時代劇拝見日記
2006年9月

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2006/9/30

■ 眠狂四郎 殺法帖 1963.11.2大映

 加賀藩の騒動で、対立する二方いずれもが狂四郎の力を利用すべく接触。もちろん知ったことではない狂四郎、加賀藩主から差し向けられた女にも触手を伸ばさないが、彼女に自分と同じ暗い生い立ちの翳を見いだし、拉致された女を追って金沢行となる。救い出され結ばれたあと己の出自を知った女は、雄々しいまでの気迫で藩主を弾劾するのだった。
 ロケ地、少林寺拳法の使い手・陳孫が狂四郎を呼び出す亀戸・清香寺、下鴨神社(楼門をくぐると陳孫が翼前の床机に座っている。伊賀者に襲われた陳孫は、翼の格子を破って外へ)。陳孫が臥竜梅につけた短冊をたよりに佃島で釣りの狂四郎、琵琶湖(流入河川の河口、陳孫が合図する岸は石積護岸で背後に萱葺、海津あたりか)。無想正宗を陽にかざしての回想、円月殺法を会得した瀬戸内の島、鳥取大砂丘。加賀藩主の参勤交代の列がゆく街道、不明(山道)。同じく加賀を目指す狂四郎が伊賀者とやり合う林、血刀を洗う谷川、不明。金沢城下、托鉢僧にまじり町をゆく銭屋と陳孫、建仁寺か相国寺か。加賀藩に大事をもたらすブツの入った箱を取り出す崩れ土塀、下鴨神社河合社裏手にセット(文字若がかっぱらった箱を塀内に投げ入れ、中には狂四郎という運び)。金沢城へ乗り込む千佐、イメージに姫路城天守。陳孫と対決の海浜、鳥取大砂丘(遠景に駟馳山)。人の運命を狂わせた碧玉仏を投げ捨て慷慨する崖、不明。

■ 新・座頭市 第23話「幽霊が市を招いた」1977.3.14勝プロ/フジ

 いちいち市に噛み付く狂犬のような渡世人は実は市に誼を通じたがっていて、背に負った刺青のいわれを聞いて貰い再会を期して別れる。約束の花祭りの在所を訪ねた市は、不可思議な気配を感じる。それは恋しい男のむくろの在り処を知らせる、幽冥からの呼び声だった。
 ロケ地、河畔に猫柳の芽ふくらむ川をゆく渡し舟、大堰川か。街道筋、むくろの転がる下津の野原、亀岡盆地か。
*下津へ向かう渡船で語られる冥界からの声、旅籠で市に示される気配、これらが暴れていた頃の原田芳雄のエピソードと錯綜し、不思議な効果を生む。*背に入水した恋人を背負う渡世人に原田芳雄、その恋人と酷似した容貌のあばずれ女に江波杏子、原田芳雄が叩っ斬った親分の跡目に大木正司。

■ 新・座頭市 第24話「大利根の春はゆく」1977.3.21勝プロ/フジ

 貰い乳をした女の墓に参る市が出会う人々、借金のカタに市に押し付けられた女と、病み付き虚無に陥る浪人。女は腐れ縁の亭主のもとに帰ってゆくが、病篤い男は市への刺客となり死場所を得る。
 ロケ地、利根の渡し場と以降の川端、琵琶湖東岸の汀や湖畔林(東岸と判断した理由は、河口州越しに見える三上山や八幡山)。市の在所の寺、丹波国分寺(門のほか境内、本堂裏手が使われる)
*胸を病み先が無いことを覚り女を突き放し一人死んでゆく用心棒に夏八木勲、市とは旧知・認め合う仲で凄腕の剣客。女房を博打のカタにするダメ男になべおさみ、へっぴり腰で市にかかってくるセコさが可愛い。その女房に丘みつ子、結局元の鞘に納まるが、それまでの市とのやりとりが傑作。
2006/9/29

■ 銭形平次 第266話「魔がさした祝言」1971.6.9フジ/東映

 金を盗るほかなぜか娘だけ殺していく賊が出現、犯行を重ねる。一方、酒屋の娘の祝言の席で毒殺未遂、二つの事件は通底していた。
 ロケ地、怪しい面売りを見つける縁日、御香宮境内(一人お縄にするも当の一味でなく小者、のくだりは絵馬堂)。伏見屋を襲う賊が出没する堀端、宇治か(けっこう流れのある瀞、橋の一部と船着きふうのテラスも見える)。生け花の帰り旗本の次男坊を待ち構え走り寄る伏見屋の娘、仁和寺水場〜御影堂前。次男坊を待つ娘、今宮神社若宮社(危機に平次が駆けつけ捕物のくだりでは合祀摂社前も)
*錯綜する「縺れた糸」は、旗本の次男坊が漏らした手習いをしているの一言でニセ侍バレバレ。犯行声明を見た平次が字を覚えて嬉しがって書いているのではと推理する伏線も張られている。

■ 必殺仕事人 III 第4話「火つけを見たのは二人のお加代」1982.10.29ABC/松竹

 旗本の次男坊と所帯を持つという加代の幼馴染、しかしその男には大目付の娘との縁談が持ち上がっていた。邪魔者の始末には、順ちゃんと同じ塾に通う放火犯の若者が巻き込まれる。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。山田流鎖鎌道場、相国寺大光明寺(周辺の描写に南塀も使われる)。大目付・土田邸に招かれ出てくる山田親子、林光院。父親が勇次に吊られるのは宗旦稲荷鳥居(新次郎をビビらせるのに加代が祠で三味を弾く)
*鎖鎌の達人の兄、天井に潜む秀の気配に気付き梁に鎖を飛ばし一瞬で天井裏に上がってくる妙技を見せる。この強敵に向かうのは主水、順ちゃんを囮に鎖を封じ回りこむ。順ちゃんは友達の火刑を見て熱出してるので、今回殺しはパス。*山田の父に五味龍太郎、出入りの火消しに丹古母鬼馬二。
2006/9/28

■ 銭形平次 第265話「子供たちの城」1971.6.2フジ/東映

 大火で親を亡くした孤児らと、それを見守る者たちの情話。世間の目は子らに冷たく、悪党は手先に使おうとするが、心正しき坊にはちゃんと救いの手が伸べられる。
*ロケ無しセット撮り。千吉坊に思い入れしまいにお救い小屋で働くに至る娘に二木てるみ、耐える表情の清しさが美しい。小屋の係りのお役人に桑山正一、始終こんな所へ回されてなどとぶつぶつボヤき、そのさまを子らに蟹平と綽名されるが、態度と裏腹に真摯に孤児を思う心優しき好人物を実に味わい深く演じる。*盗っ人宿に踏み込んだ親分の殺陣、親分目線で悪党にぐいぐい迫るカメラワークが部分的に挿まれていてなかなか見せる。

■ ちいさこべ 〜若棟梁と九人の子〜 第4話「絆」2006.9.28NHK

 お話のヤマは二つ、茂次が仏壇をそのままにしている本当のわけを知るおりつと、捨てた子を貰い受けに来る浪人。近付き寄り添ってゆくおりつと茂次の心、おゆうは事情を悉く外部から見ることになる。
 ロケ地、鶴の住んでいた長屋に赴く途中の子ら、桂川松尾橋下手右岸水制(干し場)。亡くなった大留の大工二人の法事が行われる源心寺、神光院中興堂(内部も使用)。法事のあとおりつが茂次を険しい目で見てつんけんした態度をとる墓地、化野念仏寺石仏群(灯入る)。子らが近所のガキどもと喧嘩の野原、大覚寺遣水跡芝地。負けたあともっと早く加勢していたらと呟く鶴、大沢池北辺水路(船あしらい)。鶴が父に仕官の祝いを述べる墓地、化野念仏寺。見送られ父と旅立つ鶴之助、大覚寺遣水跡芝地(焼けぼっくいあしらい)。父子が行ったあと脇から見送りに飛び出してきて泣き声で強がる茂次、大沢池北辺並木道
*大留の看板をカタに福田屋から金を借りるくだり、「利息が付く」の段で平泉成が娘に目くばせしその後おりつを凝視するさまが映像化されている。*鶴坊を返すに当っては「人情裏長屋」を踏襲するが、信兵衛さんでなく茂次風味にするためやりとりを少し膨らませてあり、ここで澤茂女将の江波杏子が利いてくる。茂次を納得させる設定にしてある沖石主殿の火野正平、正八や辰三郎を演じていた若い頃はもちろんイイが、このドラマでの「坊や哲」風味の寡黙な男は斬九でも伊三次でもお染でも光っていて、年取った正ちゃんもますます好きになってしまう。*渋すぎる豪華な脇に固められてメインの若いの三人はさぞタイヘンだろうと思うが、原作の青っぽい感じがよく出て却っていいのかもね…だけど次回予告のおりつ失踪ってあるのはやり過ぎでないかい…静謐なヤツを一丁お願いしたい。ところで、菊二の行動を曲解していて涙のエピソード、はみだしっ子の養親との一節はよく似てる。
2006/9/27

■ 銭形平次 第264話「命を売った男」1971.5.26フジ/東映

 五年ぶりに江戸へ戻る所払いになっていた極道息子、借金返済の工面をして帰る料理屋の主人、後者が殺され前者に疑いがかかる。真相が明らかとなる過程で、極道息子と老父の人情話が展開される。お話の切所には博打うちの習性が活写される。
 ロケ地、与之吉と伊兵衛が別れた茶店、伊兵衛が殺されて見つかる石座神社(劇中「いしざじんじゃ」と発音される)岩倉・大雲寺不動の滝と周辺(行場へ降りる石段を巧みに利用)
*博打狂いの極道息子・与之吉に亀石征一郎、乱暴者だが悪人に非ず。ラスト、板前修業だと大きな体を丸めて包丁研いでるのが可愛い。彼の老いた厳父に加藤嘉、息子が殺人者と思い込み自分が犯人と名乗り出るベタ甘親父でもある。伊兵衛の女房を狙うヤクザに伊吹聡太朗。
2006/9/26

■ 銭形平次 第263話「影を踏む女」1971.5.19フジ/東映

 意地悪な運命と悪党により隔てられていた恋人たちが、親分の働きで再び結ばれる情話。サブタイトルは恋人のためを思い幸福をあきらめた女の心情の隠喩、影踏み遊びがモチーフ。
 ロケ地、賊に入られた高家衆・石橋邸、随心院(門に薬医門のほか、大玄関や書院廊下、庭が使われる)。お駒が篠塚のため願を掛ける出世稲荷、今宮神社稲荷社。平次の仕掛けた罠にはまり隠した盗品を掘り出しに来る高家の納戸役、御香宮摂社、境内林。
*奉行所書役の職を得た元浪人・篠塚に長谷川明男、出世に障ると身を引き今また思う男のため罪を被ろうとするお駒に浜木綿子、彼女にたかるダニに穂積隆信、高家納戸役に中田浩二(はじめに出た時点の「あっこいつが」の直感を裏切らない悪者ぶりがナイス)。*ワルを飼っていた高家がお駒の奉公先となり肩入れの、「ちょっといい話」がラストに置かれる。
2006/9/25

■ 必殺仕事人V激闘編 第12話「頼み人は津軽のあやつり人形」1986.2.14ABC/松竹

 上野の森で評判をとる芝居は「本当にあった話」、政道批判ではなく、行方知れずの恋人が来てくれるかもしれないというささやかな望み。事が知れて困る奴輩は哀れな兄弟の始末を即断するが、依頼はとうに出されていた。
 ロケ地、はじめお化けが出ると噂の上野の森、大覚寺五社明神大沢池北西畔。役者も入れてフルに演じるくだりでは、舞殿や祠をうまく使って見せる。芝居を遠目に眺める津軽藩士は放生池堤。ツナギの凧を揚げる加代、中ノ島橋。馴染みの敵娼に芝居の女は自分と聞く壱、広沢池観音島(水無し)
*見どころは芝居に用いられる、思わず動きに見入ってしまう見事な人形。製作者の辻村ジュザブロー氏自ら兄の喜太郎を演じ「おしの」人形を操る。

■ 銭形平次 第262話「黄金の罠」1971.5.12フジ/東映

 射幸心を煽る富籤興行の黒幕は薩摩藩重職、一番富を引き当てた者を闇に葬りアガリはごっそりの魂胆。無辜の民を虫けらの如く殺した者どもを放っておけぬ平次、死を覚悟して威勢よく啖呵を切る。
 ロケ地、どこか怪しい易者・青雲堂が帰り道に芸者とばったり会う橋たもと、上賀茂神社神事橋。青雲堂を腕試しし殺し屋にスカウトの島津侍、ならの小川畔。富突きが行われる浅草の神社、不明(256話・辻占せんべいで出た神社と同所、楼門と舞殿)。札改役の大槻掃門の駕籠がゆくのを青雲堂が見ている夜道、上賀茂神社奈良社鳥居。八が富籤の払戻金について聞きこむ社務所は御香宮か。薩摩藩邸、仁和寺本坊表門
*不敵な元侍の青雲堂に若林豪、平次決死の立ち回り中に介入し正体を明かす。銭平には珍しい印籠ものパターン。千両富当てて殺される左官の江波多寛児(現・江幡高志)や、按摩の梅津栄もいい味。*親分、乗り込み時下に着込んだ白装束は背に念仏入りで襷掛けで決め、さぞ段取りが大変だったろうと思われる見せ場いっぱいの多彩な殺陣を披露。*今回でおしまいの土田早苗のお弓ちゃん、寿引退設定で「次の娘」もちらっと顔見せ。
2006/9/24

■ 松平右近事件帳 第46話「二人のおらん」1982-1983日テレ/東映

 屋敷奉公させた娘をタテに回船問屋に抜け荷を強要する悪家老、悪事に気付き屋敷を逃げ出した娘はおらんと瓜二つ。同じ顔をした娘の女心を察したおらんは、彼女を男に会いに行かせたり身代りを買って出たり。
 ロケ地、屋敷を逃げ出したおまちが走る道、相国寺方丈塀際法堂前。追手が出る鹿沼藩邸、大覚寺明智門。追いつかれ囲まれるところ、おまちをおらんと誤認した清太郎が介入、相国寺放生池天界橋。番所で診た病人を差し替えられた薬で死なせ御用も医者も停止になった右近が佇む橋、大覚寺天神島朱橋。おらんが武蔵屋の仙次におまちと誤認される縁日、松尾大社境内(おまちと誤認した殺し屋が凝視するのは亀の水場)。自訴しようとした武蔵屋がお参りしていて殺し屋にやられ縊死体で見つかる紺屋町稲荷、今宮神社地主稲荷。武蔵屋の墓、不明(丘陵地)
*おまちはかたせ梨乃の二役、恋人の仙次は森次晃嗣、武蔵屋乗っ取りを企む番頭は牧冬吉、鹿沼藩江戸家老は玉川伊佐男、つるむ与力は睦五郎、一味の殺し屋は山本昌平(強くてメチャ怖)。ラス立ち福ちゃん入り、清太郎にかかってゆき煙玉を食らう。
2006/9/23

■ 新・座頭市 第21話「契り髪」1977.2.28勝プロ/フジ

 市の仕込みによって断たれたかに見えた女の悪縁、しかし彼女の男が赦免され帰還、新しい暮らしをはじめた女のもとへ。市との日々を失いたくない女が求めて施した仕込みの封印は、そのとき解き放たれる。
 ロケ地、雪の海辺、琵琶湖(石積みの突堤に灯台あしらい、遠景にエリが見える)。川で染布を晒すおよう、大堰川河原。
*おように由美かおる、市っつぁんにかかる泥水なら共に被るのひとことが泣かせる。封印は彼女の髪で。つきまとうヤクザは峰岸徹、市に手首を落とされ泣き喚いて逝く。

■ 新・座頭市 第22話「浪人子守旅」1977.3.7勝プロ/フジ

 後継が生まれた途端蔑ろにされた婿養子は憤慨、赤子を連れて家を出る。曲折あって子は返し己は一人で生きていこうとした矢先、薄汚い欲望の横槍が彼の命を奪い、市は泣く赤子を抱いたまま大立ち回り。
 ロケ地、文無しで家出し市の握り飯を盗った男女が駕籠舁きにからまれる街道、大内辻堂前。その男女に財布を盗られた侍が宿代を稼ぎに行く道場、この民家に酷似するも細部が違う。ヤクザにさらわれた赤子を脇からかっぱらった男女、農夫に山羊の乳を貰い走る男、民家(同所で赤子を捜しに来た市とばったり。隠れている物置小屋はこの民家脇のごく小さな谷地田に)。侍に貰った金で飴売りをはじめていた男女に赤子を託す市、大内辻堂前。
*婿養子は財津一郎、境遇を憤慨して大声で呟くボヤキが傑作。道場破りに行くが田舎剣客に負けるくだりも大笑い、市との軽妙なやりとりが味わい深い。財津一郎一人で充分うるさいのに、赤子がまたぎゃーぎゃーよく泣く。この子がよく利いていて、立っちし始めの仕草が子連れ狼ばりに赤子に進路を選ばせる段で格段に可愛らしい。*江木俊夫と栗田ひろみ演じる男女の家出人がまたいい味で、ドラマに色を添える。

■ 必殺仕事人 III 第3話「アルバイトをしたのは受験生」1982.10.22ABC/松竹

 順ちゃんの学友の哀話、弟は身を汚してまで学費を作る姉を見かねバイトに出るが、世話をした口入屋はとんだ悪党。そして姉もまたその一味にがんじがらめの身の上だった。
 ロケ地、身元不明の少年の死体が上がる大川端、大覚寺大沢池畔。夜鷹が釈放される南町の門、明智門。水辺に物思うおせきを見かけ声を掛ける勇次、大沢池木戸放生池堤。口入屋とつるみ少年を食い物にする和尚が住持する宝徳寺、妙顕寺(導入場面では堂宇がぐるっと映される。少年たちが論語の講義を受けているシーンは尊神堂座敷、渡廊越しに方丈の塀と寿福院塔がのぞく。おせきが寺へ来て悪党どもに捕まるくだりや、主水が少年の首吊りに出くわすくだりは三菩薩堂前や基壇の亀腹(主水が潜む)。周平が逃げ出すのは本堂脇渡廊下)。中村家と誤認されていた本当の脅迫相手の屋敷は相国寺林光院
*弟の恨みをとの依頼は姉から、しかし的に自分も含めるのが哀れ。順ちゃんは彼女を仕留める羽目になる。
2006/9/22

■ 銭形平次 第261話「母子つばくろ」1971.5.5フジ/東映

 悪い男に騙され苦界に落ちた上方役者、行方知れずの母に会うため子が江戸にやって来るが身を恥じ名乗れず、そのうえ男の奸計で縁も無い女賊の身代りにされてしまう。
 ロケ地、坊を連れ江戸へ向かう途中のおすみが竹筒に何やら仕込むアイパッチの男を見る宇津ノ谷峠、不明(山道と谷川)。品川宿で女賊・弁天のお駒を待ち受ける平次、琵琶湖西岸に茶店あしらい。鈴ヶ森で雲助にからまれる坊とおすみ、舞子浜
*悲劇の母に藤間紫、坊は大川辰五郎、お奉行に高田浩吉でうるうる人情劇。

■ 遠山の金さん 第39話「松風聴いた母子草」1976.7.1NET/東映

 その昔植木屋夫婦に託された対の盆栽、隠された秘密を求め悪家老一派が関係者に迷惑かけまくり。未亡人と坊をガードする金さん、悪者どもに無駄な大穴を終日掘らせ嘲笑う。
 ロケ地、長命庵の親爺と質屋の隠居が一つずつ対の盆栽を買う深川八幡、今宮神社(楼門、境内)。長命庵から盆栽を盗もうとした正平坊が魚とりの川、上賀茂神社ならの小川。正平と母が身を寄せる寺、西寿寺(石段から見上げ)。質屋を殺し盆栽を盗った浪人が口封じされる、大覚寺五社明神。大河原藩のことを金さんに報告するおすみ、大覚寺放生池堤。溺れた正平を救出する金さん、中ノ島橋上手堰堤下。
*盆栽の鉢底にあった粘土板を差し替え、総出で見当違いの場所掘るのを見ている金さん、日暮れて篝火が焚かれてからくつくつ笑い出す。無駄働きの一同、ムッカー状態で殺到するのが大笑い。未亡人から盆栽を取り上げた植木屋の江幡高志が20年の江戸払いなのも笑えるがちょっと気の毒。

★福ちゃん発見、CXの現代劇/映画村「福本清三チャンバラ教室」に飛び入り客は松健、「今や世界の斬られ役」に福ちゃん照れ照れ。「成敗」場面には松健に木刀を投げて援護、阿波踊りではチラシ撒き。役名は「福本清三」。
2006/9/21

■ 銭形平次 第260話「親子の絆」1971.4.28フジ/東映

 呉服屋の若旦那が実父と邂逅、しかし父は卒中を起こし帰るに忍びず。この事態に悪心を喚起された隣人が、とんだ誘拐騒ぎを引き起こす。
 ロケ地、南本所への渡し場、罧原堤下河原。身代金を置けと指定の稗田神社、不明(参道は短いステップつき、その脇に小さな屋形)
*若旦那に柴田p彦、実父の大工に藤尾純。*おやつ食べてて見張りをしくじる万七親分、清吉持参のゆで卵は網袋にどっさり。

■ ちいさこべ 〜若棟梁と九人の子〜 第3話「願い事」2006.9.21NHK

 叔父貴筋に頼みごとをしに行って噛み付き、酒肆では腹をすかせた子を見て父親の浪人と口論、その子を押し付けられて協議の席で啖呵、茂次の癖はやまない。そんな暮らしのなか、茂次についておりつとおゆうの温度差が見え始める。
 ロケ地、夜中に無縁塚に参り手を合わせる茂次を見るおりつ、化野念仏寺(石仏群に灯あしらい)。大留の普請場の火を見て大火のトラウマが出た菊二が佇む水辺、桂川松尾橋下手右岸水制(染物干し場あしらい)。養父を見捨てたように見られたことを思い出し発作的に水に入る菊二、広沢池東岸
*子を置き捨ててゆく浪人に火野正平、澤茂へ子を連れてくるも自分ばかり呑んでいて空腹の子に頓着しない態に茂次がつっかかる設定。沖石主殿は同じ山周の、ぶらり信兵衛の原作となった「人情裏長屋」に出てくる、やはり子を置き捨てる浪人。原作では赤子の鶴之助、ここでは八歳。金に詰まると道場破り、っていうの信兵衛さんのほうだけど、妻を亡くし仕官に懸命なのは同じ。

ロケ地資料「瀬田」アップ、当該個所の個別日記も改稿。取り置き資料のRが2台のプレーヤーで不具合出て焦りまくり。5台中最新のヤツとPCでは見れたけど、光ディスクはビデオテープと違って全ダメあるので怖い。媒体はほぼ太陽誘電にしてるけど、値段につられて買っちゃった廉いのはやはり危ない。
2006/9/20

■ 銭形平次 第259話「七年目の十手」1971.4.21フジ/東映

 父を殺し出奔したお尋ね者を追って江戸に来た南部藩の若者、江戸の町方の手は借りぬと当初鼻息荒し、しかし藩に期限を切られ進退窮まり結局親分に助けてもらうことになる。
 ロケ地、若槻英之進に斬りかかる殺し屋、嵐山公園南岸堀端(川向こうに中州料亭の萱葺き屋根)。殺された元南部藩士の遺骨を抱いた娘と若槻が出てくる寺、常寂光寺仁王門と参道石段。この続きできっと仇を探し出すと述べる若槻のくだりは大覚寺大沢池堤
*若槻青年に太田博之、両替商になりおおせている仇に加賀邦男、若槻を慕い手助けを買って出る元不良少女に江夏夕子。*タイトルは若槻の父が南部藩与力なことから。ラス立ちでは仇を追い詰める青年に、平次が自分の十手を投げてやる。
2006/9/19

■ 銭形平次 第258話「どくろ駕籠」1971.4.14フジ/東映

 法仙寺駕籠から白骨死体が出る事件、身元からして怪しい謎の裏には、娘可愛さゆえに仕出かした乱暴と横暴が隠れていた。
 ロケ地、浅野屋の丁稚に兼吉の首実検をさせる縁日の羅漢寺、不明(物と人多過ぎ)。死体隠しをさせた民五郎を始末にかかる駕籠甚を捕縛する夜のお宮さん、木島神社舞殿脇。
*甚兵ヱに原健策、娘夫婦を脅しにかかった駕籠舁きを絞める怪力怖し。パワー系仕事人並みだけどなんか事後処理とか雑、こんなだから店先に吊るした駕籠で死体腐ってても気付かないんだな。
2006/9/18

■ 銭形平次 第257話「死霊のお告げ」1971.4.7フジ/東映

 大店の後継に隠し子の我が子を押し込もうとはかる悪党、親分の知るところとなり、観念させるためワルが使った手でお返しの大芝居、道具にされた子も安堵されメデタシの幕。
 ロケ地、お静が実は才賀屋の孫だった坊を連れ、殺された坊の母の塚へ参る下谷妙法寺、西教寺(ヤクザに囲まれる塚は墓地、親分に追われた藤岡重慶が消されるのは大師堂)。事後、本物の孫の坊と大番頭の隠し子だった「天一坊」が鮒とりの川、上賀茂神社ならの小川
*才賀屋の主を引っ掛ける小道具は霊媒師の婆さん、魂おろし憑依シーン大笑い。

■ 必殺仕事人V激闘編 第11話「加代、何でも屋婆さんに驚く」1986.2.7ABC/松竹

 67歳にして春をひさぐおぎん婆さんの依頼を受ける加代。仕事料の少なさと相手の手強さに退くメンバーを、夜鷹が二両作るには333回の営業が要るのだと説いてまわる。
 ロケ地、自分のため叩刑に遭った政に詫び身の上を話すおぎん婆さん、広沢池(西岸か、水無く水脈が見えている)
*的は婆さんの亭主をハメた同僚と、グルで凄腕の北町同心。北町一の遣い手には主水と壱二人がかり。*おぎんは初井言榮。

■ 水戸黄門36 第9話「御老公の悪党志願!」2006.9.18TBS

 舞台は福井、城下一の大店を潰し甘い汁を吸おうとするワルを懲らしめる話。こともあろうに老公を自分が呼んだ「潰し屋」と誤認しもてなすもんだから、老公ノリノリで悪ぶってお芝居。
 ロケ地、小浜城下手前の街道の茶店、湾の絵から沢ノ池へスイッチ。ラスト旅立ちはここのダートか。
*老公を潰し屋と間違えた奉行配下の役人が迎えの駕籠へ誘うシーン、脇に控える下役に福ちゃん。

★来る来る雨降るというから予定入れてなかったコラ時間返せよの連休の二日間、しかしハンパなので放って置いた個所を半端な時間使ってピンポイントで潰して行くと出た出た「傾いだ玉垣」発見↓いやいま全然傾いでないけど。久しぶりの新発見、しょっちゅう横通ってたのに。

2006/9/17

■ 松平右近事件帳 第45話「暦女に死神が憑く」1982-1983日テレ/東映

 アブノーマルな画家は旗本の部屋住み、彼が描く緊迫の裏絵で大儲けの版元。モデルに対する行き過ぎた行為は女たちを死に至らしめており、外道の所行を知った右近は怒りをこめて剣を振るう。
 ロケ地、梅吉の回想・殺されたお鯉が大店の主ふうの男と乗った屋形船、大覚寺大沢池。お鯉の勤めていた深川の矢場を訪ねる右近、今宮神社東門、境内(お鯉の姉貴分・おまさに話を聞く茶店をセット)。お鯉がモデルをした浮世絵の版元を芝居で連れ出す右近、乗り込む屋形船は大覚寺大沢池船着(大)から出る。絵師・詠春を尾行する清太郎、妙心寺春光院前路地大庫裏脇路地相国寺鐘楼(詠春は鐘楼に入って侍のなりに着替え、田村を吟じつつ大通院南西角を曲がってゆく。入る屋敷は映画村セット)
*菱川詠春(新庄長門)に菅貫、もちろん狂乱系。殺陣はちょっとおじゃる風味。版元・雅仙堂は伊達三郎、右近の芝居や清太郎の天井潜入に鋭く気付く曲者設定。*ラス立ち、右近の相手は詠春と雅仙堂の二人だけでじっくり成敗、決め台詞もちょっと変えてある。*タイトルは月代わりの浮世絵シリーズ、死神は描かれた娘たちが変死することから「暦女は不吉」と立つ噂。菅貫誘い出しにオランダ渡りの幻燈機を使い亡霊を演出。

■ 蝉しぐれ 黒土三男監督作品 2005.10.1東宝

 まだ前髪の少年・牧文四郎は、世継をめぐる騒動で尊敬する父を亡くし辛酸を舐める。元服した彼は父を死に追いやった家老に呼ばれ禄を復され御役を頂くが、裏にはまたぞろ持ち上がったお家騒動の捨て駒に使う奸計、しかも的は彼がかつて淡い思いを寄せていた隣家の娘なのだった。
 ロケ地、金井村等里の風景はほぼ山形ロケ、赤川・立谷沢川の流れや雪嶺・海浜はじめ父の遺骸を乗せた大八を牽く坂など、心に沁みる風景が続々。道場の帰り道の城下の橋、彦根城大手橋。捕われた父が留め置かれている竜興寺へ赴く文四郎、出羽三山神社。寺の門や境内は湖東の西明寺(二天門、本堂前。塔も映り込む。また後段出てくる殿の別邸・欅御殿外観も同所で、表参道等が使われている。ラスト、おふくの駕籠を見送るのもここ)。欅御殿の死闘のあと「おふく様」と赤子を連れて船で城下の警戒網をやり過ごす五間川の掘割、八幡掘新町浜、白雲橋(この橋上に悪家老一派の見張りが出ていて与之助の機転で切り抜ける)。駆け込み先の元首席家老屋敷に近い路地で思いを確かめ合う二人、随心院裏土塀。悪家老・里村邸の玄関を罷り通る文四郎、随心院大玄関
2006/9/16

■ 新・座頭市 第19話「越後から来た娘」1977.2.14勝プロ/フジ

 欲望のため己の罪を人に着せようと企む八州と地回り、若い恋人たちに市が渡した心尽くしの小判は外道どもが仕込んだホットマネーだった。
 ロケ地、越後から来た娘と市が宿をとれず彷徨い見つける小屋、広沢池北西岸(水無し、水脈が見えている)。市に金を貰いうきうきと馬を受け出しに走る馬子と娘、西岸。冒頭とラスト市がゆく田畔や野、亀岡盆地か。
*馬子に火野正平、田舎から彼を探しに来た娘にジュディ・オング。いつもは女優のどアップだが正ちゃんのもアリ、けっこう映える。悪くてヤラしい八州は岸田森、じっくり始末される。

■ 新・座頭市 第20話「いのち駒」1977.2.21勝プロ/フジ

 賭け将棋で不正をはたらき大金を巻き上げるヤクザ、ハメられた市の馴染みは縊れて死ぬ。次なる的はお大尽、江戸から勝負師を呼んでの大一番にも黒い手が忍び寄るが、目論見ははずれ血煙が上がる。
 ロケ地、「上州名人」藤兵衛の屋敷、民家門。周辺の野、亀岡盆地か(山なみは冠雪し枯野。江戸から宗達がやってくる道には欄干の無い素朴な木橋が架かる。河畔林らしい林も見える)
*江戸からやってくる名人に内藤国雄九段、けっこう役者。彼と同門で竜虎と並び称された男の成れの果ては石橋蓮司、感情の起伏が激しいダメ男を熱演。女言葉で嫌味をたれる仕草が見もの。レンジと駆け落ちしたものの詐欺の手先もつとめさせられる薄幸の女に松原智恵子、内藤九段出てるから名前はお遊びで「おゆき」。ヤクザの親分は小松方正。

■ 必殺仕事人 III 第2話「下駄をはかせたのは両替屋」1982.10.15ABC/松竹

 ちんけな相場師が為替偽造で死罪に。手伝った女と彼の女房の芸者は激しく憎みあうが和解、二人の話は裁きの正当性に疑義ありの方向へ進む。
 ロケ地、南町奉行所、大覚寺明智門。伝馬町牢屋敷、明智門(看板をかけて軒下をアップで)
*両替商とつるみ与吉の盗んだタカに下駄を履かせた吟味与力に黒部進、体格いいから風呂での仕置が映える。*お笑い順ちゃん、「明日模擬試験」発言のほかソープ潜入でスタンガンびりびり騒ぎを起こす。
2006/9/15

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第19話「京洛の闇に舞う死闘剣 −京都の巻−」1983.3.30TX/歌舞伎座テレビ

 遂に薩摩は西国13藩を結集し企みを押し進めようとするが、策士策に溺れ壊滅の憂き目を見る。
 ロケ地、大津を経て京へ三里の湖畔に立つ狂四郎、琵琶湖西岸(砂浜に草むら)。峠に狂四郎を襲う島津の侍、不明(山道)。京入りした狂四郎がゆく寺、仁和寺参道・茶店前(塔映り込み)二王門(阿形像前をアップ)。京へ着くも狂四郎と会えぬ金八がいる茶店、今宮神社楼門(内側)にあしらい。武部の手配で滞在する宗雪の嵐雪庵、不明(斬り捨て御免でも出た、茶室ふう)。庵で狂四郎の世話をするお淋がお参りに出て金八を拾う神社、今宮神社本殿〜境内。お淋が兄・蔵人と話す水辺、広沢池東岸(水無し)。狂四郎を誘導するニセの茶会会場の大仙寺、門は黒谷か。蔵人たちが「警護」する門口は相国寺方丈入口。狂四郎の言いつけで岸和田藩京屋敷を見張る金八、相国寺大光明寺。金八の報告を受け薩摩藩邸へ向かう狂四郎がゆく道、仁和寺参道(茶店前のステップから見上げ・金堂の甍が大写し)中門(開口部から二王門を見る絵、狂四郎が左から右へ通り過ぎる)。蔵人と対決の林、鳥居本八幡宮。金八がゆく街道、大内か。狂四郎がゆくラストシーン、琵琶湖・舞子浜汀。
*薩摩藩筆頭家老に西沢利明、藩主たちを集め謀議の会場を狂四郎に察知され乗り込まれてしまう。この場面、フツー出会え出会えの声に下っぱ侍が殺到し立ち回りなのに、殿様連中は最初から抜いて向かってくる無謀さ。もちろん遣い手なんかじゃないから、もう撫で斬り。一度にこんだけの殿様大量死なんて珍無類。

■ 遠山の金さん 第38話「消えた姫君を追え!!」1976.6.24NET/東映

 遠山金四郎との縁談を嫌った姫様が出奔、裏には他の馬鹿殿と縁付けて藩を牛耳ろうとする江戸家老がいた。金さんに感化される姫様の成長物語にきれいにまとまって幕。
 ロケ地、野沢藩邸、相国寺林光院。捜しに出た用人から逃げる姫、赤山禅院地蔵堂前。むくれた金さんを追ってくる姫、じいに見つかり金さん立ち回り、赤山禅院本堂朱玉垣脇。
*世間知らず姫のお約束ギャグはたっぷり、一葉斎にお花手品をもっととせがみ「そちは花咲かじじいゆかりの者であろう」が爆笑もの。姫様は結城しのぶ、仲人趣味の水野老中の母堂に毛利菊枝。*今回「お裁き」は野沢藩邸での結納の席に水野老中の名代として乗り込み江戸家老を断罪、よって「お白州」はなし。

■ 銭形平次 第256話「辻占せんべい」1971.3.31フジ/東映

 世話好きで通る煙草の振り売り屋は賊の一味、大店の内情を探るため仕立てた娘さがしだったが、盲目の孤児に情が湧いての深入りは身を誤る結果となる。
 ロケ地、お直が辻占煎餅を売る神社、不明(楼門や蔵が見える)。亀八の墓、黒谷墓地
*亀八に大坂志郎、ワルになりきれぬ気のいい親爺を好演。偽者のはずの娘が実はという救いもついている。
2006/9/14

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第18話「夕陽の群盗多殺剣 −土山の巻−」1983.3.23TX/歌舞伎座テレビ

 凶賊の頭目を捕えるものの難儀の小役人に助勢する狂四郎、礼にと招かれた彼の家で見た妻女には見覚えがあった。狂四郎は女の前身について黙すが、かしらを取り返しに来た賊により幸福は打ち砕かれる。
 ロケ地、土山へ二里半の道をゆく狂四郎、不明(堤道を対岸から、馬あしらい)。護送中の鹿蔵を取り返しにくる一味、酵素河川敷。矢ノ沢宿へ向かう道、不明。金八が矢ノ沢へ向かう途中桂木の妹を拾う道、不明(片側崖で岩盤露出)。賊一味に取引を持ちかける水心、保津峡落合巌上。当地を去る狂四郎、大内・亀岡道
*鹿蔵に亀石征一郎、手下に五味龍太郎も。*水心、鹿蔵の娘に刺されるという役柄に相応しい死に様を遂げる。ラス立ちはたかが山賊に円月殺法大安売り。

■ 銭形平次 第255話「狂った武士道」1971.3.24フジ/東映

 「おさむれぇってやつは」もの、話を引っ掻き回すのは武士どころか人にあるまじき卑劣漢。その男の厳父と剣友もまた武士の体面のため己を曲げるさまが描かれ、武家の女として生きてきた男の妻女は別の道を選択することとなる。
 ロケ地、「俵藤主水」とされる武士の死体が見つかる川辺、日吉大社境内・大宮川河川敷。俵藤邸、金戒光明寺瑞泉院。通夜の席で主水の父に面罵された新庄鉄馬にものを尋ねる平次、大覚寺五社明神(観月台映り込み)。主水の墓、黒谷墓地。外で鉄馬が屋敷を窺うと見た主水の父が槍を持って走り出てくる坂、金戒光明寺長安院下坂(平次らが来合わせる)。「主水」の死体が見つかった川辺で平次に主水と会った日のことを語る鉄馬、回想には走井橋上から河原が使われる。身代りにされた浪人の墓へ参る主水の妻女、黒谷墓地

■ ちいさこべ 〜若棟梁と九人の子〜 第2話「大吉」2006.9.14NHK

 逃げた三人を捜し回るうち、子らの生きてきた過酷な環境が明らかとなる。茂次とおりつの会話は積み重なり、二人の仲は幼い頃のようにほぐれてゆく。
 ロケ地、水遊びの子らの中に家出組を捜す大六、上賀茂神社ならの小川。菊二が元いた長屋で聞く、養親のニセ坊主と「営業」の菊二、伏見稲荷千本鳥居。その長屋からの帰り道、養親の坊主を見殺しにしたなんて嘘だと主張するおりつ、大覚寺大沢池北辺並木。茂次もきっと子供たちと仲良くなれると話すおりつ、中ノ島橋堀端(左岸堰堤脇、石仏あしらい)。施主に親戚筋から横槍が入ったと聞かされる普請場、大覚寺護摩堂脇。そこからの帰り道、放生池堤。家出組がねぐらにする船は松竹京都撮影所セットの太鼓橋下。
*家出組が戻ってこない間も、残ったお子たちはかっぱらいをやってのけまたぞろ捻じ込まれるのだが、「泥棒」のひとことにまた茂次が噛み付き。喧嘩腰の「説得」に折れる八百屋の木下ほうかがおかしい。西田健の町役は苦虫噛み潰しを崩さない。*おりつとおゆう、双方の「現在」のスタンスが描かれる段で、「少子部」のタームとサブタイトルの挿話が出る。涙腺を刺激する挿話はラストに持ってくるんだな…とりあえず次回の正ちゃん楽しみ。
2006/9/13

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第17話「美女姫みがわり残念剣 −白須賀の巻−」1983.3.16TX/歌舞伎座テレビ

 欲をかいた公家のため落命する娘、「姫様」殺しの犯人として捕われる金八。仲間の危機には動く狂四郎、奉行に切られた期限をいっぱいに使って真相に迫る。
 ロケ地、金八が逃げてくる「姫」に行き会う道、広沢池東岸並木道(姫は汀を走ってくる)。女装して吉田宿へ向かう金八、広沢池北西岸田畔。公家屋敷を窺う金八、中山邸門、参道。京極文麿と立ち会う狂四郎、下鴨神社河合社脇。当地を去る狂四郎、桂川松尾橋下手左岸汀
*跡目を狙うワルおじゃるに綿引勝彦、おじゃる法則通り妙に強い。大金出して姫を買った好き者の贅六に中村錦司。*島津トリオ、一応文麿に声をかけ工作にかかるが無視され、以後出てこない。*お尋ね者になってしまい女装を余儀なくされる金八、けっこう楽しそうに女をやる…「あら」なんて言ってシナ作って立小便やめて座り込むとか。

■ 銭形平次 第254話「虎の穴」1971.3.17フジ/東映

 周到な罠を仕掛け平次殺害を企む凶賊、それと知って虎穴に入る親分だがさすがの人数と人質に危機一髪。そこへ現れた助け手は、更生のきっかけを与えてやった元辻斬りだった。
 ロケ地、まさかり組に雇われた的場浪人が平次に挑みかかる林、不明(松が目立つ。二連の蔵と収蔵庫みたいなお堂の裏手が見える)。大山詣りの街道、ほぼ不明(林道タイプと、峡谷の崖道タイプと二種に大別できる)。平次を父の仇と狙うお京に連れ込まれる小屋、砕石場跡か(岩盤の露出した大きな崖と丈の低い疎林、遠景に養山中のような段々)。事後、納め太刀を携えお山に登る平次とお京、豊国廟参道石段
*本格の盗賊だったまさかり組のおかしらを惨殺したうえ、これからの仕事に邪魔な平次を殺す算段の外道・伝次に今井健二、橋蔵の銭平では珍しい救いようの無い凶悪な人物を好演、顔見るだけで怖いさすがの説得力。手下の蛾次郎もいい味。親分に情けをかけられすぐに更生しちゃう単純な辻斬りさんに佐藤充、殺陣ちょっと硬めなのは「峰打ち」って念押されたからか。吉田義夫演じる先達怪しすぎ、金貰って転ぶ性格は親分がお見通し。*貰ったばかりのお手当てを全部あげちゃうとか、盗っ人の供養を黙って行うとか、クサいまでの伏線が収斂する筋立ては見事。後を追う覚悟で「来ちゃった」お静という特大のおのろけも入っている。
2006/9/12

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第16話「悪女志願!美男剣 −荒井の巻−」1983.3.9TX/歌舞伎座テレビ

 男を蕩かす艶婦の心底を見通す狂四郎、まとわりつく山犬も始末され自由となるも廓に身を置く女。しかし「狂四郎の言いつけ」を守り心は売らないと明るく笑う。
 ロケ地、おもんが監禁されている船小屋、琵琶湖(以降も砂浜が出てくるが、植生等から西岸の河口州と思われる。ラス立ちは湖畔の荒地か)。才蔵が代官の指示で旅人を襲う街道、不明。子分の直次郎と才蔵から逃げるおもん、広沢池北西畔・田畔。林に逃げ込んだおもんが金八とばったり再会し隠れるあばら家、不明(斬り捨てご免等でも出ている瓦練りこみ塀と門)。当地を去る狂四郎、桂川松尾橋下手右岸汀
*「天女」おもんに大信田礼子、彼女に執着する山賊の親分に草薙良一、おもんに手をつけ斬られてしまう子分に本郷直樹。*島津トリオ、今回は遠江代官を頼る。賊とつるむ悪代官は円月殺法にやられるが、その前にトリオはちゃっと逃げ去り。

■ 銭形平次 第253話「三度笠の男」1971.3.10フジ/東映

 久しぶりに江戸へ帰って来た家出息子がお店の危機を救う話、家に顔を出した彼を邪慳に扱い悪者だと誘導する叔父さんがきっちりワルい、判りやすい構図。
 ロケ地、橋場の衆が半次郎を殺りそこなう谷筋、湖南アルプス(下に砂がちの谷川が流れている)。下谷瑞光寺の父の墓に参る半次郎、黒谷墓地。半次郎に呼び出された手代がゆく夜道、永観堂智福院前。半次郎が屋台で待つ梅ノ木坂下、境内か。夜回りの平次が呼子を聞くお堂、画仙堂前。手代の死体が見つかる池之端、放生池畔・弁天社鳥居脇。半次郎が弟を待つも橋場の衆が現れチャンバラの三間堀、上賀茂神社ならの小川畔。店を継いだ弟・孝之助を騙して約定書を奪う気で待つ「叔父」一味、日吉大社東本宮(叔父らが待つのは樹下宮前、渡世人に化けた平次がくぐるのは楼門)
*正嫡の弟に継がせるため家を出た兄に里見浩太朗、渡世人姿。親分のラス立ちも渡世人で得物は長ドス。
2006/9/11

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第15話「ふたり狂四郎木枯し魔風剣 −浜松の巻−」1983.3.2TX/歌舞伎座テレビ

 狂四郎の見た悪夢は正夢、過去に倒した剣客と曲折あってのち立ち会うことに。一度は別の道を夢想する盲いた剣客だが、幸せは彼の手から零れ落ちる。
 ロケ地、渡れば浜松の橋を行った狂四郎を見る島津トリオ、摩気橋。美代と水上浪人が大道芸の神社、摩気神社舞殿脇。発熱した水上のため医者を訪ねる美代、走田神社社務所。門前でばったり会った狂四郎になぜ捨てたと恨み言をぶつけるのは本殿前。水上と対峙の河原、木津河原。胸に矢を受けた美代を保護する小屋、酵素河川敷。
*水上源之進に長塚京三、ひたすら剣の道を求める堅物。*島津トリオは今回も人任せ、道場主や弓の名手を大金で釣る。

■ 銭形平次 第252話「地獄街道」1971.3.3フジ/東映

 凶悪な囚人の護送を依頼される平次、与力が偽者入りの唐丸を運び親分は本物を駕籠に乗せ佐渡を目指す。唐丸のほうは早々と襲われ全滅、駕籠舁きも恐れをなして逃げ、平次と囚人・常五郎の二人行となり、旅程の様々な出来事は男たちの間に友情を芽生えさせてゆく。
 ロケ地、護送の中山道から越後路、ほぼ湖南アルプス(雪のない個所と雪嶺と出てくる。花崗岩の巨石が山肌に露出しているのが雪中でも判る。天神川の奥、草津川の奥などの特定は不能なるも田上山山系は確実と思うが、開発著しいことに加え第二名神工事中なので現状が気になる。遠景に段々の山肌あり、養山工事中のものと思われる。金井宿を出たあと与力一行が惨殺される千石坂の谷には特有の砂川が見られる)。江戸でお静が雪のなかお百度の神社、氷室神社や廣峰神社に似るも特定できず。湯沢代官所で入浴を勧められた平次が一味に襲われお静の渡したお守りで危難を回避の温泉、日吉山荘。平次が弥彦峠越えと知らせが入る、一味が屯するお堂、不明。*鴻巣手前の松林、木橋、池等の街道筋についてはほぼ判らず。
*護送される常五郎に内田良平、仲間の勢力を恃んで強気の彼が平次との道中を経て徐々に心を開いてゆくプロセスが見どころ。高熱に震える彼を服脱いで温めてやる、一見キショい場面もある。遂に本音剥き出しの仲間に愛想尽かしのあとは銭を取って渡す連繋も見られ、佐渡奉行所に身柄が渡される夜の男泣きは圧巻。途中出てくる佐渡奉行所与力の世良に御木本伸介、はじめ常五郎に遺恨を返そうとして平次に諭され、ラス立ちの危機一髪に駆けつけてくれるのもいい感じ。常五郎の仲間の悪い面々には伊達三郎、阿波地大輔、五味竜太郎と強面が揃う。

■ 水戸黄門36 第8話「助っ人アキの越後獅子」2006.9.11TBS

 それぞれに旅芸人たちと関わった一行は福井の見せ物小屋に集結、アキちゃんは角兵衛獅子の代役をつとめ老公たちは用心棒に納まる。その小屋は、町奉行とつるむワルが狙う一角に位置していた。
 ロケ地、アキらが角兵衛獅子の難儀に行き合わせる街道筋、沢ノ池東岸汀と登り口。福井入りの老公が芸人に無体のヤクザを蹴散らす林、大覚寺大沢池北辺並木五社明神裏手。角兵衛獅子の親方の回想、彦根で死んだ末妹もいた頃の旅路、大覚寺天神島朱橋天神島石仏(直前にインサートされた東尋坊と合成の画面あり)。芸人たちに見送られ福井を発つ一行、大覚寺大沢池北西畔沢ノ池ダート
*ラス立ち福ちゃん入り、町奉行配下の下役人。
2006/9/10

■ 松平右近事件帳 第44話「過去をもつ女にかかる濡れ衣」1982-1983日テレ/東映

 勘定奉行とつるむ炭問屋、悪事の証拠の書付を元手代のちんぴらに盗られ強請られる。こやつが消されるのは報いだが、同じく脅されていた昔の女が巻き込まれ、悪事は右近の知るところとなる。
 ロケ地、炭問屋が勘定奉行の用人に恐喝の件を相談する屋形船、大覚寺大沢池。炭問屋を尾行する清太郎、相国寺湯屋角。用人と炭問屋がツナギをとるのは宗旦稲荷裏、その後用人が入ってゆく勘定奉行邸は林光院。右近が炭問屋を呼び出す谷中の清水八幡宮、石清水八幡宮(楼門、本殿裏手。右近は中から出てくる。ラス立ちは本殿裏手で派手に展開)
*巻き込まれる小間物屋夫婦に田島令子とうえだ峻、ちんぴらは八名信夫。ラス立ち福ちゃん入り、勘定奉行配下の侍。
2006/9/9

■ 必殺仕事人V激闘編 第10話「主水雀の丸焼きを食べる」1986.1.31ABC/松竹

 仕官を餌に浪人を誘い込み虐殺して遊ぶ悪逆非道の輩は、御三卿・田安の殿様。はじめ手がけた仕事人はあっさり失敗、その後政が親しくしていた浪人一家が蹂躙されるにおよび、手強い相手と知りつつ主水らは向かってゆく。
 ロケ地、田安邸、東本願寺内事門。邸内の御猟場で行われる人間狩り、下鴨神社池跡付近〜鳥居本八幡宮(舞殿に家伝の甲冑が置かれている)。仕事帰りの相楽浪人を挑発し仕官の話をしてゆく田安の殿様、金戒光明寺石段
*相楽浪人は本郷直樹、妻女は山本ゆか里、田安の殿様は藤木孝。*壱が参加、惨劇を見ていた彼は今回上乗せを要求しない。

■ 新・座頭市 第17話「母子道に灯がともる」1977.1.31勝プロ/フジ

 仏と言われた親分が殺され、遺族は旅籠を営業するもひどい妨害にあう。女将は気丈に耐えるが、坊はそんな母を歯がゆく思っていた。
 ロケ地、大田原宿へ向かう市が鮒吉坊につきまとわれる道、亀岡か(はさ木の畦道や小丘)。宿を出た市が別れに際し坊を諭し戒める道、七谷川河畔林傍か。荒牛一家に小突き回された坊が奸計に乗せられヤクザを刺してしまう水辺、広沢池東岸。宇兵衛が女将の急を告げ市に縋る野道、亀岡か。
*女将に中村玉緒、耐える女の秘めた激情がなかなか怖い立ち回りに。坊の片言から座頭市と気付く下僕の花沢徳衛もいい味。

■ 新・座頭市 第18話「酔いどれ川」1977.2.7勝プロ/フジ

 昼間からできあがっている酒肆の女将は訳あり、誘い込まれるままその店へ行った市は女の悲しい境遇を見る。
 ロケ地、市が竹馬で渡る川、大堰川河原か(石礫粗し)。お竜会いたさに島抜けし街道をゆく弥之助、広沢池北西岸田畔。
*心ならずも添った亭主が腰抜けでヤクザの情婦にされているお竜に野川由美子、見開いた目と寄せた眉根のどアップ迫力。彼女に会うため佐渡を抜けてきた弥之助に村井国夫、腰抜け亭主に左右田一平(姑息に立ち回るコミカルな味が最高)。*牢に放り込まれ制裁を受けかける市だが、座頭市と知れるや下にも置かぬ扱いとなり、囚人一同で牢番をシメて逃がしてくれたりする。
2006/9/8

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第14話「津軽恨み節孤愁剣 −天竜川の巻−」1983.2.23TX/歌舞伎座テレビ

 日影の身でいいからと縋った母を斬り捨てた父を求め津軽から旅してきた娘、身の上を聞き狂四郎でさえホロっとくるその薄幸の少女をためらいもなく殺す実父の代官、無事で済むわけがない。
 ロケ地、お冬にからむチンピラを懲らしめる狂四郎、御室霊場(丘の上のお堂)。島津侍が狂四郎情報をツナギの茶店、琵琶湖岸か(金八が子犬を拾う)。見附宿を出て西へ向かう旅人たちが雨宿りの屋形、大覚寺五社明神舞殿(お冬が三味を弾き歌う。設定は少し行くと天竜川)。池田宿へ泊まった翌朝水辺で三味を弾くお冬、柊野堰堤(落差工下の巌上)。代官の悪事を嗅ぎつけた隠密が見つかり人足らに囲まれる水辺、広沢池北西岸(水少なし)。虚無僧らに狂四郎の居場所を告げ殺害を指令する島津侍、大覚寺護摩堂前。三味線を墓標のお冬の塚に続いて当地を去る狂四郎と金八のくだり、北嵯峨農地(小丘と農道)
*用心棒の死神主膳に黒部進。ここんとこ曲のない島津の企み、今回は天竜川代官に川止めさせて狂四郎を封じ込めやっちゃうプラン…何回失敗すれば気が済むか。*終始犬をいじる正ちゃん、懐に入れて運ぶほか手荒い真似も。頭上高く放り投げるのは高い高いではナイ。

■ 遠山の金さん 第37話「海鳴りを抱く女」1976.6.17NET/東映

 油の値を操るための陰謀で家族を焼き殺された女は、岡場所に身を沈めてまで犯人を求めるが、火つけ実行犯の背後には巨悪が控えていた。
 ロケ地、おとよ殺しに一役買う牢番が小判と指令書を取り出す谷中の墓地、くろ谷か。金さんに差し向けられる刺客、民家塀際と内部。
*おとよに鮎川いづみ、太地出身設定。悪辣な油問屋は須賀不二男。

■ 銭形平次 第251話「かどわかし」1971.2.24フジ/東映

 札差の一人娘が誘拐されるが、犯人は父親が持ってきた金を足蹴にする。娘の目の前でその父親を殺そうとする激情の裏には、鬼子母神で起きた凄惨な親子殺しが絡んでいた。
 ロケ地、お咲が誘拐される縁日の神社、および身代金持って来いの楠神社とそこから逃げる船を出す汀、瀬田橋竜宮鳥居雲住寺門前、汀は竜宮社務所裏。音吉が船をつける岸は罧原堤下か。

■ ちいさこべ 〜若棟梁と九人の子〜 第1話「大工魂」2006.9.7NHK

 お話は、広範囲を焼き尽くした大火からはじまる。双親を亡くし大留を再建する重責を荷うことになった若棟梁・茂次は、近視眼的な態度で周囲に眉を顰めさせるものの前向き。そんななか下働きのりつが被災児を九人も抱え込み、子らの起こすトラブルに町役が捻じ込んでくる。
 ロケ地、大火で大留も焼けたことを川越で普請中の若棟梁に知らせに走る九郎助、流れ橋酵素崖からダート桂川松尾橋上手右岸汀。両親の死を聞くも川越の仕事を終え茂次らが帰途につく一月後のルート、嵐山自転車道酵素ダート(河川敷から見上げ)流れ橋(このあとセットの一面の焼け野原)
*寝てるのに騒いでうるさいし、孤児の面倒はお上が見るべき・そのために税金払ってんだからというスタンスの茂次だが、役人を連れて捻じ込んできた町役の何事もお上のお指図通りにの一言にカチン、対立意見があると意味無しにぼうぼう燃えるどこぞの国の宰相と同じく「逆らう」のが笑える。*キャスト覚書:若棟梁は小澤征悦、父母に蟹江敬三と平淑恵、古株大工に益岡徹、許婚者の親爺の質屋に平泉成、意地悪っぽい町役に西田健、酒肆の女将に江波杏子、親爺の兄弟弟子に本田博太郎で美術監修は西岡善信。

★時専の「祭り」を控え暴れん坊将軍全話リストをアップ。当サイトの記述は時専の放送を見てのものなので、SPや亡失分を含まず話数が捻れていて常々是正せねばと思っておりました。今回の更新には「MKKB松平健ナレッジスペース」を参考にさせて頂いたことをここにも記しておきます。暴将のデータほか貴重な資料が置かれていたサイトですが、惜しくも閉鎖され今は見られません。こうしたサイトが無くなってしまうのは本当に残念で、あれもこれもお聞きして、アップされていたものは取り込んでおくべきだったと悔やまれてなりません。マジで復活して欲しいと思っています。
2006/9/7

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第13話「いのち花わかれ盃情炎剣 −袋井の巻−」1983.2.16TX/歌舞伎座テレビ

 思わぬかたちで現れるお蘭の過去、互いに情甦るものの立場は遠く離れてしまっていた。悲しい決断を下したお蘭を労わるように、狂四郎は盃に萩の花びらを浮かべてやる。
 ロケ地、賭場の借金のため灯籠に縛られている片倉浪人が行き過ぎる狂四郎に声をかける神社、藪田神社鳥居前灯籠(狂四郎はやしろの南から現れる)。百姓家の傍を通りかかった狂四郎の耳に娘の悲鳴、民家脇川堤。博打の金で遊んだ帰りの金八と片倉浪人が勝ち逃げは許さんと囲まれる野道、本梅川堤(片倉の腕を見込んだ福知山藩の鮫島が声をかけるのは汀、そこから見える「若森廃橋」をお蘭の駕籠が通り、片倉が見つける)。お蘭が使者とツナギをとろうとして雷神党に捕まる松原、琵琶湖西岸・舞子浜(碑脇で立ち回り)。狂四郎が身を置く見附宿の荒れ寺、丹波国分寺(門左手に鬱蒼と竹藪)。片倉に逃がして貰ったお蘭が狂四郎と出会う道、広沢池東岸。事後、一旦江戸に戻るというお蘭の盃に萩を散らしてやる狂四郎、峠の茶店は大内・亀岡道、別れて歩み出すシーンは谷山林道切り通しを見下ろし。
*片倉新九郎は元勘定方、上役の不正を糺そうとして叶わず出奔。お蘭とは許婚者だった模様。萩の一件は、花びらを盃に浮かべ干すと縁が強くなるというおまじない。*狂四郎が強奪した密約書を奪還すべく、家光時代にお払い箱になった忍群・雷神党が登場。悲鳴の百姓女ももちろんこいつらで罠。

■ 必殺仕事人 III 第1話「殺しを見たのは受験生」1982.10.8ABC/松竹

 順ちゃん仲間入りの経緯を描く話、殺しの現場を目撃した青年は始末されかかる一幕あるも主水によって意義を見出され一員に。
 ロケ地、西順之助が仕事人たちの殺しを見てしまう川端、広沢池東岸。阿漕な金貸しのもとから帰る加代と順ちゃんが一味の岡っ引に誰何され危機一髪の川端、罧原堤下河原。南町奉行所、大覚寺明智門
*今見ても笑えるお子様の順ちゃん初期、「ぼくのかんがえたしごと」が殊にツボ。

■ 銭形平次 第250話「わらべ唄殺人事件」1971.2.17フジ/東映

 叩き上げで財を成した炭屋は、娘が由緒ある大店へ縁付くのに有頂天。しかし娘が交際していた男のことで強請られ、大金を吹っかけられた直後そのチンピラが変死、童謡通りの判じ物という謎めいたゆくたては果たして仕組まれたものだった。
 ロケ地、脅迫者・伝兵衛の死体が見つかる湯島天神、吉田神社大元宮(拝殿前、崖際の柵、崖下斜面と石畳の坂)。肥前屋の若旦那の回想、お京と遊んだ向島でお供の次郎吉の童歌を聞いた茶店、今宮神社境内か。見送られ出羽へ帰る次郎吉、北嵯峨農地・竹林際。
*純朴な出稼ぎ人・次郎吉に山城新伍、炭屋の大将は織本順吉。
2006/9/6

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第12話「月光けもの谷暗殺剣 −掛川の巻−」1983.2.9TX/歌舞伎座テレビ

 隼人隠密党とは別組織が、大がかりな芝居を仕掛けて狂四郎を襲う。危機一髪の狂四郎を救ってくれるのは、時代劇にとどまらず偏在する妖婆だったりする。
 ロケ地、日坂宿手前の街道で狂四郎を襲う浪人たち、大堰川堤か(対岸の河畔林は竹)。浪人に頼まれた遺髪と金を渡し旅籠を出た狂四郎に共に道中をと願い出る妻女、民家塀際。日坂と掛川間の山あいの道(東海道とは遠い)谷山林道(本物の浪人の妻女・たかがゆく場面では切り通し遠望のショットも)。槍の浪人が行き合わせた一行を誘う閻魔谷下の温泉宿、広沢池北東岸の団体施設内萱葺屋根を遍照寺山斜面から遠望。槍の浪人が正体を現し狂四郎崖落ちの閻魔谷、保津峡落合落下岩
*妖婆は原泉、たか女に悪さをする荒くれを礫技で撃退したりと活躍、狂四郎を救ったときも山菜採りに来ていたなどと言うが、正体は大盗・夜叉丸というトンデモ。豪快な態度で狂四郎の口もとを緩めさせる、滅法かわいい泉ばあさん。槍の浪人は青木義朗で裏薩摩の首領。

■ 銭形平次 第249話「幻の遺言状」1971.2.10フジ/東映

 江戸でも指折りの札差・板倉屋急死後、遺産をめぐって起こるおきまりの醜い争い。枕経も上げずにやいのと騒ぐ通夜の席から当の死体が消えて大騒ぎ、出てきたのは昔の女に寄せた板倉屋の思いだった。
 ロケ地、町奉行所、永観堂中門。板倉屋の女中が参る、一年前縊死した江州屋の墓、永観堂墓地(崖上のほう、阿弥陀堂破風映り込み)
*隠し子だった軽業一座の裏方に三上真一郎、財産受け取りを拒否。
2006/9/5

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第11話「姫君みだれ舞い妖艶剣 −藤枝の巻−」1983.2.2TX/歌舞伎座テレビ

 川止めの金谷宿、長逗留の阿波の姫君は千姫もどきと評判。狂態を芝居と見抜く狂四郎、しかし度重なる乱行は姫の心を腐らせていた。
 ロケ地、輩台で大井川を渡る狂四郎、琵琶湖。金谷宿へ向かう狂四郎の前に狂気の姫が現れる林、下鴨神社糺の森。金八に口説かれながら街道をゆくお蘭、大内亀岡道(谷地田見下ろし)。休んだ茶店で島津侍の謀議を目撃、辻堂裏。寝巻姿の男が姫から逃げて殺される本陣の庭、枳殻邸印月池北東畔(背後に回棹楼がちらちら。後段、金八が呆けているのも同所)。殺し屋の元締を待つ島津侍たち、宝塔寺楼門(雨)。殺し屋の鍛錬が行われる野原、酵素河川敷(導入は林越し見下ろし)。姫の顔を傷つけたかどで狂四郎を求めて宿場を走り回る阿波の侍たち、宝塔寺方丈通用口〜坂〜楼門。姫が狂四郎に斬りかかり殺し屋が殺到する安土ヶ原、不明(斜面がススキ原で両側は植林杉の谷あい、ススキの中に孤立木。藤田剣客「剣の誓約」で出た薄原と同じか)。先発したお蘭がまた金八に口説かれながらゆく道、大内・亀岡道(谷地田映さず)。船で発つ狂四郎、琵琶湖(西岸と思われるが対岸曇っててほぼ見えず特定不能)
*貴世姫に山内絵美子、家老のじいに早川雄三、宿の主実は殺し屋の元締は山本昌平。千姫もどきに引っ張り込まれるのは眠のダンナではなく金八、頑張ったみたい。

■ 銭形平次 第248話「なさけ深川」1971.2.3フジ/東映

 東照宮御用材の入札に勝った武蔵屋が狙われる。地回りを使い仕掛けてくる相手、親分の口利きで武蔵屋に雇われた島帰りの老爺は彼らの元の仲間、引きずり込まれかけるが、武蔵屋の小頭が赤子のとき別れた息子と知る。
 ロケ地、祝宴帰りの武蔵屋が帰路お参りに寄って襲われる八幡さま、木島神社舞殿前(お参り中だった平次らは本殿。後段も迎えに出たお静のくだりで出る)。木場、よく出てくる材木置場と同じか(今回は山なみと木立ちが見えている)
*源太爺さんにアラカン、人斬りと異名をとった名うてのヤクザだったが組織のため罪を着るも報われず、という典型的鉄砲玉のその後設定。天狗のおじちゃんの実人生を見るようでちょっと切ない。彼が赤子の頃別れたままの息子が武蔵屋小頭、演じるは亀石征一郎で悪人どころか親方の娘といい仲の幸福な好青年。はじめ親分の聞き込みに応対した際、武蔵屋が無事か問われて目を泳がせたからてっきり「あっこいつが敵と通じて」と思っちゃったゴメン亀石さん。地回りは深江章喜、武蔵屋のお供に峰蘭太郎も見える。

■ 新桃太郎侍 第8話 2006.9.5テレ朝/東映

 若君に害意を持つ一派がそっくりの桃さんに目をつけ接触、これを奇貨とし入れ替わり話に乗った桃さんは藩邸入り、そんなこととは露知らぬ神島さまは「弟君」のことを告げてしまう。
 ロケ地、こっそり藩邸を出る若君、随心院長屋門。若君を探し回る藩邸の人々、随心院本堂から書院の廊下。町をゆく桃さんにお葉のことで話がと出てくる蓑吉、妙心寺大庫裏脇路地。丸亀藩御用達の塩問屋・讃岐屋殺害の件で現場を見ていた男の話を聞き激昂する亀八、大覚寺放生池堤。若君に入れ替わり話を持ちかける桃さん、上賀茂神社北神饌所裏手。側用人一派の侍に話に乗ると告げる桃さん、大覚寺五社明神。丸亀藩邸門、大覚寺大門。探りを入れる桃さんを警戒した側用人が手下に注意するよう指示を出す藩邸の廊下、随心院本堂前縁。若君付きの腰元が桃さんに告げる側用人の意図、密談の回想シーンは随心院渡廊。天井に忍び「迎えに来た」伊之さんと帰るさ、聞いてしまった出生の秘密を告げる堀は大覚寺御殿川河床。二日酔いの若君と散策のお葉が正体を問う茶店、上賀茂神社ならの小川畔。話をしながら移動していると刺客が出るのは奈良社北神饌所裏手(若君の刀引き抜いたお葉が襲撃者に啖呵を切る)。桃さんがお葉に経緯を聞きその後プロポーズの茶店、ならの小川畔。讃岐屋の娘の死を知ったあと単身悪徳商人のもとに乗り込んだ亀八のことを桃さんに注進におよぶ子分、妙心寺大庫裏脇路地

★何の都合か大阪朝日放送では第7話を放送されず終わった新桃、よくあることだし大人な態度を見せたいところだが、いくら低視聴率を弾き出したといっても、今少し折角作ったコンテンツを大事にできないものか。いまさら時代劇がとる目先の数字なんか問題にするくらいなら、最初から作らねばよいのだ。
2006/9/4

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第10話「無頼子連れ旅必殺剣 −府中の巻−」1983.1.26TX/歌舞伎座テレビ

 狂四郎襲撃の巻き添えを食って横死した老爺から幼女を託される話、行く先全てに手が回っていて肩を痛めているが円月殺法は無敵。
 ロケ地、ちよの祖父が巻き添えで殺される海辺の茶店、琵琶湖岸河口州か(内水面際は葦原で林は松や柳など)。ちよの母・おすみが薩摩の手の者に身請けされ駕籠で運ばれてくる街道、酵素ダート。狂四郎がちよの発熱で旅籠へ泊まったとツナギをとる一味、不明(祠脇)。府中宿を出たとツナギの草戸、不明。ちよを連れ鞠子へ向かう狂四郎が狙撃される道、谷山林道。手当てに退避する小屋、酵素河川敷(川べりに水車小屋セット)。おしまに先導させ狂四郎のもとへ向かう一味、北嵯峨農地か。ちよとおすみに見送られ発つ狂四郎、大内亀岡道(見上げ)。
*雇われ刺客に御木本伸介、あらくれ法師スタイル。道中師と知ったうえでの狂四郎の信頼にうるうるのおしまに北川恵(添い寝の際乳で子を窒息させた過去を語るも、原因となった立派なものは開陳されず)。

■ 銭形平次 第247話「ぎやまん地獄」1971.1.27フジ/東映

 奸商の使い捨ての道具にされなぐさみ者にされ、数多の人が奈落に落ちる。憎さげに構える金満家に嫌味たっぷりの啖呵を切る親分、執念の十手がワルを追い詰める。
 ロケ地、追手から逃げる弥吉が蜆売りの爺さんとぶつかる石畳、今宮神社東参道(このあと東門に駆け入り、境内で刺殺される。設定は深川八幡)。弥吉の死体を無理に引き取っていった侍のあとをつける平次、入った御家人・柏木の屋敷は相国寺源光院(一帯は小普請組御家人屋敷街設定)。平次宅を訪ねたお京がならず者に囲まれてしまう神社、今宮神社稲荷社。お京の土左ヱ門が上がる神田上水、お土居か(疏水の可能性もあり)。主が頓死し閉門となった柏木邸を取り巻く町衆の中に一味の丑松を見つけ追うも見失う、相国寺弁天社。丑松がお京の妹を監禁する荒れ寺、イメージに神光院本堂裏手。
*重苦しいドラマの救いは、姉の真実を語るお京の妹に打たれ彼女を救い死んでゆく丑松。*タイトルは日向屋の蔵の地階に禁制品の悪趣味なお宝どっちゃり展示のさま、親分が「がらくた」と言い切る爽快な一幕が笑える。もっと言ってやって。

■ 水戸黄門36 第7話「狙われた百万石の婚礼」2006.9.4TBS

 姉上の使い走りを嬉々としてつとめる老公、柳沢の使嗾により加賀藩お取り潰しを目論む悪党を炙り出す。輿入れの姫様の、実母に会いたいという願いも叶いメデタシ、姉君と別れちょっと寂しそうに加賀を発つ。
 ロケ地、金沢城下に入る老公のくだり、妙心寺放生池(玉鳳院前)を北から見たアングルで衡梅院前へパン。金沢へ向かう菊姫の行列にならず者が乱入して大騒ぎの杉林、神護寺参道南側(林間から和気公廟所の玉垣がちらちら)。抜け出した姫が「雇った」ならず者に金を渡すのは鐘楼(刺客出てチャンバラ)。潰走した刺客が入る大貫屋の寮、宝厳院通用門。姫を伴い姉君・明芳院に会う老公、金沢城公園兼六園(琴似灯籠脇切石橋)。老公と城下散策に出た姫がゴリをすなどる子らを見る犀川、桂川松尾橋上手右岸汀。アキらが柳沢が遣わした忍び・蝉丸と渡り合う野原、嵐山東公園(夏草生い茂る向こうに嵐山と愛宕の山なみ、一部大堰川河原か)。姫の実母の回想、お輿入れの行列を拝みに行った国境の街道、神護寺参道。姫に化けたお娟の駕籠を襲ってしまう刺客団、大堰川堤か(このあとの立ち回りは大堰川河川敷と思われる)。明芳院に見送られる老公、金沢城公園・石川門表門
2006/9/3

■ 松平右近事件帳 第43話「鴉の長吉 何故泣くか」1982-1983日テレ/東映

 浮世小路へ引っ越してきた男は底抜けのお人よし、実は元盗賊なのだが足を洗ったきっかけも善人ゆえ。おきまりで元の仲間が声を掛けてくるが、ここでもその性ゆえ渦中に飛び込み、遂に命を落としてしまうのだった。
 ロケ地、生活苦から子捨てを思い立った長吉が、別の赤子を見つけてしまいお二人お持ち帰りの尼寺・光明院、相国寺大光明寺(門、前庭)。長吉の元の仲間が盗み話を持ちかける船、広沢池(導入はセットから、上陸は東岸)
*長吉に高橋長英、元怪盗黒鴉とは思えぬヘマな善人を好演。ダシとってない「恐ろしい味」の蕎麦売ったりする。企みの大元は抜け荷発覚を恐れた船手頭の使嗾、将軍御上覧予定の軸盗られて町奉行切腹の大ごとに。これが北原義郎で悪徳商人は田中浩。引き込みに入った先の若旦那の目を潰してしまい、贖罪のため長吉は足を洗うが当の若旦那が意外な顔で現れるのはやり過ぎかも。*ラス立ち福ちゃん入り、船手頭配下。いつもの如く際立って姿勢のよい立ち姿で見事な海老反りも披露。残ったメインの悪党に右近がとりかかる場面では邪魔にならぬようゴロゴロ回転で場から退く技も見せる。
2006/9/2

■ 必殺仕事人V激闘編 第9話「せん、むこ殿をイビる」1986.1.24ABC/松竹

 的は火盗、悪辣な長官は父の命乞いをする人妻を弄ぶ。仕事料を作るため、その女は盗み屋なる稼業を働いていた。
 ロケ地、髪結いのおこうがツナギの赤い御籤を結ぶ梅、北野天満宮祠前。加代のツナギの絵馬を見る参も北野か(絵馬の柄は牛)。火盗役宅から帰るおこうが通る道、北野天満宮本殿裏手。盗み屋が金の仏像を取り返しに入る久遠堂寺(「くえんどうじ」の字自信なし、九円か九縁かも)妙顕寺本堂(床下から侵入するのでお堂の基壇亀腹脇を通る)
*おこうに音無真喜子、火盗改長官に岩尾正隆。盗み屋は質屋から大工道具を持ち出すなど、小口の人助け稼業の模様。*壱の差し金ではじめ仕事からハブられ平静を装いつつムキーの主水が笑える。

■ 新・座頭市 第15話「仕込杖が怒りに燃えた」1977.1.17勝プロ/フジ

 女の美貌は男の劣情を誘い、持ち主をむごたらしい運命に叩き込む。亭主を斬った市を恨みもせず、共に暮らそうと言ってくれた女の、あまりに無惨な死にざまに、腹の底から静かに怒る市だった。
 ロケ地、印旛沼、広沢池東岸(水無し。最初に刺客が来る際の足音や、斬った赤鯰の顔を踏みつけ泥に沈めるなど、ぬかるみを効果的に使う)。このほか、おしのが米を研ぐ沢は西岸の養魚場っぽい。おしのが米搗きに行く庄屋屋敷、不明(特徴のある虫籠窓、見たことある気がするけど写真撮ってきてナイ)。悪さをした庄屋を懲らしめた市と連れ立って帰るおしのが庄屋の触れた跡を拭う滝、菩提の滝(後段、坊がヤクザに見つかってしまう段でも出て、滝上で男がにまっと笑う)。村の情景、お獅子がゆく鎮守の参道(畦道に鳥居が二基)や木橋、不明。赤鯰一家、走田神社社務所。おしのの骨箱を携え、坊を連れて海辺をゆく市、琵琶湖西岸汀。
*おしのに真野響子、印旛沼を仕切る赤鯰の親分に草薙幸二郎(いやみな鯰ヒゲをたくわえており、きっちり市に片っぽ切り落とされ)、子分に今井健二。

■ 新・座頭市 第16話「駆込み道中ふたり旅」1977.1.24勝プロ/フジ

 足抜き女郎を匿い道連れとなる市、追手をかける親分は過去に市と因縁のあった男、兄弟分の助勢を得て大人数を繰り出してくる。縁切寺へ行くという女を送り出し、市は壮絶な血煙を上げる。
 ロケ地、女郎を匿ったお堂で一夜を明かした市が女の衣を着て出てくる山門、丹波国分寺(はさ木のある道で衣を被いで女歩きの市に野良の百姓が寄ってくる。衣を剥がれて男とバレてからは例のコミカルな足取りに)。女郎が見つかってしまい、仕込を振るい追手の髷を落として追い払う林は広沢池北西岸(水無し。岸辺に卒塔婆をあしらい、女郎たちの塚にしてある)。助っ人が続々とやって来る渡し場、大堰川河原か。調子のいい老船頭に頼んで船を出してもらう岸、琵琶湖西岸河口州(ここでラス立ち)
*女郎は加賀まり子、ろくでなしの亭主に売られ年を経て、先のない悲壮感を漂わせる。逃げるのに若いのを騙していたりするが市はそのことに触れない。そんな市に淡い思いを抱いてしまう女が哀れ。その亭主は蟹江敬三、髷切られたり最後まで金に執着したりのじたばたがおかしくも切なくてさすが。親分は菅貫、役者くずれ設定で、市を付け狙い顔を斬られた過去を持つ。市の名を聞くやきりきりと歯軋りしたり、髷を落とされた子分を見て怪鳥のような笑い声を上げたりと充分に奇態を示すが、ヤクザとして凄む態度は迫力。
2006/9/1

■ 遠山の金さん 第36話「惚れた女を裁け!!」1976.6.10NET/東映

 けちな小悪党がうっかり凶賊の仲間に引き込まれるがちゃっかり猫ババはやらかし、捨てた娘のもとへ舞い込み迷惑をかける、おきまりのダメ親爺話。小料理屋をしている娘に珍しく金さんが思い入れる一幕あり、小道具は彼女が落として歩くりんご。はっきりとりんご映ってるし金さんもりんごって言う。
*ロケなしセット撮り。凶賊は五味竜太郎、ダメ親爺は海老江寛、娘は朝丘雪路。

■ 眠狂四郎 円月殺法
 第9話「はぐれ三味線運命剣 −蒲原の巻−」1983.1.19TX/歌舞伎座テレビ

 生き別れの母と子、出会えはするもののすぐに悲しい別れというのがいかにも眠狂。がきんちょには優しい狂四郎、救われぬ者を眺める表情はさすがにいつもより暗い。
 ロケ地、狂四郎から金を巻き上げようとするごろつき浪人たち、および鶴吉が親分の仇をとりに向かってくる街道、大内か(谷地田の畦道)。浪人たちがツナギをとる祠、不明(三基並ぶ)。鶴吉に逃がして貰った親分が性懲りもなく狙う大百姓の屋敷、不明(前に短いステップ付きの萱葺の門、また又三匹でも出た所)。凶賊と浪人に呼び出される狂四郎、大堰川堤傍か。蒲原を去る狂四郎がゆく道、大覚寺放生池堤〜五社明神舞殿(雨宿り)〜大沢池北西畔。
*悲劇の母に山田五十鈴、元柳橋芸者設定でもちろん三味を弾くシーンあり。せっかく会えた坊は死罪、痛快時代劇なら助けてくれるんだろうけどこれは眠狂、「年少ゆえ罪一等を」のあとに来る判決読み上げは「見せしめのため死罪」。狂四郎は役人に願い出て二人に時間を作ってやる。*殺伐ムードを盛り上げる野盗と浪人、賊の親分は沢竜二で手下に丹古母鬼母二でガラ悪さ満点。浪人たちは揃って天然理心流とか言ってて笑える。

■ 銭形平次 第246話「月夜ばやし」1971.1.20フジ/東映

 満月の夜に暗躍する凶賊、一味の男の周囲に見え隠れする御高祖頭巾の柳橋芸者、謎めいた展開。頑として真実を語らない芸者は、「夫」の切迫した事情にひとり心を痛めていた。
 ロケ地、満月組の上陸を待ち張り込む大川端、罧原堤周辺河川敷(ラス立ちも同所。平次らが潜む草原にはアワダチソウ満開)。柳橋芸者・音弥が征一郎と会う神社、松尾大社(亀の水場、石橋、舞殿)
*音弥に河村有紀、小柴征一郎に和崎俊哉。若くてすらりとした和崎氏ナイス、しかし彼が弱いのか平次が強いのか、泥棒に返り討ちはお気の毒。*親分、音弥の心情を慮り刀を持たせた手に介添えして…しかし職務に立ち返りビビらせるに留めるのが泣かせる。しんみり場面一転、端唄で上機嫌もいい感じ。*万七親分、音弥引っ張るべきとブチ上げるが、俺なら逆さ海老にして(以下略)はとってもお下品。これだから可愛いんだよな、三輪の。饅頭握りつぶしてアンコ付いちゃった手を清吉の服で拭いてるとこなんか最高。
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