巷説百物語 孤者異

2005.3.27WOWOW 堤幸彦監督作品


 凶賊・稲荷坂の祇右衛門は何度処刑されても甦る「化物」、人々はその「噂」に震え上がる。
しかし世に不思議なし、おぎんの「因縁」は又市らによってほどかれ、「祇右衛門の仕組み」は他ならぬ町方に葬られる運びとなる。

ロケ地

・北町与力・笹森の手柄で捕らえられた祇右衛門の処刑、広沢池東岸
・首の無い祇右衛門地蔵を拝むおぎん、大覚寺天神島池畔(これを見る又市は大木の根方)
・梟された祇右衛門の首を見にゆくおぎんを呼び止める又市、妙心寺大通院裏路地
・又市から預かったノートを百介に渡すおぎん、仁和寺茶店。その後話しながら歩く二人、御室霊場(雪化粧)。梟首台は広沢池東岸
・「仕組み」の張本人が化物「孤者異」として戒められる六道稲荷堂、鳥居本八幡宮舞殿。
・田所同心の手柄として処刑される「孤者異」祇右衛門、広沢池東岸

*「怪」と比べるとコメディ寄り、「トリック」に近い印象。いちばんの違いは登場人物の薄汚さ、わけても大杉漣演じる事触れの治平の汚さ加減は徹底していて、見ていて痒くなるラブレーばりの大げさな表現は笑える。渡辺篤郎演じる又市も、田辺誠一と比べるとかなり小汚く演出されていて面白い。北町同心の遠藤憲一はおっちょこちょいのイイ奴設定で、これもなんか月代とか薄汚いへんが妙味。この汚くて薄暗い感じは、最近のテカテカ画面の時代劇にはない味わいで、実に好感がもてる。*百介がしている手袋や、書物問屋が百介に示すベストセラー恋愛小説「冬乃素奈多」(表紙の男はマフラー巻いた眼鏡の優男)などは「怪」と同じく、お遊びたっぷり。もちろん「京極堂」もさりげなくご出演。

→巷説百物語「飛縁魔」


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