三匹が斬る!

1987-1988テレ朝/東映

キャスト
殿様(矢坂平四郎)/高橋英樹 千石(久慈慎之介)/役所広司 たこ(燕陣内)/春風亭小朝 お恵/杉田かおる

★OPロケ地 谷山林道(旅姿の殿様)、流れ橋下(橋脚に馬つなぐ千石)、柊野堰堤(千石の立ち回り)


第1話「十萬両!ここが名代の浮世風呂」1987.10.22

 冒頭、子供の投げた竹とんぼを投げ返してやる旅の途中の殿様、水辺の茶店は琵琶湖岸。街道をゆく千石、河原は淀堤に酷似も確信無し。
深川八万坪の湯屋・松乃湯に地回り・聖天一家の手先となって嫌がらせに来る千石、荷車を引いた馬で疾走するシーンの一部に下鴨神社糺の森馬場。千石により破壊される湯屋、来合わせた殿様とたこ。用心棒買って出る殿様、千石もその後聖天一家見限り仲間に。
内情探るうち浮かぶ奉行所の影。聖天一家は使い捨てとばかり引っ括られ、逃げ出した一人を三匹が問い詰める汀の小屋、広沢池東岸。奉行の狙いは八丈で死んだ盗人が埋め立て前に今の松乃湯の下に隠した30年前に盗られた公金10万両。ゴリ押しで松乃湯を差し押さえ建物を破壊し千両箱掘る奉行以下を始末する三匹。
松乃湯のお恵と共に旅立つ三匹、谷山林道


第2話「花一輪、雨も上がるか中山道」」1987.10.29

 中山道で川止め。矢部宿本陣で木暮藩と立花藩との揉め事に巻き込まれる三匹、木暮藩を仇と狙う母子等からめドラマが展開される。
川止が解け出立する木暮藩一行、罧原堤。追ってきた千石が乱入。騒ぎのもととなった家康の扇は殿様が切り刻み双方諌め落着。


第3話「仇討ちの乙女も愛でよ秋花火」」1987.11.5

 倉田藩の仕官登用試験に急ぐ千石が疾走する中山道、谷山林道。やがて水辺に至り、堂脇から出て来た仇討ち娘に行く手を阻まれる、大覚寺放生池堤、護摩堂
採用試験には番取りしてやっていた殿様が出席、筆記試験に合格してしまっている。合格者二名は剣の試合で一名を採用との話に金で負けてやろうと持ちかける殿様、にたにた笑いながら試合う最中応じる相手の浪人・平田勘兵衛(千石が間違われた仇)。合格した平田は幼君と家老に引き合わされる、枳殻邸印月池・侵雪橋上。
町で平田に会い約束の金を要求する殿様、惚けるのに衣服居合いで切り裂き小判じゃらじゃら落とし取ろうとするが、平田は金の上にぺたんと座り込み女房の身請に使うのだと告白。仕草が可愛い高橋悦史。
倉田城に長崎から来たカピタン一行が本陣を使うとの早馬、接待役に平田が抜擢される、彦根城天秤櫓。カピタン一行がゆく山道、襲撃され荷が奪われる、谷山林道。カピタンは殿様が救出。襲撃犯は倉田藩の手の者で、荷の硝石を山小屋に運びこむ、酵素。責を負わされる平田、そのことを話しながら歩く三匹、放生池堤。カピタンを助けたことにより殿様が介入して平田を処分し損ねた倉田藩は仇討ちを持ち出し場を設け試合わせるが、駆けつけた平田の妻が弟の身代わりになったことを暴露するも慌てた家老一味に平田と仇討ちについてきた下男は斬殺されてしまう。
怒った三匹、カピタンを動かし城に潜入。捕われていた仇討ち娘を救出し家老残し斬りまくり。家老を追い立て硝石隠した小屋へ案内させ爆破、家老は街道の木に裸で括りつけ晒す。


第4話「赤トンボ花嫁行列通りゃんせ」」1987.11.12

 河原の露天風呂でご機嫌の千石、清滝川。嫁入り行列に妙な頼まれごと引き受けたと兄を責める村娘を門に凭れて見る殿様、西明寺山門。たこは身分ありげな若様におもちゃを売る。
高浜藩では世子逝去のあと後継で揉めている。そんな中、山道を走る早馬を三匹を待つ茶店で見るお恵。早馬の近習頭はその後狙撃され殿様に鶴丸君に危機迫るを告げ死、谷山林道。その鶴丸君はたこから次々とおもちゃを買い連れ歩く、鳥居本八幡宮舞殿前。鶴丸君一行はやって来た花嫁行列と摩り替わる、鳥居本八幡宮広場。
一方千石の宿にはここで休憩をとる手筈の鶴丸君を狙って城代家老(自分の孫を次期藩主に据えようとしている)の手先が押し入り千石はじめ居合わせた者を監禁。千石が機転利かせ宿の子供使い殿様に事の次第連絡、殿様とたこが危機一髪に乗り込み鶴丸君確保の上斬りこみラス立ち。城代家老は三匹を恨みながら自刃。


第5話「空っ風、可愛い女の恨み文字」」1987.11.19

 殿様・たこ・お恵が船でゆく上州と武州の境を成す神流川、桂川山室付近。同乗客に木枯し紋次郎ふうの渡世人。船は岸から日光例幣使一行がお待ちと呼ばわる侍に停船命じられる。例幣使一行が佇む川岸、山室対岸の桂川堤
高崎藩領・倉賀野の御堂で寝ている千石、渡世人が例幣使一行に斬りこみ返り討ちにされるのを見る、大覚寺護摩堂の中。また更に斬りこもうとする農家の若い衆を制するが空腹で倒れ食べ物をくれれば仇をとってやると申し出る。
渡世人は倉賀野出身の「風与出者」(ふとでもの・人別から除外)、例幣使に差し出した妹を亡くした兄で、千石が制した若者・清吉も今回婚約者を差し出すことになっているのだった。その話を聞く千石、大覚寺聖天堂
村の衆が松明持って集まる岩木田神社、鳥居本八幡宮。老巫女が亡くなった娘たちの霊をおろす。千石は例幣使の伽に差し出された娘たちが記名し髪を一房貼り付けた怨念のこもった巻物を見せられる。例幣使をやっつけると約した千石が斬り込むのを殿様が止める。翌日、出立の例幣使たち、伽に出された清吉の許婚者は縊死、大覚寺天神島
日光に着き使い果たした例幣使一行は用の終わった前回の御幣を刻み近在の大名や豪農に売りつけ一儲け企む。出立の一行、大覚寺式台玄関勅使門(開いてる)〜街道筋は山室の堤(竹林バック)、高崎・安中へ向かう。
殿様と千石が例幣使について話しながら歩く塀際、南塀。
殿様は例幣使が明日お忍びで武州岡部の商家の寮に泊まることを明かし、ここで仕掛ければ誰の迷惑にもならないとにたりと笑う。千石は清吉の縊死した婚約者の墓に詣で清吉と話す、墓地不明。その後清吉は自ら「風与出者」となり自らの人別の上に赤い紙貼り付けたうえで一行に斬りかかり死。
件の寮に向かう一行の船、広沢池東岸。船頭はたこに入れ替わっていて船は草むらに座礁させられる。飛び出した家来二人は殿様がばっさり、例幣使・一條伴成は待ち構えた千石が斬。
事後、空の船に娘たちの巻物延べ清吉の名記した紙を重ね水葬。


第6話「鬼と呼ぶ男に惚れて薄化粧」」1987.11.26

 岩槻では悪代官の出した奢侈禁止令により贅沢を取り締まる岡っ引・羽織組が横行、好き放題に暴れた挙句目こぼし料を掠めるありさま。
殿様は縁日で羽織組に絡まれている女・お絹を助け礼金貰って鰻をゴチになる。ついでに腹に据えかねる岡っ引の腕へし折ってくれなどと依頼されたり。
千石は腹をこわしうめいているところを通りかかった蘭方医・山崎東庵に救われ、居候になり思想に感服して刀を捨てようと思い立つ。
お絹がやっつけてくれと頼んだ岡っ引・半次郎は通称鬼半と呼ばれるうるさ方で、細かいことにやかましいものの筋の通った男。代官の悪を暴こうと商家に証言依頼するが応じる者はおらず、クサる鬼半、殿様に時流を嘆き石を川に投げ込む。このとき橋上で窺う者あり。
殿様と共に半次郎に関わるうち次第に心を解き助力しようとするお絹だが、八州役人の視察の際訴え出ようとの企みは代官によって潰え密殺されてしまう。
また、鬼半と共に危険分子と見做された東庵も往診の帰途、千石と別れた直後暗殺される。
千石は新しい高札を購め檄文大書し番所の前に立て殿様も一緒に捕縛される。八州に直接調べを受け代官を弾劾しようとの意図だが、牢に火を放たれ万事休す。二匹の危機一髪にたこが乱入、脱出させる。斬り抜けるついでに代官をばっさり。同刻、半次郎は八州の助力で羽織組をお縄にし大団円。
 ロケ地、時流を嘆く鬼半、中ノ島橋下。東庵暗殺の神社、出雲大神宮。EDの土塀、(土塀際、長屋門)。冒頭殿様が拝礼する神社、走田神社本殿。東庵の屋敷の大きな萱葺の家、走田神社社務所


第7話「勇み肌 男はご法度女人里」」1987.12.3

 上州の代官所の牢から出てくるたこを出迎える殿様、。時を同じくして解き放ちの娘・お小夜を拉致せんとするやくざ者を追い散らす殿様、丸太持って暴れる大入道も出るがプロレスラー起用の模様(民家北西角)。このあと千石もこの付近を通りかかり渋柿盗って吐き出してるところを通行人に笑われるシーンが(こちらは代官所設定の民家の裏の別の建物裏塀)。千石はその後峠で弁当使う女たちに護衛は要らんか握り飯ひとつでいいぞと声掛けあんたのほうが物騒だと断られる、谷山林道。直後雲助に絡まれるのを助け握り飯貰い食うが天敵の蛇が出てきてフリーズ。情けない声あげ挙句噛まれるが先の女たちのひとりが蛇掴み投げ、傷を吸出し助けてくれる。そのままついてゆく千石、女は上州紬の工房を仕切る元侠客のおせん、工房は犯罪歴がある女たちのサンクチュアリだった。
その夜、たこに伴われお小夜が紬の里にやって来て里に受け入れられる。翌朝、十手持ちが来てお小夜を出せと強要するが千石が撃退。しかしおせんは付け入られる口実作ったと千石に苦言する、柊野堰堤。里にいるのは皆男で身を持ち崩した者ばかり、男の手は借りたくないのだと言う。
あたりで一番の紬屋・小島屋は代官や岡っ引とつるんでいて、最近目立ってきたおせんの工房を苦々しく思っている。町に出た工房の女を脅しおせんの持つ鑑札を掠め取ろうととするが能わず。また、江戸から工房へ買い付けに来た商人を襲わせるなど悪辣の限りを尽くし、挙句の果ておせんと千石の不在狙いお小夜を拉致するというありさま。
十手持ちのもとに単身乗り込むおせん、乱入の三匹は代官以下皆殺し。
旅立つ三匹を見送る紬の里の女たち、おせんは千石に用心棒になって残ってくれと言うがあんたのが強いと返す千石、峠は谷山林道


第8話「父恋の、凧空に舞い草枕」」1987.12.10

 濱崎藩領への橋を渡る殿様、正月前の空に凧上がるを見る、流れ橋。河原で凧上げの少年に声かけるとひどい熱、それでも凧あげようとする。凧上げるために旅に出ているのだと言う。ふらふらの少年を負ってゆく殿様、木津川堤
竹林をゆく千石、濱崎藩目付・高崎軍兵衛が襲われているのを助ける。
たこのサクラつとめたお恵は旅の絵師・夢楽に絵姿書かせてくれと頼まれる、出雲大神宮舞殿前。
この三様の出会いが収斂してゆく。殿様が助けた凧上げ少年は隠密の父を探して、千石の助けた目付は統制品の水晶横流しを隠密に知られる前に糺そうと、お恵の絵を描いた絵師は隠密の変装、全ての動線が次席家老の水晶不正取引に集まってきて落命する者・進路を変える者と運命は転変。最後は憤激した三匹がワル一同に会す闇取引の現場の商家に討ち入り皆殺し。
 ロケ地、少年の代わりに凧上げしていて不審尋問される殿様、当たり前だの濱崎城、彦根城天秤櫓と廊下橋。隠密狩りの人数が走り回るのに橋の下に隠れる夢楽、大覚寺参道石橋下。濱崎領を船で出る一行、桂川亀岡盆地か。


第9話「十手旅、義賊が吹いたシャボン玉」」1987.12.17

 旅空の千石のもとに降って来る疾風小僧朝吉の人相書。村の子等に言われ草原で癪に苦しむ老人を助けるが放っておけと殴られたり。
たこが店を出している鎮守の縁日、鳥居本八幡宮。助けてくれとしがみついた女はスリ、たこ一文無しに。
殿様は宿屋に三日居続けさんざん飲み食いの挙句芸者に膝枕、宿の亭主が勘定書持ってくるが文無し…三匹中一番性悪かも。
千石は助けた老人と連れ立って行く。老人は神田小川町の弥吉、通称鬼吉と称される十手持ちで疾風小僧を追っている。その話を茶屋でしていると店の老婆が義賊様に手を出す輩として追い立てる、茶屋は沢ノ池畔にセットか(背景の汀がダム湖っぽい)。村で疾風小僧の噂聞き込む鬼吉、萱葺きの寺ロケ地不明・キャプチャ。
その後川辺で疾風小僧の話をするが、鬼吉と盗人の関係を怪しむ千石、保津峡落合。最初落下岩から見下ろすアングル〜清滝川河口。崖上から鬼吉の見聞役の同心が見ている。疾風小僧は鬼吉の実息で、同心・神谷は鬼吉自身で捕えぬ限り一族火焙りと脅す。崖を登り二人に近づく千石、蛇が出てきて凍る。退けてくれ何でもすると喚き捕物手伝う羽目に。
在では元絹問屋の越後屋が高利貸しで無体な取立てをしている。村の子等が吹くシャボン玉見て疾風小僧の押込みは近いと察する鬼吉(いつもの癖)
殿様は宿代捻出のため疾風小僧を警戒する越後屋の用心棒に就職、先に雇われた者たちは高額で雇われた殿様に突っかかるが腕の差は歴然。
越後屋の娘・お糸は父に高利貸しやめて欲しく、それと知って恋人であり疾風小僧でもある油屋の朝吉に盗みに入ってくれと言う。しかし越後屋の財は用心棒たちに既に盗まれていて盗みに入った朝吉は用心棒たちに消されかかりお縄となりかけるが、三匹の苦しい辻褄合わせのゴリ押し演技により助かる。
用心棒たちが隠した金を掘り出す役人たち、大覚寺天神島祠前。越後屋も妙に改心し朝吉は婿に迎えられる。事後旅立つ三匹、谷山林道


第10話「湯の里は地鳴り剣鳴り腹も鳴る」1987.12.24

 雄花の湯への山道、清滝谷山林道。地回りの花岡一家が上納金取りに来るのを断る宿の番頭が斬られる。ただ一軒、傘下に入らぬ宿を徹底的に妨害するならず者たち、母子二人で細々運営する鄙びた宿、日吉大社・日吉山荘
これに関わる殿様、珍しく甲斐甲斐しく薪割・暖簾出しのほか宿を盛り返すプラン立てて立ち働く。しかし花岡一家との確執やまず宿の女将が拉致されたり大騒動。
時々地鳴りする浅間山(冠雪、本物)、温泉の水脈が変わり花岡一家のほうの脈は枯れてしまい殿様が加担した宿にはどぱーっと景気よく湧き出す。たちまち繁盛の宿、花岡一家は陰謀仕掛けてくるが御連枝の側室装った酌婦に食中毒演じさせるというもので、態度とタイミング怪しんだ殿様にたちまち見破られる。とうとう人数仕立てて討ち込んで来る花岡一家、迎え撃つ三匹。…上様や黄門御一行と違って三匹に来られたワルって可愛そうなのな。皆殺しだもん。


第11話「大逆転、絹街道の美女と悪い奴」1988.1.7

 三沢領で巡察使と間違われ大層な饗応を受ける殿様、脇本陣に迎えられ夜には伽の女が入ってくる始末。一方他の三人は偉いさんが来ているというのであおり受けて冷遇される。
殿様は自分に何か言いたげな様子の佐助を見かけたこに調査依頼。三人が佐助に事情聞く川辺、酵素・有栖川畔。宿場を牛耳る信濃屋の悪辣な行いが知れる。殿様の伽に出た女は佐助の女房で借金のカタにとられたものだった。
そのうち本物の巡察使が現われ殿様は蔵に押し込められるが佐助の女房に助けられる。これを人質にとられ強行策として巡察使を力で脅しつけ奪還しようとするが、信濃屋一味を叩き伏せたところへ佐助の手引きで当地の代官が人数繰り出してくる。銃隊に囲まれ危機一髪のところ、苦し紛れにお恵が投げたたこ特製の火薬が大爆発、代官以下ボロボロ。裏切り者の佐助を女房の目前で斬り恨むなら自分を恨めと立ち去る殿様。


第12話「信濃路は鯉は鯉やで恋わずらい」1988.1.14

 コイントスで行き先決める千石、山中で道に迷い見下ろした民家に入り込む、酵素。廃屋と思ったそこには人がいて、見られたことを都合悪いとして始末されかかるが若い娘が人殺しだけはやめてと叫び暗転。
殴られて河原に放置される千石、流れ橋下、橋上から人々が覗き込んでいる。通りかかったお恵が頬をぺちぺちすると可愛い声で「俺は誰?」記憶喪失と思いきや口癖の「俺は千石取りの」の台詞ですぐに思い出す。
岩田宿では家老の娘・ちはやが神隠しに遭ったと賞金付きの尋ね人の告知が大黒屋徳兵衛名義で貼られている。似顔にあの小屋での娘と覚った千石は賞金当て込んで派手に飲み食い、鯉の煮物に鯉の洗い。また、将軍家に献上予定の緋鯉(大黒屋がちはやと命名)は大黒屋に盗まれ大騒ぎに。
船で岩田領に入る殿様、同乗の子供は鯉を釣ろうとしている、木津河原。その子供が鯉を釣っている池を通りかかり竿任される殿様だがそこは鯉大尽・大黒屋の溜池、手下が突っかかってくるのを叩きのめす、大沢池
千石が家老に盗まれた献上鯉探してくれと依頼される、鳥居本八幡宮。家老は鯉の件で切腹も覚悟している。件の鯉は隠し場所からたこが掬いだし殿様が切腹に望む家老の座敷の刀を湿す水桶に入れて戻してやる。
一方娘の賞金目当ての千石は例の山小屋へ。家老の娘を連れ出すが監禁していたと思われた侍たち(千石をボコった連中)は家老のシンパで、大黒屋に求婚されていたちはやを神隠しと偽り隠していたのだった。彼らは千石を尾けてきた大黒屋の用心棒に斬られてしまう。
ちはやの手を引いて逃げた千石は事実知らされ頭を抱える、保津峡落合落下岩前の山道。追いついてきた用心棒たちと抜きつれるがちはやと共に落下岩から滑落しかける。なんとかちはやを救い一息つく千石、ちはやが傷を手当てする、落合河口。逃避行の間なんかいいムードになる二人。千石はちはやに貰った赤いしごきを襷にして大黒屋に乗り込む。殿様とたこも加勢。大黒屋を斬り捨てたところへ衣服整えたちはやが駆け寄るが男つき。顔を引きつらせながら豪快に笑う千石。
旅立つ一行、渡しの河原でしごき顔に押し当てショボーンの千石、布を投げ捨て旅立つ、木津河原


第13話「冬椿、越すに越されぬ女郎坂」1988.1.21

 山道をゆく千石、車坂へ三里の道標、谷山林道。峠の地蔵に祈る少女を見る。祠脇に一叢の椿を従える地蔵は逃げ切れず死んだ女郎を供養したもので、御影の宿場女郎が足抜きを願い信仰するもの。
殿様、大八車引いて車坂を登る僧を手伝う。荷は御影宿で病の末縊死した女郎。捨てられていた遺体を峠に埋めてやりに来たのだった。
たこは女郎に白粉売るが地回りの二足の草鞋の鶯屋甚兵衛親分に売上の半分を差し出せと強要される。
千石はなりゆきで地回りと結託したワルと知らず代官所の用心棒に。
お恵は道に迷い川に落ちたのを野良帰りの清次郎に助けられる、保津峡落合(河口)
鶯屋は新田の権利買うため百姓たちがした借金の証文を買って回り返済を迫る。返せぬ家からは容赦なく娘を取り上げ女郎にするという悪辣さだが、新田開発そのものが絵空事の代官の虚偽。窮した村には天狗面つけた一党が出て借金証文売った庄屋を殺害したりする。
代官側だった千石も次第に嫌気さし寝返り、最後は代官所で大暴れの三匹、ワル皆殺し。女郎たちの証文燃やし全て解放、甚兵衛の貯めた金もばら撒く。


第14話「まぼろしの母を訪ねて地獄旅」1988.1.28

 盗賊の頭・鼬鼠の喜平次、山中の炭焼小屋で元の頭・夜鴉の藤兵衛を殺害。目当ては藤兵衛の隠し金。藤兵衛には子供・良吉がいたが逃げる。殿様が居合わせ手下と小競り合い。
お恵、川で水を掬うと血、見ると子供が岩場に倒れている。助け起すと崖から落ちたという、保津峡落合河口。芝居打ち追っ手をまいてやる。追っ手は川沿いの桟道のほうへ消える。
喜平次(黄門ルック)に藤兵衛の一件報告し不手際を詫びる部下が斬られる、神護寺鐘楼。茶店で休息しながら良吉の行方推測する喜平次、神護寺金堂前の石段下。
お恵は良吉を連れ山中を経巡った末に母・おせいのもとへ送り届ける。おせいは湯治場の仲居をしていて、宿には千石たちが泊まっている。喜平次一味も泊まっている。良吉は捕まり、おせいの命カタに隠し金のありかを聞き出そうとする喜平次一味だが三匹が暴れてワヤ。
ラスト、旅立つ一行、お恵の一両タカりに走る三匹、谷山林道


第15話「信玄の亡霊見たかおしゃれ鳥」1988.2.4

 峠の茶屋で店の老婆から鬼の話聞くお恵、この先の赤目村へは行くなと言われるが興味津々で聞かない、谷山林道
竹林でいきなり殿様に斬りかかって来る代官下役たち、腕を見込んで頼みがあるという。連れて行かれた鎮守には千石がいる、鳥居本八幡宮舞殿。放火強盗殺人等やりたい放題の鬼火一族撲滅が仕事。殿様は応じず。
赤目村へ付くお恵、たこが行商しているが人の姿は見えない武田の落武者の村。庄屋の娘・おさとの九官鳥拾い邸へ招かれる二人。庄屋は信玄直系と称する武田赤右衛門で家名復興を夢想している。日が暮れると鬼火一族が出て庄屋を脅し信玄の隠し金のありかを吐けと迫る。
赤目代官所へ千石を訪ねる殿様、大覚寺明智門。代官・柿崎市之進は閉じこもって本ばかり読んでいる日常を聞く。お恵がやってきて隠し金の話をする、大覚寺参道(大門東側)
山へ隠した庄屋の娘は鬼火にさらわれ、庄屋は娘の安否より九官鳥の事を聞く。代官に雇われた浪人たちは鬼火のアジト・地獄谷へ向かう、柳谷?そのうち成り行きで庄屋は殺されてしまい、殿様の働きで隠し金の謎は知れるが鬼火の首領が実は代官だったり大騒ぎの三匹大暴れ。オチは隠し金の埋められた地獄谷は地震で地形激変しパァ。
代官の正体を知った千石の「騙しやがったなぁぁぁ」が後年の「盤嶽」を髣髴とさせ面白い。また、千石の胴田貫に興味を示す浪人の福本氏が可笑しい。


第16話「二人妻、討つか討たぬか蒸発侍」1988.2.11

 中山道をゆく殿様とお恵、林の中で剣の稽古する娘と知り合う、谷山林道。奥州一ノ関から来た、名は志乃。
縁日で店を出し腰巻を売るたこ、大覚寺心経宝塔前の広場。そこへ誰に断って商売をと妨害に来る毘沙門一家の用心棒たちに混じって千石の姿。首領・石塚伝蔵は志乃の姿見て三枝はこの宿場にいると嘲笑う。三枝新八郎は志乃の許婚者で、石塚を仇と国を出ていたのだった。しかし三枝は仇を目の前にして討たぬばかりか宿場でおりんという女と所帯持ち暮らしている。
新八郎を訪ねる殿様、事情を聞く、大覚寺五社明神舞殿前。剣術の腕が石塚に及ばぬ上助太刀も無くしまいに武士道そのものに疑問抱いての仕儀。
殿様は三枝を理解し志乃にあきらめろと告げるがお恵やたこはカンカン。気の早い千石は石塚のところへ乗り込み助太刀宣言、その足で三枝宅訪ね仇討ちの打ち合わせをしようとするがぴしゃっと戸を閉められてしまう。その後も戸の前で仇討ちの意義などわめくが無視される。あー役所広司ってこういう酸素の吸いすぎみたいなキャラ似合う。
徒党を組んで三枝の住む長屋へ行く石塚たちが通りかかる、大覚寺大沢池北西畔。借金のカタに娘を連れて行くついでに三枝を腰抜けと辱めてゆく。これを見て嘆く志乃に謝る三枝、五社明神。来年には子が生まれる事を明かし、それまでは生きていたいと言う。
千石などの不穏な動きに石塚は三枝の始末を決意、おりんの悋気刺激し志乃を呼び出させる霊覚寺裏の林、下鴨神社糺の森。そこで志乃が無体働かれたことに慄き次第を三枝に告げるおりん、刀を取って駆け出す三枝だがあっさり返り討ち。怒りまくった三匹は志乃に仇討ちの形整えさせ石塚らと大乱闘。石塚君てぱグルカナイフ持ってる。殿様は見物の衆に尋常の仇討ち、と大音声で呼ばわる。


第17話「人妻の涙甘いかしょっぱいか」1988.2.25

 中山道・白鳥宿の茶店でとり弁当パクつくお恵、「久慈慎之介」が来たと騒ぐ浪人たちを見て千石に急報、谷山林道。道場破りの看板持って歩く千石、襲撃の道場の面々を鮮やかに叩きのめす。このさまを見ていた白鳥藩馬廻役篠塚外記の妻・志乃は千石に投獄された夫の救出を依頼する。外記は銀山における不正を糺しお家の安泰を図るため藩主を殺そうとしたもの。銀山の切り通し、谷山林道か或いは柳谷か、不明。
白鳥城では外記の襲撃から藩主を救った殿様が賓客として迎えられている。城は彦根城を使用、特徴のある天守・濠・大手橋など各所がふんだんに映る。
たこと千石、殿様も加わって外記を救出するが、妻・志乃は夫を刺そうとする、大覚寺護摩堂。銀山の不正は家老の仕業で、志乃はそれと通じてい、外記の口封じを狙っていた。
志乃に翻弄された千石がショボーンと落ち込む姿が可愛い。


第18話「父と娘の生き血を絞るにせ大名」1988.3.3

 明石藩の世継・松平直範と名乗る一行、投宿の寺で仕官志願の浪人の試技を行う、西明寺境内。お付の侍に負け士官叶わず自害の浪人夫婦、山門下。家臣となる者を選んでお国入りの途上という。
ご落胤一行に先んじて宿場入り急ぐたこ、谷山林道。宿場では仕官望む浪人たちに「傾向と対策」を売り出す。買ってゆく浪人の中に福本清三氏が。
仕官には浪人に対し支度金をくれるのではなく要求する一行を騙りと断じ千石を止める殿様だが、聞かない千石は支度金作ろうとして賭場でひん剥かれ案山子の着物奪う羽目に。
そのうち、千石と知り合った浪人・牧野は金を取られたうえ娘をご落胤の伽に出され怒鳴り込むが刀を売ってしまっていて竹光で立会い斬られる。その後娘も自害。
出立するご落胤一行を待ち構え襲いかかる三匹、皆殺し。ロケ地の荒れた谷地、不明。
別々に旅立ってゆく三匹とお恵、谷山林道


第19話「春一番!旗本三悪人ころし節」1988.3.17

 中山道(道標に右唐木城下、左可児郡)をゆく殿様に追いつくお恵、谷山林道。庄屋に押し込み強盗と聞く千石、罧原堤。庄屋屋敷前ではたこが覗き眼鏡を売りつけようとしている、屋敷…これも定番ロケ地なのに不明なののひとつ…ひょっとしてもう無いのかな。
庄屋の息子が人質になっているので慎重に近づく千石、そこへキンキラ衣装の「旗本」が乗り込んできて短筒で一発。大阪勤番に赴く途中だという三人組は偉そうで乱暴なトンデモトリオ。
これが来着との情報が城に早馬で告げられる、二条城東大手門…じゃなくて東映城のほうかこれは。旗本三人組は唐木藩主と遊女(現在は側室)巡ってトラブル、意趣返しに来たのだと騒然。
馬鹿騒ぎしながら唐木城下に近づく旗本三人組、心経宝塔前。こいつらは名うてのワルで、お恵の親友も手に掛かったという。お恵の回想シーン、三人組に蹂躙される娘、大沢池畔。身投げする大川、中ノ島橋
投宿の宿に談判に赴いた家老に詰腹を切らせるは浪人を雇って騒動を起すは、果てにお恵は捕われてしまうは大騒ぎのところへ藩主差し回しの側室乗っている筈の女駕籠からぬうっと出てくる殿様、千石の胴田貫も唸る。


第20話「駕籠で行く噂の名医は吸血鬼」1988.3.24

 駕籠かきに峠で料金上乗せ強要される母子を殿様が助ける、谷山林道。母のお絹は殿様に叩き伏せられた駕籠屋の手当てしてやる。これにメロメロの駕籠屋。和田倉へは以前娘の命を救ってくれた医者にお礼とその時払えなかった治療代を届けに来たのだという。
その医師・楽真院法眼はたこが往来で売っている薬を饂飩粉と葉っぱと看破し客を散らす。藩主の典医であり、薬をざこざこ処方する。また、お絹が訪ねるも門前払い。ここへ歯痛の千石が乗り込み劇薬貰ってすっきり。。出世意欲あからさまに語り剣の腕もなかなかなのに感心しきりの千石。藩主の容態は快方に向かう。しかしこのあと毒殺するつもりの法眼、側室とぐる。
思い余ったお絹は客と会うため外出の法眼に駆け寄るが五年前の恩受けた医師とは容貌も年齢も違うことに驚く、大覚寺大沢池木戸前。その後追われるお絹、斬られかかるが殿様が現われからくも助かる、五社明神。その頃娘のおみつが誘拐される。
法眼を訪ねて来たのはかつて本物の法眼を殺害した仲間だった。回想の暗殺シーン、広沢池畔(背後の遍照寺山の角度がなんだか大沢池堤から見たっぽいが大きさが…自然物は難しい)。
歯痛ぶり返した千石は再び法眼宅に押し入り薬を貰うが今度は毒を飲まされ簀巻きにされ物置に放り込まれる。何日で死ぬかのテストと嘯く法眼。物置には前の実験体の簀巻きがあり、死んでいるので片付けられる。さらわれたおみつも物置に。
駕籠屋の虎蔵、おみつを救おうとフライング、法眼宅へ忍び込みたちまち斬られてしまう。死体は翌朝水辺に放置される、広沢池畔。
その夜、側室の駕籠が入った隙に法眼宅へ入る殿様、同刻千石もおみつの機転で監禁場所から脱出。藩主暗殺を相談の座敷に斬りこむ殿様、大暴れ。逃げ出した側室はたこに髪をばっさりやられ「尼寺へ行け!」、法眼は待ち構えていたよろよろの千石にぶっすり。
一月後、ようやく旅立つ千石、盛られた毒は牛一頭分であったこと述懐、谷山林道


第21話「さらば三匹!満開の悪の花咲く京の都大路」1988.3.31 *スペシャル拡大枠

 殿様は京都町奉行に見込まれ、千石は旅を共にしてきた一座の座長に惚れこみ、事件に関わってゆく。不平浪士を糾合して世直しの義挙がはかられるが、彼らを陰で援助するおじゃるはとんだ食わせ者という筋立て、拾われた恩で使嗾される実は優しい板前や、彼に恋するお奉行の養女、擬態して公儀の懐にいる大悪党など、豪華なキャストで派手な展開。最後は誰かさんの正体が明らかになり、二匹は京をあとに旅立ってゆく。
 ロケ地、殿様がお伊勢参り帰りの母子と道連れでゆく東海道、谷山林道(継飛脚を襲う佐太郎や、佐太郎のなりで街道をゆく殿様も同所)。雨宿りの殿様が佐太郎に頼みごとをされるお堂、大覚寺護摩堂。奉行の養女とともに料理屋を出てきた佐太郎を見た殿様が彼を追いかける林、上賀茂神社渉渓園。奉行の娘に話を聞く殿様、広沢池西岸流れ込み際か。本物の「闇の佐太郎」を追い詰める殿様、およびおじゃる一味が金箱を船に積んでずらかるところでチャンバラ、大覚寺天神島。京を発つ殿様が渡る橋、流れ橋(河原に千石)
*闇の佐太郎の身代りをつとめさせられていた板前に目黒祐樹、彼と恋仲の奉行の養女は石野陽子、呑んべで気さくなお奉行に鈴木瑞穂、奉行の密偵を勤める女将に佐野アツ子、その侠気に千石が惚れる座頭に御木本伸介、千石に色目を使う蔭間?役者は柴田p彦、義挙から脱けようとして消される浪人に藤木悠、本物の佐太郎に高橋長英、御所の金蔵が目当てだった悪いおじゃるに金田龍之介。*お芝居で殿様の勘平に首を刎ねられる千石の悪夢ではじまり、斬り込みにゆく彼が着ているのも定九郎の衣装なのがおかしい。


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