時代劇拝見日記
2006年7月

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2006/7/31

■ 隠密奉行 朝比奈2 第1話「南国土佐 よみがえる海賊船」1999/6-10フジ/東映

 海賊の正体を探るべく朝比奈は土佐へ。浦奉行と元鯨打ちの荒くれが企む悪事を阻止する話に、娘を思う二人の父の情話がからむ。
 ロケ地、高知城桂浜、本物。江戸城、二条城本丸櫓門前の橋を側面から。竹林寺は五重塔ほか、本物。
*お豊に喜多嶋舞、父の船大工に寺田農、実父の荒くれに曽根晴美。浦奉行配下の侍に福ちゃん、海ロケでのラス立ちに大活躍・クレジットあり(役名はなし)。

■ 銭形平次 第222話「牢奉行失踪」1970.8.5フジ/東映

 牢奉行がさらわれ罪人と引換えと脅迫状、名指しの三人を調べる親分は変装して牢に入ったり浪人に扮したり。謎を解く鍵は、怪しい女を息を切らして追っかけたお静からもたらされる。
 ロケ地、大和屋へ入りかけていた牢同心を呼びとめ連れ込む物陰、相国寺鐘楼裏手。
*「犯人」とグルの夜鳴き蕎麦親爺の木田三千雄、飄々とした足運びが絶品。

■ 水戸黄門36 第2話「母子逢わせた達磨さま」2006.7.31TBS

 生き別れの母子再会の情話、母が襲われ負傷して運び込まれる旅籠に都合よく娘がいて心を通わせる。母に向けられていた陰謀はハナっから老公に把握されており、懸案の死病は神経性胃炎と判明し、達磨さまのご利益でメデタシ。
 ロケ地、高崎・少林山達磨寺、本物(イメージカット)。博打狂いの亭主に売られた娘を探すも不調で絶望し入水未遂のおさき、大堰川河原。涙金で追っ払われた内通者の手代がアキらにとっ捕まる野道、酵素河川敷(「逃がさないよ」のアキちゃんの脅し)。迎えに来た跡取り息子ともどもおさきが始末されかかる道、大覚寺遣水跡芝地(旅立つ老公も同所)。涙の母子再会を見てちょっと羨ましいアキが石を投げる池、沢ノ池東岸汀。
*悪企みに加担していた生さぬ仲の不肖の跡取り息子、身を挺して庇ってくれたおさきに感動「おっ母さん」オマエがお千代ちゃんより先に言うな。*おさきの調達してきた金を盗って逃げる手代が助格に阻まれる段、ナカマに福ちゃん。なりは人足ふう。
2006/7/30

■ 松平右近事件帳 第38話「罠にはまった瓦版」1982-1983日テレ/東映

 御船蔵改修をめぐるキナ臭い陰謀、作事奉行と組んだ悪徳商人は請負業者に放火、一家を皆殺しするも仕事はとれず、更なる悪謀を重ねる。
 ロケ地、放火犯を「目撃」した盲目の娘の拉致未遂、仁和寺参道(眼病快癒の願掛けに寺に来た設定)。助けたおらんと右近に一応礼を言う兄(ちゃんと名医に診せるつもりでそそくさ右近から逃げる)観音堂前。兄妹の事情を立ち聞きしたおらんが右近にそれを話す、観音堂脇。悪徳商人に騙され無実の材木商を放火犯と暗示した瓦版を売り出す兄、仁和寺五重塔前。その兄に仕掛けは誰かと迫る右近、広沢池東岸(船上)。「証拠」の着物を届けた漁師に話を聞く右近、広沢池東岸(漁具あしらい)。捕われた材木商の妻子が入水し土左ヱ門で上がる水辺、広沢池北西岸。己の非を覚り自らを責める兄、仁和寺九所明神。兄の面影を留めたいと治療を断る妹の回想・幼時の兄妹は大沢池堤か。
*妹を盲目にした負い目を持ち、瓦版で一発当てると意気込む兄に高橋元太郎。単細胞のお人よしを好演。*ラス立ち福ちゃん入り、命を粗末にするなと右近に大喝されほとんどの家来は逃げ散るが、福ちゃんはそう言われる前にちゃんと斬られてのけぞり。当然殺陣は短め、時間が押していたのか遺された妹が治療を拒むラストシーンも唐突にぷつっと切れた感じで終わる。
2006/7/29

■ 隠密奉行 朝比奈 第10話「阿蘇山の死闘 清正公の秘宝」1998/6-9フジ/東映

 熊本城の石垣が何度も崩れ再三の修復願、怪しんだ老中は朝比奈を派遣。石垣爆破は15年前の「事件」の因縁、全てを知った朝比奈は「遺児」らに代わって悪を討ち、欲の元となった清正公の財宝を阿蘇の神火に擲つ。
 ロケ地、熊本城、本物(天守直下の石垣下に「供養堂」あしらい)。「築城指南」の不破邸、中山邸門。ラス立ちの阿蘇中岳火口、本物。
*前段を不破が財宝を見つける話に費やし、後段を石工の遺児の因縁話に使う作り。ラス立ちの阿蘇のお山での大殺陣は迫力。*間道を発見するも悪者にばったり遭い不慮の死を遂げる築城指南家に寺尾聰、財宝を運び出す権限を得るため作事奉行に昇りつめた大ワルに中田浩二。
2006/7/28

■ 遠山の金さん 第32話「逢いびきは三途の川で」1976.5.13NET/東映

 事件は公共工事をめぐるライバル追い落とし目的の放火に殺人、お話の主体は昼行灯で十手取り上げ寸前の情けない岡っ引。品川隆司演じる婿養子が、女房に尻を叩かれながら金さんのヘルプで「手柄」をたてる、騒がしくも楽しいどたばた喜劇。
 ロケ地、始末された放火犯の情報を菊川町の長太郎親分に話す金さん、大覚寺五社明神
*菊川町の先代は捕物名人、その娘である長太郎の女房は躍起になって亭主に手柄を立てさせようとする。もし十手取り上げなら奉行の遠山(呼び捨て)を呪い殺すとブチ上げ、お白州でギャグに。*タイトルはライバルと通じていた後妻の件、二人して磔獄門。ちょっとブラック。

■ 銭形平次 第221話「卑怯者」1970.7.29フジ/東映

 捕物名人を父に持つ佐吉は真面目一方の岡っ引、逃亡した賊の情婦にしつこく張り付くが、やがてその女と情を交わす仲に。それを賊一味に嗅ぎ付けられ、佐吉は追い込まれる。
 ロケ地、賊の首領・赤城の喜蔵が子分に迎えられる橋、神光院放生池石橋(南望、奥に蓬月庵)。佐吉とおちかが心中未遂の真金町の出合茶屋裏手の林、上賀茂神社北神饌所裏手。おちかが捕われ佐吉が呼び出される観真寺境内、神光院中興堂(堂内、堂前)
*女の心を疑いクサる佐吉を手荒くののしり奮い立たせる親分の言葉がタイトル。佐吉に工藤堅太郎。*真金町は聞き取った「まがねちょう」に字を宛てただけでいずこか不明(横浜の遊郭は御一新の後だし)。
2006/7/27

■ 隠密奉行 朝比奈 第9話「近江路 遺書を運ぶ女」1998/6-9フジ/東映

 世継問題で江戸表と国元が割れた水口藩、決着後も粛清人事で揺れるなか、間隙を突いてワルが私腹を肥やしていた。そこへ夫が残した諫言の訴状を持ってやって来る一人の女、朝比奈は有志の若者たちに肩入れする。
 ロケ地、駕籠訴の若侍が斬られる道、大覚寺参道石橋(御殿川での殺陣もあり)。近江イメージ、白髭神社湖中大鳥居〜琵琶湖西岸浮御堂。江戸城、姫路城天守。東海道を西に行く朝比奈、嵐山自転車道。箱根山中で侍に囲まれた多恵を助ける朝比奈、酵素ダート(手拭を浸すのは河川敷)。水口領内へ入るのを阻まれる多恵、琵琶湖西岸松原。多恵の実家(現当主は徒士組の兄)・多田邸、妙心寺金牛院門、玄関。門前払いされた多恵に声をかける弟・新六は金牛院付近の路地・北望。徒士組に絵が濡れたといちゃもんをつけ、追われていた若侍たちを匿ってやる朝比奈、保津峡落合。若侍たちのアジトの新田の百姓家、民家門。徒士組にアジト急襲が命じられる屋敷、妙心寺寿聖院。勘定奉行・今藤邸、相国寺林光院門、式台玄関、前庭(ラス立ち)。姉を見送る新六、谷山林道切り通し(茶店あしらい)。二人を見やる兄と朝比奈、分岐道上から。
*家老の専横に憤る弟・新六に丹羽貞仁。ラス立ち福ちゃん入り、見事な前のめりゴケ(福ちゃんが斬られる時点では林光院からスタジオにスイッチ)。*今回朝比奈の行動をチェックしメモする真鍋くん、「女に言い寄る」「肘鉄を食らう」とか書きまくり。

■ 銭形平次 第220話「蛍火の女」1970.7.22フジ/東映

 男の取りあいの果ての刃傷沙汰と見えた事件の裏には、親分もうるうるの哀れな母心。毒婦と詰られる女の真の顔は慈母、目の前にあった小さな幸せも振り捨てて娘に良かれと自ら奈落に陥ちた女は、薄幸のまま逝く。
 ロケ地、般若の久太郎が刺殺される州崎弁天境内、わら天神本殿脇。
*薄幸の女・お藤に藤間紫。よくできたシナリオに熱の入った演技で深いドラマを現出させる。
2006/7/26

■ 隠密奉行 朝比奈 第8話「京の罠 逃げ出した花嫁」1998/6-9フジ/東映

 酒井家と公家の姫の縁談の裏に老中追い落としの陰謀、前関白の姫が不自然な縁談を嫌い逃げ出したところへ、朝比奈たちがやって来る。
 ロケ地、壬生中将邸、中山邸通用門。蹴鞠に興じる公家衆、大覚寺有栖川(これを凝視する白川女は勅使門橋の上)。OP京イメージ、仁和寺塔妙心寺涅槃堂前路地金閣銀閣御所紫宸殿二条城隅櫓南禅寺三門僧堂坂仁和寺中門。江戸城、姫路城天守。釣りの朝比奈、広沢池観音島。壬生中将が朝比奈に斬りかかり腕を試す「南禅寺」、南禅寺三門。前関白・九条基房邸、妙心寺隣華院。屋敷を逃げ出した鈴姫が拉致されかかる路地、妙心寺大通院裏路地。助けた真鍋が姫について来られてしまう京都所司代、大覚寺明智門。姫が白川女の卯乃とばったり会って話す祠、大覚寺天神島祠。九条基房と会い壬生中将と小浜藩京都留守居役の陰謀を聞く朝比奈、仁和寺観音堂前。夏越しの祭りに出かける姫と真鍋、鳥居本八幡宮鳥居手前に茅の輪あしらい。姫をおぶって帰る真鍋、嵐山自転車道。京を発つ朝比奈に礼を述べ見送る姫、南禅寺三門
*前関白に大出俊、壬生中将に秋野太作。中将のほうはキモチワルイ系で、怪鳥の如く飛び回っての立ち回りも。

■ 銭形平次 第219話「お化け葛籠」1970.7.15フジ/東映

 牛ヶ淵に上がった葛籠に入っていた「心中死体」の謎を追う平次、身銭を切って仏を引き取りまでして出た真実は、乱暴者のやっつけ仕事だった。
 ロケ地、葛籠が浮く牛ヶ淵、広沢池東岸。中の女の墓、相国寺墓地(遠景に大光明寺と方丈の破風)
*八の悪夢や万七の悪態などにも尺を取り、平次が仏を引き取る手口や葛籠屋につく大嘘など、小ネタに力が入っている。
2006/7/25

■ 隠密奉行 朝比奈 第7話「出雲松江 灼熱地獄タタラ」1998/6-9フジ/東映

 密造した玉鋼を警戒厳重な領内から持ち出すため大芝居を打つ欲深ども、朝比奈の介入は悪党に強制労働を強いられていた民の救済ともなる。
 ロケ地、OPの出雲イメージ、出雲大社日御碕宍道湖(嫁ヶ島)。道中安全のお札を貰いに来ていた朝比奈夫婦が掏摸を見る三崎神社の縁日、大覚寺五社明神に縁日あしらい〜大沢池畔で掏摸追い回され。出雲入りの朝比奈、砂浜(不明)宍道湖。太吉坊に「買われる」朝比奈、酵素ダート。秘密のタタラ場、酵素河川敷に小屋や柵あしらい、奥に民家セットちらっと映り込み。代参一行がゆく出雲大社、本物。潮の湯を発った代参一行がゆく山道、酵素ダート松江城、本物。玉鋼を船に積み込もうとする斐伊川上流、流れ橋下木津河原(橋脚のみ映る)
*太吉坊の父に大橋吾郎、出雲藩鉄奉行に津村鷹志、その弟の京極家側用人に堀内正美。*真鍋くんは路銀も貰えず朝比奈を追わされ、京極家代参一行に中間として雇われてバイトしながら出雲へやって来る。

■ 新桃太郎侍 第1話 2006.7.25テレ朝/東映

 仕官が嫌で家を出て矢場に居候中の「桃さん」桂木新二郎は弱いものいじめが大嫌い、侍に囲まれピンチの女を助けるのがお話の発端。桃さんが見惚れた美女は、刑死した夫の無実を晴らそうとしていた。
 ロケ地、おとせが上田藩士に斬られかかる市中、仁和寺水場(背景に観音堂)。おとせを逃がすものの大勢出たので逃げた桃太郎が走る路地、妙心寺大庫裏脇路地福寿院道(このあと池之端の自邸に)。桃太郎とそっくりの「若様」が入ってゆく丸亀藩邸、大覚寺大門。矢場の女将・お葉との馴れ初め、入水と間違い止めて揉み合い二人して落ちる橋、中ノ島橋。お葉が鼻緒を切った桃さんの母・千代を助ける川辺、上賀茂神社ならの小川(そのあと二人が話す茶店も川辺にあしらい)。今の俺は喜十ではないと呟く伊之助、大覚寺大沢池西岸。おとせが息子を待たせていたお堂、仁和寺経蔵。雨の夜、上田藩江戸家老の企みを桃太郎に告げる伊之助、大覚寺勅使門橋下・御殿川河床。おとせに仇討ちをやめ房州へ行くよう説得する桃太郎、妙心寺法堂基壇。
*雷蔵のは貴公子、英樹のは豪快だった桃太郎、この高嶋政宏版はひとことで言うなら野獣系(悪口に非ず)。髷は結わずポニーテール、「成敗衣装」は白地に裾が赤で桃太郎伝説の刺繍入りの被衣をかずき、まっかっかの着流しは可愛い桃散らし(バーミヤンの回し者みたいでもある)、鬼面はナシで白マフラーをマスク巻き(特攻服みたいな感じ)、決め台詞は「天に代わって鬼退治に参上!/天魔不動剣に映りしおぬしの姿、鬼に見えたり」。*おとせに羽田美智子。*桃さんの出自は若様をちらっと出して、玉緒ちゃんが実子でないと呟くことで匂わせる。*福ちゃんチラリは道場主KOシーンに。

■ 銭形平次 第218話「十手の怒り」1970.7.8フジ/東映

 商家の娘をさらう、白昼無礼討ちと称し人を斬るなど無体の限りを尽くす旗本は老中の甥、しかもヤクザを使い長屋を潰して歓楽街を作り猟官運動資金調達を目論む文句なしの極悪人。ほかにもいろいろあり親分の怒りは頂点に達するが、ワル一堂に会す座敷へ乗り込んで皆殺し成敗とはいかないのが銭形平次の面白さ、煩悶する平次が存分に描かれたあと決死の対決に至るが、処断を免れない旗本自身への手出しは為されずまさしく因果応報の結末となる。
 ロケ地、手代と逢引の丹波屋の娘が拉致される夜の橋、大覚寺天神島朱橋。根岸の阿部主水之介邸、随心院薬医門(門前にいる平次にガンを飛ばす阿部は拝観口、鉄砲政に生きのいい的を調達するよう命じる弓の稽古の阿部は大玄関前、弓を射かけられる屋根職の嘉助は薬医門内側)。阿部の飼う浪人・大場が平次を襲う夜の神社、大覚寺五社明神(ハイジャンプのほか燈籠飛び乗りの大技あり)。夜道をゆく阿部らを見る狂女(丹波屋の娘)大覚寺天神島(この直後阿部の前に平次が立ちはだかる)
*死も覚悟の気配を察し黙って見送るお静が泣かせる。勝ったところでと判っているので、黒紋付をまといただ祈る姿は哀切。*樋口さまの苦悩を描くのに出てくる事情は息子の進学、緻密に構成された筋立てが見もの。*阿部主水之介は青木義郎、酷薄な大身旗本を好演。
2006/7/24

■ 隠密奉行 朝比奈 第6話「越前竹人形の秘密」1998/6-9フジ/東映

 越前丸岡藩の殿様は養子に入るや財政を立て直した優秀な若者、しかし悪家老の奸計により改革は失敗と思い込まされ、幽閉に甘んじていた。
 ロケ地、殿様が幽閉されている屋敷、民家門と周辺(門前から領民に一斉射撃なんかもあり、夜間撮影も)。領民らが殿様に送るメッセージの花火を上げる屋敷近くの野原、酵素河川敷葦原と木の前付近。丸岡城、本物。越前の荒磯に立つ朝比奈、東尋坊(磯の見える街道筋は荒磯遊歩道か)。江戸城、姫路城天守。藩主の思い込みを是正する術を話し合う朝比奈と領民たち、鳥居本八幡宮広場〜舞殿前。「大目付」朝比奈が視察の桑畑、不明。ラス立ち野点の席、彦根城玄宮園池畔。
*殿様を騙し私腹を肥やす悪家老は立川三貴。朝比奈が拠点にする飯屋の親爺に北見唯一。今回、老中差し回しのくの一も登場、真鍋の報告書の薄さを嘆いた目付筆頭の渡辺さまが直に朝比奈夫婦を尾行するお笑い場面もある。

■ 銭形平次 第217話「金が敵」1970.7.1フジ/東映

 富籤に当った金貸し婆さんが殺される。出入りしていた実直な若い大工は人柄に反して怪しい動きを見せるが、彼は弟のように可愛がっていた苦学生の秘密を見てしまっていた。
 ロケ地、富突きが行われる天神さま、松尾大社舞殿(続々と楼門をくぐってやって来る民衆がサイドから撮られているが、山吹が名物の水路は見当たらない) ★松尾大社は誤り、新日吉神社/2007.3.31記 医師・洪庵宅、御所拾翠亭(入口の看板は「書替え」)。洪庵の聞き込み帰りの八がならず者にボコられる道、相国寺法堂前〜弁天社(危機に駆けつけた平次は鐘楼の向こうから登場)。旗本・梶原邸から出てきた洪庵と桂助に縁談話を聞かされる平次、相国寺大光明寺(旗本屋敷)方丈南東角・湯屋前。お町が信太に本当の気持ちを告白する水辺、中ノ島橋下手・中州側岸
*ちょっと「罪と罰」ふうの逸話、苦学生はラスコーリニコフよりスヴィドリガイロフ寄りかも。桂助を甘やかし庇う信太は東野孝彦、のちの英心。

■ 水戸黄門36 第1話「加賀百万石への旅立ち」2006.7.24TBS

 どうしても姉の孫の婚礼に行きたい老公、助三郎の母の日光行きに乗じて出奔。行った先では、日光奉行所から五千両の公金が消えていた。
 ロケ地、助さんがフィアンセと遠乗りの道、不明(竹林際の芝地、八重と美香が休む茶店も同所)。日光さして道をゆく老公と助さん親子、沢ノ池東岸汀東照宮はイメージカット。置いてきぼりの格さんが追いついてくる山道、沢ノ池ダート(訪問先の名主の娘がやって来るのは汀からの登り道)。公金泥棒を追う役人たちが非常線を張る山道、酵素ダート。「泥棒」の侍・深見を匿った小屋を爆破し逃れるアキら、深見を隠した船がゆく川は嵐峡(鬼若が操船)。目付役が金を隠していた洞窟から出た老公らが役人に囲まれチャンバラ、沢ノ池堰堤下手のガレ場。旅立つ老公一行、嵐山東公園
*くすぐりをいっぱい入れてあるが、最大の見ものは目付役の中の人・峰蘭太郎(皮は誠直也)。助さんの用心棒志願は当たり前過ぎだが、格さんの色仕掛けは噴飯もの…熟女から逃れるのにアブない技使うし。福ちゃん奉行所の手勢、助さん用心棒の段でちょっと出て、老公捕縛に来て由美かおるに蹴られる。初回サービスでアキちゃんの危機に夜叉王丸もちゃんと湧き、目付役の正体を教えて去る。
2006/7/23

■ 新・座頭市 第5話「牢破りいそぎ旅」1976.11.1.勝プロ/フジ

 八州に捕われてしまう市、はじめ自分を「さした」と思った青年が真っ直ぐな好青年と知り、彼の恋の道行きの手助けを買って出る。
 ロケ地、市が追われ登った木の下で逢引の仙太郎とおみつ、小山の墓地は亀岡か。市の唐丸駕籠が落ちる谷(危なっかしい一本橋から落下)保津峡落合。庄屋の息子の婚礼に招かれる芸人たちが待機する神社、藪田神社。相棒を欲しがっていた三河万歳の芸人と一緒に切り抜ける八州の「検問」、本梅川若森廃橋。おみつの花嫁行列がやって来る堤(八州の台詞では松尾土手)木津堤(長持を大八に載せおみつに合図する仙太郎の背後に茶畑)。八州の岡っ引を斬る市、流れ橋下。恋人たちがゆく橋、流れ橋(欄干をあしらった橋桁から市の船が見える趣向)
*恋人たちに田坂都と織田あきら、八州の岡っ引は深江章喜で嗜虐的な顔が迫力。

■ 新・座頭市 第6話「師の影に泣いた」1976.11.8勝プロ/フジ

 母の墓参に赴き師の道場に逗留する市。師には仕官話が来るが大枚の支度金が入用で、融通を頼まれたヤクザは金持ちのお弟子を誘拐という無茶を仕出かし、誰も彼も奈落の底に叩き込まれる仕儀となる。
 ロケ地、冒頭とラストの麦畑、亀岡盆地か。市が渡世人に仇とからまれる茶店(竹の宿茶店)丹波国分寺門前にあしらい。市を伴い道場へ帰る師、国分寺裏手。道場の塀、民家塀。道場へ来た弟子がヤクザにさらわれる小道、民家塀際。兄の仇のけじめをつけにやって来た渡世人に伏して許しを乞う市(道場傍ら)民家塀際。師が金を渡すとヤクザに呼び出される羅漢の森、下鴨神社糺の森、池跡(木の根方に石仏あしらい)
*師は丹波哲郎、市に授けた教えは「おてんとさんのもとをまっすぐに歩け」、結末に皮肉な形で現れる。兄の仇と市を狙う渡世人は和崎俊哉、許しを乞う市と立ちはだかった弥生に「負け」黙って去る渋い役どころ。

■ 松平右近事件帳 第37話「裏切られた友情」1982-1983日テレ/東映

 若年寄と組んだ油問屋の陰謀、値吊り上げに反対した同業者を始末。この手先となって動く伊賀者が清太郎の親友、友を信じたい清太郎は右近に反発する。
 ロケ地、夜釣りの梅吉が忍者の着替えを見てしまう天神橋川端、広沢池東岸(池中に橋脚をあしらい)。梅吉が一味の女に色仕掛けで呼び出される入谷鬼子母神、大覚寺五社明神(来たのは梅吉を当て落とした清太郎で旧友の忍者と対決)
*清太郎の旧友・霞の小六に曽根晴美。
2006/7/22

■ 新・座頭市 第4話「月の出の用心棒」1976.10.25勝プロ/フジ

 ゆきずりの浪人は光を失いかけていたが元々の剣の冴えから、市のアドバイスですぐに「勘」をつかむ。しかし男の負った宿業は、二人を避けられぬ戦いの場に立たせることになる。
 ロケ地、野道水辺ほぼ不明。藪田浪人の回想の御前試合、相国寺方丈か。藪田浪人が斬る相手を告げられる寺、不明(お堂の縁鼻っ先に鐘楼)
*浪人に石原裕次郎、女郎に身を落としている妹に吉沢京子。
2006/7/21

■ 隠密奉行 朝比奈 第5話「奥州棚倉 姫さまの財政改革」1998/6-9フジ/東映

 棚倉藩主は田舎も蛇も大嫌い、入封して半年なのに裏金を使ってまで国替を願い出る始末。その性格に付け込んだワルは、彼を陥れお家断絶に持ち込もうとしていた。タイトルは、藩主を口喧しく諌める役柄の、民思いの妹姫の活躍。
 ロケ地、棚倉の里遠望ショットに続き亀ヶ城跡、本物(亀ヶ城公園)。御田植神事が行われる神社、八槻・都々古別(つつこわけ)神社。江戸城、姫路城天守。下城する綾部老中が女密偵に朝比奈の件を指令、二条城本丸櫓門。朝比奈が追い使うつもりで真鍋を待ち構え呼び止める水戸街道の茶店、美山町北山かやぶきの里。棚倉藩領の百姓家、美山民家(殿様のカラ駕籠が「見回り」のシーン)。八槻陣屋、不明(萱葺き曲がり家)。棚倉城、彦根城太鼓門櫓、石垣。濡れ衣を着せられかけた城代の屋敷、不明(石垣の坂の行く手に庫裏、正伝寺に似る)。逃散百姓の新助が女房を捜す岩場、保津峡落合落下岩前崖道。小姓頭配下の侍(峰蘭太郎)が新助と妹姫を襲う河原、保津峡落合河口。綾部老中邸、大覚寺明智門
*真鍋を使って追い返した財政再建請負人・松波勘十郎は小峰さん。朝比奈はこれに化けて堂々と城入り、しかし呼ばれて来たのに追い返すとは何事としたためた松波の怒りの文が届いてバレバレ。*殿様が嫌がるのも納得の、寝所に蛇がぼたぼたはくの一の仕業、しかしその部屋にしか出ないのに気付けよ殿様…。

■ 遠山の金さん 第31話「明日に別れの賽を振れ!!」1976.5.6NET/東映

 抜け荷の運び屋は油屋と見当をつけた金さんは、「就職する」と宣言して怪しい店に潜入。そこには目明しの先客、露見し消されてしまい罪の肩代わりに哀れな恋人たちが利用され、もう一歩で死の道行きに。その男を慕っていた油屋元締の娘の儚い恋物語も挿まれる。
 ロケ地、釣りの金さんが青木さまに抜け荷一味の見当を話す水辺、広沢池東岸。龍神一家の雇われ人夫・伊三次が佇む川辺に元締の娘のおせいがやって来て「迫る」、日吉大社大宮橋下汀(おせいの結婚相手に決まっている島蔵が来て皮肉を言うのは走井橋)。一家の人夫におさまった金さんが油運びの船に乗り行く川、広沢池(荷揚げ場面はセットにスイッチ)。岡っ引殺しの罪を引き受け、身請けした恋人と道行きの伊三次を呼び止めるおせい、日吉大社境内。わけを聞くのに引っ張り込む神輿小屋、大覚寺五社明神舞殿(破れ放題の障子をはめ込み)。家に取って返し伊三次の件を父に問いただすも、裏で働いていた悪事を知らされ伊三次の居所を迫られたおせいが走り出て船を出す船着き、広沢池観音島。追ってくる一家を振り切り上がるのは東岸、逃げる道で金さんに腕を引かれ匿われるのは仁和寺御室桜林西側の塀(追っ手は御室桜林でおせいを見失う)。追っ手が金さんにボコられた下っ端(おせいが連れていた若い衆)を見つけるのは九所明神前。逃げた伊三次らが矢車の女将を頼り連れ込まれる回船問屋(一家とグル、女将もグル)の寮、中山邸通用門
*伊三次に森次晃嗣、恋人の水茶屋女に新藤恵美。龍神一家の元締に北村英三、グルの南町与力に和崎俊哉。このほか悪役陣はお馴染の面々がいっぱい。逃げる元締の娘を追う船、広沢池で棹を操るのは福ちゃん。

■ 銭形平次 第216話「龍巻組始末」1970.6.24フジ/東映

 関八州を荒らし回った凶賊が江戸に現れる。賊の正体は最初のほうに判り易い伏線が張られ、お話は引き込みを強要されるも裏切り一味に追われる元板前と、彼を探して江戸にやって来た、賊に狙われていた料亭の娘との情話が主体となる。
 ロケ地、両替商押し込みの引き込みをつとめた男について漁師に聞き込みの平次、嵐山公園中州下端・南岸河川敷(漁具あしらい)。関八州の岡っ引・勘助の談話、八王子の料亭を狙う龍巻組が集合と密告があり捕り方が張り込んだ鎮守、木島神社(本殿、舞殿ほか境内)。人足仲間に誘われしたたかに飲んだ帰りの元板前・文吉が始末されかかる池端、永観堂放生池畔(酔った二人が腰掛けるのは流出口の橋の欄干、このあと立ち回りで八王子料亭の娘・お孝が文吉を庇い斬られるのは参道付近)
*追い詰められ旅籠に立て籠もった引き込みを捕えるべく搦め手から回りこむ万七親分、障子にシルエット映っててバレバレなのが大笑い。このほかラス立ちで強敵に手こずっている平次が、万七のヘルプまでつとめるのもなかなか微笑ましい。八と清吉は漫才してるし。*八州回りと同じ浅葱の房をつけた十手を持つ勘助、その権威に「おっ」という場面もちゃんと描かれていて面白い。勘助は田崎潤。
2006/7/20

■ 隠密奉行 朝比奈 第4話「信濃路逃避行 狙われた姫君」1998/6-9フジ/東映

 松本藩江戸家老が姪である姫を擁して藩政壟断を画策、正室の産んだ上の姫を消しにかかる。江戸から国元へ向かう姫と若侍たち、江戸家老一派との丁々発止は信濃路で繰り広げられる。
 ロケ地、夕姫を乗せ早瀬をゆく船、桂川か。OPに被せ信濃入りの朝比奈イメージ、谷山林道上高地(梓川と雪嶺、景色をスケッチする朝比奈は谷山林道切り通しの崖端に立つ)〜茶店あしらいの街道は大堰川堤か(河畔林は竹)松本城。江戸城、姫路城。目付筆頭の渡辺が朝比奈の行状を言いつけに行く土屋相模守邸、大覚寺大門。江戸家老配下の追っ手と戦う若侍たち、酵素ダート(このあと家老の乗る馬と行き合わせる朝比奈もここ。勝沼宿手前設定)。斬り死にした若侍らの印籠を手に志は無駄にしないと呟く夕姫、酵素河川敷川辺。囮の真鍋が誰何される関所、不明(片側に石垣の地道)。城下を馬で駆け抜ける江戸家老、映画村に松本城天守を合成。江戸家老が姫を連れ込みついでに殿様も始末しようとする寺、龍潭寺(山門、本堂前)
*江戸家老に中山仁、夕姫は山口香緒里。*老中への報告「単なる噂でした」/江戸家老の「病死」については「働き盛りの急死が増えています」…ここんとこヨロキン風味。江戸家老派の藩士に福ちゃん、ゾンビ復活あり。

■ 銭形平次 第215話「喪服の似合う女」1970.6.17フジ/東映

 亭主を二人も亡くす紺屋の家付娘、不幸は家業第一の父が技術を持つ男を婿に選んだことに発していた。
 ロケ地、紺屋九兵ヱ方裏手の干し場、嵐山公園堀端(南岸)に塀あしらい。幼馴染の銀次郎と会うおせい、相国寺鐘楼裏手。
*松浦藩から注文されたろうけつ染めがモチーフ、凶器は材料の蝋だったりする。婿殺しこそやっていないが、おせいを陥れてあわよくば店乗っ取りを目論む婿になれなかった職人なんかも出て、若後家周辺に漂う怪しげなムードを盛り上げる。
2006/7/19

■ 隠密奉行 朝比奈 第3話「山形蔵王 世継ぎをさがせ」1998/6-9フジ/東映

 出羽・上山藩のお家騒動、側室と次席家老が我が子を次期藩主にと暗躍。朝比奈は道中で拾った遊び人を若君に仕立て介入、乱暴なお部屋さま一派を掃討したあと城代の狸芝居を引き継ぎ、しれっと老中に報告。
 ロケ地、上山城、本物。江戸城、姫路城天守。出羽入りの朝比奈が巡る名所は蔵王のお釜山寺(追っかけてきた真鍋が息をつく神社は山寺境内の日枝神社参道か)。朝比奈の財布を盗もうとして企みに引きずり込まれる鶴吉、清滝河原。お優の方と菊丸ぎみの行列が襲われる山道、谷山林道か。若君が襲われるお神楽の神社、鳥居本八幡宮。入城するお優の方が城代と押し問答、彦根城天秤櫓。楢下宿で襲われ逃げ出した朝比奈らが城代派の藩士と会う河原、保津峡落合河口。若君が重傷と城代に報告する女密偵、彦根城内か。
*城代に石立鉄男、鶴吉に宮川一朗太、お優の方は栗田ひろみで次席家老は内田勝正。次席家老が放つ刺客、虚無僧のリーダーが福ちゃんで台詞・クレジットあり。*朝比奈邸へお土産届けの真鍋くん、すっかりパシリ。殿様の布団に寝てる鎧(つぅか面頬)傑作。

■ 銭形平次 第214話「老岡ッ引の涙」1970.6.10フジ/東映

 永年御用を勤めた目明しの息子が、殺人事件の容疑者に。状況証拠真っ黒で伝馬町へ送られるところへ待ったをかける平次、奔走のすえ分限者のあととり娘を捜していた怪しの浪人を追い詰める。
 ロケ地、病の自分に代わって泉翁の遺児を探し当ててくれた河辺(ニセ仁科)に礼を述べる仁科浪人、三人で江戸を発とうとする街道筋は走田神社本殿前。
*老目明しは月形龍之介、老いたれど伝法口調もさすがの品格。放蕩息子に住吉正博。*あととり話の分限者は南蛮貿易で財を築いた「町人大名」の泉州屋、娘が二人江戸にという設定で殺された小唄師匠はその姉のほう。血筋の証明に黄金のデカい鈴とか、いかにものアイテムも出てくる。
2006/7/18

■ 隠密奉行 朝比奈 第2話「萩焼きの女 秋吉台の決闘」1998/6-9フジ/東映

 藩政の腐敗を憂える萩藩の若侍たちは暴発、家老の娘をさらい立て籠もりの挙に出たり。朝比奈は「草」の芝居に乗ってみせ、専売制をタテにとり専横を極める者どもを成敗、若者たちの処分を家老と大人の会話で「取引」。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守。朝比奈がゆく城下の浜は菊ヶ浜か。仰ぎ見る指月山は本物。国家老・堀田図書邸、萩城下堀内・口羽家住宅。ヘマをこいて逃げてくる真鍋を匿ってやる神社(?)、不明(石垣)。若侍たちが家老の娘をさらう路地、萩城下の鍵曲付近か。立て籠もる大照院、本物の山門。萩焼窯場下働きのおえんが素性を草と明かす山道、谷山林道。蔵元役の兵頭らが不正蓄財を隠匿している洞窟、秋芳洞(ここへ向かう際に秋吉台が映る)。兵頭の配下が討ち込み大立ち回りの大照寺、殺陣が室内からわっと出るシーンは神光院中興堂。藩侯菩提所の大照院は、OPで境内の灯籠群も映る。
*兵頭監物に黒木進。ラス立ち福ちゃん入り、逃げ去る一団にいて斬られず。

■ 名奉行!大岡越前2 第10話 2006.7.17テレ朝/東映

 お奉行襲撃事件が出来、黒幕と見えた爺さんは知らずに操られており、彼を庇った娘の出自がお白州で明かされ情話となる。
 ロケ地、襲撃実行犯について報告するおりん、大覚寺大沢池畔。このときお奉行を凝視する「鈴を投げた女」は五社明神にいる。粗朶を拾うその娘に声をかけ、槍から助けてくれた件を持ち出すお奉行、鳥居本八幡宮広場。水辺に佇みもの思う「鈴の娘」、大覚寺天神島(お奉行とおりんが見やるのは水路隔てて北側の池辺から)。所払いになった隠居と二人甲州路をゆく娘、酵素ダートか。事後、お散歩のお奉行と香織、大沢池北辺水路際並木道。頼まれた酒を持って駆け寄る大助、遣水跡芝地
*実は元老中筆頭の忠相を狙う隠居に長門裕之、頑固爺設定で「女中」の「鈴娘」おふさを怒鳴りまくり。おふさは遠野凪子。*槍で奉行を刺しかけてる男を鈴で阻止する娘といい、隠居暗殺に来ていた侍を短剣投げで止めるおりんといい、強すぎ。

■ 銭形平次 第213話「流人島異聞」1970.6.3フジ/東映

 御番所雇いの密偵が殺された裏にあった哀しい事情、同じく「イヌ」の島帰りはひたすら愛した女の幸せを願っていた。
 ロケ地、密偵の伊三郎を待つ万七、日吉大社大宮橋(刺された伊三郎の血がぽたぽた落ちてきてギャー)。佐八が簀巻きにされ放り込まれかける夜の大川、罧原堤下桂川か。伊豆沖の流人島「泡島」の情景、不明(袖志に似る海崖の棚田と岩浜)
*身分を偽っていた泡島の水汲女に村松英子、凍てついた表情が凄絶。彼女を思う鎌いたちの佐八に夏八木勲。
2006/7/17

■ 銭形平次 第212話「黒い矢」1970.5.27フジ/東映

 御金蔵を狙う賊は、邪魔な平次を殺しにかかる。それは首領亡き後の後継者争いレースでもあり、あの手この手で仕掛けてくるが、平次宅にまんまと潜入していた女を信じたお静の情が血路を開く。
*ロケ地なしセット撮り。最後のさいごに正体を現す冷酷な殺し屋に天津敏、一味の中には藤尾純も。

■ 隠密奉行 朝比奈 第1話「桜島に消えた割符」1998/6-9フジ/東映

 捕えられるも殺されず監禁されている公儀隠密を探しに朝比奈は薩摩入り、用心棒としてワルの内懐に入り岩牢で大立ち回りのすえ任務を果たす。父を探しに来た隠密の娘と、彼女を庇った通辞の青年の新たな旅立ちで幕。
 ロケ地、江戸城、姫路城天守(堀留からのショット)。溶岩越しの桜島はなぎさ遊歩道からか。隠密奉行薩摩に来ると急使が来る鶴丸城唐物倉庫、彦根城三重櫓。巡礼女(隠密の父を探しに来た娘)と六部(御小人目付・真鍋)が別れる城下の道、不明。真鍋が変装を解いて侍姿で出てくる浜の洞窟、山川町砂蒸し海岸(足もとから湯気が立つ。遠景に俣川洲や開聞岳←長崎鼻越し)。開聞岳の岩牢、砕石場(岸壁に小滝かかる)
*大ワル役人は石橋蓮司で悪徳商人は小沢象で示現流剣客は亀石征一郎、国家老は御木本伸介で、通辞が妙を匿う家の親爺に織本順吉。結局は落命する隠密に清水絋治。急使に峰蘭太郎や藩士の福ちゃん(クレジットあり)。

■ 新・座頭市 第3話「潮来の別れ花」1976.10.18勝プロ/フジ

 行き合わせた船で市の手を引いてくれた優しい女、騙され娼婦となった彼女を解放する市だが、その行為は彼女の情夫を斬ることにつながる。
 ロケ地、喜三郎が駒芸を見せる我孫子渡しの船、大堰川か。潮来へ着き悪魔祓いの太鼓を聞く市、広沢池東岸
*妙に十朱幸代、ヒモの色悪に津川雅彦、ところの親分に江幡高志で手下に石橋蓮司。

■ 必殺仕事人V激闘編 第8話「初夢千両殺し」1986.1.17ABC/松竹

 京の闇の会から来た大口の仕事、的も謎めき依頼者もどこかヘンな一件はやっぱりカネにならず、千両は夢と消える。
 ロケ地、京へ向かう竜が休む茶店、谷山林道分岐道。主水が盆栽の「駕籠」を従えゆく道、桂川松尾橋下手右岸堤。主水が盆栽に水をやる山道、谷山林道分岐道ピーク際。京イメージ、東寺五重塔三条大橋を合成。京入りした加代がゆく道、仁和寺御室桜林際参道・背景に塔。その加代に偽の使いが声をかける門、仁和寺中門(二王門バックの見返りもあり)。迎えは敵の一味と協議する仕事人たち、今宮神社境内(この後もツナギはここ。楼門傍や稲荷社前、高倉前等)。暗殺された京の闇の会メンバーの死体検分、嵐山公園中州下手右岸河川敷(栗石敷き)。錦堂が雲水の「六角」にツナギをとる橋、中ノ島橋(雲水の六角は橋の下)
*弐が参加、ターゲット誘き出しに梅川菊之丞一座の興行を使い、舞台裏で仕置が進行。京の闇の会元締に江幡高志、姉三六角蛸錦のヘッド・錦屋に牧冬吉。
2006/7/16

■ 松平右近事件帳 第36話「狼に狙われた一人娘」1982-1983日テレ/東映

 好色な馬鹿殿に娘をとられそうになった親父が思いつく狂言、勘当息子に助力を頼むも裏目が出てしまう。
 ロケ地、茜屋のおみねが誘拐される道、大覚寺参道(明智門前〜参道石橋。頬っかむりの「悪者」は御殿川の中から様子を窺い、参道石橋から娘を引き下ろし河床に置いてあった駕籠に乗せて拉致)。身代金持ってこいの大川浜町河岸、広沢池東岸(後段、茜屋の勘当息子の弟分が馬鹿殿におみね情報を売った帰り消されるのも同所)
*作事奉行の馬鹿殿は峰岸徹、素っ頓狂な高声は志村けんの馬鹿殿に似る。おみねは芦川よしみ。ラス立ち福ちゃん入り、一旦清太郎に刺されるが復活、廊下続きの橋上でのけぞりを決める。
2006/7/15

■ 悲恋の若武者 西山正輝監督作品 1962.7.15大映

 西南戦争前夜に咲いた青い恋、敗色濃い情勢に一度は恋人との別天地を夢見る青年だが戦場へ戻り、悲劇に突入してゆく。
 ロケ地、米ノ津へ向かう駿太郎が白馬を走らせる野、不明。青雲塾、不明(中に萱葺き、アプローチは白壁)。駿太郎が塾長の娘・志保とデートの棚田、小山等不明。五番隊へ密書を届ける駿太郎、大覚寺五社明神(五番隊集結、田原坂へ出陣準備中)。志保を救出に行き脱走と疑われた駿太郎に向けられた刺客・弥太が警官隊と斬り結ぶ道、大覚寺護摩堂(石仏のうしろに回り応戦)。田原坂へ進軍する西郷軍、不明。
*戦争間際西郷軍に投じる青年・天野駿太郎に橋幸夫、志保に三条江梨子、裏切者の田島に浜田雄史、駿太郎が助けた密偵=警官隊隊長に天知茂。*御一新のあとなので男はみんなザンギリ頭、女性陣や年寄は髷。
2006/7/14

■ 遠山の金さん 第30話「暗闇の銃声を消せ!!」1976.4.22NET/東映

 奉行を恨む男の仕込みで失態を演じる北町、その男の使嗾で瓦版屋が書きたて奉行の進退問題に発展するが、北町同心に恩を受けた芸者が体を張って悪事を暴く。
 ロケ地、お竜に短筒探索を指示する金さん、大覚寺大沢池畔。淀屋が参る兄の墓、相国寺墓地か(奥に竹林)
*芸者・玉菊は錠前師の娘、中山同心に危機を救われ見逃して貰った恩を返そうと動く。彼女はお竜の知り合いで、天井裏でばったり。*淀屋は深江章喜、お白州では拳骨振り上げて向かってくる。中山同心は河原崎次郎。

■ 銭形平次 第211話「おぼろ駕篭」1970.5.20フジ/東映

 祝言目前の娘のかどわかし、調べを進めると何やら不審。裏には、娘の幸せを願う父の思惑が隠れていた。殊勝なオヤジを見た親分、すっ惚けた顔で誘拐事件はなかったことに。
 ロケ地、お品親分が「誘拐」の駕籠とすれ違う三間堀、不明(掘割に石橋、渡ると両脇に狭間を見せ控所の窓付きの立派な門、塀は五本線入り。門前の道は地道)。加助と「料金」のことで揉め争う若狭屋、わら天神本殿裏手。川越から帰ってくる若狭屋の娘を待つ橋たもとの茶店、流れ橋右岸堤にセット(現在コンクリートの部分もしっかり木)
*久々登場のお品親分、キャストは城野ゆき。若狭屋の娘と恋仲の浪人に村井国夫。
2006/7/13

■ 新・座頭市 第2話「父恋い子守唄」1976.10.11勝プロ/フジ

 父の店へ向かう子には刺客、養父を実父の仇と狙う兄に心痛める妹。ゆきずりの市はもつれたしがらみを断ち切り、去ってゆく。
 ロケ地、旅に病み死んだ女から坊を託される市、保津峡落合(一部別の可能性あり)。坊が蜂の巣にいたずらし「蜂のおじちゃん」と出会う茶店、大内辻堂脇にあしらい(大内道が街道設定で旅人がゆく。登りにかかる道に赤土露出)。岸田森の殺し屋(風体は行商人)に声を掛けられる道、不明。眠ってしまった坊をおぶい行く山道、不明(彼方に里)。頭に柿を乗せて叩かせる大道芸のいる神社(紬一家のおりんが「座頭市」に声をかける)藪田神社境内(狛犬脇)。蜂のおじちゃんが斬られて逃げ込んでくる水車小屋、不明(セットか/浪人と市が睨みあいのシーンで背後に小川)。実は紬一家の大親分だった蜂のおじちゃんの隠宅、不明(大きな萱葺)。坊をさらった一味と対決の神社、廣峰神社(参道、本殿前。坊は舞殿にくくられ、浪人は水場の前に立つ)
*蜂のおじちゃんに辰巳柳太郎、おりんに宇都宮雅代、殺し屋に岸田森。*ラス立ち、市を攪乱するのに鉦や鈴をじゃらじゃらの演出あり。岸田森の懲らしめられ方が痛くて傑作、そのあと手当てして出てくる格好はもっと傑作。

■ 銭形平次 第210話「腕白小僧」1970.5.13フジ/東映

 評判のいたずら小僧がもととされた火事は、平次らが躍起になって追っていた辻斬り強盗の仕業。悪ガキは一味にとっ捕まるが、友のため「証拠」の在り処は吐かないのだった。
 ロケ地、辻斬り事件、道具屋の番頭が殺られた御茶ノ水屋敷町、相国寺方丈塀際。呉服屋の番頭と丁稚が襲われた本郷湯島天神の路上、相国寺弁天社。三吉がほっつき歩く引越し先の深川界隈、上賀茂神社馬場。お照に宝物を見せるのはならの小川畔。ラスト、遊ぶ二人を見る親分も同所、葉を落とした枝垂れ桜が映り込んでいる。
*三吉の母(万七がデレデレ)に真屋順子、一味の浪人に伊達三郎。*三吉にいたずらされる八、寝ているところへカエル多数投げ込まれ。
2006/7/12

■ 銭形平次 第209話「女が消えた」1970.5.6フジ/東映

 江戸へやって来たばかりの女が不思議な経緯で連れ去られた裏にはお家騒動、町方の女の危機を捨て置けず親分は甲州街道へ出張る。
 ロケ地、高遠藩隠し目付の顔を知る蕎麦屋の女房が首実検に連れ出される街道、不明(山上の溜池、湖尻と思われる堤を街道に見立て。流出?する川に朱橋架かる。水面は浅葱色)
*お静香山美子に交代、アイキャッチ等少し変わる。
2006/7/11

■ 銭形平次 第208話「五里霧中」1970.4.29フジ/東映

 ワンマン親方が一人決めの娘の婿=後継が殺される。いつもの如く万七の短絡で「凶器」の持ち主で娘といい仲の同僚が捕えられるが、もちろん彼はシロ。夢見がちな親方の娘が捜査を引っ掻き回す一幕があって、メデタシで〆られる。
 ロケ地、婿に決まった伊八が殺されて見つかる水辺、罧原堤下河原(船小屋あしらい)
*親方の娘が曲者、恋人が冤罪に落ちかかっているのに「命を賭けてくれた」とか嬉しそうに舞い上がるアレな人。自らの夢の実現には偽証も厭わぬあたりはちょっとコワい。ラスト、真犯人に迫られるくだりでは蓮っ葉な悪女ぶりもちらり。この女と祝言を挙げる運びとなる、思い直したほうがいいぞと忠告したくなる気の毒な若い衆は亀石征一郎、目は怖いもののダーク部分なしの被害者。*メデタシは親分に仲人の話が来てエンド、しかしまたまた「高砂」詠唱を渋る平次、調子っぱずれの歌声が戸から漏れる。

■ 名奉行!大岡越前2 第9話 2006.7.11テレ朝/東映

 死んだ筈の盗賊が江戸に舞い戻り己をさした男にお礼参り、穏やかに幸福な家族を切り裂く。女房は亭主が残した血文字の意味を解すが黙し白州でも証言を拒むが、お奉行の心利いた誘導で暴露せぬほうがよい真実は伏せられたまま結審。
 ロケ地、殺された元密偵の墓、鳥居本奥の竹林か(巨石の傍)。遺された女房に知る情報をぶつけ迫るお奉行、大覚寺大沢池北岸(庭湖石前)
*上方商人を装う賊に西田健、お白州でバックレの舌なめずりも良し、侠気を求められての陳述もさすがに巧者。賊の情婦だった「母」に多岐川裕美。*EDに被せ香織と大助との結婚を示唆。
2006/7/10

■ 必殺仕事人V激闘編 第7話「主水、正月もまたイジメられる」1986.1.10ABC/松竹

 落ち目のヤクザは闇の会に頼んで失地回復を図るが、「三代目」が単身斬りこむのを阻んで自身が乗り込み、敢無い最期を遂げる。依頼は正月行事に乗じて派手に遂行される。
 ロケ地、加代が竜に仕事が流れた件を話す縁日、今宮神社境内(竜が店を出しているのは高倉脇坂下)
*梅若一家にただ一人残った子分の「おいちゃん」は原哲男、背の彫物に皺の寄ったショボいオヤジが「三代目」を叱り飛ばす侠気が泣かせる。三代目は嬢ちゃまで、ドライに物事を割り切るイマドキの若者設定、しかし捕まった仲間を見捨てておけず単身カチコミ決意の潔さや、政に甘える可愛さが出色。*おいちゃんに関わっていた参が仕事に加わる。お蝶を止める際の口調がコワい。

■ 銭形平次 第207話「裏切りの刃」1970.4.22フジ/東映

 連続する血腥い殺し、16年前の強盗事件との関わりの謎が晴れて出てくるのは、仲間全員を騙して金を独り占めしていた男。夫婦親子に命のやり取りをさせる悪辣さに、親分の怒り爆発。
 ロケ地、奉行所門、大覚寺明智門。16年前の押し込みの件を八に話す親分のシーンは上賀茂神社境内にスイッチ。お梶の墓、黒谷墓地。お梶の息子の京太が太吉に折詰を持ってくる船小屋、罧原堤下か。江戸を売ろうとする肥前屋に突きかかる太吉、上賀茂神社神事橋。利助が太吉を誘い出す天神裏、不明(舞殿の奥に朱玉垣)
*万七親分、出番少ないけど迷推理を開陳、お梶の残した血文字「ろく」で六のつく男を調べるも不調→そうか女かも→「犯人はお六って女よ」…。
2006/7/9

■ 新・座頭市 第1話「情けの忘れ雛」1976.10.4勝プロ/フジ

 八州に斬られた男に形見を託される市、行ってみると色と欲がらみの陰謀が判明。こんなのを生かしておいては男の妻子が幸せになれない、と市は呟く。
 ロケ地、弥吉が八州に斬られる高幡宿街道筋の茶店、流れ橋下にセット(弥吉の「罪状」が橋脚に張り付けられる)。友部宿へ向け歩く市、木津堤。弥吉の娘・おかよと出会う路傍の石仏、木津堤降り口。八州の「成敗」は流れ橋上〜木津河原
*弥吉をハメた親分に藤岡重慶、これとグルの八州に江見俊太郎、弥吉の女房・おしのにいしだあゆみ。*「座頭市物語」11話で石橋蓮司がやられたのと同じ、畳を下から切り抜いてすとんちょ↓をまたやる。このあとの藤岡重慶の殺され方がギャーな痛さ。

■ 松平右近事件帳 第35話「とどけ・涙の叫び」1982-1983日テレ/東映

 座頭殺しで捕まった幼馴染の無実を訴えるおさよ、彼を慕っていたおさよの心を察した右近が動く。
 ロケ地、機嫌悪そうに川に石を投げる栄治に声をかけるおさよ、下鴨神社泉川畔。栄治に偽の伝言をした旗本の手先が始末され浮く大川、広沢池観音島(梅吉が仕事中見つけて引き上げ)。小普請組・大槻邸、大覚寺大門(見張る清太郎は御殿川の中)。赤猫でお解き放ちの栄治が出頭場所へ向かう道、大覚寺放生池堤大沢池(旗本たちに囲まれ)。清太郎に窮地を救われ足を負傷しつつ行く栄治のシーンは下鴨神社糺の森にスイッチ。出頭場所の築地妙慶寺、毘沙門堂(山門に薬医門、栄治が足を引きずりつつ来るのは参道坂)
*栄治に永井秀和、座頭を騙し金を巻き上げていた旗本に亀石征一郎(待つのももどかしいとか言って牢に放火したりする癇性持ち、なかなかコワい)、座頭に阿波地大輔、牢奉行の波田久夫もいい味。ラス立ち福ちゃん入り、大槻の下でブイブイの「六法組」の一人。
2006/7/8

■ 遠山の金さん 第29話「燃える瞳を救え!!」1976.4.15NET/東映

 涙なみだの母子再会もの、金さんが構った浮浪児はクソ生意気でコソ泥も働く悪たれだが、身売りした母を取り戻すための金を貯めていた。
 ロケ地、お竜が仙太を連れ出す天神さま、今宮神社境内(縁日)。仙太が目撃した殺人犯の坊主が住持する正林寺、不明(坂下って門、前の壁沿いに地蔵のアレ)。見つかり逃げる仙太が走る道、大覚寺大沢池北岸(西望、心経宝塔映り込み)。再び正林寺へ行き母と坊主のヤバい密談を聞きしょげた仙太が石を投げる堀端、大覚寺有栖川畔。
*宿場女郎のあと口入屋の妾となり人身売買組織の手先をつとめるようになっていた「母」に長谷川待子。
2006/7/7

■ 銭形平次 第206話「心中屍体始末」1970.4.15フジ/東映

 擬装心中の片割れは隠密回り、平次は変装し犯罪集団の群れに身を投じるが、そこには「心中」で殺された女の恋人も。復讐劇は凄絶な幕切れを迎える。
 ロケ地、隠密回りと酌婦の心中死体が上がる洲崎の浜、広沢池東岸(池中からの撮りか)。隠密回りの死体を確認にゆく寺、相国寺光源院。八と一芝居打ち一味に潜入の親分、嵐山公園堀端(南岸、囲いをあしらい行き止まりが堀という趣向、中州の料亭裏側が借景。八の堀ボチャ・プカ浮きあり)。一味のアジト付近の描写、上賀茂神社北神饌所裏手や奈良社渉渓園など。女を売り飛ばす船を待つ一味、罧原堤下河原に小屋セット。抗争で殺された一味の男が流れ着く下手の汀も同所。
*女を殺された恨みを報じに一味に入る源太に中野誠也。*親分の変装は銭でアイパッチに月代ぼうぼう。アイパッチは銭で、もちろん危機の際「使う」。
2006/7/6

■ 銭形平次 第205話「捕物供養」1970.4.8フジ/東映

 これで定年という日に破牢者が出て大失態となる牢番の親爺は自責の念に駆られ自死、逃げた凶賊と手引きした仲間をお縄にする平次、爺さまの初七日の供養とする。
 ロケ地、五平渡しで船を盗み逃げおおせる賊、罧原堤下河原に小屋・船着セット(平次の推理の「再現ドラマ」仕立て)。牢の格子を切った吉次の死体が上がる川端も同所。その船を燃やした痕跡を見つける相川屋所有の空地、不明(よく出てくる材木置場、梅津あたりか)。大捕物ラス立ちの相川屋荷揚げ場、琵琶湖畔か内湖か(丈高い葦を干してある水辺、徳川おんな絵巻等でも見かけた光景)
*破牢の賊・源佐に深江章喜、つるむ岡っ引に森健二。
2006/7/5

■ 銭形平次 第204話「江戸愚連隊」1970.4.1フジ/東映

 殿の掛軸を盗られた腹切ると騒ぎ平次を頼るお侍、かっぱらいのチンピラを捕まえて出てきた真相は、仇討ちや詐欺。
 ロケ地、高遠藩御納戸役から軸を盗む稲妻組の若者たち、癪のフリの娘は中ノ島橋、軸をパスしながら逃げる若者たちは堀端。稲妻組に話を持ちかけた男を尾行する道、相国寺路地(光源院の北あたりで刺殺)。高遠藩上屋敷、相国寺林光院
*親分の侍嫌いが進みそうな事件、折角貰った長期休暇は何日潰れたか。*稲妻組は詐欺に遭いかかった縁で越後屋が雇い入れの運びで、町のダニも更生してメデタシ。
2006/7/4

■ 名奉行!大岡越前2 第8話 2006.7.4テレ朝/東映

 用心棒の浪人が雇い主を殺したとされる北町扱いの事件、父の無実を信じる娘を拾ったお奉行が動き真実は明らかとなるが、ちょっと待ての幽霊が残ってしまう。
 ロケ地、北町同心を刺そうとしていた浪人の娘・お京を阻止し話を聞くお奉行、上御霊神社本殿裏手。お京が北町同心らに消されかかる夜の神社、竹中稲荷参道〜本殿裏手摂社群。
*話の起こりの稲荷堂に出る幽霊は峰蘭太郎、鼻筋の通ったお顔が下から照らされギャーな雰囲気満点。EDのうばぁなヤツもナイス。お芝居じゃなくマジで「出ている」設定が笑える。お白州もわざわざ日暮れてからやってて、篝火消えたりなんかする。何度もねじこみに来る北町年番与力を丸め込む笹倉さまも笑える。

■ 銭形平次 第203話「御用金の行方」1970.3.25フジ/東映

 御用金強奪事件、手違いから一味にも金の隠し場所が不明となり右往左往。平次をたばかろうとした大根役者たちの裏にさらに黒幕、しかしはじめに演じた猿芝居を実行する羽目になる。
 ロケ地、御用金強奪現場、上賀茂神社北神饌所裏手。勘定方組頭の千崎が平次に捜査状況を知らせてくれと頼む神社(?)、不明。一味の勝造が隠れていた小屋、不明(背後の水面に流れが見える)。平次が騙りの「目付筋」に監禁された神田川沿いの空家、邸外での殺陣は嵐山公園堀端に塀をセットして。勝造が言い残したヒントに金は墓の中と思いつく平次、金戒光明寺栄摂院前〜龍光院前。「有明新兵衛」の墓は本堂裏手墓地
*友に申し訳ないと腹を切りかける千崎に情け容赦ない言葉をかける平次、これが微妙な伏線。彼をも操っていた魔性の女に長谷川待子。
2006/7/3

■ 銭形平次 第202話「針にかかった魚」1970.3.18フジ/東映

 特赦で佐渡から帰った男は、まっすぐ自分をハメたワルに向かうが再度罠に落ちる。殺しを防げなかったと悔やむ平次は、巧妙に仕組まれた工作を見抜き、三年前の悪事も炙りだす。
 ロケ地、為吉に誘われ釣りの八、大覚寺大沢池畔。坊主で帰る道すがら物騒なことを呟く弥之助を見るのは五社明神、弥之助は大沢池北西畔に立つ。弥之助が大黒屋と思い込み釣り人を絞める水辺、放生池堤。検分にやって来た万七が出てくるのは護摩堂脇。大沢池は水少なく底が見えている。
*冒頭、為さんが魚屋で買って誤魔化そうと持ちかけるエピソードが後段に持ち出され、謎を解くきっかけに。

■ 水戸黄門21 第1話「悪鬼が巣食う岡崎城」(後)1992.4.6TBS/東映

 岡崎を目指す老公、道に迷って入った荒れ寺で珍妙な襲撃を受け姫を奪われるが、閉門中の国家老を叱咤しお城へ乗り込ませる。
 ロケ地、助格と姫たちが老公を待つ吉田の道端、大覚寺天神島祠前。岡崎城天守、不明。矢作川の渡し場で見送られて発つ一行、罧原堤下河原に茶店あしらい。船のシーンは嵐峡。そのあとの陸路は不明。
*ラス立ち福ちゃん入り。

■ 必殺仕事人V激闘編 第5話「りつの家出で泣いたのは主水」1985.12.20ABC/松竹

 依頼の的が女三人で楽な仕事と舐めてかかるとタイヘン。てんでに銃をぶっ放す危険な女たちに加え怪しの異人、助っ人二人(壱と弐)を呼んで少ない仕事料からぼったくられる。
 ロケ地、加代が「壱」と書いた凧を揚げる神社、北野天満宮本殿裏手。そこに通りかかった依頼者と話すのは参道(灯籠、石畳)。依頼者の長崎時代の回想、女房と仲間の女に落とされた崖、保津峡落合落下岩
2006/7/2

■ 座頭市物語 第25話「渡世人」1975.4.3フジ

 市を親分の仇と狙う二人の若い渡世人、死んだ時の世評からも親分がろくでなしなのは判っているが、だからこそ尚更筋目は通さねばと決死の覚悟。二人の心底を見た市は殺すに忍びず去ろうとするが、縄張目当ての汚い親戚筋が彼らを消そうとしていた。
*街道筋等ロケ地ほぼ不明。若い渡世人に近藤正臣と新克利、新の妹に真木洋子。縄張目当ての親戚筋に渡辺文雄と今井健二。

■ 座頭市物語 第26話「ひとり旅」1975.4.17フジ

 故郷へ帰る市、迎えた和尚は市の業の深さを覚り、仕込みを封印し穏やかな生を送らせようとするが、市を狙う者どもは容赦なくやってくる。
 ロケ地、笠間・箱田村の西念寺、丹波国分寺。ここが主舞台なので寺の内外をたっぷり使う。まず市が寺へ入るシーンは門を内側から。寺での開帳を強要する渡世人たちがやって来るシーンはお堂を裏手から。境内をお掃除の市に声を掛ける由美は礎石群。鐘楼での鐘撞きもある。門前の道には「はさ木」が並ぶ。
*ヤクザの被害を受け市を追い出せと騒ぐ村人が、和尚の死後一転市の存在を肯定し受け入れ暖かい言葉をかけるくだりや、和尚が身をもって市を庇うくだり、和尚の埋葬で掛ける土に仕込みを発見する仕掛けなど、これでもかというべったべたの筋立てを受けての市のしぐさがもうたまらなくイイ。このとき一切台詞なし、市の微かな動きから見る者の身を震わせる激情が伝わってくる。*和尚に中村鴈治郎、登場時河豚に中って埋められたりしている。市に好意的な村娘に由美かおる、役名は「お由美」。市を狙う賞金稼ぎの一匹狼に竹脇無我、市情報をネタに稼ごうとするチンピラに中尾彬。

■ 松平右近事件帳 第34話「義賊と鳥追い」1982-1983日テレ/東映

 大工の父を辻斬りに殺され、仇を探す姉弟。姉は鳥追いに身をやつし、弟は武具商に勤め仇の情報を得ようとするが、焦れた弟は武家屋敷を直接探るうち腹が立ってきて義賊を気取るようになっていた。右近が乗り出し単なる辻斬りでないと知れワルは一掃、捕まれば獄門の弟の始末は粋なはからいでエンド。
 ロケ地、おらんが丁稚を苛める侍から掏った印籠を持ち聞きこみの右近が浪人たちに襲撃される道、金戒光明寺長安院下坂(刺客は鐘楼下の石垣から殺到、小峰さん入り。雇ったのは印籠を見た鳥追い女)。大奥総取締の山野辺が「参詣」の青山・光明寺、西明寺(寺社奉行が入ってゆくシーンに山門、若僧が空手トレーニングは鐘楼前、僧と奉行が話すのは本道縁先)。おらんと梅吉が印籠の主を探して歩く途中、寺社奉行の手下に見つかる道、金戒光明寺永雲院下坂。父の墓に参る鳥追い、金戒光明寺墓地。墓で会って帰りの姉弟に声をかける右近は本堂脇、茶店あしらい。右近が義賊・むささび小僧を「成敗」する小塚ッ原、下鴨神社池跡(墓標あしらい)。右近がむささび小僧を捕えたと聞き駆けつける石部のダンナが渡る橋、下鴨神社参道石橋(池跡に駆けつけるも右近にもう斬って埋めちゃったと「髷」を渡され岩さんクサる)
*大工が殺されたのはヒミツの工事の口封じ、山野辺が頻繁に「参詣」する寺の本尊の裏が若僧とお楽しみBFへの入口で、ごごーっと開く趣向。彼女に取り入る寺社奉行に田口計、僧に福山象三。*鳥追い女の姉は早瀬久美、弟のむささび小僧に佐藤裕介。*ラス立ち福ちゃん入り、一旦後姿で斬られたあと復活し田口計の前に斬られる。
2006/7/1

■ 緋ざくら大名 加藤泰監督作品 1958.1.29東映

 北条五万石の跡目をめぐる騒動は姫が婿を迎える段になり噴出、魔手から逃れ市中に出た姫は助けてくれた若侍に心惹かれてゆく。殿の暗殺、家老の軟禁などあり姫を害さんとする手が迫るが、長屋の若様の活躍でワルは成敗される。ここで涙ながらに別れる二人、いよいよ婚礼という段でまた出奔、しかし最後には互いの身分を知ることとなる。
 ロケ地、北条家江戸屋敷、西本願寺大玄関門。紀五郎の無体から逃げた姫が駆け込む浅草奥山、仁和寺御影堂前〜鐘楼前〜金堂脇。千代三郎が太鼓叩きをしている芝居小屋は参道にセット。姫を見失い途方に暮れる侍女が佇む橋、不明(このあともいろんな場面で出る。川端に蔵が見える)。賭場で借金を作った千代三郎が金を取りに入る桑名十一万石・松平邸、東本願寺内事門。侍女が兄と約束の場所へ赴き追っ手に見つかる浅草観音、仁和寺手水場前〜石段前。約束の場所へ向かう途中雨宿りの圭之介(侍女の兄)南禅寺総門。変事を察した圭之介が入る藩邸通用門、南禅寺僧堂南側通用門。北条家へ向かう途中駕籠を止めさせ逃げ出す千代三郎、興正寺塀北西角(西本願寺大玄関を映さず)。逃げ出した姫が通り抜ける神社、不明。

■ 座頭市物語 第24話「信濃路に春は近い」1975.3.27フジ

 善光寺参詣帰りの富商の娘が身代金目的で狙われる、早春の信濃路。誘い出された彼女と道連れになった市が娘に伸びる魔手を防ぐのはパターン通り、メインテーマは世間知らずの高慢な令嬢が人の怖さを知りかつ情を覚る成長物語、謝ることを知らなかった娘は黙って姿を消した市に向かって叫ぶ「市さんごめんなさい」。
 ロケ地、山道野道ほぼ不明。乳母が病とのニセ情報で誘い出された絹問屋の令嬢が市と出会う岩村田の渓流、保津峡落合河口。
*令嬢を狙う渡世人やところの親分に芦屋雁之助、近藤洋介、和崎俊哉。*市の殺陣見どころは左右の草鞋結ばれてぴょんぴょん飛びでの立ち回り。

■ 京都マル秘仕事人 1

 仕留めるワルの「御前」が金田龍之介だから。時々「怪異」を髣髴とさせるイヒヒ笑い入るし。「勇次」の手下の年寄二人(織本順吉と松之助)は老活動屋で、渡月橋で時代劇撮影なんかしてるし、中ノ島橋上手の堰堤で「晒し」があるしなかなか楽しい趣向。面白いのは今の三面張り・河床に一本溝切りの堀川の底での撮り。必殺での効果と似通っていて興味深い。パト殺到の、よくある坂道を越えて来るシーンが九条の跨線橋なのがこじんまりしていてちょっとショボいへんが京都らしくて笑える。カラオケの先生→勇次へはモーフィング。金龍の「御前」はなぜかチョンマゲ姿で三条大橋に晒され。

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