長七郎天下ご免!

1979/10/25-1982/3/25テレビ朝日/東映 (全113話)


第81話 「慕情に散った虚無僧寺」 1981.7.16

 貧窮のすえ悪の道に引き込まれた浪人は、恩人の横死を黙過せざるを得ず、恋しく思うそのひとの娘とも永遠に隔てられてしまう。無念無惨な結果を見て、長さんは悪党の巣に乗り込んでゆくのだった。

ロケ地

  • 虚無僧に化けて潜入していた八丁堀同心が密殺される夜の町角、大覚寺護摩堂まわり。飲んで帰りの杉山と太助が直後に通りかかり発見するが、彼らは天神島朱橋を渡ってくる。
  • 怪しの虚無僧たちが根城にしている、品川の浜近くの普化宗・妙林寺の門、大覚寺大門。品川沖に、抜け荷の船が来る次第。
  • 虚無僧の調査を信乃に命じる長さん、ふたり話す道は下鴨神社境内か(両側低い石積、林間。水路跡か)
  • お袖の回想、病の母を介護する左近にお守りを渡した夜の橋、中ノ島橋。橋上にいる二人の背後に、灯りのともされた円窓が見える。設定は、お袖たちの家の近く。
  • 妙林寺を見張る信乃と弥太郎、大覚寺大門を対岸から。出てきた虚無僧は、参道石橋を渡る。この後セットにスイッチ・肥前屋へ。
  • 鍋島の江戸家老が噛んでいると長さんに報告する弥太郎、下鴨神社楼門か。
  • 虚無僧に化けて妙林寺へ乗り込み、仲間に入れろと申し出る長さんのくだり、スパイを追う芝居をするが、このとき逃げた弥太郎が信乃とツナギをとるシーンは大覚寺御殿川河床、信乃は参道石橋に。
  • 入り込んだ妙林寺で、左近に接触し手荒く諌める長さんのくだり、妙顕寺本堂脇回廊(左近が物思いに沈み座り込む)、尊神堂前・灯篭脇(左近を説得する裏庭/灯篭の二つの穴から二人を映す趣向も)。後段、本堂脇の回廊で岡部家の家捜し密談を吉村たちがしているシーンもある。
  • 虚無僧に化けて捜索中の杉山、暑くて天蓋を脱いで一休みの川端、大覚寺大沢池畔。このとき後ろを左近が通り(平服)、次いで悪い虚無僧が来たので誰何→当て落とされてキュー↓直後配達帰りのお京が五社明神舞殿脇を通りかかり、伸びているダンナを発見・
  • 事後、長さんたちがお袖を励まして別れる町角、金戒光明寺本堂前(坂下から見上げ)。お袖は本堂の方へ、長さんたちは石段をおりてゆく。供養帰りと思われるが、具体的言及なし。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
お袖/鈴鹿景子 岡部又四郎/加藤和夫 佐伯弾正/江並隆 肥前屋源兵衛/山岡徹也 吉村/堀田真二 松永/五十嵐義弘 岩田/小峰隆司 津川左近/原田大二郎

脚本/土橋成男 監督/原田雄一


第82話 「賭けた二の腕風鈴ながし」 1981.7.23

 平穏に暮らしていた風鈴売りの親子に、突然の波風。前科をタテに脅された父が掏った書類は、娘の恋人を死に追いやりかねないブツであった。思いつめてキツキツの父子を救う長さん、因をつくった汚職官僚と奸商を成敗してスッキリ。

ロケ地

  • 市蔵を脅す鉄次、その様子を窺っていた侍が帰ってゆく鉄砲奉行・生沼邸、相国寺林光院。後段にも出て、この塔頭の周囲も映る。麹町の旗本屋敷。
  • 鉄次に強要され掏摸をはたらく市蔵、鉄砲奉行のもとに南蛮銃の図面を届けに行く与七(鉄砲鍛冶・松屋手代)から書付を掏る根津権現は今宮神社、境内に露店多数あしらい。鉄次が的を指示するシーンは楼門前(境内)、与七は東門から入り石橋を渡ってくる。生沼の家来に図面を渡す鉄次のシーンは摂社前。
  • 掏摸にはからくりがあると、信乃と弥太郎に話す長さん、糺の森か。
  • 掏った相手が娘の恋人と知った市蔵、脅迫者り鉄次を捜し歩くくだり、土左衛門が上がったという騒ぎを聞くのは嵐山公園・錦前。土左衛門が引き上げられるのを見る市蔵は中ノ島橋上、検分は橋下手河川敷。
  • 生沼の家来に襲われ手傷を負う市蔵、この際腕の入墨をお咲に見られてしまう。このあとのお咲の回想、男手一つで自分を可愛がり育ててくれた父、笹舟を流した小川は上賀茂神社ならの小川、神事橋下手の水場。
  • 父の前歴と、今回仕出かしたことを知って絶望したお咲、貰った簪を返しに松屋へ行く道は今宮神社東参道。入水しかける水辺は広沢池東岸
  • 市蔵と話す長さん、大覚寺護摩堂前。導入は天神島朱橋をナメて。娘につけた心の傷を癒すため命を張るという、市蔵の申し出を受ける。
  • 南蛮銃写しの鉄砲密造のラボを拵えてあった野原、酵素河川敷に小屋設営。立ち回りには浅い川が使われて効果満点。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
お咲/立枝歩 生沼直胤/幸田宗丸 但馬屋/守田比呂也 与七/槙健吾 鉄次/市村昌治 松屋仁兵衛/松田明 島崎/野上哲也 中井/藤山良 鉄砲鍛冶/蓑和田良太 長屋の女/富永佳代子 長屋の男/宮崎博 小女/山本峯子 お咲の幼女時代/長谷川直子 市蔵/井上孝雄

脚本/櫻井康裕 監督/上杉尚祺


第83話 「頑張れ!日本橋の福の神」 1981.7.30

 子を亡くして以来、疎遠になってしまった俵物問屋の夫婦。女将と幼馴染のおみつは放っておけず乗り出し、自然と長さんも介入。亭主の頑なな心を解きほぐし、真の悪党を探り当てるのであった。

ロケ地

  • 川で事故死したという安房屋の子のことを、検死を担当した杉山のダンナに聞く長さん、広沢池東岸土手か。
  • 森田屋の寮に招かれ、娘に引き合わされる安房屋主人・清六、建物イメージに中山邸門
  • 伊豆守に会い、森田屋とつるむ長崎奉行の重臣・梶原のことを聞く長さん、嵐亭延命閣前庭(建物映らず)。今日は二人揃って弓のお稽古。
  • 金遣いの荒さを咎められ店を飛び出した清六、神社から出てくる母子を見て忸怩のシーン、大覚寺大沢池畔、神社は五社明神本殿。ここへ現れた長さん、子を亡くした非は清六にもあることを告げ諭すシーンは護摩堂前。ここで出る「事故死」の回想シーンの汀は嵐山公園中州岸か。
  • 子の墓の前で泣くおきくをよそながらに見る清六、西方寺小谷墓地か(斜面、背景に「森」)
  • 森田屋に招かれ、おきくと離縁し娘と再婚せよと勧められる清六、屋形船イメージは広沢池東岸か(夕景)

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おきく/東山明美 梶原九郎兵衛/久高惟晴 森田屋善八/江見俊太郎 時造/岩尾正隆 亀三/小峰隆司 六助/江原政一 市松/妹尾和夫 おとみ/呉恵美子 おさん/牧野恵美 おうめ/大西未左子 浪人者(一)/笹木俊志 浪人者(二)/池田謙治 おはな/前川恵美子 半助/中嶋俊一 正太/川井大輔 清六/河原崎建三
※遊び帰りの清六にからむ浪人たちの一人、およびラス立ちの梶原の家来に福ちゃん。

脚本/今村文人 監督/荒井岱志


第84話 「風摩ひとり暁に死す」 1981.8.6

 南町同心を慕う娘の心を知りながら、結婚を許さぬ父には深い理由。そして「過去」から魔手が伸びるが、すっかり江戸の民となっていた親爺には、町を爆破する手伝いなどできることではなかった。

ロケ地

  • 杉山のダンナたちが隠密裏に火薬運びの途次、襲撃され火薬を奪われる品川宿の脇街道、下鴨神社糺の森。長さんが昼間に検分に来るシーンもある←風魔のクナイ見付け。
  • 聞きまわり中の杉山たちを襲った者たちを弥太郎が阻止、追い詰めて長さんと囲むが逃げられてしまう川端、広沢池東岸。葦原から船で逃走。
  • 品川付近で漁師から情報を得る長さん、罧原堤下汀。漁師小屋や便船を演出。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
惣右衛門/大木実 中村晋助/南城竜也 お甲/小林伊津子 沼垣刑部元成/城所英夫 佐吉/中田博久 卯助/石倉英彦 重臣/五十嵐義弘 半次/益田哲夫 立川孫兵衛/白井滋郎 船頭/波多野博 疾風の陣左衛門/井上昭文

脚本/今村文人 監督/林伸憲

※惣右衛門を説得する長さん、「父上」の死に際の態度を語る。
※沼垣藩は国替を恨み、伊豆守失脚を狙う設定。
※サブタイトル「風摩」表記はママ


第85話 「男が燃えた潮風街道」 1981.8.13

 舞台は木更津、代官の手先となり民を苦しめるわるい網元をやっつける長さん、渡世人姿で活躍。禁令のため結ばれぬ恋人たちの取り持ちもして、帰ってくる。
レギュラーで木更津入りは、長さんのほか太助と信乃(鳥追い姿)

ロケ地

  • 木更津の浜、琵琶湖西岸・舞子浜。砂浜や松原、突堤に船着(木製の旧態)などあちこちが使われる。ラス立ち前には、長さんの乗る船が船着を回って現れる趣向。漁具や船、および旅人がふんだんにあしらわれている。松原で馬を駆るシーンもあり(長さんの江戸往復)。網元の手先が仙吉を痛めつけるシーンには、広沢池東岸が使われている。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おくみ/大塚良重 稲垣左膳/近藤宏 源兵衛/山本清 藤堂出羽守/西山辰夫 平馬/時田優 銀次/佐藤晟也 半左衛門/永野辰弥 おまつ/新海なつ 久八/山村弘三 儀平/国田栄弥 甚太/森源太郎 由造/東父岡勇次 勇吉/大木晤郎 仙吉/大場順
※密談を終えて魚源から出てくる代官のシーン、お供の侍に福ちゃん・提灯下げている。

脚本/土橋成男 監督/林伸憲


第86話 「情け丁半!姉妹かんざし」 1981.8.27

 長さんが雨宿りを勧めた婀娜っぽい姐さんは、その後凶事に見舞われる。脅しのネタは生き別れの妹、富商の養女となった彼女は今まさに婚礼の時を迎えようとしていた。

ロケ地

  • 伊豆守を訪ね、徳美藩の事情を聞く長さん、嵐亭延命閣前庭。江戸家老・荻島の名や、甲斐・黒川金山のことが話題となる。ガーデンセットでお話し。
  • 妹に刺青と生業を見せて帰したあと、長さんに語るおとせの回想、親を亡くし親戚へ行く途中大雨に遭遇した天城山中、酵素か。このあと妹は貰われてゆき、自分は緋桜おとせと成り果てた経緯を語るシーンで出る坂、二尊院紅葉の馬場

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おとせ/野際陽子 おひさ/山本ゆか里 駿河屋/玉川伊佐男 荻島助左衛門/川辺久造 富造/木島修二郎 安吉/重久剛一 伊三次/友金敏雄 片山/藤沢徹夫 林田/大月正太郎 手代/山田良樹 小女/芦原薫 おとせの少女時代/増岡美樹 おひさの幼女時代/戸来ケイ子
※おひさの婿どの、峰蘭太郎。三々九度の場のみ。

脚本/櫻井康裕 監督/荒井岱志


第87話 「秋の螢 暴れ遊女お仙」 1981.9.3

 帰属する藩を失った男女の悲哀、流転のすえ巡り会うもののすぐに別れがやって来る。
二人は、肥後・加藤家の二代目に仕えた小姓組番頭と別式女。徳川に滅ぼされた者たちのことを語る際、長さんの口から駿河大納言の名前が出る。

ロケ地

  • おみつとお仙がお参りのやしろ、伏見稲荷祭場。参拝後は前の石段を下りてゆく。摂社の裏なども出る。お仙が歌っていた唄のことをおみつが聞くくだり、長さんが拾った中田の名もここで知らされる。
  • 宴席で喀血するお仙、臥せった彼女の回想、殿様が出羽へ流されると決まった夜、中田と別れの城下、中ノ島橋たもと堰堤脇(橋映らず/木に蛍演出)

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
お仙/新藤恵美 中田誠一郎/西田健 山本善四郎/石橋雅史 井筒/伊吹徹 戸田平左衛門/溝田繁 皆川/白川浩二郎 半助/星景太 おもん/星あけみ 医者/相馬剛三 刀屋の主人/入江慎也 奥女中/星野美恵子、桂登志子 遊女/大川かつ子、高野陽子

脚本/今村文人 監督/大洲齊


第88話 「訴状が舞った黒潮しぶき」 1981.9.10

 追われて太助の長屋に飛び込んできた娘は、命がけで使命を果たそうとしていたが、ここへ顔を出した長さんが「直訴状」を見てしまう。全ての事情を察した長さんは、伊豆守の許可も得て磐城平の領民と「彼ら」を救うため立ち上がるのだった。

ロケ地

  • 太助宅の娘のことや夕べの殺しの件を話しながら、杉山のダンナと土手を来る長さん(釣りに出かける態)大覚寺放生池堤。行く手で騒ぎ、若者が侍の集団に拉致されてゆくのは五社明神舞殿脇。杉山が介入するが、藩名を名乗られ詮議無用と退けられてしまう。
  • 信乃に磐城平藩・内藤家の調査を命じる長さん、大覚寺参道石橋まわり。
  • 網元である父・彦兵衛に直訴を咎められたおもよ、反論する際に出る回想シーンの磯崎村、琵琶湖西岸松原。国家老・石川による魚の不当な買上げに反抗する漁民のシーンや、民の期待を背に出航するおもよたちのシーンが、浜で撮られている。舞子浜と思われるが、明確なランドマークは出ず。
  • 太助宅から出奔したおもよと清助が潜む小屋、下鴨神社糺の森に設営。泉川に半ばかかる形で「塀」がこさえてあり、彦兵衛の使嗾でやって来た杉山のダンナが二人を捕まえそこねるシーンは林間。
  • おもよと清助に代わり直訴に向かう彦兵衛、セット町並み〜仁和寺中門(内側から、くぐる姿を撮る)〜参道石畳(奥に金堂を見る構図で、手前の石段下で敵に囲まれる)。拉致されてゆくのは経蔵前林間、長さんがおもよと清助を連れて駆けつけるシーンは御室桜林の石畳。設定は、殿の亡き母堂を祀る東禅寺。彦兵衛が監禁されるのはセットの荒れ寺。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おもよ/吉村彩子 清助/内田喜郎 石川大和/早川雄三 水越嘉門/林彰太郎 和田/宮川珠季 中井/吉見荘三郎 藩士/宮城幸生 宗次/和田昌也 与吉/峰蘭太郎 金造/東孝 嘉市/椿竜二 彦兵衛/内藤武敏
※福ちゃん二態、江戸に着いたばかりのおもよが追われるシーンで夕涼みに出ている町人と、ラス立ちの家来。

脚本/櫻井康裕 監督/林伸憲


第89話 「命かけ橋 別れ橋」 1981.9.17

 五年経ったらこの橋でと、再会を約した男女の哀話。一人前になるまで我慢という男の思いであったが、女の寂しさに付け込む悪党がいた。

ロケ地

  • 藤枝から出てきたばかりのおゆうと佐吉が再会を約して別れた江戸橋、中ノ島橋。五年目の日、ずぶ濡れで待ちぼうけの佐吉を見たおみつが構うシーンが最初で、回想シーン、手向けの花を水面に投げるラストシーンと、何度も登場。
  • おゆうが囲われている山城屋の下谷寮、中山邸参道と門。はじめは門映らず。
  • おゆうの消息を調べるよう信乃に依頼する長さん、朝鮮石人像(西向き)
  • 佐吉の朋輩・半次が死体で見つかる下谷近くの川べり、検分は大覚寺大沢池堤水門そば。半次がヤバい仕事をしていたようだと長さんに話す佐吉のシーンは大沢池堤の並木道。
  • 佐吉に型を渡し鍵作りを依頼するおゆう、仁和寺九所明神拝殿脇。
  • 寮から出てきたおゆうを呼び止め、山城屋の悪事を指摘する長さん、仁和寺水場(水掛不動参道前)

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おゆう/宮井えりな 佐吉/富田浩史 山城屋茂兵衛/高桐真 源十/牧冬吉 由松/高並功 おとせ/西田治子 半次/大矢敬典 中村勘解由/菅貫太郎
※ラス立ち福ちゃん入り、小普請支配・中村の家来。

脚本/土橋成男 監督/林伸憲


第90話 「参上!薪割り剣法」 1981.9.24

 不幸な経緯で生き別れとなっていた父子が、奇縁により再会。娘の恋人を窮地に陥れた悪党は、その昔父を剣で辱めた輩だった。
父子とも明るい方向へ歩みだすが、道具に使われた太助は落ち込んで気の毒。

ロケ地

  • 神田橋の岩井藩上屋敷、相国寺大光明寺。お店の金を奪った悪党が出入りと聞きやって来たおてると善六が門前をうろうろ、門内からの絵も。このとき南通用門から太助が出てきて、「出入りの魚屋」と目をつけたおてるは、彼を利用することを思いつく。
  • おてるが身投げ芝居で太助を「釣る」橋、中ノ島橋。長さんが通りかかり、放してやれとか言って泣かせる場面も。長さん、橋たもとでこちらを心配そうに見ている善六にも気付く。
  • 浜乃家へ現れた薪割り浪人・林田、帰り道で源心らに出くわすシーンは上賀茂神社ならの小川畔。彼らの背後に校倉。
  • 善六を調べ長さんに報告する信乃、不明(塀際を俯瞰、灯籠たくさん)
  • 太助にお使いを頼まれ岩井藩邸へ赴くおてる、ここへ善六が出て恵那屋に帰るよう言うシーンは上賀茂神社ならの小川畔。
  • 藩邸へ入り込み、荒稽古中の源心らを見る庭、嵐亭延命閣前庭。大きな灯籠が映っている。
  • 林田が長さんに、道場破りされ国を出た過去を告白する河原、柊野堰堤下河原(左岸側、落水ざあざあ)
  • 恵那屋の回想、支払い金を強奪された箱根山中、林道か。
  • 林田が果たし状をしたため源心を呼び出す築地の原、北嵯峨か(明るい竹林、起伏あり)

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
林田益右衛門/岡田英次 おてる/遠藤真理子 恵那屋利兵衛/大竹修造 古川弥兵衛/曽根晴美 青木源心/佐藤京一 川北屋清兵衛/福山象三 善六/古代一平 黒崎/岩尾正隆 配下の侍/大月正太郎 長屋のおかみさん/稲垣陽子 魚屋(一)/白井滋郎 魚屋(二)/細川純一 女中/袖森正子

脚本/今村文人 監督/居川靖彦


第91話 「泣いて笑った火の玉母ちゃん」 1981.10.8

 藤枝宿の問屋場を仕切って「巴御前」と異名をとった女丈夫が、望まれて材木商の後妻に。生さぬ仲の子らとの齟齬に付け込まれ危ない目に遭うが、長さんはお見通しで駆けつける。そして、夫婦親子の絆はしっかり結ばれるのだった。

ロケ地

  • 稽古帰りのおゆき(相州屋娘、先妻の子)を茶店に誘い、おふじ追放プランを吹き込む番頭・幸吉、吉田神社竹中稲荷舞殿脇に床机しつらえ。この後おゆきは入札金額を盗み見。
  • 勘定奉行所、大覚寺大門。御浜御殿修復の入札を終えて商人たちが出てくるシーン。奉行は名和宏。
  • 幸吉がおゆきを始末するため呼び出す大松寺裏、大覚寺五社明神。祠近くに墓石あしらい。セットに以降後も墓地のもよう。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おふじ/中村メイコ おゆき/丘路恵子 善之介/神津善之介 曽根織部/名和宏 松代屋/長谷川弘 相州屋/穂高稔 幸吉/高峰圭二 家臣/矢部義章 人足頭/池田謙治 材木問屋/疋田泰盛

脚本/櫻井康裕 監督/林伸憲


第92話 「命賭けます!忍び恋」 1981.10.15

 潰れたお店の後家と遺児を世話し続ける元番頭、彼には秘めた思いがあった。お店をハメた悪党が三人に襲い掛かるが、長さんが出て事なきを得るのはいつものパターン、殺されかかった際後家を抱きしめたのが一生の思い出という、冴えない男の一途な恋が泣かせる情話。

ロケ地

  • 又平にお初の身の上を聞く長さん、仁和寺二王門。二人は基壇にいて、開口部から塔がのぞく。後段にも同じようなシチュエーションで出て、仁王さまが映るロングの絵もある。この際、鐘が鳴る演出入り。
  • 辰巳屋の所業を長さんに報告する信乃、相国寺鐘楼前。
  • 辰巳屋の言うことを聞くつもりだと又平に告げるお初、妾奉公なことを怒る又平、御室霊場石橋と周辺。
  • 辰巳屋を尾行する弥太郎、セットのお店〜湯豆腐嵯峨野南側の道(石人像に手をつくシーンも)〜北側入口(別口をつけてきた信乃が合流、回天を置いてあった白州から見た絵もある)。設定は料亭。
  • 料亭で辰巳屋が怪しの旗本はじめ何やら大身の武家と会っていたことを長さんに報告する弥太郎、仁和寺参道。背景に塔が来るのと、金堂が来るのとある。
  • 長さんを襲撃する辰巳屋に雇われた浪人ども、相国寺鐘楼前。
  • 伊豆守に会う長さん、「釣り伊豆」は柊野堰堤落差工下巌上。信乃に勧められたスポーツ設定。若年寄・松浦のことを聞くと、「長七郎ぎみに名前を出される奴は」と返されてて笑える。
  • 仕事帰りの又平を迎えに出た鶴松坊ちゃん、二人とも拉致されてしまうシーンは御室霊場お堂まわり。
  • 脅迫状を受け取ったお初が走りこむ辰巳屋の下谷寮、中山邸通用門。表で待っていたチンピラに中へ引き込まれる。
  • 誘拐の件を弥太郎に聞き走り出す長さん、仁和寺塔前〜参道(下りてゆく)〜御殿塀際(他のものが映らないよう塀とグリーンベルトのみ使う)

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
又平/坂上二郎 お初/藤宏子 鶴松/嶋英二 松浦肥前守/深江章喜 辰巳屋次郎右衛門/木村元 綾部大膳/川浪公次郎 吉村/遠山金次郎 藤瀬/藤長照夫 伊島軍蔵/丘路千 源次/平沢彰 角助/笹木俊志 卯吉/奔田陵 長屋のおかみさん/春藤真澄、宮永淳子、三谷真理子 子供/山崎修

脚本/土橋成男 監督/居川靖彦

※又平たちは生き埋めにされかかり、助かったあと後家が又平に抱きつく趣向。
※ラス立ち福ちゃん入り、羽織着てないので用心棒設定かも。手に包帯を巻いているが、芝居の上かマジ怪我か不明。


第93話 「そろばん侍、五分の魂!」 1981.10.22

 軟弱な軽輩が、幼馴染の奉行のお嬢様と晴れて夫婦になる曲折を描く。デート中に彼女をさらわれるという失態を演じる信二郎だが、土壇場で命を投げ出して男を上げるのだった。
四角四面こちこちで、むかし摘発した悪党にむちゃくちゃ恨まれる官僚を演じる永井智雄が見もの。

ロケ地

  • 沙織と信二郎が忍び会う稲荷社、伏見稲荷千本鳥居。このときは大きめの鳥居が連なる列で、後段信乃が巫女さんに聞き込みのシーンは、 低めで二列隣り合う鳥居を出たところ。
  • 釣り帰りの長さんをいい身分とからかう太助、広沢池東岸。行く手に、ボコられて失神寸前の信二郎がよろばい出て来る。
  • 南町奉行・島田弾正を憎む甲州屋、彼の政敵の若年寄らと密会する料亭は中山邸通用門。信乃が尾行、内部はセット撮り。
  • 信二郎に沙織とのことを聞く長さん、広沢池東岸。汀に船着設営。
  • 橋上で物思いに沈む信二郎、中ノ島橋上。
  • 沙織が監禁されている家、不明(造作が神社ふう、古怪な雰囲気)。ここへ出入りする怪しの浪人を尾行するシーン等では広沢池東岸が使われている。長さんが奉行を連れてくるシーンでは、背後に里と坂道が映っている。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
青山信二郎/坂東玉之助 沙織/壇まゆみ 土井信濃守/高野真二 甲州屋四郎兵衛/天草四郎 大村主膳/船水俊宏 唐沢/秋山勝俊 野島/山本一郎 瑞江/島村晶子 巫女/藤洋子 与平/森下鉄朗 島田弾正/永井智雄

脚本/土橋成男 監督/大洲齊


第94話 「源平がたり 親子を結んだ的扇」 1981.10.29

 駿河の田中藩を退転した侍は、お光のアドバイスで講釈師となり大当たり。江戸で町に馴染み平穏に暮らす男だが、キナ臭い風が国元から吹いてきて、一家を騒乱に巻き込むのであった。

ロケ地

  • 伊豆守邸前で待ち伏せに遭い斬られてしまう田中藩の領民、大覚寺大門前。太助が行き合わせ騒ぎ、刺客は逃げ散り。
  • 伊豆守邸の庭、嵐亭延命閣前庭、伊豆どのは弓のお稽古中。斬られた者の身元がまだ不明なことを長さんが聞いていると、庭木にのぼっていた悪ガキ・正太郎が落ちてくる。
  • 滝川宗右衛門のことを息子の正太郎に聞く長さん、弓を教えてやる町角は大覚寺天神島
  • 宗右衛門宅を窺い、杉山を峰打ちして去った侍が逃げ込んだ茂み、下鴨神社河合社塀際に破れ戸や壊れ物あしらい。刺客は糺の森から飛び出てくる。
  • 長さんに身の上を告白する宗右衛門、下鴨神社楼門続き塀際〜二の鳥居付近。このとき回想で出る、西尾と弓で対決した芝地は上賀茂馬場か。また、西尾が領民を痛めつけた在所はここの近くか(萱葺、軒に瓦を出している)
  • 田中藩郡奉行・西尾が、正太郎をさらって宗右衛門を呼び出し密殺しようとする目黒西の原の御狩場、酵素河川敷。坊は「木」に括られて的にされる。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
滝川宗右衛門/大出俊 早苗/鳥居恵子 正太郎/田村貴彦 中里甚左衛門/岩田直二 水野忠善/大捕慎司 加藤/出水憲司 本田/白川浩二郎 藩士/白井滋郎 御用達/森源太郎、島田秀雄 百姓/和田昌也、内藤康夫 西尾内膳正/亀井征一郎
※ラス立ち、小峰さん見っけ。

脚本/今村文人 監督/林伸憲

※大出俊のふざけた口髭が見もの。


第95話 「愛ふたたび江戸のはぐれ鳥」 1981.11.5

 薄倖の姉弟が、曲折のすえに小さな幸せをつかむ情話。菜種を占有して民の血を吸い、悪事を糊塗するため何人でも消す悪党どもは、弟が島帰りなことに付け込むのだった。

ロケ地

  • 浜町の安房屋の寮、中山邸通用門。安房北条の留守居役が出入り、女中に手をつけて死に至らしめる。
  • 自死した女中を、博打好きの男と心中に偽装して「置く」大川端、広沢池東岸。舫った船に死体、汀に漁具あしらい。
  • 栄次に殺人を強要する安房屋、連れ込む物陰は今宮神社若宮社裏手、玉垣の外。
  • 留守居役と安房屋のことを伊豆守に聞く長さん、嵐亭延命閣前庭、ガーデンセットでお茶。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
お袖/三浦リカ 栄次/佐久田修 関谷孫兵衛/北原義郎 垣内/堀田真三 安房屋藤兵衛/外山高士 直助/小田部通麿 おくみ/松岡加緒里 賭場の男/小峰隆司

脚本/櫻井康裕 監督/林伸憲


第96話 「紅蓮に哭いたおとこ花」 1981.11.12

 とうの昔に足を洗い、男手一つで娘を育ててきた経師屋に、過去からの魔手。賊だった前歴のことで脅されて盗みに赴くところ、長さんが大屋根で待ち構えているのだった。

ロケ地

  • 鉄造の娘・おゆきが働く茶店、大覚寺大沢池畔に設営。池のほか、五社明神や観月台等が映り込む。慌しいプロポーズの場になる。
  • 平戸屋の下働き(表向き)・宇之吉が鉄造を連れ出して「仕事」を強要する船着場、広沢池観音島。石積下の水面に船着を張り出させてあり、ここから船を出すシーンもある。弥太郎の尾行や、おゆきの立ち聞きなどの際、橋の下や石積際など使われる。十一面観音も映り込んでいる。
  • 伊豆守を訪ね、勘定吟味役・小山田と平戸屋を始末してよいか聞く長さん、枳殻邸「枯れ木」そばの芝地。伊豆どのは槍を振り回していて、そのあとガーデンセットでお茶。
  • 亡妻の墓に詣で弱音を吐く鉄造、大覚寺大沢池堤に卒塔婆等あしらい。
  • 異国船に売り払うブツを載せた大八を置いて、骨董品を盗んでくる鉄造を待つ悪党ども、鳥居本八幡宮。朝靄表現にスモークが焚かれていて、舞殿の向こうが見えなかったりする。瀕死の宇之吉が入ってくるが、石段半ばで倒れ、長さんの哄笑が聞こえてくる次第。伏せていた人数は本殿からわらわら、立ち回りは広場におよぶ。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
鉄造/近藤洋介 おゆき/田中綾 川野圭之進/神田橋満 小山田頼母/小沢象 平戸屋藤兵衛/汐路章 宇之吉/福本清三 才次/井上清和 越後屋/壬生新太郎 内儀/宮田圭子 火の番/大城泰

脚本/櫻井康裕 監督/居川靖彦


第97話 「江戸しぐれ おかめの涙」 1981.11.19

 死んだと思われていた姉が生きていて、妹の危機を救う情話。身を持ち崩した挙句妾奉公の女は、情夫が殺そうとしているのは妹とその恋人だと知るのであった。
「おかめ」は、亡父が姉妹に呉れたお揃いの木彫り。

ロケ地

  • 浪人率いるならず者たちが旅の男女を捜し襲う笠森稲荷、今宮神社。矢沢浪人が指示を出すのは楼門、襲撃は稲荷社脇。来合わせる長さんは、太助と一緒に東門内側の石橋を渡ってくる。
  • おさきの母の墓がある下谷・妙真寺、招善寺。長さんとお京がお供で入る寺門は南通用門(アーチに抜いてある一件、その手前に寺名を書いた碑を置いてある)。墓地では、他作品ではあまり見ないアングルも出る。少し遅れて墓参に来たおもんとすれ違うのは墓地参道坂。
  • 宇都宮藩上屋敷、大覚寺大門。見張りの信乃と弥太郎は御殿川河床にいて見上げ。出てきた家老・外記の駕籠は参道石橋を渡る。
  • 外記が仁蔵と会う料亭、大覚寺望雲亭。門の両脇に建仁寺垣をあしらってある。外記が駕籠をおりて中に入る際、門内から外を見たアングルも出る。良からぬ相談をぶつ座敷も同所、大沢池が見える構図も。
  • 仁蔵のことを長さんに報告する弥太郎、大覚寺天神島朱橋
  • 仁蔵が狙っていると浜乃屋に投げ文したおもん、彼女にに接触しおさきの姉だろうと指摘する長さん、嵐山公園中州岸、堰堤脇。茶店しつらえ。
  • 浜乃屋から出たおさきに接触するおもん、しかしならず者が出て拉致されるのは今宮神社稲荷社脇。
  • 伊豆守に会う長さん、伊豆どのが鯉に餌やり中の橋は枳殻邸侵雪橋上。外記は頭の黒い鼠と聞く。
  • おさきと音吉を見送る長さんとお光、中ノ島橋

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おもん/白石奈緒美 おさき/里見和香 音吉/槙健吾 安藤外記/山岡徹也 仁蔵/田中浩 伝六/阿波地大輔 勘八/池田謙治 矢沢/波多野博 松吉/泉好太郎 おまつ/曽根千香子 仁蔵の子分/大矢敬典、木下通博

脚本/土橋成男 監督/居川靖彦


第98話 「さすらい父子の朝焼け街道」 1981.12.3

 痛ましい悲劇のあと、すれ違っていた父子の心が再び結び合わされる。痛ましさのあまり事実を隠蔽し沈黙していた父の心哀れ、性懲りも無く現れた悪霊じみた魂は、長さんによって汚職役人ともども地獄送りとなる。

ロケ地

  • 石灰を運ぶ荷駄がゆく青梅街道、清滝河畔か。導入のロングは、神護寺から見たそれに似る。
  • 関東郡代所、大覚寺大門
  • 伊豆守に会い、郡代奉行・犬上について聞く長さん、枳殻邸臨池亭池端。伊豆どのは鯉に餌やり中。
  • 庄左衛門の従僕・松吉の回想、平八郎の恋人だったお春がならず者に拉致された竹林、北嵯峨か。要求された身代金を持って庄左衛門が出向いた「監禁」小屋、酵素降り口中ほどに設営。庄左衛門が色魔の浪人・氷室を斬り立てた崖、保津峡落合落下岩。撃たれたお春が息を引き取った川べり、酵素河川敷
  • 成木村へ帰る父子がゆく朝靄の街道、下鴨神社参道。奉行以下が出て立ちはだかるが、長七郎ぎみ登場でラス立ち。以降、泉川畔と切石橋、糺の森等で大立ち回り。一部、大覚寺五社明神で撮られている。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
佐藤庄左衛門/土屋嘉男 平八郎/荒谷公之 お加代/竹井みどり 森村屋定七/山本清 勝造/石倉英彦 氷室小四郎/岩尾正隆 松吉/中村錦司 三村/宮川珠季 与力/山田良樹 仁六/宮崎博 長屋の男/東孝 門番/高谷舜二 ならず者/藤山良、内藤康夫 お春/加藤恭子 犬上源太夫/待田京介
※ラス立ち福ちゃん入り、犬上の家来。

脚本/今村文人 監督/上杉尚祺

※庄左衛門と長さんの関わりは、長さんが旅をしていた頃投宿したことから。浜乃家の長さんを見て「すっかり落ち着かれましたな」と庄左衛門、当時の長さんちょっとは荒れてた感じ?


第99話 「月に吼える白狐の影法師」 1981.12.10

 新婚ほやほやの夫を陥れられて亡くした女は復讐に燃え、紫頭巾に身を包み夜な夜な出没。二人まで討ち果たしたところで、先を危ぶんだ長さんが介入。結果、仇討ちはみごとに為されるのであった。

ロケ地

  • 長崎奉行所へ走る賊、夜の海辺?は広沢池東岸か。波の寄せ方が疑問。
  • 紫頭巾に殺された西国屋について信乃の報告を聞く長さん、相国寺宗丹稲荷前〜鐘楼前。
  • 西国屋の仲間の対馬屋が入ってゆく料亭、中山邸門。中にはもう一人の仲間の肥前屋と、前長崎奉行・杉浦。杉浦の駕籠が出る際は、参道ではなく東方・すなわち外へ。
  • 杉浦邸、相国寺林光院。杉浦らのことで報告を受ける長さん、相国寺法堂基壇上。
  • 紫頭巾が出て対馬屋を襲う夜の汐見橋、大覚寺五社明神

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
千鶴/小野みゆき 竹中采女正/剣持伴紀 杉浦多聞/原口剛 肥前屋源右衛門/五味龍太郎 対馬屋銀兵衛/山本一郎 西国屋重蔵/高並功 瀬川半蔵/国一太郎 左平/河合絃司 内藤飛騨守/睦五郎

脚本/土橋成男 監督/林伸憲

※長さん、成敗時には紫頭巾を着用して登場。サイズとかより、脱ぐのはいいけど帯締めてたよね…浜乃家の上っ張りなら脱ぎ捨ててもおかしくないけど…ここんとここのパターン何回か見てるような。


第100話 「男いのちの恋三味線」 1981.12.17

 侍を捨ててくれたら一緒になろうと願った芸者の思いは届かず、「仲間」に騙られていた浪人は果てる。救おうと動いていた長さんは、女の嘆きを見たあと、伊豆守を失脚させようとしていた悪党どもを成敗にゆく。

ロケ地

  • 伊豆守に呼ばれた長さん、行くと先客の若年寄・堀田に引き合わされる庭、枳殻邸築山。伊豆どのと話すのは侵雪橋上。
  • 大目付暗殺現場の検分を凝視していた、怪しの浪人・三浦について長さんに報告する信乃、大覚寺参道・御殿川畔(河畔の手すりと並木の間で芝居、他のものは映らず)
  • 三浦の情婦の芸者・おそのを呼び出し、三浦が暗殺犯一味かも知れないと告げる長さん、大覚寺天神島鳥居下。
  • おそのの回想、三浦と二人逍遥の折り、助け合う夫婦者を見て羨んだ大川端、広沢池東岸。土手に茶店しつらえ。
  • 三浦に接触し諭す長さん、大覚寺護摩堂前。
  • 堀田と両替商・堺屋は三年前から通じていると長さんに報告する弥太郎、大覚寺五社明神祠脇。ここへ信乃、三浦の危機を急報。
  • 三浦とおその、逃げるものの追っ手に囲まれてしまうやしろ、吉田神社竹中稲荷。逃げる際は参道重ね鳥居下を走り、三高碑の石段で追いつかれる。立ち回りは舞殿脇、石段などで。

松平長七郎/里見浩太朗 おみつ/丘みつ子 杉山仙十郎/岸辺シロー 吾兵衛/高品格 お京/鶴間エリ 弥太郎/川崎公明 留吉/木谷那臣 茂三/川辺俊行 おみね/丸平峯子 お千代/村川美智代 春弥/津奈美里ん 信乃/森マリア 一心太助/大和田獏 松平伊豆守/丹波哲郎
おその/日向明子 堀田河内守/川合伸旺 荒川蔵人/遠藤征慈 堺屋勘右衛門/牧冬吉 谷村左膳/有川正治 島田右京亮/疋田泰盛 遊び人/勝野賢三、江原政一、天草充応 三浦政之助/伊吹剛

脚本/土橋成男 監督/上杉尚祺


→  長七郎天下ご免! 表紙


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ