられる元鉄砲鍛冶は真夏竜、ちょっといい感じ。スラム描写で出てくる小船秋夫の坊主頭がなかなかコワい。
2006/6/10

■ 遠山の金さん 第25話「死神を封じ込め!!」1976.3.18NET/東映

 賊が南町で破牢、隣の房でコロリ患者が死んだから大騒ぎ。鳥居に事を託されたお奉行は体当たりで賊と対決、手足を切って捨て自身は逃れる気満々の黒幕も白州でやっつける。
 ロケ地、牢の熊蔵の脱走を待つ賊一味、不明(塀際に大木)。釣りの旗本にコロリ情報を告げ探りを入れる金さん、広沢池東岸。金さんと熊蔵交換の林、糺の森か。賊がアジトにした香林寺、不明(経蔵のようなお堂、その前の道は石垣あって上は斜面)
*患者触って赤目同心らは封鎖中の南町の中でもキツく隔離、牢に半月込められ。熊蔵立ち寄り先で「接触」の青木のダンナも、長屋封鎖の竹矢来の中に込められたまま忘れられてたり。
2006/6/9

■ 眠狂四郎 第15話「三度笠の女は燃えた」1973.1.9関テレ/東映

 行きずりの渡世人を一目で女と見破る狂四郎、危なっかしいところを助け事情を知るが、八代郡14ヶ村の百姓の命運を担った義民の筈の彼女の兄は、悪代官と通じていた。
 ロケ地、石和代官の弟が馬を暴走させる街道(茶店に狂四郎と女渡世人が居合わせる)、不明(まわりはススキ原の地道、茶店裏には池、背景の山に松多し)。女渡世人が昼を使うお堂下、御室霊場(山腹のお堂)。女渡世人の兄の唐丸が「救出」される山道、湖南アルプスか。救出後兄妹が投宿する温泉宿はずれ、兄が代官一味とツナギをとる渓流は柊野堰堤。御用金を奪ったあと代官らに始末されかかる「兄」、広沢池東岸(六地蔵あしらい)、水抜き後の池底も。
*兄を救うため渡世人に身をやつす妹に大信田礼子、賭場でハメられサラシ一丁なんかあり。女に戻ると「あんちゃん」「…だべ」と田舎娘に。兄は地井武男。このほか代官方用心棒の片腕浪人に五味竜太郎、途中狂四郎に茶番を示唆するほか、最後は代官の汚いやり方に怒り牙をむく。最後は円月殺法に挑み倒れる、渋い役どころ。賭場の親方に藤尾純なども見える。狂四郎にくっついて歩く薬売りの工藤堅太郎もいい味。

■ 座頭市物語 第18話「すっとび道中」1975.2.13フジ

 島帰りの鉄砲玉とあばずれ女、存外真摯な彼らの恋。ハナから二人を利用するつもりの汚い親分は、一家ほぼ丸ごと市にやられてしまう。鉄砲玉に中村賀津雄(表記ママ)、市とのやりとりが軽妙でおかしい。
 ロケ地、子供の掘った穴に落ちる市、堤道か。鉄砲玉が逃げる薄原や山道、不明。預けてあった女が身投げと聞かされる千畳岩、保津峡落合落下岩。親分から逃げた女が捕まるお宮さん、不明。
*カツオちゃん逃げて早々に負傷、あとずっと足引きずったまま。なんか情けない感じ+小汚いふうが「巳代松」によく似る。表題は的を殺って女のもとに急ぐ男、市が落ちた穴の上をまさに「すっとんで」跨いでゆくのが印象的。

■ 銭形平次 第186話「平次の恋」1969.11.19フジ/東映

 海産物問屋の老主人が急死、残された美しい若後家をめぐって起こる怪事件。後家が兄を殺したとねちねち疑る主の実弟、腹黒い横顔を見せる番頭、後家に言い寄って殺される幼馴染と怪しげな記号が散りばめられるが、これとは別系統に微妙な伏線が張られている。
 ロケ地、若後家の幼馴染の男が惨殺されて見つかる主水河岸、桂川堤法面か。その男が後家に言い寄った堀端、嵐山公園か。
*表題は平次のとんだ大芝居、真犯人あぶり出しのため酒盛りをして後家さんにべたべた・挙句の果て酔っ払って泊まってゆく、鼻持ちならない体たらく。映画でよく見たおどけぶりが懐かしい。
2006/6/8

■ 眠狂四郎 第14話「円月 新年に舞う」1973.1.2関テレ/東映

 龍勝寺のお向かいには将軍息女を奥方に持つ変態殿様、フラストレーションが昂じ年始に来た商家の女将に手を出す。死体を運び出す長持とすれ違った狂四郎は血の匂いを嗅ぐ。
*ロケなしセット撮り。柴田錬三郎と浜畑賢吉が特別出演、高輪の「師匠」と幕府目付。このほか盗っ人と矢場女の夫婦が年始にやってきて、左とん平と園佳也子。彼らだけ痛快時代劇ふうでおかしい。左とん平は「因果小僧七之助」だったりもする。権高な将軍の娘は白木真理。しかしお向かいの人斬っちゃっていいのかな…正月早々全然めでたいとこのない眠のダンナ。

■ 銭形平次 第185話「身投げ女」1969.11.12フジ/東映

 八が助けた身投げ娘は騙り、しかし裏に哀しい事情。博打で身上潰した父の借金返済を迫られ、島帰りのワルに強要されてのこと、親分の見逃し癖が出る。事件は島帰りとつるんで店の主を殺す番頭の話。
 ロケ地、八がおしのの身投げを止める橋、中ノ島橋(太田屋の主に金を貰った際の橋は花屋橋、同じ所にばかり出ないと思うから八の橋は違うかも。しかし後段騙り芝居に出ている橋も同じ中ノ島橋…)。丁稚奉公中の弟と会うおしの、嵐山中州付近堀端に茶店あしらい。
*おしのを脅し騙りをやらせる島帰りに睦五郎、血も涙もない悪党。*手代に番頭のことを聞く番屋のくだり、背景の火鉢をつつく番太に福ちゃん。
2006/6/7

■ 眠狂四郎 第13話「京の雨 紅の肌に咽ぶ」1972.12.26関テレ/東映

 高慢悪趣味女を辱める狂四郎、しかしその女は京都所司代の囲われ者。復讐の火の粉を払うかたわら人助けもするマメな狂四郎だが、関われば不幸の法則はきちんと働く。
 ロケ地、所司代の妾を辱めた狂四郎に京へ入らぬよう忠告する男、広沢池東岸(妾の小判撒きも同所か。「京へ三里」の道標あしらい)。京イメージ、東寺五重塔シルエット。所司代妾宅、中山邸門。
*所司代に川合伸旺、男なのに帯ぱらりをやられる珍しい役どころ。見たかったのか?狂四郎…。*妾を裏切ったお師匠さんは仕方ないかもしれないが、朱子学者一家気の毒すぎつぅか悲惨。*呼び出されて武芸者と決闘の場は阿弥陀ヶ峰、ロケはなくセットで、このシリーズ特有のオドロ気味演出。

■ 銭形平次 第184話「武家の世の中」1969.11.5フジ/東映

 目をつけた美人を大奥に入れ、次期将軍を生ませ政を牛耳ろうという企み。関わった町場の者を消しにかかるワル、しまいに平次まで殺そうとはかる。自宅を城と言い襲撃に備える親分が小気味よい。
 ロケ地、血の海の自邸が怖くなり妾宅へ逃げ出した医師が駕籠で通る道、今宮神社石橋。越前屋が用人・倉沢に娘に暇をと乞う庭、不明。
*首魁を兄の仇と斬り捨てたのち自刃する弟、人の命も自分の命も大事にしない「お武家ってやつは」の愚痴が出る。
2006/6/6

■ 眠狂四郎 第12話「鮮血は愛を染めた」1972.12.19関テレ/東映

 将軍の姫を手ひどくはねつける狂四郎、愛欲は憎悪に変じ討手が差し向けられる。手強い狂四郎に対して取られた策は、一組の男女を死に追いやる。
 ロケ地、刺客を返り討ちにする狂四郎、大覚寺大沢池(護摩堂前)。狂四郎に尼寺への道を聞く浪人・白鳥、石仏前。姫宮が軟禁されている尼寺・青松院、不明(短いステップ上がって門、中に方形のお堂)。青松院の尼僧が狂四郎を呼びに来る塀際、下鴨神社河合社脇。白鳥と再会する姫宮、糺の森(回想の駆け落ちの林も同所)。龍勝寺、不明(萱葺きの本堂、右手に鐘楼。白鳥と対決の墓地はお堂を見下ろす高台)。姫宮と白鳥の亡骸を乗せた船を見送る狂四郎、広沢池東岸
*将軍の姫様キョーレツにお下品な悪女、そなたがつけた傷じゃとか言って裾まくって内腿見せるんだもんな。最後はキレて短刀振り上げてかかって来るし。また狂四郎のほうも最初から鼻へし折ってやるつもりで招かれてるし。*姫宮と駆け落ちし追放されている訳あり浪人に森次浩司(表記ママ)。

■ 座頭市物語 第17話「花嫁峠に夕陽は燃えた」1975.2.6フジ

 三年ぶりに訪ねた庄屋宅では祝いの支度、市の揉み療治で丈夫になった娘が今日嫁に行くという。しかしその幸せに影、普段から横暴な代官が横槍を入れてくる。
 ロケ地、直訴を企てた百姓が代官一派に追われ、その場で雇われた用心棒に「斬られる」野原、不明。市が三年ぶりと触る道標のある山道、不明。庄屋屋敷、民家長屋門。庄屋の娘・おちかの花嫁道中に行き合わせ仲人を申し出る代官、谷山林道か。急遽祝言の場になった岩鼻代官所、民家長屋門。絶望したおちかが入水未遂の川、落合か。事後、晴れて嫁入りのおちかを眺めやる市と「行商人」、不明。
*今回は市のほかにも助け手がいる趣向、代官の悪行を探っていた隠密回りは要所で出て、代官の意向で殺された筈の人はみんな保護され無事だったりする。ほとんど接触なしに市と気脈を通じる妙が見もの。ヒロインのおちかに紀比呂子。

■ 銭形平次 第183話「影を追う女」1969.10.29フジ/東映

 岡っ引殺しを追う平次、スラムへ入り込み見つけた被疑者は記憶喪失。しかし万七すら首を捻るその女はやはり無実、殺された目明しに強請られていたヤクザのどら息子が浮上する。
 ロケ地、岡っ引の新八が死体で見つかる隅田川端、不明。小間物屋に化け下町を探る平次が八とツナギの神社、今宮境内か。盛り場の酒肆で探りを入れる平次を怪しみつけてくる竜造一家、渡る木橋、不明。大工の文吉を八が見張る普請場、今宮神社東門内塀際、八は石橋上で見張り。文吉が「おしま」を連れ江戸を出ようと走る四ツ木町(葛飾?)の水辺、嵐山公園堀端(漁具や小屋あしらい)
*人を殺したと思い込み、洗っても洗っても手が血だらけと言うマクベス夫人みたいな「記憶喪失」女に中村メイ子、不安げな表情が可愛くて秀逸。彼女を庇い見守る恋人に近藤洋介。スラム探索の親分は小間物屋に化けて入るが、あんな眉目秀麗な行商人は不審がられるかもって感じ。酒肆での酔態も見もの。期待の倅が己の情婦と通じ、知己の目明しを殺めたと知ったヤクザの親分が見せる表情も味わい深い。
2006/6/5

■ 眠狂四郎 第11話「裸女に神を見た」1972.12.12関テレ/東映

 マリア像を彫った仏師に関わり、キリシタン摘発に引っ掛かってしまう狂四郎。彼はデウスを崇め聖母を慕う者たちの心底を見極めようとするが、信者たちに見られなかった強靭な意志は神に挑む女に見出される。
 ロケ地、地下でヨハネスがミサを行う屋敷、不明(門扉の金具しか見えない)。狂四郎を襲う雲水、西寿寺か。水戸家の奥方が出家の尼寺はミサ屋敷と同所か。仏師の娘の火刑、砕石場か(荒地を重機で均した感じ、山の中)
*虚無だけど反権力の狂四郎、将軍の姫でもある奥方にはけっこうキツい。髪を下ろそうとしている座敷へ踏み込み陵辱…の寸前に家老がからっと障子開けるタイミングが絶妙。マリア様に転んじゃってた仏師の今福正雄や、無理矢理転ばされるパードレの岡田真澄がいい味。仏師の娘が神への意地で男たちに身を任せるくだり、絵的にエレンディラに似てて面白い。

■ 銭形平次 第182話「海猫の唄」1969.10.22フジ/東映

 お上から休暇を貰い海辺でのんびり平次ファミリー、しかしきっちり起こる事件。平和な里の頼りなさそうな岡っ引を助けて動く平次、鋭く真相を看破し身柄を引き渡し去ってゆく。
*海ロケ、尼寺も現地か。ふだんは十手しまい込んでたりする、ところの岡っ引・仙助がいい感じ、おとぼけ見逃しオチつき。
2006/6/4

■ 松平右近事件帳 第30話「八年目の復讐」1982-1983日テレ/東映

 藩の公金を私する悪家老、スケープゴートを仕立てて涼しい顔×2件。八年前に謀殺された父のため復讐を企てる娘と、今回夫を生贄にされた妻と、二人の女の恨みを報じてやる右近、荒野で大立ち回り。
 ロケ地、おらんが白根藩用人の息子と遊んでやっていて誘拐されてしまう大杉神社、大覚寺五社明神(大沢池畔に茶店あしらい)。用人・脇村邸、相国寺大光明寺門。身代金受け渡しに指定の五道の辻のやしろ、鳥居本八幡宮。脇村邸へ投げ文をした虚無僧を追う清太郎、相国寺方丈塀際〜弁天社脇〜鐘楼脇。おらんが昔の掏摸仲間を呼び出し虚無僧探しを依頼、大覚寺護摩堂前。右近の説得に応じた虚無僧女が隠してある子供のもとに案内する道、大覚寺天神島(八年前父が陰謀に落ちたことを告白)。参勤交代費用を国元へ運ぶ荷駄が襲われる裏街道、砕石場か(回想シーンの八年前のも同所)。脇村の墓へ参る妻子、二尊院墓地。その帰り一同揃って降りてくる坂、紅葉の馬場

■ 遠山の金さん 第24話「消えた飛脚を探せ!!」1976.3.11NET/東映

 品川宿の旅籠総代をつとめる入舟屋、その若旦那は飯盛女と恋仲で半ば勘当中。店を狙うワルは、飛脚をしている彼が金を持って女と逃げるというシナリオを書くが、25年ぶりに旅から帰って来ていた女の父が犯人と名乗り出る。その父は女房に男がいると思い込み江戸を去り、娘が生まれていたことも今まで知らずにいたのだった。
 ロケ地、飛脚が襲われ殺される竹林、わらびの里か。妻子が品川宿にいると聞いた老渡世人がゆく道、広沢池西岸の道(農地から)。妻の墓に娘が来て金を埋めてゆくのを見る渡世人、黒谷か。
*老渡世人・弥之助に今福正雄、娘の飯盛女に水原麻紀。
2006/6/3

■ 座頭市物語 第15話「めんない鴉の祭り唄」1975.1.23フジ

 金欲しさに出入りに加わり市を襲う男、しかし反省しきりなのを見た市は金を与え、堅気になった姿を見にゆくと約束。お話は市が訪ねた高萩の甘酒屋での後日談が主体、男は帰っておらず貰った金を盗られ殺されていた。
 ロケ地、甘酒屋の女房の野辺送り、広沢池西岸の道(農地からの撮り)。高萩の親分が市に宇之吉を斬ったか迫る水辺、広沢池北西岸田畔。宇之吉の女房の墓、広沢池北岸。坊の呼ぶ声を背に当地を去る市、大堰川堤か。
*高萩の親分に佐藤慶、筋の通った好人物で荒事はナシ。甘酒屋のお糸に惚れている子分に浜畑賢吉、市を弟分扱いするお調子者に下條アトム。ヒロイン・お糸は松坂慶子。

■ 座頭市物語 第16話「赤城おろし」1975.1.30フジ

 落ちぶれ民の迷惑になりかけている国定忠次、逃がしてくれた男の心も通じずその甥の子分に当る。市は黙って甥に斬られた男の首を携え、忠治に引導を渡しにゆく。
 ロケ地、岩鼻代官所の役人が出て検問の山道、谷山林道か。忠治が籠る赤城山、不明(暗すぎ)。刑場、大堰川河川敷か(石礫)
*忠治に辰巳柳太郎、叔父を斬りに行かされる子分に梅宮辰夫。

★座頭市物語の放送年代を間違えていました。
 正 1974-1975年
 誤 1975年

2006/6/2

■ 眠狂四郎 第10話「荒野に女郎花が咲く」1972.12.5関テレ/東映

 人を待つ狂四郎は、枕草紙の落書きにあった名を戯れに宿帳に記す。それは、女郎の恋人が七年も追っていた仇の名なのだった。
 ロケ地、仇討ちだと走ってゆく民衆、本梅川若森廃橋(仇討ちは刈り入れが終わった田)。宿帳の記名から狂四郎を仇と思い込み斬りかかってくる浪人、下鴨神社池跡。浪人の死後自分が仇を討つという女郎を伴い約定の八幡へ向かう狂四郎、藪田神社(仇が切腹し前のめりに倒れるのは舞殿、萱葺き)。一人残り虚脱した女に労わりの言葉をかける狂四郎、不明(アワダチソウの極相)
*仇持ち浪人の窮状を見た狂四郎は、彼のため女郎を身請けしてやり仇も見つけてくるマメさを見せるが、全ての人間が不幸に落ちる悲惨。狂四郎が労わりの言葉をかけるのは初めてとナレーションが入る。仇は佐藤慶。

■ 銭形平次 第181話「女ふたり」1969.10.15フジ/東映

 贋金事件を追う平次、捕えた男は恩ある店のため身を捨てて単独犯行と言い張る。主題は、店のためと父に言い含められ亭主をあきらめる女房と、危険を冒して破牢させようとする現地妻の対比。芸者上がりの小料理屋の女将を長谷川待子が演じる。
 ロケ地、田原町の両替商へ油を運ぶ人足を尾行する途中ならず者の襲撃に遭う林、不明(蔵や鐘楼が見える)
2006/6/1

■ 眠狂四郎 第9話「異人の剣が吠える」1972.11.28関テレ/東映

 作法通りに割腹する女を見た狂四郎は、乞われ介錯をつとめたことで埋蔵金騒動に巻き込まれる。謎めいたフィクサーは狂四郎を利用しようとはかるが、碌な結果を呼ばない。
 ロケ地、元勘定所勝手方・兵藤家累代の墓、不明(侍女が切腹するのは巨大五輪塔の前)。飯倉片町の雪翁邸、中山邸門。狂四郎を見て子らが逃げる寺、不明。
*フィクサーより先に金狙いの泥棒がやって来てあらましの事態をべらべら開陳、演じるは長門勇でいつも通り飄々。「異人」は雪翁邸に出入りの紅毛人、フェンシングで円月殺法に挑む。金のありかは兵藤の娘の目に仕込まれた、ちょっとギャーな「道具」だったり。ヒドいのはラスト、狂四郎を見て逃げた子が落としていった人形、狂四郎が手にとるやぼったんと首が落ちる。

■ 銭形平次 第180話「狂った竜」1969.10.8フジ/東映

 将軍家お世継のための竜を描き名を上げた御用絵師、その絵は盗作どころか作者を殺して得たものだった。心中を装って殺された亭主のため、女房はあばずれ女の芝居を打ち事情を探る、泣ける話。
 ロケ地、御用絵師・佐能幽斉がお礼参りにやって来る神田明神、わら天神参道〜六勝大神(幽斉に罠をかける際は裏手も使用)。本郷の幽斉邸、相国寺林光院門、式台玄関。
*女房・お夏に吉行和子、放埓な大酒呑みと貞淑な女房を見事に演じ分ける。
←2006/52006/7→

・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪表紙テキスト版 ・ロケ地一覧 ・時代劇の風景トップ
・このサイトについて  ・サイトトップ