時代劇拝見日記
2007年4月

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2007/4/30

■ 銭形平次 第407話「悲しい傷跡」1974.2.20フジ/東映

 他の男の子を身籠ったまま嫁いだ女だが、優しい亭主と理解ある舅のお蔭で幸せな女将として日々を送る。しかし伝馬町の火事で、「過去の因縁」が解き放ちに。身を持ち崩した昔の男に自責の念を抱く女、平次のはからいで過去は清算される。
 ロケ地、店へ現れた民三と外で会い金を渡すお秋、わら天神六勝大神裏手。民三が金を持ってくるよう指定した竹屋の渡し端の船小屋、罧原堤下河原(ラス立ちもここ)。要求された金を持たずに店を出たお秋が竹屋の渡しへ向かう途中呼び止め説得する平次、大覚寺天神島
*お秋は赤座美代子、民三に郷^次、亭主は平井昌一。*凶悪民三、囚人を一人身代りに仕立てるほか、万七を殺しかける←万七に痺れ薬を使われお縄を恨み。

■ 父子鷹 第11話「薄れいく光の中で」1994.3.22日テレ/松竹

 黒船来航、急速に動く時勢に寂寥感しきりの小吉、脚気も悪化の一途。お国の大事をタテにとり津軽が表立って垢離場へ手出しするのに痛む体をおしての大喧嘩、遂に倒れる。
 ロケ地、お順とデートの象山のところへ今日小吉と会うのは無理と告げにくる麟太郎、梅宮大社神苑・中島へ渡る石橋。垢離場でチンピラを懲らしめて帰る小吉、大覚寺放生池堤(痛む足をさすり座り込むのは護摩堂側の石橋たもと)。象山書院を訪ねるお信、相国寺林光院門、式台玄関。
*倒れた父のあとを受け津軽藩邸へ乗り込む麟太郎、陪臣頭が高いと大喝が小気味良い。*象山の牛肉料理、パックで売ってるカット肉みたいで笑える。

■ 水戸黄門37 第4話「頑固一徹職人魂」2007.4.30TBS/C.A.L

 不本意な仕事を受けた弟子と、彼について家を出た娘を許さぬ頑固親父。しかし亭主亡き後店を切り盛りする娘に降りかかる難儀、老公のとりなしに加え亡き弟子の真意を知った頑固親父は、未熟な孫を叱咤して献上品完成に協力するのだった。
 ロケ地、松本へ向かう山道、不明。松本城、本物の天守。松本を発つ一行、谷地田脇の畦道か。
*頑固な元指物師に中野誠也、娘は仁科亜季子、悪家老は中山仁でつるむ商人は入川保則、冒頭の山道で出会う年寄りの歩荷に玉生司朗、ラス立ち峰蘭太郎と福ちゃん入り。
2007/4/29

■ 忍者がえし水の城 宇都宮釣り天井の謎 1996.4.30ABC松竹

 信州・高井野へ押し込められている福島家だが、嫡子が暗殺されるなど攻撃は止まない。ここへ大久保党から敵は公儀ではなく本多正純と情報が入り、迎撃作戦が練られる。領地の陣屋を要塞化するほか、正純を失脚させるため罠を仕掛けるプランと、二つの策を柱に福島家は動く。
軍資金は旧領・広島の山中に怪しい隠し方をした一件だし、若殿の死に憤激する近習が「実は豊臣の御曹子」だし、正純の城に仕掛ける城崩しは将軍暗殺にまでヒートアップするし、暇さえあれば忍者が大挙して襲う騒がしい展開には血のドロドロや愛憎劇もきっちり絡んでくるうえ、福島への攻撃そのものが大がかりな陰謀のほんの一端だったりする。宇都宮城への仕掛けに尺を割き、表題の高井野陣屋のエピソードで前後をきれいに締める。

ロケ地
・信州・高井野の福島家陣屋、芦浦観音寺(門だけでなく内部も使用。忍者対策で要塞化する話の際出てくる縄張りのCGはここの建物を基に作られている)
・本多正純のことを語る際のイメージ・お城の廊下をブイブイ歩く正純は東福寺方丈縁先(石庭や経蔵が映り込む)
・大久保一族の処刑、罧原堤下汀
・高井野陣屋外堀工事、不明(背後の山の中腹にガレ場。屋形の裏手設定で土塁の上に柵や物見櫓あしらい)
広島城、本物(この時点では浅井氏の居城)
・正則が軍資金を隠してある鷹ノ巣山・三篠川上流の滝、琴滝(滝中ほどの祠から一旦覗き、侵入は滝壺から。滝裏の洞窟はもちろんセット)
・雪乃に金を託し浅野の侍をひきつけて逃げた彦四郎がお涼と鉢合わせする山道、保津峡落合崖道。流れ弾を食らったお涼を手当てするのは河口巌上。
・正則が信玄に仕えた大工・新左衛門尉を訪ねるくだり、「信州・諏訪」とテロップが入るイメージに高島城
・正則の回想、名古屋城修復を押し付けられた回想話のイメージ、本物の名古屋城天守
・宇都宮城イメージ、二条城隅櫓(普請中の城はセット)
・雪乃が芸人一座を引き連れ船でやってくる川、嵐峡(川端で彦四郎が焚き火、雪乃が船底に付けた金箱を示す)
・宇都宮城下の口入屋で打ち合わせ後、彦四郎が雪乃を送ってゆく夜道、大覚寺護摩堂(彦四郎が去ったあとお涼が出て雪乃に茶々入れ)
・江戸城イメージ、姫路城天守(堀留から)。廊下で密談する土井利勝と大久保彦左衛門は東福寺方丈縁先(仏殿映り込み)
・宇都宮城の甍イメージ、粟生光明寺庫裏と周辺の屋根。
・仕掛けを自分で作動させるべく図面を見る彦四郎、外の気配に走り出てお涼と戦うのは走田神社本殿(銀杏の落ち葉散り敷く)
・図面を持ち去った雪乃が来し方を振り返る雪の道、広沢池東岸付近池底
・雪乃を追って道をゆく彦四郎、走田神社参道
・日光参詣の将軍が宿泊している本陣、走田神社社務所(大久保彦左衛門と共に中に入る雪乃を、前の田の積み藁の陰から彦四郎が見つめる。「大」の字の札が下がる彦左衛門の宿舎は不明)
・裏事情を全て知った彦四郎が高井野へ向けて馬を走らせる中山道、山室堤
*屋形の防備は周囲を水田にし松川を整備し濠とする計画。橋は跳ね橋、事あらば堰を切って「水の砦」の言葉は正則から発せられる。その砦を稔りの田にと言う彦四郎に、染五郎がよくハマる。*福島家家臣で真弓明信が出ているお遊びも。

キャスト
高月彦四郎/市川染五郎 福島正則/宇津井健 滝惣左衛門/金田龍之介
雪乃/田村英理子 大蔵伝内/蟹江敬三
お涼/南野陽子 新左衛門尉/花沢徳衛
本多正純/石橋蓮司 土井利勝/平幹二朗 大久保彦左衛門/丹波哲郎
2007/4/28

■ 遠山の金さん 第68話「いかさま稼業」1977.1.27NET/東映

 狼藉を働きまくる旗本の冷や飯食い連中、裏にはとんでもない陰謀。乱暴者を預からされ、老中暗殺の企てに否応なしに引きずり込まれる道場主を、金さんの大芝居が救う。
 ロケ地、乱暴旗本連が巣食う田之上一刀流道場、相国寺光源院(仏殿跡から植え込み越しに見る構図)。金さんが作った「田上一刀流道場」に怒った道場主の田之上が、田野上の代表者・赤目に果し合いを挑む竹中稲荷、吉田神社竹中稲荷(立ち合いは本殿前)。老中・松平定信の寛永寺参詣を襲う旗本たち、赤山禅院参道(旗本は参道脇の林に潜み、わっと出る。駕籠には金さんでラス立ち、乱闘シーンで総門も映り込む)
*良心の呵責に苦しむ道場主は亀石征一郎、妹は本阿弥周子。旗本たちを追い使う寺社奉行は北原義郎で黒幕の若年寄は川合伸旺。

■ 必殺仕事人 III 第34話「大名になったのは同級生」1983.6.3ABC/松竹

 タイトル通り、順ちゃんの友達の塾生が頓死した小大名の跡取りに。物慣れぬ青年大名は老獪な茶坊主にころっと騙され、大金を毟られた挙句篤実な家老に加えほのかに恋情を抱いていた腰元を蹂躙され殺されてしまう。これが「仕事」になり、糠喜びに終る高額の頼み料や悪党どもの描写など戯画タッチで進む。
 ロケ地、酒井家上屋敷(元老中・闇将軍)相国寺林光院。江戸城イメージ、姫路城天守。御廊下、西教寺本堂・書院間回廊。控えの間等も書院や客殿の座敷と思われる。堀家の腰元・浪江の入水、大沢池か広沢池か。小坊主組頭を尾行する秀、相国寺鐘楼前〜林光院(酒井邸)。出陣のおりく/秀も相国寺境内か。事後、遠流になった「同級生」を見送る順ちゃん、相国寺大光明寺南路地
*組頭に逆らい殺される小坊主に村田正雄、堀家家老に中井啓輔、小坊主組頭は北九州男。*仕掛けは酒井家へ乗り込み、スケスケ女相撲に興じている悪党どもを仕置。
2007/4/27

■ 銭形平次 第406話「岡っ引志願の娘」1974.2.13フジ/東映

 賊を追う平次のもとへ現れる、父の仇を討ちたいと言う娘。しかし彼女は知らずに操られ、悪党の手先を務めさせられていた。とんだ攪乱にあい無駄足を踏まされ闇討ちにも遭うが、明晰な推理は裏で妙なシナリオを書いていた男に辿り着く。
 ロケ地、平次宅に居着いたお峰が寝巻を取りに帰り、店を出している易者の雲竜に平次の動向を喋る夜道、今宮神社東門。母の見舞いに帰ったという常五郎を追って川越へ出向く平次、役所でその母は三年前亡くなったと聞かされたあと佇む川辺、中ノ島橋上手中州岸(欄干越しのアングルで導入)。お峰に平次の動向を書いた文を結ばせる約束の玉姫稲荷、今宮神社稲荷社。文をとった常五郎が雲竜に見せにゆく門、今宮神社東門(後で平次が現れ雲竜の正体を指摘→立ち回りに/子分どもを追い立てて万七たちも走り入り、大捕物・門内側と石橋や溝で立ち回り)
*お峰は四方晴美、雲竜は北村英三で常五郎は浜田晃、賭場で平次をたばかる仙太は平沢彰、一味に始末される島帰りの猪之松は市村昌治。江見俊太郎が与力で出ていて、番屋から容疑者を持ってゆきむざむざ毒殺されてしまうので、てっきりワルの一味と思っていると大ハズレでそのまま・何の関係もナシ。*タイトルは平次に近付くため捻り出した「動機」。

■ 父子鷹 第10話「親父を越えていけ」1994.3.15日テレ/松竹

 麟太郎に大仕事が舞い込んでくる。偏屈だが腕のいい鍛冶職人と出会い、母の祈り父の援護に加え、すっかり改心した隼太の助けも受けて、試作品の鉄砲が完成する。偏屈親爺に諭されたり倅を誉められたりの小吉、変調も目立ってくる。
 ロケ地、唐津藩外桜田屋敷へ迎えられる麟太郎、随心院薬医門(駕籠で入る)。藩邸からの帰り、家にも寄らず舞い込んだ仕事のことをおたみに話す麟太郎、粟生光明寺石段(山門越しのアングルから導入)。麟太郎に来た鉄砲製作の話を象山に危ぶまれ怒って帰るお順、デートスポットは梅宮大社神苑・中島へ渡る石橋。お信が麟太郎の成功を祈りお百度を踏む妙見さん、わら天神六勝大神。老中・久世大和守邸、大覚寺大門(小野兼吉に鉄砲の図面を奪取するよう依頼する「廊下」は不明)。制作途中で行き詰った鍛冶職人の鉄五郎が考え事をしに行くお堂、仁和寺観音堂(階に腰掛け・遠景に塔)。鉄五郎がドロンのところへ訪ねてきたおたみ、外へ出て話しこの仕事が片付いたらと求婚する麟太郎、流れ橋下。試し撃ちに赴く麟太郎を襲う企みの小野らを懲らしめる小吉、酵素ダート(立ち回りは林間、全て倒したあと麟太郎の駕籠がダートを通過・小吉、肩で息)。試し撃ちは酵素河川敷、射手は隼太。
*鉄五郎は草薙幸二郎、久世大和守(唐津藩の後ろ盾である土浦候の政敵)は西山辰夫、唐津の家老に玉生司朗。*試射の直前、的に犬接近、かまわず撃つ隼太・鉄砲の音にビビって逃げ去る柴が可愛い。

■ よろずや平四郎活人剣 第2話「逃げる浪人」 2007.4.27TX/松竹

 仇持ちの浪人から、逃避の日々を終らせるべく談合に持ち込んでくれとの依頼。うまい手を思いつき上機嫌の平四郎だが、別の思惑が働いているのを関知できず、依頼者を出奔させ女を泣かす仕儀となる。
 ロケ地、友人の伊部に早苗の近況調査を依頼する平四郎、八幡掘堀端(明治橋・白雲橋間の左岸)。神名邸、妙心寺隣華院。依頼者を仇と狙う古沢に話をつけにゆく平四郎、古沢が寄宿している小普請組・岸本邸は妙心寺海福院、古沢に談合の件を持ちかけるのは大覚寺大沢池北西畔。北見の紹介で小細工を頼みにゆく玉宗寺、妙心寺福寿院。早苗の嫁いだ相手・菱沼が帰宅する道、上賀茂神社ならの小川(平四郎は河畔の茶店で彼を見てつけてゆく)。ED、子守の平四郎は八幡掘明治橋上。
*依頼者の戸田勘十郎は平田満、仇討ちを挑まれ返り討ちの段、はじめ抜かず身に創を受けての立ち回りが見もの。早苗の夫・菱沼惣兵衛は石丸謙二郎。、古沢に知恵をつける旗本の家来に谷口高史。*見張り所は継続、平四郎も顔を出す。また、月代を放置でムシリ頭に。*平四郎の日常を描くED、寝転がる彼に寄り添う巨猫がラブリー。*村上弘明の「腕おぼ」にも採用されたエピソード、タッチの違いが面白い。
2007/4/26

■ 銭形平次 第405話「だるま長屋の殺人」1974.2.6フジ/東映

 コソ泥騒ぎが続いて起こっていた長屋、遂に住民がらみの殺しが起こる。脅迫されたすえに殺ったと若女房が「告白」するが、腑に落ちぬ平次。謎を解き冤罪を晴らす過程は、哀しい過去を清算し夫婦仲をより強固にしてめでたく終る。
 ロケ地、湯島天神の崖下で殺されて見つかる男の検分、吉田神社大元宮西側崖下(長屋の者を連れて八が本殿から通じる道をやって来る)。殺しを告白するお久の回想、大元宮境内(揉み合い、脅迫者の池松が玉垣から転落)
*掏摸の前歴を隠していた若女房は清水まゆみ、暴れ者だった亭主は人見きよし。長屋に対する負い目を消そうとしていた大家の油問屋は河村弘二でグルのヤクザは五味竜太郎。*だるま長屋の謂れは「おアシが無い」←万七が憎ったらしく解説。大家の負い目は火事を長屋衆に救われたことで、50年店賃値上げなし・追い立てせずの約定。この証文は平次が投げ銭でぱかっと割った月番の下げ札から出てくる。

■ 父子鷹 第9話「気掛りな娘の縁談」1994.3.8日テレ/松竹

 お順に求婚する佐久間象山、山師と嫌う小吉。やいのと揉めるうち、小吉を狙う悪党がお順を拉致する騒ぎが出来、鬱憤を晴らすかのように悪党退治の次第。
 ロケ地、娘に来た縁談で気もそぞろの小吉がゆく道、金戒光明寺鐘楼脇〜永運院下坂(小吉を狙う悪党が出るが馬鹿な具合に自滅)。象山書院へ出向く小吉、相国寺林光院(象山とお順がサングラスをネタにいちゃついているのは式台玄関、青いグラス越しに腕まくりの小吉が見える間抜けな構図)。おたみに会いお順の縁談のことを話す麟太郎、流れ橋(橋脚と汀のみ映る)。垢離場に出資するという前奉行・矢部駿河守の甥と称する男の件を北町奉行所へ確かめにゆく小吉、大覚寺明智門。北町へ呼び出され質された帰り、矢部と女たちのところへ出てくる近藤道場のワルども、仁和寺中門(内側から二王門を望むアングル)。水野失脚、門前へ詰めかけ投石の町衆、不明(門前に太鼓橋、中に庫裏が覗く)
*お順の憎まれ口から麟太郎の相手へ波及、砥目へ出向くも蕎麦を手繰って帰ってくる小吉が大笑い。北町の白州へ矢部を呼び出すくだり、岡場所の女たちがあーら金ちゃんも爆笑もの。女子供に手をかける矢部に嫌気がさした小林が寝返るくだりは滑稽ながら涙もの。

★サブタイトル記述間違い
 吉宗評判記 暴れん坊将軍 第128話
  誤 父よあなたは強かった
  正 父よあなたは偉かった
★ロケ地寺院名記述間違い
  誤 金戒光明寺永雲院
  正 金戒光明寺永運院
*上記訂正のうち、日々の日記過去記事には訂正が入っていないものもありますのでご注意下さい。
2007/4/25

■ 銭形平次 第404話「憎まれっ子」1974.1.30フジ/東映

 世間から爪弾きにされる子、荒むその子を我が命で陽の当たる場所へ戻そうとする老爺。痴情のもつれの殺人事件が、二人の心を結び合わせるきっかけとなる。
 ロケ地、常磐津師匠の死体が見つかる松尾渡しの河原、罧原堤下河原(右岸/松尾橋下手の可能性あり)。主家の娘とお参りの職人に声をかける留吉、松尾大社本殿
*荒物屋の老爺に寺島雄作、留坊は加賀爪芳和。*清吉をして嘆かせる万七の見当違い、何の罪も無い爺さまを引っ括ったことで、爺さまの留坊更生プランが出てくる運び。

■ 父子鷹 第8話「ちぎれ雲、涙雨」1994.3.1日テレ/松竹

 彦四郎叔父の奔走で麟太郎の他出禁止は解けるが、疲れが出て叔父は倒れてしまう。ここからが涙モノ、兄の回復を祈願して喧嘩断ちをする小吉なのに、垢離場で騒動が持ち上がってしまう。縋る女たちに応えて暴れる倅を放っておけず刀の封印を解く小吉、悪党どもを蹴散らしたその時、兄の大事が伝えられる。小吉の号泣が哀切。
 ロケ地、おたみと会う麟太郎、上賀茂神社ならの小川(お篠が二人を凝視/後段、お篠がおたみを呼び出すのは河畔の祠脇)。江戸を去る都甲のくだり、師匠宅へ走る麟太郎が駆け上がる石は勝持寺参道石段、都甲邸は東門。師匠を送って駕籠に従う麟太郎にここから帰れと都甲が別れを告げる海辺、琵琶湖東岸(長命寺山の眺めから佐波江と思われる)
*麟太郎の動向/ズーフ・ハルマ書き上げ60両ゲット・高野長英自刃を聞く・都甲から蔵書と屋敷を贈られる
2007/4/24

■ 銭形平次 第403話「八五郎病中記」1974.1.23フジ/東映

 八五郎が担ぎ込まれた医者は、偏屈の変わり者だが庶民のために尽くす磊落な人物。彼に関わるうち、偉そうにしている怪しい「御典医」と出会う平次、迷宮入りが気にかかっていた六年前の事件が浮上する。
 ロケ地、一色右京太夫御典医・鳴滝塾免許と大層な看板を掲げた五島玄道邸、相国寺瑞春院(門越しに式台玄関が覗く)
*八を診た医師・壬生慶斉に大山克巳、偽医者・玄宮は深江章喜で悪党仲間の用人は江幡高志。*お話を医者に持ってゆくため演出された八の病気は腸重積。このほか八は慶斉の娘(母と共に別居中)を不憫に思い落語で説得しようと一席ぶつなど見せ場あり(噺は「子別れ」)。

■ 父子鷹 第7話「日暮て野辺の送り」1994.2.22日テレ/松竹

 小吉が帰る前にも大喧嘩をやらかしていた岡野親子、どら息子が小吉への礼と称し木綿一反を寄越した件で隠居はブチ切れ、卒中で倒れる。その後は枯れるように死んでゆく隠居、それでも態度改まらぬお坊ちゃんには小吉の鉄拳が見舞われる。
 ロケ地、帰り道を急ぐ小吉一行、琵琶湖畔。小吉が礼金をどうのとからんだ大川が麟太郎に叩き込まれる堀(?)大覚寺大沢池。これを見てやんやと囃す町衆は五社明神(中に彦四郎がいて麟太郎に大目玉)。小吉が隠居を柳島(妾宅)へ送ってゆく道、不明(植林杉の林の前に田んぼ)
2007/4/23

■ 銭形平次 第402話「父と子と」1974.1.16フジ/東映

 またぞろ蠢きだした二ツ名の賊を追うと出てくる怪しの船、そこには身を持ち崩して帰るに帰れぬ悲しい「父」も乗り合わせていた。拗ねて父を拒否した坊がたまらず会いに来て、悪党どものタテにされかかるが父は猛然と突進、涙の和解となる。
*ロケなしセット撮り。父は和崎俊哉、賊の首領は天津敏で手下に阿波地大輔や峰蘭太郎、強面の人足頭は千葉敏郎。八の失恋ネタもあり、恋敵は唐沢民賢。

■ 父子鷹 第6話「身を捨ててこそ」1994.2.15日テレ/松竹

 勝家の家主の大身旗本は親子揃って道楽者、大層な借財を作り破産寸前。小吉は幼馴染のその家の隠居のため、領地の摂津まで金策に赴く。代官とグルになって年貢を納めぬ庄屋を脅したりすかしたりの小吉、切腹騒ぎまで起こし命懸け。麟太郎も江戸で父のフォローに忙しい。
 ロケ地、大根を洗うお信に摂津行きを告げる小吉、上賀茂神社ならの小川(階のある水場/設定は横川か南割下水か)。小吉に伴を願い出た東間が、岡野家に貸し込んでいる悪党と会い金策を失敗させる話をする屋形船、罧原堤下汀(大胆に山も映し込む)。御願塚村(摂津・伊丹)入りの小吉一行、不明(丘陵?)。御願塚村庄屋屋敷、民家門。百姓らが野博打をする小屋、鳥居本八幡宮広場にあしらい。東間を懲らしめた帰り道、栄助に明日江戸へ帰る・皆を集めておけと命じる小吉、大覚寺五社明神(祠に祈る)。帰り道、海辺をゆく一行、琵琶湖(小吉は駕籠、西岸か)
*岡野の隠居に北村総一朗、前話で出た拝み屋といい仲。*小吉の脚気の話がちらっと出る。*摂津には栄助も侍に化けてお供。

■ 水戸黄門37 第3話「亭主参った嫁姑対決」2007.4.23TBS/C.A.L

 舞台は松井田、市を寂れさせ儲けを一手に握ろうとする悪徳商人、代官も家老もグル。彼らに取りこまれかける若き代官手付が、勇を鼓し正義を貫く話。騒動のなか、何かというと角突き合わす彼の母と嫁が和解の運びでメデタシ。
 ロケ地、中山道をゆく助さん、大堰川堤(2話と同所)妙義神社へ代参の助さん、イメージに唐門。松井田へ向かう道、蒟蒻の味噌田楽を食す茶店、不明(田代の母と妻女と出会う)。嫁と喧嘩し一人で先に帰った母が老公と出会う道、山室堤、畦道。田代が暮らすお長屋、本能寺塔頭(ビル消し)。松井田の商家へ納める荷が襲われる山道、酵素ダート(俯瞰映像あり)。田代の母と妻が監禁される五島屋の寮(?)宝厳院通用門。老公一行を見送る街道、山室堤
*姑に中尾ミエ、家老は磯辺勉で代官がエド山口、五島屋は出元光。田代家従僕に小峰隆司、旅籠の主に芝本正、善玉商人に柴田p彦。
2007/4/22

■ 国定忠治 松田定次監督作品 1946.9.10大映

 天保の大飢饉であえぐ民衆を、さらに踏みつけ食いものにする悪党ども。忠治親分は百姓衆のため奔走し恥辱にも耐え家財も売り払い、果ては恋しい女まで代官に差し出して田への水を乞うが、欲にまみれた者たちに「男の約束」は通じず水門は開かない。そして子分が無惨に斬られるにおよび、忠治は立つ。
和尚の言を容れ財を投げ出し丸裸になる忠治や、代官のもとへ行く直前のお町を初めて「姐さん」と呼ぶ円蔵、代官屋敷にお町を斬りに行き真意を知る浅太郎、恨み言を言いに来たものの父の意気に感じ協力を申し出る倅など、泣かせるポイントがきっちり用意されている。
 ロケ地、鎮守の森で雨乞いの百姓衆、平岡八幡宮石段下に木組をあしらい。水門を守る二足の草鞋と文蔵たちが率いた百姓衆が衝突しかけるくだり、橋や里の道、不明(橋は一部欄干が破損した木橋、道は川堤)。代官所、大覚寺明智門

キャスト
国定忠治/阪東妻三郎 日光の円蔵/羅門光三郎 お町/飯塚敏子 板割の浅太郎/尾上菊太郎 文蔵/原聖四郎 松井軍兵衛/市川小文治 島村の伊太郎/光岡龍三郎 小柴の弥太吉/香川良介
2007/4/21

■ 遠山の金さん 第67話「逢いに来た女」1977.1.20NET/東映

 女房になりたいばっかりに悪党の手伝いをする女、金さんが尽くし甲斐が無いと忠告した、その通りに始末される哀れを描く。
 ロケ地、秀駒とデートの金さん、今宮神社本殿前。その後不似合いな男女を見る新川沿い、広沢池畔か。その二人を尾行するもお京がやって来て失敗の水辺、大覚寺放生池堤。なお追うとゴロツキの襲撃、大覚寺天神島祠前。金さんを細工場へ連れてゆくおしま、冒頭の水辺と同じ・水門の傍らにヒミツの入口(鎖を引くと現れる)…水辺のヤナギの具合はやはり広沢池に似る。
*おしまは桜町弘子、はじめは金さんに色仕掛け。その旦那の唐津屋は早川保で、お白州では悔いて泣く。黒幕の唐津藩用人は睦五郎でこちらは文句なしの外道。*悪党どもが金さんを遠山の隠密と勘違い、この線で「金さんが遠山様?」のどっきりネタも。

■ 必殺仕事人 III 第33話「囮になったのはおりく」1983.5.27ABC/松竹

 ポスト狙いの暗殺をしてのけたのは冷徹な殺し屋、久しぶりに江戸に戻ってきたおりくは、彼らを仕事にかける依頼を受けていた。
 ロケ地、夜道を流して歩くおりくを襲う殺し屋三人組、鳥居本八幡宮小柴垣道〜広場。殺し屋を雇った曽根の屋敷イメージ、民家長屋門。誘い出された小夜(「切腹」した勘定奉行留守居役の娘)をつける秀、広沢池東岸(隠居に化けた民蔵に道を聞かれ邪魔される)。殺し屋を誘き出し仕掛ける橋(アジトは向島浜松河岸、弁天島側へ誘い出し)中ノ島橋。順ちゃんプランで橋に細工、工作段階では橋桁裏に取り付き鋸を振るい、仕掛け段階では堰堤上に立ちロープを手繰る。勇次の仕掛けは欄干を支点にして吊り、二人ともドボン。このくだり、出陣の勇次は橋下河川敷(栗石)で、おりくが民蔵にとどめをさすのは湛水区間の堀端(民蔵、再ドボン)
*殺し屋のヘッドは江幡高志、留守居役の後釜に座った黒幕は有川正治。
2007/4/20

■ 父子鷹 第5話「春は名のみの…」1994.2.8日テレ/松竹

 火事で切り放しになった高野長英に頼られる麟太郎、しかし若輩の身では何もできず、小吉には諌められる。勝家の苦衷を察した町衆が危険を冒して動くのが泣かせる「相身互いでござんすよ」。垢離場の一件を鮮やかに切り抜ける小吉が痛快。
 ロケ地、弱き民にタカる騙りどもを懲らしめるくだり、富ヶ岡八幡宮での富突き風景は妙顕寺三菩薩堂。頼ってきた高野長英と外で話す麟太郎、大覚寺五社明神本殿前(おたみたちが長英と会うのも同所)。栄助が棹を使い長英を隠した船をやる中川、大覚寺天神島北辺水路。長英を捜し水辺に出てくる小吉は放生池堤、番所は天神島朱橋に衛士あしらい。小吉が垢離場のことを掛け合いにゆく北町奉行所、大覚寺明智門
*遠山の金さん登場、小吉の剣友設定で背負ってるのは桜ではなく女の生首。垢離場の女たちを助けてやる小粋な役回りで、演じるは大出俊。*女の拝み屋に蜷川有紀。

■ 銭形平次 第401話「往くも還るも地獄道」1974.1.9フジ/東映

 直訴にやって来た武州新倉郷の親子、斬られた父の遺志を継ごうとする娘。彼女の前に現れる同郷の男ふたり、調子のいい遊び人と物堅そうなお店者、どっちがどうかは時代劇のおきまり。
 ロケ地、父・宗兵衛の墓に参るお民、永観堂墓地(江戸で奉公している英次郎が来て助力を申し出る)。平次の家から連判状を持ち出した半次を追う平次、捕まえてシメていると刺客が出る夜の林、大覚寺大沢池畔林間。新倉代官の篠原主水之介に故障を申し立てに行く平次、お屋敷は相国寺光源院。父の墓に詣でこれから勘定奉行のところへ駆け込むと報告するお民、永観堂墓地。ここで正体を現した英次郎と揉み合い逃げるお民、御影堂脇に駆け込み・ここへ平次登場、英次郎をとっちめる。そこから逃れたお民が半次に当て落とされ趣意書をとられるのは御影堂前・の脇。勘定奉行・秋月邸前へやって来る半次、相国寺林光院。篠原の用人一味に捕まり連れ込まれる林、下鴨神社池跡(半次の危機に銭、ここでラス立ち)。篠原邸から出てくる平次と半次、相国寺光源院。半次を待っているお民は塀際。
*お民に珠めぐみ、半次は三田明。実はいいお殿様だった篠原主水之介は野口元夫で悪い用人は山口幸生。

■ よろずや平四郎活人剣 第1話 2007.4.20TX/松竹

 水野忠邦の改革の嵐吹き荒れる時勢、兄の家を出て剣術仲間と道場を開く夢が一瞬にして破れる平四郎。以後よろず揉め事仲裁の看板を出して町屋暮らしが始まるが、目付である兄の仕事にも強引に引っ張りこまれるのだった。

ロケ地
・平四郎の兄・神名監物邸、妙心寺隣華院
・嫂が平四郎の元婚約者・早苗を見かけた茶店(長慶寺墓参の帰途)上賀茂神社ならの小川畔に茶店あしらい(早苗がいたのは祠脇)
・平四郎の友人・神尾が泣くおとわを拾うくだり、北野天満宮本殿裏手地主神社(この陰でおとわがめそめそ)
・兄に伴われ赴く老中・堀田正篤邸、大覚寺大門(福ちゃんが見ている/ゴイサギ効果音入り)
・江戸城イメージ、姫路城天守。御廊下で監物に詰め寄る鳥居耀蔵、金戒光明寺方丈廊下(勅使門越しのクレーンショットが迫力)
・「茶店」へ通い続け遂に早苗と会う平四郎、場面は上賀茂から大覚寺へスイッチ。あれから八年と話すのは放生池堤、住まいを聞くも答えぬ早苗は梅林、もう昔の自分でないと去る早苗は遣水跡芝地
・おとわの亭主・粟屋格左衛門から去り状をとるくだり、お芝居をしてくれた女郎と駈けてくる平四郎、八幡掘明治橋。女郎に礼金を渡すのは橋下の堀端。
・水野忠邦邸、随心院薬医門。高野長英が老中堀田が目付の監物がと水野に迫る鳥居耀蔵は書院

キャスト
神名平四郎/中村俊介 神名監物/内藤剛志 里尾/田中好子 嘉助/河原さぶ 北見十蔵/山田純大 明石半太夫/益岡徹 早苗/北川弘美 与之平/木下ほうか 樫村喜左衛門/伊藤洋三郎 水野忠邦/西田健 堀田正篤/中原丈雄 鳥居耀蔵/本田博太郎 奥田伝之丞/福本清三
粟野屋格左衛門/渡辺哲 おとわ/床嶋佳子 おてる/大路恵美
*何かするとの期待を裏切らない益岡徹、金数えてる手つきからして胡散臭くてもうアレ。ひたすらコワい兄上は弟に見えないところでにっこりが憎い。刺客の福ちゃんは今後も期待。やっぱりキレた系が一番似合うかもの本田博太郎、言い争いのあと「神名監物!神名監物!うぅ゛ー神名監物!…という男、あくまでわしに楯突くとしたら」の緩急つけすぎの台詞回し迫力ありすぎ。後で似たのがも一回出る。

2007/4/19

■ 銭形平次 第400話「お光の縁談」1974.1.2フジ/東映

 物的も状況も証拠揃いまくりで盗っ人として捕まる青年、ハメられたと見た平次は青年の恋人を使い、真犯人が尻尾を出すのを待ち構える。元旦早々の事件、親分のお正月はまた遅れてやって来る。
 ロケ地、魚清の番頭が強盗に遭う池之端の暗闇坂、黒谷か(除夜の鐘も黒谷?)。明神さまへ初参りの平次夫婦、今宮神社本殿〜稲荷社前(八がてーへんと駆けてくる)。常吉が晦日の晩襲われた下根岸の辻堂、大覚寺五社明神(舞殿に扉あしらい、側面には花頭窓付きの壁も)。雪降るなかお百度を踏むお光、木島神社本殿。事件に関わるゴロツキの富蔵が仲間を引き連れて乗り込む屋形船、嵐峡
*常吉に渡辺篤史、恋人のお光に和泉雅子。若旦那の意を受けて動く悪党に今井健二、情婦の常磐津師匠に白石奈緒美。

■ 父子鷹 第4話「甘い酒苦い酒」1994.2.1日テレ/松竹

 優れた人々の薫陶を受け蘭学に邁進する麟太郎だが、当の蘭学で謹慎を食らう羽目に。家に戻ってきた息子に、この大難を乗り越えて大きくなれと母は盃を勧める。
 ロケ地、師匠が麟太郎を烏山候の若様に引き合わせるくだり、屋敷イメージに粟生光明寺勅使門と石庭を見下ろす絵を置き、若様と麟太郎が竹刀を交える庭は彦根城玄宮園池端。帰り道、他の大名屋敷への出稽古も譲ると話す師匠、建仁寺両足院前路地。高島秋帆の洋式調練のくだり、倅に心尽くしの紋服を届けようと徳丸ヶ原(現・板橋区高島平)を探し回る小吉、大覚寺天神島(都甲とともに遠眼鏡で調練を見る麟太郎も同所の楠の根方)。調練の野原は例の砕石場?の崖際、小滝も見える。帰り道、麟太郎に感想を聞く都甲、大覚寺大沢池北岸に茶店あしらい(倅を誉める都甲に、居合わせた小吉思わず顔出し)。巾着切りと事を構え近藤道場の者に蘭学の本を見られてしまう麟太郎、大覚寺大沢池堤(掏摸を池に叩き込み・助けに行って本をお六婆さんに預けたことが仇に)。蘭学者弾圧のくだり、お城イメージは彦根城佐和口多聞櫓を濠越しに。それぞれの登城風景、麟太郎は中ノ島橋(土埃舞う演出)、精一郎は建仁寺両足院前、彦四郎叔父は妙心寺玉鳳院前。謹慎を食らったあと、夜ひそかに都甲邸へ向かう麟太郎を見咎める御家人仲間の青年たち、中ノ島橋上。
*佐久間象山に磯辺勉、高野長英は山内としお。小吉にも麟太郎にもからむ巾着切りに下元年世。
2007/4/18

■ 銭形平次 第399話「父の秘密」1973.12.26フジ/東映

 先君の墓前で腹切った侍に公金横領の疑い、父の無実を信じる娘心に感じ、お武家の内情に関わる平次。汚名は晴れるが娘にとって辛い事実が二つ、情婦二人の対比が面白い構成。
 ロケ地、川越藩松平家菩提所、金戒光明寺本堂裏手墓地。夜回りの平次を無体なやり方で連行する藩士たち、永観堂画仙堂前。
*「切腹」した侍の娘に岩井友見、許婚者に六本木真、毒婦が追い使うチンピラが黒部進で彼に雇われた三下の一人に小峰隆司。*季節感にねぎま鍋、八のしつこいリクエストの成果。他に鮟鱇もねだっている模様。為さんも活躍、きったない雲助に化けて毒婦の旦那を誘き出しにかかる。

■ 父子鷹 第3話「親ごころ子ごころ」1994.1.25日テレ/松竹

 永井青崖に師事する麟太郎、寝る間も惜しんで勉学にも鍛錬にも励み、学費捻出の算段もしてのける。それが嬉しくもあり寂しくもある小吉、その上女の話は余計擽ったくて妻女に投げたり。順風満帆に見える勝家の動静、しかし天保の改革やら小悪党の暗躍やら影はさしてくる。
 ロケ地、蘭語をさらいながら通学の塾生たちが剣術道場の輩にからかわれる道、勝持寺参道(永井青崖に入門しにやって来た麟太郎が加わる)。宴席で火消しと事を構える君江、料亭イメージに錦水亭東屋(池越し)。火消しに追われる君江を見る麟太郎、中ノ島橋(一行は麟太郎を追い抜いてゆく)。火消しをぶちのめした麟太郎を追ってきて、もう芸者をやめると告げる君江、上御霊神社境内。津軽の家老・桜庭に目利きした刀を持ってゆく小吉のくだり、相国寺大光明寺(導入は南塀越しに方丈甍を望む絵、藁束を斬ってみせる小吉は石庭。桜庭は方丈縁先にいて、座敷にいる小林らに密かごとを呟く)。永井塾へ向かう麟太郎を呼び止め観相する都甲、建仁寺三門前。永井塾、建仁寺久昌院(青崖が麟太郎に酔った都甲を送っていくよう頼む→垢離場の酒肆へ)。狸穴の都甲邸、勝持寺東門(やって来た麟太郎は南門前路地のラウンド塀際)。小吉に言われ「君江」を見にゆく母娘、帰り道は上御霊神社境内、麟太郎に思いを告げる「おたみ」は舞殿脇。
*桜庭図書に原田力、永井青崖に楠年明、都甲市郎左衛門は金子信雄。*覚書:永井青崖の住まいは赤坂溜池の黒田藩屋敷内。
2007/4/17

■ 銭形平次 第398話「はやて駕籠」1973.12.19フジ/東映

 スピードが評判の駕籠舁き兄弟が仕出かす、出会い頭の衝突事故。被害者を見捨てて逃げたことが仇となり、亡霊に脅えるわ恐喝されるわで破滅寸前に。しかし平次宅に「死んだ」女の妹が転がりこんでおり、「事故」の真相は明らかとなる。
 ロケ地、駕籠舁き兄弟が事故死した女の塚を拝みにゆく三輪の浄閑寺(投げ込み寺)西壽寺(山門〜墓地石段〜塚は本堂西側の石塔脇・龕のある崖際)。目撃者の男に恐喝され金を渡す夜の神社、赤山禅院本殿(玉垣の内側、ラス立ちもここ)。塚の下のはずの女が駕籠舁きに声をかける道、下鴨神社河合社脇馬場。女の顔を見て算を乱して逃げる兄弟、池跡〜河合社前。
*事故に遭う女に本阿弥周子、駕籠舁き兄弟は工藤堅太郎と河原崎建三。

■ 父子鷹 第2話「親離れ子離れ」1994.1.18日テレ/松竹

 外の風に当てるという方針で、麟太郎は精一郎の弟子の道場へ。研鑽の日々がはじまり、蘭学を志す段まで。
 ロケ地、登城風景、彦根城天秤櫓〜石垣際〜太鼓門櫓。家督相続申し渡しに臨む勝家一同がゆく廊下、不明(屋根が二層の広壮なお堂を向いの建物から望むアングル)。浅草新堀の島田道場へ挨拶に赴いた帰りのお信を待っている小吉、不明(墓地下の石段)。果し合いを挑まれ鮮やかに返り討ちにしてのける島田、不明(墓地下池端、墓地は傾斜地にあり段々)。師匠の言いつけで王子権現に夜籠りする麟太郎を覗きにゆく小吉、鷺森神社(小吉が渡るのは曼殊院から続く道の一乗寺川支谷に架かる石橋、舞殿脇から本殿見上げ〜麟太郎が瞑想のあと三貫目はある棒を素振りは本殿前、小吉は玉垣外から覗く。翌朝、門前の茶店で倅に声をかける小吉、参道鳥居前に茶店あしらい)。師匠が小吉に連れ出され帰って来ないので男谷道場へ行く途中の麟太郎、願掛けの君江とばったり出会う神社は上御霊神社(君江のお参りは本殿前、麟太郎と話すのは舞殿脇)。箕作阮甫に入門を乞いにゆく麟太郎、建仁寺久昌院塀際〜久昌院玄関(箕作邸)。父と叔父に勢いで蘭学を許されたあと、精一郎と麟太郎がゆく道、妙心寺玉鳳院前路地衡梅院前路地
*箕作阮甫に北村英三、島田虎之助に梨本謙次郎。
2007/4/16

■ 銭形平次 第397話「万七必死にて候」1973.12.12フジ/東映

 あまりの評判の悪さ不甲斐なさで窮地に陥る万七親分、もう必死で立ち回るが相も変わらず平次に無理を言ったり見当違いを仕出かしたり。挙句の果ては追っている当の賊を下っ引きに採用するという愚、しかし平次のサポートに加え、珍しく世話を焼いていた女の感謝の念から、なんとか手柄を立て曲がりなりにも面目を施す、ちょっと苦味も入った人情話。
 ロケ地、お静が万七のためお百度を踏む神社、新日吉神社本殿(平次が木立ちの陰から見ている)。お礼参りのお静も同所、万七がやって来て妙なのろけを開陳し去ってゆくのは本殿前石段(お猿も映り込む)〜楼門。
*万七が世話を焼いていたおとみは戸部夕子、亭主の宇之吉は石橋蓮司。レンジ、はじめはいかにもの悪党で、女房の必死の訴えと万七の恩に感じ仲間を裏切ってからは気弱な優男ぶり、万七を庇って刺され頓死の顔がまた傑作にコワくて最高。*タイトルは万七が熊野神社に上げた起請文の願文。

■ 父子鷹 第1話「春、子鷹飛び立つ」1994.1.11日テレ/松竹

 「暴れ旦那」と異名をとる無役の直参・勝小吉、肚を決めてお役に就こうとするものの、息子の喧嘩の流れを受けて大騒ぎを起こしおじゃん、隠居して家督を譲る経緯を描く。
 ロケ地、奉納額の日本地図と世界地図を引き比べ豆粒とか吹いている異人を覗き込む麟太郎、上御霊神社茶所。花見の衆が出る堀端、大覚寺大沢池堤。内職の傘を干す浪人に無体を働く男どもを蹴散らす小吉、大覚寺大沢池北岸。御番頭を接待する小吉、料亭イメージに錦水亭東屋(池越し)。接待疲れで座り込む小吉、男谷家を憤然と飛び出してきたものの家に帰りあぐねる麟太郎、大覚寺放生池堤(小吉は堤中ほどの石橋たもと、麟太郎は護摩堂前の石橋たもと)。芸者にからんだ与太侍どもと事を構える麟太郎、中ノ島橋(見事なドボンあり)。息子の喧嘩を受けて大立ち回りの小吉をやんやと囃す町衆も中ノ島橋(立ち回りはセット撮り)。呼子を吹かれ逃げ出した父子が船でゆく堀、大覚寺天神島北辺水路(水鶏の声あしらい)。小吉が呼び出される小普請支配邸、相国寺大光明寺門。裃着けて出かける息子を見送る「隠居」小吉、妙心寺大通院裏手路地
*男谷精一郎に堤大二郎、彦四郎は神山繁。小普請支配は真田健一郎、与太侍のヘッドに河原崎建三・仲間には上田峻。

■ 水戸黄門37 第2話「赤城の山はカカア天下」2007.4.16TBS/C.A.L

 舞台は前橋、生糸を買い叩く悪徳商人に苦しむ里人を救済する話。システムを工夫して生産効率を上げる元気な婆さんは、ヘマ亭主を追い出し中。藩のお偉方もつるんでの悪事に婆さんがエラい目に遭うところ、亭主は殿の御前で悪人どもを糾弾する八木節を歌い上げる。
 ロケ地、前橋へ四里の街道をゆく一行、大堰川堤(道は幅広地道でバラス敷き。繭を運ぶお茂婆さんと出会う河原は竹の河畔林)。喜作と新助が出会う地蔵、事情を聞く茶店、不明(山際の地道、石垣の見えるいつもの所)。お茂婆さんの「名主」宅、民家門(喜作が帰ってくるくだりでは塀の南西角あたりから映る)。女房のお茂に出て行けと言われ飛び出した喜作を追う新助、鳥居本八幡宮(石段を中心に使い、舞殿で八木節も)。八木節の歌競べが行われる前橋城イメージ、不明(郭内部、石段と塀・石垣は四角四面)。前橋を発つ一行、山室堤
*ダメ亭主の名主に左とん平、女房は赤木春恵。悪家老は近藤洋介。
2007/4/15

■ 新・松平右近 第22話「右近の旅立ち」1983/4-9

 塩問屋株仲間元締の座をめぐる陰謀、反対者を辻斬りに見せかけて暗殺する悪党は、勘定奉行の使嗾を受けていた。ともに孤児の、音松の親友が現場を目撃したため消される悲劇を、火野正平の「泣き」で見せる。
 ロケ地、親友の結婚を機に発奮し就職する音松、ヨイトマケの現場(エンヤコラの歌入り)大覚寺大沢池畔に滑車等あしらい。長崎へ向かう右近がゆく海浜、琵琶湖西岸・舞子浜
*音松の親友の大工に桜木健一、悪徳商人は井上昭文で勘定奉行は西山辰夫、刺客の浪人は下元年世。三州屋は元凶賊、捕まえて商人に仕立てられる図。しかし回想シーンで出る怪しの教祖様は何事。*藪さんの旅立ちは唐突、通常の尺通りのラス立ち後すぐで、事情は書状で説明。

■ 花よりもなほ  是枝裕和監督作品 2006.6.3松竹

 父の仇討ちを期す青年が暮らす長屋は吹き溜まりのボロ長屋、住民は一癖も二癖もある怪しい面々揃い。そこで揉まれるうち人生の機微を知る青年、生来穏和な彼は、仇の所在を知るも妻子と暮らす相手の暮らし向きを見てしまい遂行かなわず。ここで一計を案じた青年が思いつく大芝居は、長屋に潜伏していた赤穂義士の背中を妙な形で押すことになる。

ロケ地
・おさえと権現様に参る宗左、毘沙門堂山王社。参詣後二人が話す茶店、勅使門下にあしらい(やじろべえ売りの露店は門下石垣際)
・荷揚げ場で仇の姿を確認する宗左、罧原堤下河原か。
・新坊と猫にやられた小鳥の墓を作りに行くくだり、石を拾う河原は摩気橋下園部川河川敷(欄干越しのアングルも)。小鳥の塚は橋たもと民家際の堤に生えた木の根方。
・父の遺言のことをおさえに話す宗左、二人が出てくる門は龍潭寺山門、話しながら歩くのは参道。
・長屋衆が仇討ち芝居でひと儲けを企む八幡さま、大原野神社本殿前、参道(屋台あしらい)
・おさえと縁日に出かけた宗左が「仇」を見かける参道、大原野神社参道
・叔父に伴われ故郷へ向かう宗左、不明(杉林の山道、溜池?汀、池堤?の街道)
・宗左の父の法事が営まれる寺、親戚に三年も何をしていたとからまれる座敷は粟生光明寺方丈座敷。
・弟と墓参にゆく道、民家南塀際。墓参の資格が無いと弟に難詰される「仇」金沢の屋敷跡前、民家西側通用門
・新坊を苛める武家屋敷のガキども、随心院裏土塀(仇の息子の吉坊が介入)
・仇の男を連れ出し話す宗左、随心院裏手竹林

キャスト
青木宗左衛門/岡田准一 おさえ(向いの未亡人)/宮沢りえ 貞四郎(タカリの仕切屋)/古田新太 平野次郎左衛門(うるさ方の隣の浪人)/香川照之 おのぶ/田畑智子 乙吉(屑屋)/上島竜兵 孫三郎(糞が餅に変じるのを待ち望む足りない男)/木村祐一 そで吉(粗暴な訳あり男)/加瀬亮 留吉/千原靖史 善蔵(おのぶ父)/平泉成 お勝(乙吉母)/絵沢萌子 おりょう(大家嫁)/夏川結衣 伊勢勘(大家)/国村隼 重八(長屋長老の代書屋)/中村嘉葎雄 青木庄三郎(宗左の叔父)/石橋蓮司 寺坂吉右衛門/寺島進 鈴田重八郎(脱命義士)/遠藤憲一 小野寺十内/原田芳雄 与力/トミーズ昌 青木庄二郎/南方英二 金沢十兵衛(仇)/浅野忠信

■ あばれ鳶  森一生監督作品 1956.12.12大映

 鬼面組は旗本の冷や飯食いが集まった愚連隊、当主ながら一党に加わる松平刑部は、本腹の弟への気兼ねから鬱屈し乱行を重ねていた。
湯島聖堂から出た火事の折り、刑部邸への延焼を防ぐため無法にも間に建つ民家を引き倒す鬼面組。これに憤ったは組の面々との間に緊張が走るが、その場は老中の介入で事なきを得る。しかしは組の小頭と恋仲の柳橋芸者に刑部も入れあげており、対立はますます激しくなってゆく。
 ロケ地、は組の半次が鬼面組に囲まれ斬りつけられる酒蔵の裏手、松本酒造酒蔵前・東高瀬川堤(大樽あしらい)
*火消しと旗本の対立を軸に、様々な人間関係が錯綜する作り。は組小頭の源太と刑部の、芸者・小染をめぐる軋轢のほか、源太を娘と娶わせて後を継がせようと思っていたは組のかしらと当の娘の思い、その娘に懸想する半次の葛藤、源太に敬服した掏摸の三吉の正体などが綾をなし、奥行きが深い。もちろん、源太と小染の苦しい恋にはたっぷり尺をとる。二度も鬼面組に拉致される小染姐さんが、燃えさかる刑部邸の大屋根に纏を持って立つシーンは圧巻。

キャスト
源太/市川雷蔵 半次/千葉登四男 留吉/潮万太郎 お光/近藤恵美子 長五郎(頭)/小堀誠 「以上は組」 | 小染/嵯峨三智子 半玉/中村玉緒 大家/山茶花究 三吉/林成年 松平刑部/伊吹一郎 池田筑前守/黒川弥太郎
2007/4/14

■ 大岡政談 幽霊八十八夜 佐伯清監督作品 1958.7.22東映

 短剣投げの美人芸人襲撃、続けて殺される同じ刺青をした男たち、百軒長屋で起こる幽霊騒ぎ。謎めいた一連の事象は、三年前の御金蔵破りに因。それぞれに欲をかき自滅していく盗賊たち、最後に残った奸智に長けた男も、白頭巾に正体を見破られ観念して果てる。
気のいい貧乏浪人、正義の味方の白頭巾、役目を帯びた与力と、大友柳太朗が大活躍。女性陣も、いじらしい長屋娘に婀娜っぽい女将、仇討ちの悲願を秘めた女芸人と多彩。暢気に日常を過ごす長屋衆もいきいきと描かれる。狂言回しの岡っ引を演じる伊藤雄之助が、独特の口調で見もの。
 ロケ地、長屋も路地も蓮池もほぼ室内セット。頼まれて女芸人を狙った疵安をシメる的場のダンナのくだり、どこかの門前の石橋にダンナが腰掛けている。濠?には蓮の如き植物、濠の向こうに見える築地塀は五本線。堀端に灯籠、道の奥には茶店?のような建物。

キャスト
十六夜右近・的場陣十郎・相良欣三郎/大友柳太朗 小糸/大川恵子 源次/尾上鯉之助 お袖/花園ひろみ 彦兵ヱ/柳永三郎 お勝/三篠美紀 六造・勘八/秋田AスケBスケ お島/日高澄子 疵安/楠本健二 森田屋清蔵/進藤英太郎 伝九郎/吉田義夫

■ 弥次喜多道中 斎藤寅次郎監督作品 1956.8.22大映

 借金を溜めまくった弥次喜多コンビは長屋を逃げ出すが、土中で喉を損じた喜多八を治してくれた医者に究理石を託され、京の町で病に苦しむ子らのため東海道を下る。もちろん珍道中で、斬られて死んだと思った医者は出てくるし、訛りのきつい石を狙う浪人たちもヘマばかり、出張ったアチャコの岡っ引は頼りにならず。最後は川止めの島田宿で、浪人たちを出迎えに来たならず者たちと丁々発止、石を手にした弥次喜多コンビがまんまと川を渡りきったところでやんやの喝采、悪は滅びてメデタシの幕引き。
 ロケ地、医師・久庵邸、不明(萬福寺のような竜宮門)。浪花屋一行の女道中、琵琶湖畔の松原沿いか。久庵が喜多八の喉を治す(病名はオランダ熱)峠の茶店、谷山林道か。浪人が久庵から究理石を奪う山道、不明。大家の娘を見て借金取りと思い込んで逃げた弥次喜多のくだり、喜多八が風呂桶被って落ちる崖、不明。女道中師が浪人らは西へと告げたあと映る雨の街道筋、不明(川堤か)。川止めの宿から見る大井川、大井川渡し場、不明(流れは相当量あり瀞をなす。河原は石礫、川中に水制の聖牛が幾つか見える)
*全編これコメディの痛快劇、ヘンな設定や小物も多数。まず焦点の「究理石」からしてトンデモ、箱を開けると怪光線を発し患部に照射するや一発で治癒という優れもの…しかし医者はラジウムとかアブないことを口走っている。このほか、番所でのマンボ踊りや、三味線をギター持ちした田端義夫が宿の二階で喉を披露したり。彼が率いる舶来屋差し回しのちんぴらたちは「太陽族」だし。バガボンドとか洋語も出まくり、アチャコのボヤキも炸裂。

キャスト
弥次郎兵衛/市川雷蔵 喜多八/林成年 阿茶吉/アチャコ おこん/阿井美千子 おくみ/小町瑠美子 細野久庵/山茶花究 千代/島倉千代子 仙太郎/田端義夫

■ 必殺仕事人 III 第32話「誘拐犯の娘に惚れたのは秀」1983.5.20ABC/松竹

 定期的に来る秀のメランコリー、寝そべりに行った川端で見たべそかき娘には重い事情。子供の命を救うため脅迫者から逃れた娘は行くあてなく秀を頼るが、父子ともども悪党の手にかかり、恨みの筋が託される。
 ロケ地、鬱屈した秀が寝転びに行く川端の草原、桂川松尾橋下手右岸堤法面(堤上の木が印象的、後段では桂川の曲折点を望む下流を見た絵も出る。堤越しに嵐山の緑が映し出される)。身代金が船に積み込まれる大川端、広沢池東岸(悪党とグルの岡っ引が船に細工するのは葦原)。主水の出陣にも広沢池東岸(堤の並木)
*南町同心が黒幕で仕出かす誘拐事件、秀のお相手の娘は脅されて仕方なく加担した岡っ引の娘。主水に仕置される同心は「仕事人だったのか」発言。
2007/4/13

■ 大江戸を駈ける! 第15話「正義の剣よ永遠に」2001.3.19C.A.L

 あっさりと尻尾を切った若狭守は、強行策に打って出る。昔の約束を果たせと師匠が引っ張り出され、求馬たちは師匠を死なせぬため奔走する。
 ロケ地、江戸城イメージ、皇居巽櫓。若狭守邸、大覚寺明智門。南町与力を騙る男らに拉致された武蔵屋を捜し水道橋へやって来る求馬ら、中ノ島橋(画面手前に樋あしらい・神田上水掛樋設定)。武蔵屋の死体を発見する崖下、酵素待避所下の崖。お奉行襲撃の浪人どもを雇った若狭守の家来が出入りする船宿、八幡掘明治橋下手堀端(右岸)を入口に見立て。見張りの為吉たちは明治橋下、ここへ駆けつけてくる求馬は堀端を走り為吉らが張り込み中の明治橋たもと(上手左岸)へ。若狭守の家来と接触した侍を尾行する求馬、船で明治橋をくぐる(船頭に橋は木挽橋と聞く←三十間堀・現・銀座五丁目)。侍が入ってゆく松平伊豆守築地下屋敷、仁和寺本坊大玄関を門越しに。若狭守の母・芳順尼が語る師匠の過去のくだり、藩を去る雪の海辺、琵琶湖東岸(佐波江か)。法事のため屋敷を出る伊豆守の行列、仁和寺本坊表門。駕籠が襲われる泉岳寺境内、仁和寺鐘楼前。腹を切ろうとする師匠を止める求馬と青木、琵琶湖東岸汀。ED、求馬と志乃の乗った船は八幡掘、現在の隅田川をゆく船に切り替わり。
*若狭守の御母堂に三篠美紀、家老に玉生司朗、回想シーンの因循重臣の一人に福ちゃん。

■ 遠山の金さん 第66話「危険も二倍の賭けで死ね!」1977.1.13NET/東映

 芸者を落籍すためや博打に使う金欲しさに、死一倍の手形を切る若旦那たち。もちろんそんなウマい話は転がっておらず、彼らの父には殺し屋が放たれる。やばいヤマを踏んだとうろたえる坊ちゃん方には金さんの鉄拳制裁、阿漕な香具師の元締にはとんだ釣り餌。
 ロケ地、叶屋の大旦那の死体検分、嵐山公園・中ノ島橋上手中州護岸法面(中州南岸・堰堤際、橋は映らず)。金さんに殴られたあと相模屋の若旦那がふらふらと歩く水辺、大覚寺放生池堤。相模屋暗殺をしくじった三下が始末される船着き、大覚寺大沢池船着き(小)、池にドボン。その三下の死体が上がる堀端、大覚寺大沢池溢水口(見物の町衆は大沢池木戸にたかる)
*博打はやる芸者を落籍す話をしている若旦那の芝居で香具師を釣る金さん、カマっぽい若旦那ぶりが傑作。相模屋親子は太田博之と小栗一也、香具師の元締は永井智雄。

★タイトル表記間違い
 誤/大江戸を駆ける
 正/大江戸を駈ける
日記・ロケ地資料とも訂正致しました
2007/4/12

■ 銭形平次 第396話「母の祈り」1973.12.5フジ/東映

 とんだ莫連女に騙され悪事に加担してしまった息子、行方も知れぬ彼をひたすら案じる母心を描く。手代をハメた者どもの設定もきちんとあるが、浪花千栄子演じる母に尺をとり、彼女のその後も見守る親分で締める。
 ロケ地、倅の一件で船宿を解雇され土運び人夫として働くおっかさん、罧原堤対岸河川敷(堤法面は草ぼうぼう、見守る親分の足もとは礫河原)
*おっかさんは浪花千栄子、鉄漿を施した口元もだんだんキレイに見えてくるから不思議。上方者設定なので個性が充分に発揮される。放送日のすぐあとに亡くなっておられるので、もうほんとに最後くらいの出演かも。倅は住吉正博、首謀者のライバル店主は北原義郎。

■ 大江戸を駈ける! 第14話「危険な好奇心」2001.3.12C.A.L

 若狭守と武蔵屋が資金源とする霊岸島の無法地帯、抜け荷の証拠を掴むため求馬が浪人に化けて潜入。長い間姿を見せぬ求馬を案じたお花が入り込んでしまい、その上に一平が彼女を捜しに入り、大いに求馬の足を引っ張るエピソードを入れて緊張感をプラス。
 ロケ地、こんにゃく島(霊岸島)船着き、広沢池東岸。お花に影が薄いと言われ落ち込む一平に声をかける青木、嵐峡を眼下に見る亀山公園の坂。お花と一平も救出し抜け荷船を丸ごとかっぱらって戻ってきた求馬たちを出迎えるお奉行(出役)嵐峡船着き。若狭守の家来に同道を求められた師匠が旧主と会う庭、嵐亭延命閣(向いの嵐山がダイナミックに映り込む)
*霊岸島を仕切る西国屋の用心棒に伊吹剛、土壇場で正体を現す。「こんにゃく」は埋立地で土台が緩々なことを指す。無法地帯の新開地を描く「濠外」スラムものの一面が強い話で、お決まりの鶏モモ焼きなんかもきっちり出てくる。
2007/4/11

■ 銭形平次 第395話「ぬれぎぬ」1973.11.28フジ/東映

 富商の主夫婦の齟齬を利用し、店を我が物にしようとはかった陰謀が暴かれる。財を狙った悪党の企みは親分に看破され、女将を匿っていた男にかけられた嫌疑は晴れ夫婦は元に戻るが、幼馴染の秘めた恋は実ることなく終わり、ほろ苦さが残る。
 ロケ地、夜回りが豊島屋番頭の死体を見つける昌平橋近くの稲荷、今宮神社高倉脇坂〜稲荷社前・若宮社脇。女将の薬を貰ってきた帰り、平次に呼び止められるのは東門内石橋(南側の小さいほう)、話す二人の背後に楼門。
*豊島屋の元人足頭で女将を匿っていた幼馴染に東野孝彦(英心)、いかつい風体に秘めた思いがカワイイ。

■ 大江戸を駈ける! 第13話「はめられた名奉行」2001.3.5C.A.L

 判決の下った事件を横から突付き、お奉行をハメにかかる口入屋の背後には武蔵屋。釈放された男は消されかかって人の情けに涙し真実を告白するが、彼の心を弄びぬか喜びさせた外道に、求馬は怒る。
 ロケ地、半次のアリバイをでっち上げるのに使われる御成門、不明(フツーの平門、赤いのは嵌めてある感じ)。求馬がお糸に事情を聞く茶店(後段、南町一同のツナギも同所)、不明(妙心寺玉鳳院前か)。半次に牢で入れ知恵した博打うちの実家へ聞き込みにゆく青木と為吉、琵琶湖(漁村設定/東岸か。博打うちの死体が上がる汀も同所)。釈放後、賭場へ行った半次が襲われる帰り道、不明(本法寺や妙覚寺や妙顕寺や妙蓮寺に似る…ということは法華か)
*半次に古川九一、お白州での投げやりな態度や、求馬やお糸の情に泣く姿も良し、髭はけっこう凶悪。悪企みの口入屋は頭師孝雄、半次に殺された因業金貸しは有川正治。半次宅に止めをさしに来る一団に福ちゃん(浪人)。
2007/4/10

■ 銭形平次 第394話「上州無宿鉄次郎」1973.11.21フジ/東映

 目の悪い船宿の女将に奇妙なほど肩入れする、元ヤクザの青年。七年前の恩を返そうとする彼は、汚い手口で船宿を乗っ取った一家に殴りこみをかけ、その罪で遠島となる。
 ロケ地、船宿・二見屋裏手の船着き、嵐山公園中州南岸堀端(岸に竹垣をめぐらせ、石垣に木組をして船着きあしらい)。鉄次郎が弁天一家に連れ込まれヤキを入れられる神社、日吉大社東本宮境内(後段、代貸殺しの件で詰め寄られるのも同所)。殺された弁天の代貸の検分、中ノ島橋下河川敷(水路背割に凶器の櫓が引っ掛かり、その上手に二見屋船着・舫った船の障子に血がべっとり)。八丈へ送られる鉄次郎を待っていると励ます女将、琵琶湖(汀は石垣で松が見える)
*鉄次郎は舟木一夫、女将に高田敏江。弁天の親分は河崎操、代貸は丘路千、用心棒は平沢彰で三下に玉生司郎。*この回から遠藤「太津朗」表記、「辰雄」表記最終は391話。

■ 大江戸を駈ける! 第12話「島破りの二千両」2001.2.26C.A.L

 微罪で入牢し大罪を免れようとする凶賊、尻尾を掴むため求馬は変装して牢へ、次いで寄場へも御一緒。同じく潜入してきた為吉の巧みな誘導に乗った悪党どもは、きっちり島抜けをして隠し金を掘りにゆく。この際漕ぎ手に駆り出された男の情話つき←お奉行の粋なはからい。
 ロケ地、佃島人足寄場、琵琶湖岸の砂浜に小屋あしらい(東岸か)。賊どもが金箱を掘りに走る道、大覚寺大沢池堤か。金箱を隠してあった林、鳥居本八幡宮広場。
2007/4/9

■ 銭形平次 第393話「はみだし長兵衛」1973.11.14フジ/東映

 子分の罪を着て遠島になった、昔気質の老侠客が御赦免になり帰還。しかし彼は便利な鉄砲玉扱いで、手下どもは犠牲の上にのうのうと胡坐をかいていた。その上、牢内で罪を着てやった若者がらみで娘を泣かす仕儀に。暴発した爺さまの危機には、きっちり銭が飛んでくる。
 ロケ地、長兵衛が娘に若棟梁とのことはあきらめろと諭す川辺、上賀茂神社ならの小川(夜間)。棟梁と倅が呼び出され入札参加罷りならんと言い渡される普請方の屋敷、相国寺大光明寺門。
*時代後れの侠客・長兵衛は田崎潤、罪を着てもらったのに恩知らずのヤクザ大工は穂積隆信、長兵衛の女房は渡辺千世、棟梁は村田正雄で倅は坂口徹。脚本は迫間健。*ヤクザの狙いは、棟梁が請け負う予定の波除稲荷参道橋の普請。

■ 大江戸を駈ける! 第11話「炎に仕組まれた罠」2001.2.19C.A.L

 寛永寺別院普請をめぐる陰謀、入札を制した材木商に不名誉を出来させ辞退させる、手の込んだ仕掛け。その道具に、青木の幼馴染の芸者の復讐心が利用されてしまう。ルー大柴が涙もののお説教をブチ上げる人情話。
 ロケ地、蔵職人の口を見つけたと求馬に話す青木、降りてくる石段は亀山公園、因縁をつけられている芸者を見て介入は嵐峡堀端、芸者・おもんが乗り込む屋形船は嵐峡船着き(のちに蔵から死体で見つかる高利貸しが客)。おもんが墓前で自刃しかける累代の墓、不明(高台?)。おもんを説得する段で出る青木の回想、危ない真似をしていておもんの母に引っぱたかれた橋、中ノ島橋(欄干に乗って遊んでいてバランス崩し)。悪事に加担した船頭と番頭を呼び出す船着き、嵐峡。事後、旅立つおもんを見送る青木は映画村日本橋、二人を見やる求馬は嵐峡汀で「欄干」を画面端にあしらってある。

■ 水戸黄門37 第1話「将軍御落胤の野望」2007.4.9TBS/C.A.L

 西山荘へ何事かを訴えに来た侍を保護すると襲撃の雨嵐、事切れる前に聞き取った手がかりから、一行は館林へ。綱吉ゆかりの代官領では御落胤騒動が持ち上がり、集まってきた浪人たちで情勢は不穏を極めていた。

ロケ地
・OP背景は西山荘をたっぷりと。
・傷ついた旅装の侍が追われる鎮守(祭りの稽古中)鳥居本八幡宮(神楽の稽古は舞殿、その崖下をざざっと追っ手が走り抜ける。舞殿を見上げのアングル)
・野良に出ている老公に変事を知らせにやって来るアキ、北嵯峨農地・広沢池際。
・水戸城イメージ、二条城北大手門
・西山荘を見張る気配に気付き外へ出た美加が拉致される鎮守、鳥居本八幡宮竹林。
・西山荘に駆けつける助格が襲撃される山道、不明。
・江戸城イメージ、姫路城天守
・綱吉に会い御落胤のことを質す老公、等持院方丈縁先をナメて茶室を望むアングルのほか、庭を東望のアングルも。
・一行が旅装に固めて老公のもとに集まってくる縁先、等持院方丈縁先(南側、老公は座敷にいて前庭と通用門が映り込んでいる)
・館林代官の娘が野遊びの場から母に怪しの情景を指すくだり、野は広沢池畔、襲撃を受けている庵は酵素民家セットを竹林越しに。
・館林へ向かう老公一行が休む茶店、酵素ダートにあしらい(待避所)←虚無僧の襲撃。
・襲撃を逃れた一行が駆け入る茂林寺、西壽寺石段、本堂。茂林寺説明に本物の山門と狸像の群れ。
・娘をさらわれた館林代官が脅迫状に応じ出向く城沼東岸、広沢池西岸湿地(養魚場流れ込み付近、幼女は木に括られ。お娟が爆薬投げて逃れ)
・難を逃れた代官が老公と話す屋敷(代官所ではない模様)等持院境内(十三重石塔等映り込み、座敷から見えるのは内庭)
・旅立つ一行を見送る代官ファミリー、西壽寺本堂前。
*代官は風間トオル、御落胤を持ち上げる首謀者は栗塚旭。浪人たちは改易になった越後高田藩士、今回はそこを目指す旅に。
2007/4/8

■ 新・松平右近 第21話「旗本屋敷に鬼が棲む」1983/4-9

 江戸へ出たまま帰らぬ亀有村の百姓、実は御大身の殿様の双子の片割れ。頓死した「馬鹿殿」の身代りを強要されるが、その屋敷はとんだ伏魔殿だった。
 ロケ地、伊助の女房が子を生んだことを注進に及んだ産婆が殺されて見つかる川端、広沢池東岸(後段出る殺害シーン回想は夜間)
*屋敷の鬼は当主の叔父の田中弘と許婚者の三浦真弓、こやつらはデキてる設定。産婆殺しの手下は笹木俊志。馬鹿殿と双子の百姓は高岡健二の二役(クレジットは伊吉とあるが劇中呼称は伊助)。身代り強要を心苦しく思う、屋敷で一人だけまともな母上は鳳八千代。*赤子に静止画のイメージ、劇中では硬そうなおくるみで出てくる。

■ 怪盗と判官  加戸敏監督作品 1955.12.7大映

 「金さん」二本目の雷蔵と白塗り時代のカツシンが共演した、コメディタッチの痛快作。
 弟に家督を譲った遠山金四郎と、何やら心に期すところあって江戸を離れた鼠小僧次郎吉が、互いの身の上を知らず道連れになる話。ひょんなことから弥次喜多の道中笠を手にした二人は、その名でゆこうと金四郎は弥次さん、次郎吉は喜多さんに。
次郎吉にまとわりつく道中師に胴巻をやられた二人、旅の一座に転がり込んで馬の脚をやったり。ここでは死に際の女が鼠小僧に救われた話をしてしんみり、金四郎次郎吉ともにラストへの布石となる言葉が出る。
座長に母を捜す姉弟を託された二人はひとまずその在へ、その後京・三条大橋にて江戸での再会を期し別れ、一年後の出会いは大捕物。

ロケ地
・江戸を出て海辺の街道をゆく二人、不明(巌に松の磯、街道側は崖、「海」遠景に島影)
・箱根の関所、不明(大杉の林道)。護摩の灰にからまれる間道、不明。
・次郎吉に声をかける道中師のおれん、左手松林、右手田園の地道(琵琶湖西岸か)
・おれんと話す次郎吉、琵琶湖西岸(流入河川・河口部の橋上、欄干に魚網を干してある)
・おれんに胴巻をやられ一文無しになった二人が野宿するお堂、大覚寺護摩堂縁先。
・本物のほうの弥次喜多が目明し・伝七に誰何され突っ転ばされる街道、不明(田園地帯、道脇にクリーク)
・腹を減らした二人が寝転んでいると旅の一座がやってくる街道筋、不明(川堤法面、一座は木橋を渡ってくる)
・一座の子供と凧揚げをしていると座頭がお蔦がいないとやって来る里、不明。
・お雪姉弟を預かって一座と別れる北陸・京街道分岐、不明(棚田か)
・彦根、母に会いに行った姉弟を湖畔で待つ二人、琵琶湖岸
・京都所司代で叔父に父・河内守重篤と聞き早駕籠で江戸へ戻る金四郎、琵琶湖岸か(流入する小河川の河口部か/木橋架かる)
・江戸、水天宮の縁日へお雪らと出かける次郎吉、鼠小僧が出たと捕り方が出て騒ぐくだり、松尾大社楼門と参道。
・北町奉行所、大覚寺明智門

*金四郎と次郎吉の初めての出会いは、蕩児である遠山の若様の宴席。捕り方に追われ庭に逃げ込んだ賊が次郎吉という次第。ひょっとこ面を被ったままの若様、頬っ被りをしたままの次郎吉、ここでは互いの顔を見ずに別れる。
*遠山桜はお決まりの理由で入れられるが、酔って寝込んだ金四郎の背に刺青があるのを見たじいが、部屋に入ってきた河内守からあたふたと隠そうとする趣向。北町奉行となった金四郎がお白州で開陳はナシ。
*弥次喜多の笠の経緯は、彼らが喧嘩沙汰の茶店に居合わせ、荷物を置いた床机がひっくり返されたため入れ替わり。
*旅の一座に降りかかる災難は、お雪を見初めたところのヤクザの横車。次郎吉が監禁されていた女たちを逃がし、金四郎が天狗コスプレして介入。
キャスト 遠山金四郎/市川雷蔵 鼠小僧次郎吉/勝新太郎 お雪/清水谷薫 お蔦/長谷川裕美子 座長/尾上栄五郎 おれん/阿井美千子 伝七/市川小太夫 遠山河内守/香川良介 弥次郎兵衛/堺駿二 喜多八/益田キートン

2007/4/7

■ 遠山の金さん 第65話「りんどう花が嵐を呼んだ」1977.1.6NET/東映

 拳法使いの殺し屋が江戸に出現、こやつを父の仇と狙う娘は手がかりを得るため、肌に刺青を施し賭場で壺振り。母と許婚者とともに相対するが、殺し屋だけに卑怯にも人数を繰り出してくる。もちろんここへ桜吹雪、蹴り入れて勝つものの鉄拳を受けた腕がちょっとゴキっと。
 ロケ地、阿波地大輔の浪人を暗殺する林堂、赤山禅院本殿玉垣際。林堂がふみの父を闇討ちした一ノ関城下、相国寺鐘楼前。
*拳法VS柔術なので、格闘家出まくり。林堂に殺された柔術家の娘はマッハ文朱、母は高田敏江、許婚者は矢吹二朗(なぜか渡世人)、林堂は石橋雅史(顔に派手な傷入れてメチャ怖、立ち回りもハデハデ)。

■ 必殺仕事人 III 第31話「全財産をなくしたのは加代」1983.5.13ABC/松竹

 惰弱の風を嘆き世直しを思い立つ殿様、指向性がアレで度胸試しに無辜の民を殺戮。目撃した加代に行状を聞いた、名乗らぬまま来た日陰の母が止めに走るが結果は無惨、そのおばさんに幼時世話してもらった勇次が頼み人に。
 ロケ地、田安家上屋敷、大覚寺大門(庭や縁はセット)。逃散百姓が寄って住む町外れ、酵素河川敷に掘立小屋あしらい(襲撃シーンは夜間)。田安の家士が浪人たちを斬る林、下鴨神社糺の森。配達中の加代がそれを目撃するのは参道。逃げた加代が通りかかった町方に縋るのは河合社脇。
*田安の殿様は遠藤征慈、日陰の母は小畠きぬ子、殿様を唆す軍学者は五味龍太郎で指南役は高峰圭二。*タイトルは目撃時預かった大金を落しすっからかんの加代→腹減らしてスラムに施しのおこぼれを貰いに行き襲撃を見る。
2007/4/6

■ 銭形平次 第392話「泥に咲いたまごころ」1973.11.7フジ/東映

 闇の長兵衛なる、誰も正体を知らぬ暗黒街の顔役が幅を利かせ、両国界隈は恐怖の坩堝。食いものにされかかった田舎娘を助け、兄貴分を裏切ったちんぴらの無闇な正義感が、闇の正体を暴くきっかけになる。
 ロケ地、兄貴分を殴り倒し逃げた正太がお春と話す夜の川端、上賀茂神社ならの小川。正太をとっちめたあと話を聞く親分も同所、こちらは昼間。
*正太は藤間文彦、兄貴分は黒部進、料亭の主は梅津栄、お春は竹下景子。*「濠外」スラムもの等と同様、闇の親玉の正体はこの手のお話の定石を踏む。亡き姉の子を育てる・結婚すると明るく笑う若者たちの性急さに、平次夫婦たじたじなのが笑える。

■ 大江戸を駈ける! 第10話「陽のあたる場所」2001.2.12C.A.L

 銀座年寄役の娘を助けたのが縁で婿入りの浪人、しかし身辺でむごたらしい殺しが続く。彼の歪んだ剣の裏には、哀しい過去と強烈な野望が隠れていた。
 ロケ地、銀座年寄役の娘を襲った浪人の片割れが斬られて見つかる河原、不明(砂地)。江戸城イメージ、二条城隅櫓。年寄役の娘と川辺に佇む左近、桂川松尾橋付近河川敷。左近の「父」が葬られた川越・光雲寺、法輪寺山門(槙のある墓地は不明)。師である養父・軍兵衛と旅する松吉少年(途中から青年の左近)酵素河川敷桂川松尾橋上手右岸汀(中州合流点際)酵素ダート法輪寺山門(病みついた軍兵衛が咳き込む林は不明、苔の具合が龍潭寺に似る)
*銀座周辺で起こる殺しでお奉行を責め立てる若狭守、事件解決後欲望を大肯定する姿に嫌悪感を露わにするお奉行が傑作。

■ 鬼平犯科帳 スペシャル 「一本眉」2007.4.6CX

 急ぎ働きの凶賊が跋扈、本格のお盗めの清洲の甚五郎が三年前から引き込みを入れていた店にも血の雨を降らす。その賊の首領は甚五郎に背き袂を分かった元手下、あまりに酷い手口を許しておけぬと討ち入った先で、甚五郎は懸念していた発作に見舞われる。己を凍蝶に喩えた気のいい男の死を悼む鬼平、彼が気にかけていた妻子に心尽くしの金を届けさせる気配りを見せる。

ロケ地
・豊島屋へ押し入った賊について聞き込みに回る火盗改のくだり、釣りの親爺に聞き込みの沢田同心は八幡掘、洗濯女に聞き込みの伊佐次は上賀茂神社ならの小川神事橋たもと、大工を追いかけて小川に入る同心はならの小川
・仏具商・三橋重慶の裏に用意した「馬方」の小屋で恋人のおみちを見かけ尾行する与吉、八幡掘堀端(明治橋・白雲橋間の南岸/上下二段を使う)
・引き込みに入っている店で連絡の折鶴を見つけたおみちが駆け出す道、八幡掘堀端。与吉と会うのは沢ノ池東岸汀。
・行商のなりで町をゆくおまさ、八幡掘・新町浜対岸の堀端(おまさの背後、カーブの向こうの下流側に木の太鼓橋あしらい)。下で客が呼んでいると声を掛けられるのは明治橋、橋下に甚五郎がいてひとしきり問答(このあと粂八の船宿へ)
・凶賊・佐喜蔵のアジト、大沢池北岸にセット。天神島との間に木橋も架けてある。
・町をゆく甚五郎を付け狙う佐喜蔵の手下、セットへ移行前に八幡掘堀端の家裏の路地
・佐喜蔵の手先に襲われた甚五郎を助けた平蔵が招き入れられる隠れ家、酵素民家セット(見張りは竹林越し/煮売り屋・治郎八の地下を見た平蔵が馬で駆けつけてくる段では「木」の前あたりも映る)。歓談のなかで出る、甚五郎の妻子がいる岡部宿イメージ、山室堤下
・佐喜蔵を殺るという甚五郎に助太刀を申し出た平蔵、共に船に乗りゆくのは大覚寺大沢池。平蔵の動きを見張っていた伊佐次が火盗改の船を誘導するのは天神島鳥居前。
・佐渡送りの前に、と平蔵に岡部宿行きを頼まれた与吉がゆく街道、大覚寺遣水跡(彦十らが見ている)。おみちとの連絡に使った折鶴を水に放す与吉、沢ノ池東岸汀。
*急ぎばたらきのざっとメモ、気になったのは沢ノ池。この前の兇賊で倶利伽羅峠に使ってたのもだけど、江戸近郊設定は苦しいのでは。剣客の大川端はハマってたけど、アングルかな。
2007/4/5

■ 銭形平次 第391話「うどんげの花」1973.10.31フジ/東映

 18年前さらわれた大店の倅が帰ってくる。非道なヤクザの妙な庇いだてに加え、何より妹が兄を男として見る目に、平次は不審を抱く。子を思う親の情が、騙りの道具に使われたチンピラの心を溶かす人情劇。
 ロケ地、父と妹の心遣いに物思う於莵吉が佇む川端、嵐山公園・桂川左岸河川敷堰堤際。その日は遊びに行かず早々に帰宅する於莵吉、刻の鐘は金戒光明寺鐘楼(背景に経蔵)。妹と母の墓参に赴く於莵吉、黒谷墓地(打ち明けようとすると梵天一家が出て脅す)。於莵吉も仁蔵も怪しいと八に話す平次、大覚寺護摩堂(縁先にお景、於莵吉らが放生池堤をやって来るのを遠見。二人の気配に気付いた平次がお景を抑えお堂の中に/堂前での二人の会話を中から聞く趣向・内部はセット撮り/護摩堂の扉に絵馬あしらい)。仁蔵を誘い出す瑞景寺(当て字/作州のお寺とは関係ナシ)鐘楼裏、相国寺鐘楼(旅装のお景を立たせ、平次らは碑裏に潜んで待つ)
*於莵吉は峰岸隆之介(現・峰岸徹)、「妹」のお品は佐野厚子、「父」の加賀屋は十朱久雄。梵天の仁蔵は沢村宗之助、用心棒は岩尾正隆で三下に福ちゃん(ラス立ち)。*於莵吉に不審を抱く平次にぶーたれていた万七親分、最後は仁蔵釣りに全面協力。悪党へリークの巧さが大笑い。*タイトルの「優曇華」は仏典にある三千年に一度咲く花、滅多に無いことの比喩で兄に恋する妹を謂う。

■ 大江戸を駈ける! 第9話「秘剣!闇の太刀」2001.2.5C.A.L

 酒の値を吊り上げにかかる丹波屋を、裏で操る武蔵屋の黒い手。邪魔者を鮮やかに始末してのける用心棒あり、彼が習得している秘剣と、殺し屋に成り下がった理由がドラマとなる。
 ロケ地、師匠が求馬らを連れ夜稽古に赴く山脇道場(芝増上寺表門前)大覚寺大門。夜釣りの近江屋が殺し屋を警戒していたにも関わらず闇の太刀に斬られる水辺、大覚寺大沢池汀(見分は放生池堤石橋たもと)。丹波屋から出てきた天野新八を八幡さまに連れて行き話を聞く鶴次姐さん、平岡八幡宮本殿前。蜀山人が語る二人の馴れ初めのくだり、デートの神社も平岡八幡宮本殿玉垣際でお御籤を木に結び。お参りの鶴次姐さんに天野のことを質す求馬、平岡八幡宮舞殿(姐さんは舞殿に参拝)。神谷道場一同が町へ出てトレーニングのくだり、扁額は神田明神隨神門(額に「神田神社」と書かれてある。劇中神田明神とは語られない)、ランニングの一同が前を通る門は今宮神社楼門(外側からの撮影)、境内に入って行くのは東門一和の床机に山脇監物がいて求馬に声をかけ父の書付が出てきたと告げる。鶴次姐さんが秘剣を得て越後から帰った天野のことを回想する石段、平岡八幡宮本殿西側石段(周山街道へ通じる「裏参道」の石段)。秘太刀を練る求馬を見つめる天野、今宮神社東門内側で求馬が木刀を振るい、天野は楼門内側の木陰に(蜀山人が来て求馬にヒントを与え、土産と渡した寿司を取って食う青木は石橋上)。病進み血を吐く天野、平岡八幡宮参道。求馬と刃を交える天野、平岡八幡宮舞殿(チャンバラ場面一部セット、お奉行出役シーンは完全にセット撮り)。事後、求馬が祈るお堂、不明(縁側、棟木の形状が印象的/堂内はセットか)
*辰巳芸者の鶴次姐さんは芦川よしみ、自分のせいで恋人が身を持ち崩したと悲しみ、愛想づかしの芝居を打った哀しい女を好演、年食ってもキレイ。天野新八は誠直也、師匠の兄弟子の山脇監物は近藤洋介。*武蔵屋の手先・文七は茶匠設定。*秘剣はコマ落しや分身などトリッキーな表現。*青木発言、蜀山人を「無責任男」と称するのは「青木に食わすな」と言われた寿司取って食うシーンで。
2007/4/4

■ 銭形平次 第390話「十手一代」1973.10.24フジ/東映

 八丈から島抜けの凶賊、平次にその名を聞かされた老目明しは動揺を隠し沈黙。しかし悪党は着実に迫り、老いた父はたった一人で賊を迎えうつ。
 ロケ地、島抜けの賊が襲った御岳の小屋、不明(山峡イメージ、酵素か)。火の玉組残党のアジトのくだり、雲水に化け市中を見てきた男がゆく道は大覚寺大沢池堤、塒のお堂は五社明神舞殿に扉をセット。お店のお嬢様と幸吉の話を聞かれてしまうのも五社明神、舞殿から賊三人が覗く。屋台で自棄酒をあおった帰りの富五郎の前に立ちはだかり、秘事をバラすと脅す一味、相国寺弁天社前。お使いに出た幸吉が一味にとっ捕まるくだり、幸吉がゆく道は相国寺鐘楼前・背景に大通院の門、鐘楼下で「雲水」が苦しむのに近寄り刃を突きつけられる。
*宮戸の富五郎は加東大介、跡を継がぬものの大店勤めの倅が自慢な親馬鹿ぶりが可愛い。倅は柴田p彦で、もちろんエラい目に遭う役どころ。残党のリーダーは長谷川弘。*タイトルは筋立て通り、賊に斬られた富五郎に餞の親分のキメ台詞もこれ。

■ 大江戸を駈ける! 第8話「人質は花嫁」2001.1.29C.A.L

 為吉親分、涙の人情話。彼は隣に住む飾り職人の孫娘を幼時より可愛がっており、この度その娘が玉の輿。偽金作りだった祖父の過去が幸福に影を落とすが、求馬の働きとお奉行のはからいで無事輿入れ、白無垢を着た娘に父と呼ばれた親分はただ涙。
 ロケ地、七五郎のとっつぁんを外に呼び出し疑惑を追及しようとする為吉、金戒光明寺鐘楼下石段。確かめるまで言えないと走り去る七五郎、長安院下坂。追うも見失う為吉、永雲院下坂(七五郎は西住院裏塀・永雲院前の草叢に潜む)。物思う七五郎に偽金作りは誰だと迫る求馬、金戒光明寺三門。孫娘を拉致した一味がゆく小名木川畔、嵐峡左岸(道が細くなった奥のほう、捜索に出張った求馬らは船着き付近)。捜し当てた偽金作り一味のアジトの染物屋、罧原堤下河原に塀と干し物あしらい)。母から金をくすねた求馬がゆく水辺、嵐峡汀。
*七五郎のとっつぁんは土屋嘉男、偽金作りのかしらは高岡健二、一味の御家人崩れ・殿様伝次(詐欺師)は草川祐馬。*お白州、とっつぁんも道連れにしようとはかる悪党どもに狸対応のお奉行が妙味。*偽金騒動が誰ぞの差し金と会話の師弟、なんか空々しくて笑える。
2007/4/3

■ 大江戸を駈ける! 第7話「瞳に映る真の情」2001.1.22C.A.L

 お上を恨む元与力が糸を引く押し込み騒動、一味に引き入れられた腕利きの中には、妹の目を治したい一心の青年がいて悲劇に。
 ロケ地、青木が道場破りに行って女に惚れてしまう筒井道場、映画村お化け屋敷。「世直し蛮勇党」の一人が殺されて見つかる本所割下水、大覚寺御殿川落ち口。その男が働いていた浅草に赴き人足に混じって聞き込みの求馬、大覚寺放生池源頭に木組みあしらい(背景に心経宝塔)。ここで求馬を見込みスカウトする一味の男、大覚寺五社明神裏手。青木にシメられ「兄」の居場所を吐いてしまったと聞き駆けつける求馬、仁和寺中門〜塔南の疎林(青木が「兄」に談判中)。「兄」を撃った一味の男が船で逃げる汀、広沢池東岸
*事件より青木の恋話に重点が置かれたお話、失踪した道場主の兄を案じる、目を病んだ妹に岡惚れ。真に尽くすも申し出には丁寧にお断りが入る→このあと「飯炊き婆さん」呼ばわりされた志乃の逆襲。「兄」の目的が抜け荷一味にシーボルトに会わせて貰うことなのはちょっと乱暴。
2007/4/2

■ 銭形平次 第389話「秋立つ夜に」1973.10.17フジ/東映

 己の才で農政改革を夢見る男、女はそんな彼を世に出してやりたくて、仕官のための金策に走る。富商の妾になることを諾う女だが、ヒヒ爺にはとんだ過去の悪い蔓が絡んでいた。
 ロケ地、お芳に船宿へ行った訳を問う平次、大覚寺五社明神。他日、またお芳を問い詰める平次、護摩堂脇・石仏前。もう三日待ってと走り去るお芳は放生池堤。福島屋殺害犯の目星をつけ赴いた先で材木倒しに遭う木場、例の材木置場。逃げた男を追い銭を放つも逃げられるのは五社明神で、富蔵は大沢池に飛び込んで逃れる。千藤のため大小を求めて帰るお芳の前に立ちはだかり脅迫する一味の男、下鴨神社河合社塀際。願を掛けていた八幡さまに仕官が叶った礼を述べにゆくお芳、河合社本殿
*お芳は松尾嘉代、千藤は中尾彬(欲の無い学究設定、ちょっと短気でDVもやらかす)。昔の仲間に殺られる福島屋は北原将光、悪党三人は中井啓輔・山本弘・森章二。*医者で見たお芳に一目惚れの八、初恋に破れたなどと愚痴りお静と親分に七回目かそれ以上と返され。

■ 大江戸を駈ける! 第6話「狙われた休日」2001.1.15C.A.L

 藪入の一日、父母なく予定の無い女中は、お店のお嬢様に「今日は対等のお友達」と綺麗な衣と簪を貸してもらい浅草へ。お嬢様がいつもしている簪を挿した彼女は、きっちり間違えられて誘拐されてしまう。お決まりの筋立てだが、店の主が身代金拠出を拒んだため金策に走る求馬をはじめ、手代に化けさせられ駆り出される青木など、レギュラー陣の活躍が見もの。
 ロケ地、阿片の取引が行われる時雨河岸、広沢池東岸。この際求馬に頼まれ伝令をつとめ、非公式にご褒美を貰った大黒屋の女中・お咲が、出会った求馬にお礼をする川端、嵐峡左岸(橋や上下する荷船あしらい)。浅草寺へ出かけるお咲とお嬢様、清涼寺(山門、境内、本堂、八宗論池等各所、派手に屋台があしらわれている)。身代金を持って指定の霙河岸へ赴く「手代」の青木、大覚寺大沢池北西岸(対岸に舫っている船に半田同心らが潜む)
*お咲は松下恵、阿片取引の親玉二人は有川正治と福ちゃん(海賊ふうのビジュアル)。*「金策」はなかなかに細かく、根岸家の面々が大半を出すが、お松や師匠も出してくれる。道場破りをはたらき、師匠のカミナリが落ちたりもする。*若狭守・武蔵屋は登場せず・しかし求馬が抜け荷一味から鹵獲した金を身代金にと願い出るシークエンスで、警戒すべきヤバい筋として名前が出てくる。
2007/4/1

■ 新・座頭市3 第25話「虹の旅」1979.11.12勝プロ/フジ

 さる御側室に宛がわれてしまう市、甘い夢のあとは凶事。欲にかられた者、保身をはかった者それぞれ「流れ者の按摩」を軽く見て血煙に消える。
 ロケ地、宿下がりの御側室の駕籠がゆく道、下鴨神社馬場。揉み療治を頼まれた市が駕籠に乗せられゆく道、上賀茂神社ならの小川畔。「療治」を終えて宿に帰る市のくだり、俄か雨の描写は中ノ島橋、雨宿りの市は上賀茂神社北神饌所裏手、雨上がりの林は下鴨神社糺の森(木の間から青空に虹)。御側室の件で父の越後屋を強請った浪人たちが市を始末しようとする帰り道、下鴨神社泉川(市の知らせで現場へ赴き、市をたばかり始末しようとする越後屋も同所、金箱は泉川に落ちている)。夜明けの林をゆく市、下鴨神社池跡
*御側室に岩崎加根子、越後屋に中村鴈治郎。

■ 新・座頭市3 第26話「夢の旅」1979.11.19勝プロ/フジ

 酒を食らって破れ寺で眠り込んだ市の見る夢、サイケデリックな映像で綴られるそれは、もちろん夢なだけに破天荒。目が開いて有頂天の市っあん、前回の御側室引きずってる。
 ロケ地、冒頭の街道風景、大堰川堤か。夢パート/不思議タッチの古着屋で購った御側室の衣を着込んだ市が、それまで着ていた衣服を投げ捨てる川、大堰川と堤か。湯女風呂か温泉か、不気味な男たちと同じ湯船に浸かるくだり、広沢池東岸に小屋あしらい。首の無い市の衣を着た男の死体が検分される川、大堰川か。夜の水辺で女の打つ鼓を聞く市、琵琶湖岸・河口州か。大勢の渡世人に囲まれ戦うも相手を倒せず、両足片腕落とされ膾となる市、不明(足もとは砂地/おてんとさんに救いを求める市で夢パート終り)。寝ていた破れ寺のある葦原、西の湖園地か(あしらわれたお堂は方形)。岸辺に菜の花咲き乱れる、市を乗せた船がゆく川、近江八幡水郷

■ 新・松平右近 第20話「お夕慕情」1983/4-9

 惚れた女を苦界から救うため、賊一味に身を投じた男。女が既に亡くなっていたことに加え、よすがを求めた女は賊の仕込みなうえタテにとられてしまう。
 ロケ地、遊里にお夕を捜す巳之吉が草笛を吹く水辺、広沢池東岸。お夕の墓、例の場所か。巳之吉の回想、お夕とデートの鳴海宿の水辺、広沢池東岸。巳之吉が金を隠していた石仏、大覚寺石仏。お篠と金を交換と指定の根津権現、今宮神社稲荷社脇。
*巳之吉は沖雅也、お夕お篠は立石涼子、賊の首領は森章二で手下に峰蘭太郎と福ちゃん(役名は粂造)、凶賊とつるんでいた道中奉行は伊達三郎。

■ 次男坊判官  加戸敏監督作品 1955.3.25大映

遣迎院 兄に家督を継がせるため、家の名誉がかかった奉納試合をわざとしくじった金四郎はそのまま逐電。しかし身を寄せた蕎麦屋が用人に注進におよび、そこも退転。武士を捨てると決めた金四郎は、髷を改めに入った床で紋々の兄哥と出会う。彼と飲み歩いた挙句女郎屋で開帳されている花会に飛び入り、そこを仕切る者どもは米の買占めに加担していた。
 ロケ地、上野東照宮で行われる奉納試合、上賀茂神社舞殿前白州(幔幕が派手に巡らされていて、関係者見物衆多数居並ぶ)。金さんを父の家にやった寿花魁が翌朝やって来る際渡る橋、不明。寿の父・彫為の家と周辺、不明(遠景に萱葺きの家並み。里の橋は二種類、先に出た橋は代官所へ走る金さんと蕎麦屋の小僧が出くわす際にも出て、親柱に「たなかはし」とある。金さんを阻む用心棒とやり合う橋は簡素なもので、水面が近い。川堤は高い)。米の買占め騒ぎが持ち上がり、非常米の蔵を確かめにゆく村の衆、神社境内か(鳥居は二つ、境内に蔵)。越後屋に掛け合うため俵屋へ行った倉番の娘を連れ帰る金さん、法華の衆とすれ違う野道、不明。村の衆が押しかける板橋代官所、遣迎院(写真)
*金さんの足どり/試合会場→板橋宿のばあやの家(蕎麦屋)→碇床→酒肆→俵屋(女郎屋)→彫為宅(一夜にして背に桜吹雪)→倉番・直助宅→代官所→北町のお白州
*キャスト 遠山金四郎/市川雷蔵 寿花魁/浅茅しのぶ 八重/峰幸子 梅の三吉/潮万太郎 彫為/荒木忍 直助/水原洋一 柳原重蔵/市川小太夫 谷山猪十郎/杉山昌三九 熊蜂の権太/羅門光三郎

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