時代劇拝見日記
2009年12月

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2009/12/31

■ あゝ忠臣蔵 第11話「女間者秘話」1969.6.14関テレ/東映

 京大坂に果ては奈良と浮さまの乱行は続き、脱落者が出てもやまず、同志たちの憤慨は頂点に。ある時は体を張っての、大石の韜晦はまだ続く。

ロケ地
  • おりんがツナギの神社へと上る坂、および小林と接触する神社、不明(参道は坂で曲折、高台に施設。本殿(?)は石鳥居が前にあり垣根は木、境内には舞殿と社務所(?)。長七郎江戸日記2-18「葵と紫陽花」にも参道が登場している)
  • 京大坂の同志が大高源五の報告を聞く泉涌寺山内・来迎院のくだり、本物。大門をナメて仏殿の甍を望む図が出て、月輪陵へ通じる道から堂宇を見返る図に続き、源五が入ってゆくのは本物の来迎院で門前の橋が映っている。
  • 庭師を入れての造作にキレた主税が家を飛び出してゆく道、北嵯峨か。
  • 内匠頭の供養塔へ向かう大石たち、宝塔寺墓地(背景に多宝塔)。大高が密偵を捕えるくだりでは「題目塔」が映り込む。この回の映り具合からすると、「供養塔」もここの墓地内と思われる。
*伏見・撞木町の遊女・おりんは桜町弘子、同じく小林配下の密偵は小田部通麿。大石寓居に入る庭師の娘・おぬいは土田早苗。窮した挙句曽根崎新地の女と心中してしまう赤穂浪士・橋本平左衛門は高津住男。
脚本/西沢裕子、監督/高岩肇

2009/12/30

■ 長七郎天下ご免! 第36話「肝っ玉かみなり娘」1980テレ朝/東映60

 雷が怖くて竦んでいたおみつを助けてくれた、親切な人気役者。彼が巻き込まれるキナ臭い事件に、おみつも巻き込まれてゆく。熱々カップルに当てられてご機嫌損ねるおみつが傑作。

ロケ地
  • 新三郎がおみつを導いた雨宿りの神社、石座神社。雨宿りは本殿付近、新三郎が浪人に連行されるシーンでは石段が映っている。設定は「中州を渡ったあたり」。
  • 新三郎が閉じ込められる、呉服商・山城屋の下谷寮、中山邸通用門
*中村座の看板・嵐新三郎は西沢利明、ラストには女形ステージも。彼といい仲の水茶屋女は風美圭。アニさんを裏切る若手役者は石田信之、人のよさそうな座の頭取は山村弘三。大奥御用達を狙う山城屋は永野辰弥、つるむ若年寄は入江慎也で大奥老女は小柳圭子、一味の用心棒は丘路千に宮城幸生。陥れられかかる大奥の実力者は武田てい子、同じく失脚をはかられる若年寄は溝田繁。中村座お出ましのわがまま御側室・お玉の方は山口朱美。
2009/12/29

■ あゝ忠臣蔵 第10話「恋の道行き」1969.6.7関テレ/東映

 引き裂かれた二人に大石の温情が下るが、それも空しく潰える。誤解が無くとも散ったであろう、先を塞がれた男女哀れ。

ロケ地
  • 瑞光院イメージ、宝塔寺方丈高麗門。
  • 山科の大石寓居、中山邸門。庭は不明(石塔など見える)
  • 山崎に引っ込んでいる寺坂が鉄砲を撃つ土手、不明。おかるからの文を近所の農婦が届けに来るくだり。
  • 一力からおかるを呼び出し義挙の有無を問う寺坂、吉田神社本殿玉垣脇(朱の柵)
  • 勘平に会い、大石はおかるを斬る心算やもと話す寺坂、宝塔寺石塔脇。
  • 皆に送られ一力を出たおかるが元いた茶店へ駕籠で戻る道、吉田神社竹中稲荷参道。
  • おかると勘平がおかるの母の里である丹波指してゆく道、保津峡落合(落下岩付近と河口付近を巧みに使う。河口には一本橋あしらい)。このあと大覚寺大沢池堤(水門脇、土手下から見上げの絵もあり)天神島朱橋(北から望・池をバックに)石仏(おかるが足を止め祈る)
  • 自刃した二人を見つける寺坂、二人が倒れている竹林はセット、寺坂がここへやって来る道は北嵯峨か。
  • 大石と寺坂が参る二人の墓、不明。戻り道は宝塔寺墓地(多宝塔映り込み。先の墓地も同所かも←てっぺんの尖った兵隊墓みたいなのがちらり)
*浮橋太夫は久保菜穂子、一力の遣手婆は赤木春恵。浮さまを探る密偵に西田良。
*おかるは寺坂吉右衛門の妹設定、大石の手から大高源五の文をとって読んだことを聞かされ、身請けは大石が妹を始末する算段と思い込む運び。
脚本/西沢裕子、監督/松村昌治

2009/12/28

■ あゝ忠臣蔵 第9話「おかると勘平」1969.5.31関テレ/東映

 お家の大変は、芽生えかけていた、ささやかな愛も摘み取る。恋人に去られてしまった女に、運命は更なる仕打ちを加えてゆく。

ロケ地
  • 京紫野大徳寺に立てられた内匠頭の供養塔、宝塔寺墓地か(丈の低い壁で仕切られ、傾斜地に立つ。設定は大徳寺塔頭の「瑞光院」←架空設定か)
  • 一力の女将が参拝に出て喜久治を見かける神社、八坂神社(拝殿や境内。設定は語られていないが、おそらく祇園さん)
  • おかるが働く茶店がある伏見稲荷、参道鳥居は不明、おかるが水桶を担いで奥の院へ上がってゆくくだりは本物の伏見稲荷境内の石段と千本鳥居、鳥居のシーンで吉田神社竹中稲荷参道重ね鳥居にスイッチし、以降竹中稲荷の舞殿や奥社、三高碑への石段が使われる。そこを上がったところ設定の、おかるが勘平と出会った場所は不明、高台っぽい(鳥居や組物の青石は有りものかあしらいものか不明)
  • 逢瀬を重ね、手を握り合うおかると勘平、広沢池観音島。勘平がおかるを抱きかかえて渡ってゆく橋は旧の橋。
  • 「瑞光院」と同じ境内の拾翠庵は宝塔寺方丈高麗門。導入は本堂をナメて。京大坂の同志が密会する場所設定。
*おかるは美空ひばり、頼りない父は中村是好。女衒(?)の喜久治は北村英三。
2009/12/27

■ 影同心 第17話「二つ枕の殺し節」1975.7.26毎日放送/東映

 心ならずも引き離された、夫婦約束をしていた幼い恋人たちの出会いが惨劇に。色と欲道連れの外道のせいで、勘平たちにも火の粉が飛んでくる。

ロケ地
  • 新之助と千勢が密会しているところを北島らに見露わされる屋形船、広沢池
  • 南町奉行所、大覚寺明智門
  • 様子のおかしい内儀のことを案じつつ帰るお佐知、不明(中山邸付近か、建物裏手)
  • 宗達流宗匠邸、湯豆腐嵯峨野か。
  • 芝居見物に出かける千勢、巴屋の門は中山邸通用門
  • 千勢が連れ込まれる北島の隠居の屋敷、中山邸門
  • 死体で見つかった千勢の検分、広沢池北岸。駆けつけた勘平たちが、引き上げてゆく火盗を空しく見送るのは東岸並木。
  • 火盗与力に金を渡しに行く若宗匠、屋敷は不明、途中の道は大覚寺放生池堤。与力に斬られるのは五社明神本殿前。
  • 出陣の三人(夜景)大覚寺有栖川畔〜五社明神境内。叩門する隠居所は中山邸門、お父さんが隠居を成敗するのは大覚寺大沢池船着(小)、仕置は船上。
*千勢は緑魔子、亭主の富商は伊沢一郎、幼馴染で今は茶道若宗匠の新之助は青山良彦。元火盗改長官の北島の隠居は遠藤太津朗、スケベで強欲なえげつない外道。手下の現役火盗与力は内田勝正で絵描きは林浩久。
*松尾監督らしいトリッキーな映像効果も見もの。

2009/12/26

■ 水戸黄門  佐々木康監督作品  1957.8.11東映

 希代の悪法に泣かされる民を見た老公は、将軍に犬の毛皮を贈り天の声を示す。これは直ちに聞き届けられるが、綱吉の目を曇らせる佞臣は、欲深亡者どもが競って献上する賄賂で肥え太るばかり。そんな情勢のもと、悪家老にお家を乗っ取られかけている高田藩の正義派は、最後の望みと老公に縋ろうとしていた。

ロケ地
  • お犬さまに荒らされる畑、不明(山裾の丘陵、麓に鳥居二つ重なったやしろ、作物はキャベツ)
  • 江戸城イメージ、東映城の櫓か。
  • 小栗美作の駕籠がものものしい警護付きでやってくる道、不明(杉林、セット併用)
  • 越後高田藩江戸屋敷、西本願寺大玄関門。玄関はセットにスイッチ。美作が入ってゆくのを見届ける次席家老派の侍は興正寺外塀北西角にいて、背景に本堂の大屋根が来ている。
  • 美作についていた警護は高田藩のお家騒動ゆえ、と報告の助格、上賀茂神社二の鳥居傍(老公が待っている「境内」)
  • 美作と献上品の娘たちが入ってゆく柳沢邸、仁和寺本坊表門。事を聞き藩邸に駆け戻る主水が走る道は仁和寺か(五本線入り塀際)
  • 柳沢の側室・おたきの方が墓参に行く正光院、大覚寺。門は勅使門で警備の侍と助格が立ち回り。内部描写には回廊、座敷はセット撮り。お縫を連れ出してくる裏口は大沢池木戸。
  • 観音さまにお参りのお六、清凉寺本堂。それを見てからかう宇之吉がいる茶店はセット。
  • 老公一行を見つけるお六、梅宮大社神苑。一行が通り過ぎる露店並ぶ一角は神苑門前、お六は対岸から眺める。お六に唆され(実は関根のため)老公の懐から守袋を掏った宇之吉が助格に追われ逃げるのは神苑池の中島。畏れ入るシーンはセットにスイッチ。
  • 美作の密書を持った藩士に仕掛けるくだり、出てくる門は西本願寺大玄関門北小路通を過ぎ、川堤の街道筋(不明、堤下に萱葺茶店と森)へ・堤法面で飛脚に化けた宇之吉が掏りとり。
  • 事後、再び旅に出る老公一行が見返る江戸の町、街道下の茶畑、不明。川堤、大河と遠景に山なみが望まれる。

2009/12/25

■ あゝ忠臣蔵 第8話「吉良邸潜入」1969.5.24関テレ/東映

 ある者は怪しまれて捕まり、ある者は雇われて、はたまた連れ込まれて吉良邸へ。成果はフライング同志救出と屋敷移り情報ゲットで地味だが、「呉服橋」吉良邸への潜入エピソードは珍しくて面白い。スケベな用人に懐かれているおしのは残留。

ロケ地
  • 毛利小平太が伊達浪人から名を買う「材木置場」、三条通にあったアレか。
  • 上杉邸、随心院薬医門
  • 密偵の達吉が千坂のもとへ走る夜道、不明(塀際)
  • 露見して逃げる毛利が妻とともに出る裏門、不明(セットか)。同志が用意してくれていた船で逃げる毛利夫婦、嵐山公園中州掘割
*毛利が名を買う伊達浪人・高島十兵衛は土方弘、彼から聞いた情報を仔細に述べすぎてバレるのが傑作。密偵、伝馬の達吉は堀田真三。付け人に宮口二朗、丘路千など。
脚本/宮川一郎、監督/井沢雅彦

2009/12/24

■ あゝ忠臣蔵 第7話「瑤泉院とその侍女」1969.5.17関テレ/東映

 赤穂開城後、江戸でのエピソード。瑤泉院と家臣は泣く泣く別れ、それぞれ諸方に落ち着く一方、吉良方では上杉の江戸家老が早や警戒をはじめていた。

ロケ地
  • 赤穂浅野家江戸上屋敷、大覚寺大門
  • 瑤泉院が引き取られる三次浅野家、知恩院北門。青山の高台設定で、庭へ出た瑤泉院が泉岳寺方面を遥拝するシーンが出てくる。その庭は池泉、不明(池の向うに大刈込たくさんな築山、阪口か)
  • 上杉邸、随心院薬医門
  • 上杉家江戸家老・千坂兵部が隠密に指令を与える夜道、相国寺鐘楼裏手碑付近(鐘楼は映らず、碑の囲いと開山塔庭園南塀が映り込む)
  • 大学に会いに行くおしの、閉門中の屋敷門は勧修寺山門(狭間の脇に御高祖頭巾のおしのが立つ)。大学と話す庭は不明、建物の縁先越しに遣水の芝地。大学邸は木挽町の拝領屋敷か、設定は語られず。
  • 呉服橋吉良邸、京都御所管理事務所長屋門。内部表現は不明(門の内側、内側の塀、吉良が出てくる建物など)。場面は、出向いてきた千坂兵部が吉良家用人に守りを固めるよう指示を出すくだり。
  • お輝がおしのの文を玄蕃に届けに行く夜道、大覚寺参道石橋〜参道(御殿川映り込み、奴に身をやつした千坂兵部の手下がつけてくる)。その帰り道、隠密を斬り捨てる玄蕃のシーンは不明(板塀から続きの築地塀、剥落顕著)
  • 瑤泉院に暇乞いをしてきたおしのが行く路地、勧修寺参道(南望)
*俵星玄蕃に斬られる、千坂兵部の密偵は香月凉二。首吊りの出た部屋を堀部弥兵衛に値切られて苦りきる大家は天王寺虎之助。
2009/12/23

■ 長七郎天下ご免! 第35話「おかめが達磨に貰い泣き」1980テレ朝/東映59

 父の仇を求める青年、辻斬りに身を落とし胸を病む仇の剣客、仇討ちを政治利用しようとする腐敗した重職。三者が交錯し、悪者にはきっちり報いがおりて、有為の青年が自らの道を選び取る話の陰で、運命に流されて泣く女たちも描かれる。

ロケ地
  • 吾兵衛がおかめ面の辻斬りに遭遇する四谷近くの森、下鴨神社泉川畔。
  • 出府した山林奉行が入ってゆく会津藩邸、仁和寺本坊表門
  • 政之助の回想、父が部下の清四郎に斬られた宴帰りの道、仁和寺御室桜林
  • 政之助に稽古をつける長さん、仁和寺観音堂前。浜乃家近くの寺設定。
  • 山林奉行が悪徳商人と会う屋形船、広沢池に係留か。
*事後、侍を捨てて漆職人を志す政之助は吉田次昭、出入りの店の気のいい主は中村錦司、政之助を慕う店の娘は原あけみ。仇の清四郎は西田健、腐れ縁の夜鷹は茅島成美、この二人の哀話にはかなりの尺。山林奉行は川辺久造で腹心は唐沢民賢、つるむ悪徳商人は武周暢。悪事に気付かぬ家老は永田光男、清四郎を諌めて斬られた政之助の父は北原将光。
*おかめは清四郎が辻斬りの際かぶるお面、達磨は政之助の父が清四郎を諌めようとして与えた木彫り。

2009/12/22

■ あゝ忠臣蔵 第6話「涙の城あけ渡し」1969.5.10関テレ/東映

 切腹嘆願か、城を枕に討ち死にか決せぬまま日は過ぎ、ぽつぽつと欠けてゆく人数。殉死の布告に拍子抜けはしたものの、決然と死ぬ覚悟で集まった烈士たちに、大石はようやく真の存念を吐き出す。

ロケ地
  • 城下へ入り込んだスパイたちがツナギをとる神社(?)宗忠神社拝殿脇。毛利小平太が通りかかり、隠密どもは散開。
  • 婚約者を訪ねる毛利、金戒光明寺瑞泉院門。医師・矢島玄庵宅。
  • 収城使の軍勢が来る道、不明(山道でモブ)
  • 不破が入城を拒まれる城門、彦根城天秤櫓。断られた不破は橋上にどっかと居座り、後段では腹切りかけてるところへお呼びがかかる運び。
  • 夜、大石邸へ忍び込もうとした公儀隠密が不破に阻まれるくだり、金戒光明寺東坂下。「忍び」が取り付いていた塀は金光院北塀、立ち回りは坂下の石畳で。
  • 最後に残った52名が登城する日のお城イメージ、彦根城天守
  • 収城使が入る城門、セットか(赤穂城本丸表門に形は似る)
  • 城下を去ってゆく諸士のくだり、それぞれお城を見返るシーンは琵琶湖岸、彦根城外濠端など。大石瀬左衛門らが原惣右衛門夫妻と別れる道、不明(山道?)。吉田忠左衛門と寺坂がゆく道、北嵯峨農地竹林際。毛利小平太と新妻がゆく道、広沢池西岸沿いの道、観音島が映り込んでいる。足もとは地道の模様。八助と城を下がってくる大石、彦根城大手橋
脚本/結束信二、監督/松村昌治
2009/12/21

■ 水戸黄門40 第20話「見たか江戸っ子の心意気」2009.12.21TBS

 吉原へ遊びに行く途中、悪者に追われる娘を助けた老公は、とある長屋に。その娘、実はお大名の姫様。以降、意気に感じた長屋衆と気脈を合わせ、姫と老公を始末にやって来た悪家老を成敗。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、皇居巽櫓。信濃守登城のくだりと、後段の老公登城で出る。
  • 長屋を抜け出した波津(姫)、それをつける助格、姫が行く林は仁和寺境内疎林。姫が様子を窺う桐山藩組屋敷は仁和寺本坊表門(ステップ映さず)
  • 姫の回想、家老の悪事を告発した連判状を姫に渡す若侍のくだり、野点の席は仁和寺九所明神前にしつらえ(幔幕張り巡らせ)。若侍が潜むのは脇の祠。
  • 水戸へ向かう老公一行、嵐山自転車道か。
*姫様は高松あい、父の桐山藩主は林啓二、悪家老は北町嘉朗。長屋の大家は朝丘雪路、長屋衆は山崎直樹に前田健、新井康弘。悪家老配下に福ちゃん、「侍」でクレジット。

■ あゝ忠臣蔵 第5話「赤穂の大評定」1969.5.3関テレ/東映

 凶報に接し、いきり立つ若者あれば逃げ腰の年寄りもあり。茫洋たる大石の態度は、志堅き者を見極めるための「篩」なのだった。

ロケ地
  • 第一の早(早水と萱野)が駆ける道、富士山合成の土手〜川堤らしき畷〜琵琶湖岸〜罧原堤に似た土手〜彦根城佐和口多門櫓前アプローチの土橋。大石邸、不明(前にステップ付きの門屋?)
  • 呼ばれて大石邸へ赴く吉田忠左衛門を呼びとめ、事情を聞く寺坂吉右衛門、金戒光明寺長安院下坂
  • 総登城の触れで集まってくる藩士たち、赤穂城天守は彦根城天守、藩士らが入ってゆく門は彦根城天秤櫓、不破が寺坂に何事と問う城下は広隆寺塀際か。
  • 城内の動きを察した不破が槍持って駆けつける堀端、彦根城佐和口多門櫓を望む堀端、いろは松越しに北望。
  • 城を下がってくる大石父子に籠城参加を願う右衛門七、知恩院黒門道。覚悟のほどを見た大石が許可を与えると、評定の席にいた安兵衛らが坂の上から見ていて駆け寄り、坂下から籠城志願の藩士たちが殺到する次第。
脚本/結束信二、監督/松村昌治
2009/12/20

■ 影同心 第15話「三三九度の殺し節」1975.7.12毎日放送/東映

 箔付けの後妻欲しさに、長年連れ添った女房と忠実な手代を罠に嵌める外道。うかうかとその先棒を担いでしまった右近は、一人で悪党を始末してくるものの、苦界に落ちた女はもう救えないのだった。

ロケ地
  • 南町奉行所、大覚寺明智門。同心たちの出入りの場面ほか、「不義者」の処分が決まったあと、したり顔で出てくる加賀屋のシーンにも。
  • お佐知と伊之助がばったり会う町角、今宮神社高倉脇坂。二人が話す茶店は高倉下にあしらい、右近が出て「不義者!」と冗談をかます。二人は幼馴染設定。
  • 伊之助と加賀屋の内儀が、番頭にたばかられて入る池之端の水茶屋・錦、嵐山公園中州料亭・。入る時は別々。
*加賀屋の内儀は野際陽子、手代の伊之助は島田順司、訳もわからず追われる身となった二人が昇華させる愛が哀れ。嫁を始末して高家の娘を後妻に貰う加賀屋の主は犬塚弘、主と意を通じる番頭は上田忠好。

■ 影同心 第16話「もてた男の殺し節」1975.7.19毎日放送/東映

 勘定組頭の家へ婿入りが決まっている青年が、与力見習いとして南町へ一時出仕。その腰掛けのポストで発揮した正義が、彼を地獄に叩き込む。

ロケ地
  • 入札の席で、顔役の俵屋に異議を申し立てた伊勢屋が消される帰りの夜道、大覚寺天神島朱橋たもと大沢池畔(ドボンあり、別撮りか)
  • 悪党を懲らしに出向く「四人」、夜道は大覚寺参道石橋付近か(どん突きに塀)。闇裁きを終えた彼らが立つのは池端か。
*「いい奴」だった見習与力・森川は長谷川明男、評定所での証言を阻まれたかたちの森川の幼馴染の女は有吉ひとみで心中立てで自刃。公金横流しの顔役・俵屋は嵯峨善兵、腹心は汐路章。森川の岳父となる筈だった、俵屋とつるむ勘定方は高城淳一。目撃者の願人坊主は小島三児。
2009/12/19

■ 長七郎天下ご免! 第34話「巾着切りと玉の輿」1980テレ朝/東映59

 妹の幸せのため、掏摸をやめて真面目に働く兄だったが悪縁断てず、その腕を悪事に利用せんとする一味あり、妹の幸を願って落命する展開に。盗らせた書付を見て高笑いする悪党どもに、成敗の雨嵐。

ロケ地
  • 半次が備前屋から作事奉行の沙汰書を掏り取る道、相国寺光源院前路地。ブツを渡せと出てくる鉄造らは宗丹稲荷、逃げた半次を見失うのは鐘楼脇〜弁天社前。
  • 半次の妹・おゆきが拉致されかけているところへ行きあわせる長さん、上賀茂神社ならの小川畔。悪者を蹴散らすのは渉渓園。
  • 半次が浜乃家に保護されているおゆきに会いに来て一味に見つかり逃げ込む堀、大覚寺勅使門橋下の御殿川河床。追う一味は勅使門橋のほか、参道石橋をどやどやと行き過ぎる。夜間撮影。
  • 伊豆守邸へ急ぐ長さん(登城前に会いたいと言われてたのがおゆきの話聞いてて時間押し)、走り渡る橋は上賀茂神社神事橋(欄干のみチラリ)。伊豆守の話を聞く庭は相国寺大光明寺石庭に陶のガーデンセットあしらい。その帰り道、長さんを押し包んで斬ろうとする浪人たち、上賀茂神社神事橋と周辺(立ち回りは橋上から橋たもと、川にザブンもあり。福ちゃんの背後に藤棚映り込み)
  • 半次が潜んでいた祠、大覚寺五社明神祠。ここを出て長屋へ金を取りに行き、見つかって斬られ。

*元掏摸の半次は槙健吾、玉の輿が決まっている妹は村瀬智子。橋梁工事の計画書紛失の咎で現作事奉行を失脚させ、後を襲う企みの旗本は伊達三郎、グルの悪徳商人は牧冬吉、パシリのごろつき二人は吉田豊明と笹木俊志、浪人のヘッドは福本清三(柳田と役名クレジットあり)。書付を掏られる材木商・備前屋は村居京之輔。


2009/12/18

■ あゝ忠臣蔵 第4話「刃傷松の廊下」1969.4.26関テレ/東映

 大礼中の大礼である勅使奉答の日、誰もかれもが「今日一日を無事に」と願うが、満座の中で恥をかかせようと吉良が待ち構えている。幾度も衝動を抑えひたすら耐える内匠頭だが、悪意は度を越していた。

ロケ地
  • 登城する内匠頭の行列、二条城二の丸御殿塀際(外側、太い狭間が見える)
  • 勅使が入ってくる門、仁和寺勅使門(内側の南庭白州に敷布、背景に来るはずの二王門は消したのか見えず、本坊表門の破風は映っている)
  • 田村家へお預けとなった内匠頭の駕籠がゆく道、仁和寺裏塀(境外)
  • 主無き駕籠が帰り着く鉄砲洲の屋敷、大覚寺明智門(門内外)
*内匠頭の処分について、吉良主従はしてやったりと高笑い。処分については、柳沢が将軍に浅野をほぼ「讒言」、検視役も柳沢の意を受ける設定。田村家の親切な用人が会わせてくれる家来は源五ともう一人、お小姓に身をやつした女性。あと、御衣装違いについては奥方が萱野に持たせて寄越す運び。
*多門伝八郎は加藤和夫、他作品と大差なく人情家。田村右京太夫は唐沢民賢、田村家用人は海老江寛。検視役の荘田下総守は内田稔、綱吉は有馬昌彦。
脚本/結束信二、監督/松村昌治

2009/12/17

■ あゝ忠臣蔵 第3話「忍耐の七日間」1969.4.19関テレ/東映

 儀式本番を迎え、吉良の嫌がらせはますます募り、嫌味や待ちぼうけは序の口。言う通りに用意した衝立にケチをつけ、ほれほれと内匠頭を嬲る。果ては間に合うはずも無い大量の畳替えを強いられるが、殿様思いの浅野家中は必死に駆けずり回るのだった。

ロケ地
  • 鉄砲洲浅野家上屋敷、大覚寺明智門
  • 待ちぼうけを食わされている内匠頭に、更に待てとの吉良の伝言を伝えに行く小坊主が走る御廊下、不明(2話と同所か、お堂縁先・格子の破風が見える)
  • 勅使を迎える日、藩士一同に訓示を垂れる片岡源五右衛門、不明(神社か)
  • 伝奏屋敷、西本願寺大玄関門。扉が開いて、浅野家の侍たちが水など撒き饗応の準備を行うシーン。
  • 品川付近を通過する勅使一行、琵琶湖畔・流入河川の河口に架かる橋(特定不能、けっこう大きな木橋で「右岸」の先には灯台)。これを伝えに走る藩士が馬を駆る道は不明、林の脇か。
  • 伝奏屋敷を検分に来て衝立にケチをつける吉良、西本願寺大玄関の式台。替えの品を取りに走る片岡らが走る廊下は不明、城中のシーンと同所か。ここでは向かいの廊下から手すり越しのアングル。
  • 登城する勅使一行、二条城東大手門(内側)〜本丸西虎口。
  • 伊達家の畳替えを目撃する侍女たちのくだり、宿舎門は大覚寺大門。おきぬと朋輩、玄蕃は「対岸」から見る次第。
  • 夜を徹しての畳替えが行われている最中、外で待つ玄蕃は相国寺回廊脇。夜が明けて内匠頭が単騎やって来るシーンでは法堂なども映り込む。その馬の口を取り酒を呑む玄蕃の背後に庫裏。
*安兵衛に難事を持ち込まれる畳屋の親爺は河上一夫、吉良と同役の高家・畠山は市川男女之助←「内匠頭待ちぼうけ」の間の碁の相手など。
脚本/結束信二、監督/倉田準二

2009/12/16

■ あゝ忠臣蔵 第2話「運命の勅使下向」1969.4.12関テレ/東映

 吉良の差し出口のせいで勅使饗応役を仰せつかってしまう内匠頭、初手から悪意むき出しの老人に家臣一同もどんより。明らかに謀られたことを知り、キレかけた若い殿様を止めたのは、急ぎ出府した大石内蔵助だった。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守
  • 吉良に挨拶に出向く伊達左京亮が御坊主に案内されてゆく廊下、不明(お堂縁先)
  • 三次浅野家に勅使接待の贈答品について尋ねに出向き、急ぎ屋敷に戻る大石瀬左衛門ら、大覚寺明智門
*吉良家用人・松原多仲は遠藤辰雄、饗庭塩が赤穂塩に押されていることを吉良に告げる。内匠頭に接待役を申し付ける老中・土居相模守は志摩靖彦。院使接待役のほうを仰せつかる伊達左京亮は入江慎也。玄蕃の妹・おきぬは安兵衛の口利きで浅野家へ奉公に。
脚本/結束信二、監督/倉田準二

2009/12/15

■ あゝ忠臣蔵 第1話「美しき元禄の春」1969.4.5関テレ/東映

 赤穂浅野家は、若き君主に奥方を迎え、英雄児を家臣の婿に貰い、君臣ともに春を謳歌。しかし、当の奥方をめぐって、彼らのあずかり知らぬところで暗雲が蠢きだしているのだった。

ロケ地
  • 諸侯を招いて観桜の宴が催される御殿、衛士が立つ門は大覚寺勅使門。諸侯が居並ぶ宴席は相国寺方丈縁先、「浜辺」で披露される琉球舞踊は琵琶湖(設定は御浜御殿か、開花を早めさせたという桜の木をあしらい)。宴のざわめきをよそに見つつ叔父の釣りにつきあいボヤく安兵衛は湖岸で、葦原も見える。阿久里と内匠頭が話す茶亭や庭は不明、隣松園か。吉良や柳沢が駕籠をつけるシーンに相国寺方丈勅使門前、吉良が御殿に入ってくるシーンに回廊続きの廊下。
  • 鉄砲洲の浅野家上屋敷、大覚寺明智門
  • 柳沢に招かれた阿久里が、吉良の申し出を断るくだり、屋敷門も庭も不明(門は萱葺きで軒に瓦、庭は芝地で孔雀あしらい)
  • 娘を連れてお参りの弥兵衛、御香宮本殿。決闘騒ぎを聞きつけるシーンは本殿脇の摂社の「連結」祠。
  • 高田馬場、下鴨神社馬場。馬小屋があしらわれていて、立ち回りの際には河合社の塀や参道石積が映り込む。ここへ駆けつける安兵衛は相国寺林光院前などを走って、馬場南端の紅葉橋を渡ってやって来る。
  • 赤穂城イメージ、二条城東南隅櫓。
  • 阿久里の輿入れ行列が来る夜道、不明(塀際)
*安兵衛の叔父・菅野六郎左衛門は清水元、若党は小峰一男。決闘相手の村上庄左衛門は小田部通麿、一党に西田良も。
脚本/結束信二、監督/倉田準二

2009/12/14

■ 水戸黄門40 第19話「恋しい父は悪の手先!?」2009.12.14TBS

 息子を思い泣く祖母のため、父を求めて旅する少年。しかし、助け手を得て辿り着いた先で、悪党の手先になって民を苦しめる父を見ることに。事態のからくりを知った老公は、大芝居を打って「父」を解放、悪を懲らすのだった。

ロケ地
  • 雲助にいたぶられる少年・賢太郎を見かける老公一行、大堰川河川敷
  • 「悪徳業者」に引っ掛かりいい加減な「野猿」に乗せられ川に落ちる「川止め破り」の旅人、保津峡落合河口(賢太郎とおきみが隠れて見ている)。追いついてきた助さんが二人に飯を与える山腹、不明。二人に同情した助さんが「川止め破り」で渡渉する川、大堰川の瀬。火を焚いて衣を乾かすのは大堰川河川敷
  • 賢太郎の父のことを聞き込む寺、不明(セットかも)
  • 川止めが解除され、人足渡しが再開される大井川、大堰川河川敷(礫河原)
  • 相賀村の庄屋屋敷、民家門。種籾も徴発する代官所役人たちの中に父を見て駆け寄る賢太郎、美山町内民家(裏手と畑)
  • 父の意外な姿を見て自棄を起こし、川に石を投げる賢太郎、酵素河川敷木の傍。
  • 事後、おきみに見送られ発つ「父子」、大堰川河川敷。堤を旅人が行き交う。
  • 弥七が「謎の娘」を助ける林、酵素か。
*「父」は三浦浩一、お手配者なことをタテに脅され悪党の手先になるも、そもそもの罪も冤罪という気の毒設定。倅の賢太郎は平岡拓真。賢太郎を助けてくれるねーちゃんのおきみは松下萌子。代官所手代は内田勝正、これとつるむ隣藩の勘定方は柴田p彦。聞き込みの寺の「老僧」は栗塚旭でチラ出。
2009/12/13

■ 若き日の次郎長 東海道のつむじ風  マキノ雅弘監督作品  1962.1.3東映

 めきめき売り出し中の次郎長親分、女房と湯治に行く道でも、難儀の衆を見過ごしにできず。搾取の限りを尽くされる雲助たちの怒りが頂点に達したとき、次郎長は決然と立つ。彼は、二足の草鞋の裏にいる者を、民衆の力で除かねばほんとうの解決にはならないと考えていた。
仕掛けると決めてからの段取りが見もの、自らは入牢してみせ、子分たちには町衆の心を煽り立てさせ、大出入りはヤクザ対ヤクザの構図に持ってゆき、代官を追い詰め言質をとるのだった。

ロケ地はほぼ判らず・以下覚書

  • 権の引く馬にお蝶を乗せてゆく道、田地の奥に富士山合成。
  • 荒川橋は欄干つき木橋、橋たもとに柵をしてあり黒川金山入口となる。河床は砂地、涸れ川で遠くに水溜り。饗庭のような台地に演出したものかも知れない。
  • 次郎長の子分たちが甲府へ向かう道、丘陵地か。
  • 津向の親分宅、農地に塀あしらい←中から開口部越しに道を見る図。建物が映る際はセットで。

2009/12/12

■ 若き日の次郎長 東海の顔役  マキノ雅弘監督作品  1960.12.27東映

 生業に不熱心で、許婚者に叱られてばかりいた若者は、ある事件を境に己の行く道を選び取る。拙速ながら仕立てた一家を率い、初舞台を見事につとめあげ清水に凱旋するまでを描く。
 天保八年の清水港には無宿人が溢れていたが、彼らに蔵米を売ることは禁じられていた。叔母の養子に入り米屋を継いでいた長五郎は、米を求める難民に関わるうち、心に熱き炎を滾らせてゆく。暴発ののち所払いとなり、実父の示唆で船に乗った長五郎は、旅先で米の回らぬシステムの裏側を知り、その壊滅を決意。ここに原初の清水一家が産声を上げ、伝説の侠客が世に出ることとなる。

ロケ地
  • 米問屋から仕入れての帰り、仙右ヱ門と喧嘩のくだり、荷駄がゆく道、不明(川堤、遠景に山なみ、前景に茶摘娘あしらい。堤は相当に高く、河原は砂地。分流のような流れに木橋が架かっている。琵琶湖流入河川か)
  • 長五郎の店に盗みに入った老武士が死んだと聞き駆けつける小屋、琵琶湖西岸松原にあしらい。腹を切った侍の亡骸を見、残された娘の嘆きを見るうち、長五郎の感情は昂ぶってゆく。
  • 尾張ヤクザの権六と勝負しイカサマを見抜き「勝った」長五郎に刺客が立ちはだかる、桑名へ一里の道、不明(谷地田の道、一帯は丘陵地で木橋架かる小川も)。ここで出る刺客は追分の三五郎。
  • 梵天丸が係留されている桑名の港、琵琶湖西岸松原。浜にある灯台や石積護岸はあしらいもの。後段、急遽成立した清水一家が殴りこみに走るシーンも松原、木立沿いの道や内湖畔の道など出て、湖側・山側両方のアングルが出る。

2009/12/11

■ 赤穂浪士 第3話「昼行灯と猫兵部」1979/4-12テレビ朝日/東映

 凶報を聞いた大石は、来るべき戦いの相手を忖度。上杉家の家老もまた、襲い来る困難に立ち向かうべく準備を始めていた。隼人たちは、流されるまま千坂兵部の手先となって赤穂へ。

ロケ地
  • 第一の早がゆく街道、広沢池東岸〜橋上(渡月橋か)〜竹林〜山道。赤穂城へ入るくだりは、彦根城大手橋を渡り天秤櫓へ。
  • 総登城の触れで集まってくる藩士たち、彦根城天秤櫓。
  • 隼人が小林平七に拾われる林、下鴨神社河合社裏手。隼人は追っ手から逃れてここで寝てしまい、小林はここへ弓の稽古にやって来る次第。隼人は、先だって斬った上杉家の侍の仇として討たれて死ぬつもりで、小林の前に出る。
  • 隼人が赤穂へ向かう街道、不明(山道)

脚本/新藤兼人 監督/田中徳三


2009/12/10

■ 赤穂浪士 第2話「刃傷松の大廊下」1979/4-12テレビ朝日/東映

 柳沢の教唆を受け、吉良の嫌がらせは募り、遂に勅答の儀当日、内匠頭の堪忍袋の緒は切れる。引かれゆく悲劇の君主と、拗ね者二人が路上ですれ違う。

ロケ地
  • 陣十郎が隼人を誘って侵入する柳沢邸、相国寺大光明寺。門、南路地、境内が侵入と逃走の際使われる。
  • 江戸城イメージ、皇居巽櫓
  • 切腹の裁可下り、護送される内匠頭の駕籠が渡る橋、彦根城大手橋。お預け先の愛宕下・田村右京太夫邸へ入る駕籠、知恩院黒門道〜北門。
  • 第一報を携えた早駕籠が走る街道、木津堤〜川中(川か池か不明)北嵯峨竹林〜流れ橋(スモーク演出)
脚本/新藤兼人 監督/沢島正継
2009/12/9

■ 長七郎天下ご免! 第33話「恋三味線に罠を張れ!」1980テレ朝/東映59

 殺人を目撃したため命を狙われる三味の師匠は、守ってくれる長さんにめろめろ。しかし成敗の段で正体を知り、恋は儚く消えてしまう。師匠の求愛をそらす長さんが見もの。

ロケ地
  • 師匠が浪人に追われているところへ出くわす長さんと太助、仁和寺九所明神。釣竿担いだ長さんが、桶担いだ太助とやって来る導入部は鳥居脇、浪人たちとやり合うのは拝殿脇、本殿も映り込む。
  • 被害者宅に残されていた訴状を長さんに見せるなつ、仁和寺五重塔下〜藤棚脇。
  • 師匠を一時退避させる、吾兵衛の知人・伊豆屋の隠居所(根岸)中山邸通用門
  • 師匠が偽手紙でおびき出される権現裏の林、下鴨神社河合社(夜間撮影、ここでラス立ち)
  • 旅装の師匠に代わりの三味線を持ってきて別れを告げる長さん、仁和寺観音堂脇。
*師匠は佐野アツ子、薄幸で男嫌い設定、長さんに初恋。借金取り立ての見せしめに殺人までする両替商は山岡徹也、雇われ用心棒は岩尾正隆。悪徳商人とグルの南町与力は田口計、これもグルなお奉行は田島義文、二人とも金貰って悪事に加担するものの腰引けてて、長さんの見えすいた罠にころっと引っ掛かったりと小悪党臭ぷんぷん。偽手紙を届けに来る印象的な婆さんは和歌林三津江。
2009/12/8

■ 赤穂浪士 第1話「花の雨」1979/4-12テレビ朝日/東映

 勅使接待役を仰せつかった内匠頭が、吉良の嫌がらせに耐えつつ畳替えを済ませる段までを描く主題に、オリジナルキャラクター二人が出会う逸話を挟み込む。

ロケ地
  • 竜ノ口伝奏屋敷、二条城二の丸御殿を高所から見た図をイメージに。勅使院使が入る玄関はセット撮り。
  • 畳替えのため職人たちをどっと繰り込ませる観智院、金戒光明寺。三門、石垣際、本堂前、参道石段など各種カットあり。作業風景はセット撮り。
  • 畳替えを無事済ませるものの、さらに降ってくる上野介の嫌味に肩を震わす内匠頭のくだり、彼が思いを致す赤穂城イメージは彦根城佐和口多門櫓(濠越し北西望)、天秤櫓(下から見上げ)
脚本/新藤兼人 監督/沢島正継
2009/12/7

■ 水戸黄門40 第18話「鬼の継母と意地悪姉妹」2009.12.7TBS59

 大垣城下の口入屋には、現当主一家にこき使われる、邪魔者扱いの先代の娘。性悪姉妹が狙う、殿様の伴侶の座を彼女が?という展開に、悪党どもが尻尾を出す。娘の遇され方や、身分証明のアイテムなど、シンデレラふうの仕立て。

ロケ地
  • 中村川の普請場、大堰川河川敷(右岸汀)
  • 大垣城、本物の天守。
  • 豪商たちをお城に招いての野点、清凉寺本堂裏手池泉。
  • 野駆けの殿様が祠を壊して人足たちに詰め寄られる堤、大堰川堤
  • 藩公菩提寺・円通寺、不明(小さな五輪塔と九曜紋つき甍)
  • おさよが人足頭に襲われる竹林、不明。
  • 事後、お城へ上がる話を断るおさよ、大堰川堤。当地を発つ一行、大堰川河川敷(高木立つ、土手と河畔林の間のアレ)
*先代の娘・おさよは於保佐代子、先代を殺して後を襲ったピンハネ口入屋は松澤一之、これと通じる悪家老は浜田晃。殿様は沖崎裕一郎、用人の爺さまは沼田爆。
2009/12/6

■ ちゃりんこ街道  内出好吉監督作品  1961.6.6東映

 親分の横恋慕で恋人を亡くし、その親分を叩っ斬って旅の空の、明石の千太郎。ある日ヤクザに無体を強いられる女を助けるが、捨て鉢で人生投げてるその酌婦は、亡くしたひとに酷似、放っておけるものではなかった。
弟分の百太郎が、売られる娘を助ける、似たようなお話もくっついている。

ロケ地
  • 先に発った千太郎と百太郎が三吉を待っていると、お夏がついてきてしまう海辺、間人。追っ手と乱闘の際は立岩の見える浜辺でチャンバラ、若山富三郎が奇岩をバックにアクロバチックな殺陣を披露。お夏を振り切ったあと三人でゆく浜には、富士山合成の画も。
  • 百太郎がお菊を助けるため業平一家の衆と大喧嘩の道、琵琶湖畔松原沿いの道。引き返した三吉がお夏を見つけるシーンでは、琵琶湖流入河川の河口に架かる木橋も見える。
  • お夏に求愛された千太郎が亡きお美代を思い出すシーン、溜池か内湖か。
  • ラスト、行くの別れるの騒いでいる千太郎とお夏、呆れた百太郎が行ってしまう浜辺は日本海か。

2009/12/5

■ 影同心 第14話「大奥(秘)殺し節」1975.7.5毎日放送/東映
              *(秘)は○に秘の字

 外道に殺された娘の仇をとりに行く勘平だが、道具に使った外道の息女と二つ、哀れな魂を送ることになる。胸のすく大胆な手口で笑わせ、悲惨な結末で泣かせるお話。

ロケ地
  • 江戸城イメージ、姫路城天守。側用人が下がってくる大奥御廊下、相国寺方丈裏手縁先(このあと腰元を手篭めにする蔵はセット撮り)
  • 大奥から逃げ出すものの、家にも帰れず入水の腰元・お袖、中ノ島橋(勘平が通りかかり飛び込んで助ける)
  • 加賀さまの子息を招く黒田家の庭、阪口か(千賀をさらうのは築山?)
  • 千賀を連れ込むヤサ、赤山禅院池端小屋(水面は映らず)
  • お袖と千賀の燈籠を流す勘平、中ノ島橋下手河原。
*千賀は水原麻記、お袖は八木孝子。側用人・黒田備後守は室田日出男、グルでちょっと変態入った御中臈は宗方奈美。
2009/12/4

■ 鼠小僧忍び込み控 子の刻参上  田坂勝彦監督作品  1957.1.29大映

 北町奉行の屋敷から消えた、拝領のお宝の櫃に「鼠」のカード。しかし当の鼠小僧はぬけぬけとお奉行の前に現れ、濡れ衣を晴らすと嘯く。
果たして裏には奉行を失脚させようとする汚い企み、幼馴染やお屋敷の面々を振り回しながら「鼠」の芝居は悠々と繰り広げられ、悪党をこっぴどく懲らしめて新年を迎える。

ロケ地
  • 夜、続々と北町奉行所へ入ってゆく同心・目明したち、御所長屋門
  • 北町奉行・小笠原長門守上屋敷、大覚寺大門。出入りに式台玄関も。門そばの壁には海鼠壁パネルあしらい。

2009/12/3

■ 鼠小僧忍び込み控  加戸敏監督作品  1956.5.11大映

 人気の義賊・鼠小僧、入ってみろと嘯く豪商あり、身の上を語り頼る娘あり、そしてもちろん執拗に追う町方あり。入る先の商家のからくり仕掛けを、主が自慢するかたちであらかじめ全部見せ、鼠脱出の段でどう切り抜けるかをじっくり見せる趣向が面白い。

ロケ地
  • 難波屋の娘・お絹を連れてゆく両国の盛り場、清凉寺境内に露店や掛小屋を賑やかにあしらい。本堂前に大道芸が出ていたり、地回りに追われる段では鐘楼や本堂脇が使われている。「寺」としての設定は回向院か。

2009/12/2

■ 長七郎天下ご免! 第32話「やさぐれ鴉が虹を見た!」1980テレ朝/東映59

 厳父に反発し、グレていた青年の情話。悪党の手先になって小面を破壊したりするが、結局は父と同じ面打師を目指すことに。「厳父」は、藤沢宿でのおみつの恩人という設定。

ロケ地
  • 和泉屋の寮、大覚寺望雲亭。用心棒を飼ってあったり、和泉屋が黒幕と一緒に伸助を害しに出かけたり。扁額に和泉屋寮と大書。
  • 若狭屋に下った処分等のツナギをとるなつ、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 若狭屋のライバル・和泉屋のことを報告する伊助、上賀茂神社奈良社
  • 伊豆守に黒幕への仕掛けの段取りを話す長さん、相国寺大光明寺石庭。中仕切り越しの絵や、そこをくぐって出てくる二人の絵も。
  • 面を打つよう伸助を説得する長さん、柊野堰堤下河原(巌の上)。堰堤は二段が同じフレームに入った図や、全体が入る図も。
  • 伸助が面を打つため籠るお堂、神護寺毘沙門堂。見守る長さんは東側の林間から。弁当を届けに来るおみつが上る石段は金堂下、ここでの立ち回りもあって迫力満点。
*伸助は志垣太郎、面打ちの際は牛若丸みたいななりで始めるが、一心不乱の作業の果て髭ぼうぼうの荒法師に。御中臈より拝領の小面を割られ窮地に陥る、大奥出入り呉服商は西山嘉孝。その後釜を狙う悪徳商人は高桐真、黒幕の旗本は小笠原弘、強面の用心棒は宮口二郎。ラス立ち福ちゃん入り、なりは黒イカ。

★時専chでやっている忠臣蔵を横目で見ていたら…出てくる出てくる大間違い。明らかに妙顕寺なのを粟生光明寺とか、罧原堤あたりと亀岡を間違えてたり…個別作品のファイルで番手の若いのは、あまり信用しないでください。
2009/12/1

■ 海坊主の怨霊に憑かれた女 怪談!妲妃のお百  1987.8.27テレビ朝日/東映

 銚子の漁師の女房の、数奇な運命を描く。運命に弄ばれる女は、心通じる相手にめぐり合うが、その男を救うため本性を発揮。もはや共に生きることはできず、哀れな魂は姿を消すのだった。

ロケ地
  • 義兄を殺したのを里人に見られ、お百が処刑された銚子の浜、日本海ロケか。
  • 矢場でお千の手をとった市川門十郎が、天啓を得たあと駆け込み額づくやしろ、今宮神社稲荷社。矢場は奥山設定。
  • 網元・安房屋の申し出を断り、矢場を追い出されたお千が佇む町角、今宮神社高倉脇坂奥の摂社。生きていた亭主と再会するが、彼と海坊主の契約を聞かされてしまう。
  • 亭主をひっぱたき駆け去ったお千が佇む水辺、嵐山公園中州舳先。背景に大堰のしぶきがちらりと映り込む。
  • 門十郎と契ったあと、早稽古のため暗いうちに出てゆく彼を見送るお千、大覚寺望雲亭。船宿設定で暖簾をあしらい。
  • 亭主が出て門十郎に正体をバラすと脅し、お千に撲殺される川端、広沢池東岸
  • お千が門十郎に襲名費用を渡す屋形船、大覚寺大沢池に係留・安房屋の取り巻きの幇間が大沢池木戸脇の木の陰から見ている。このあと安房屋の雇ったゴロツキが船を強襲、門十郎をさらいお千は水に落とされる。
  • 幇間が夜釣りの安房屋に注進に及ぶ川端、広沢池東岸

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