若き日の次郎長 東海道のつむじ風

マキノ雅弘監督作品  1962.1.3東映


 めきめき売り出し中の次郎長親分、女房と湯治に行く道でも、難儀の衆を見過ごしにできず。搾取の限りを尽くされる雲助たちの怒りが頂点に達したとき、次郎長は決然と立つ。彼は、二足の草鞋の裏にいる者を、民衆の力で除かねばほんとうの解決にはならないと考えていた。
仕掛けると決めてからの段取りが見もの、自らは入牢してみせ、子分たちには町衆の心を煽り立てさせ、大出入りはヤクザ対ヤクザの構図に持ってゆき、代官を追い詰め言質をとるのだった。

ロケ地覚書

  • 権の引く馬にお蝶を乗せてゆく道、田地の奥に富士山合成。
  • 荒川橋は欄干つき木橋、橋たもとに柵をしてあり黒川金山入口となる。河床は砂地、涸れ川で遠くに水溜り。饗庭のような台地に演出したものかも知れない。
  • 次郎長の子分たちが甲府へ向かう道、丘陵地か。
  • 津向の親分宅、農地に塀あしらい←中から開口部越しに道を見る図。建物が映る際はセットで。

 次郎長夫婦や主な子分は変わらず、森の石松のジェリー藤尾と関東綱五郎の渥美清が加わる。
甲府の衆、雲助の権は千秋実、逃走用の馬を貸したかどで消された雲助・薩州は本郷秀雄。代官の妾に望まれてしまう娘は北沢典子、父の甲州屋は水野浩、叔父の黒田屋は北龍二。
次郎長一家が草鞋を脱ぐ、津向の親分は香川良介、ここへ来ていた壺振り女は星美智子で大政との逸話あり。
代官の権威を笠に着て甲府の衆を苦しめる二足草鞋の猿屋勘助は山形勲、その下で暴力を振るう政蔵は沢村宗之助。代官は柳永二郎。


→ 若き日の次郎長 東海の顔役


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