暴れん坊将軍
IV
60〜70話

1991-1992テレビ朝日/東映

キャスト 徳川吉宗/松平健 おさい/浅茅陽子 紋次郎/渡辺篤史 お葉/伊藤つかさ 才三/五代高之 茜/入江まゆ子 おちよ/田中綾子 大岡忠相/横内正 常吉/白井滋郎 伊助/斉藤弘勝 六太/原亮介 才次/真砂皓太 源八/大石源吾 おはる/山本真由美 田之倉孫兵衛/船越英二 辰五郎/北島三郎


第60話「父の敵は愛しの人!」 1992 20

 金で殺しを請け負う稼業の者が暗躍、元締の金龍山は口入屋の橘屋、作事奉行と結託して公共工事一手に負う、表の顔もワル。
隣の母子のため人殺しで金を作ろうとする浪人の悲話が、この設定にからんでくる。彼の正体はその母子の仇なのだった。

ロケ地

  • 新さんが捕われ自害した殺し屋のことで庭番の報告を受ける茶店、今宮神社東門外のかざりや
  • お順が訪ねる掛川藩上屋敷、大覚寺大門(め組の衆が対岸から見守っている)
  • 橘屋が作事奉行配下の侍に賄賂を託す屋形船が出る舟着き、広沢池東岸(夕景)
  • お順に経緯を聞く新さん、大覚寺大沢池周辺各所。
  • 田之倉が襲撃される、仁和寺手水場下の通路および疎林。
  • 墓参の帰途二度目の襲撃は二尊院墓地〜紅葉の馬場(陰腹を切っていた浪人との愁嘆場は参道付近の林間)
  • 母子のその後を語る庭、嵐亭延命閣

*お順の借金のことで高利貸のもとに乗り込む辰五郎、六兵衛のうしろでおどおどしている手下に福ちゃん。
*「仕事人」などの言い方が憚られるので「人殺しの仕組み」などというタームが使用されるのも一興。


第61話「さらば!悪名の男」 1992 20

 母を亡くしてからグレた桶屋の息子・真吉は任侠に憧れ、代貸の蝮の浅八と盃まで交わしてしまう。しかし浅八は作事奉行と裏で結託し地上げを行うなどの悪党、案じた周囲の助言も聞かぬ真吉のため浅八に談判の新さんは、極道の酷さを知らしめてやってくれと依頼する。

ロケ地

  • 蝮の鉄砲玉が惣右衛門を刺す橋、中ノ島橋
  • 真吉が幼馴染を助ける、および一人地上げに応じない矢場のお京が蝮一家に襲われ爪印を強要される神社、上御霊神社(境内、福寿稲荷、合祀摂社、本殿裏手)
  • 真吉を説得するが不調、その後浅八と対峙の新さん、神護寺石段
  • ラスト、田之倉と逍遥の上様が浅八を追想の庭、阪口青龍苑

*蝮の浅八に誠直也、奉行が成敗されたあと潔くバッサリ殺れとどっかと座るが、真吉の顔を見て「無様にうろたえる芝居」を打つ。それだけでなく獄門台で泣き喚くなど徹底。子分に丹古母鬼馬二の姿も。ラス立ち、作事奉行配下の侍に福本先生、一瞬だけど斬られてスゲー顔のアップあり。


第62話「めおと三味線上州しぐれ!」 1992 

 あらぬ罪を着せられ三山藩を追われた加納伊三郎は旅芸人の一座に一家で身を寄せていたが、過去からの魔手に捕まり江戸で客死。残された母子は伊三郎の遺髪を故郷にと旅立つがその身辺にも迫る手、新さんは父の死を見て刀を怖がるようになった遺児・正太郎のため両刀を脱し、町人に身をやつして付き添う。幾度かの危難を乗り越え伊三郎の菩提寺に辿り着く一行、家老の差し向けた手勢が襲うのを正太郎が投げた遺品の脇差で仕留めた新さん、脇差の鞘から家老らの悪行したためた伊三郎の書付発見。その足で家老宅に乗り込み、つるんでいた材木商ともども成敗。

ロケ地

  • 三山藩江戸屋敷、大覚寺大門
  • 芝居の帰り、伊三郎が斬り立てられているのに割って入る新さんとめ組一同、大覚寺大沢池北西畔(心経宝塔バックのと池バックのと)
  • 伊三郎の墓、二尊院墓地
  • 中山道、大覚寺大沢池堤、護摩堂
  • ならず者が襲う宿場はずれ、鳥居本八幡宮か。
  • 道中小休止の水辺で過去を語るおえん、保津峡落合河口付近。
  • おえんが熱出して倒れる街道、大覚寺大沢池堤。山道、谷山林道
  • 三山藩領・加納家菩提寺、西明寺(山門、本堂)

*上様、宿場ごとにおりくにつきあい「流し」で喉を披露。体でかいから派手。
*おえんに二宮さよ子、亭主は荒木しげる、悪徳商人は遠藤太津朗。前の悪徳商人は牧冬吉。
*林奉行の手下の手勢に福本先生、西明寺門前で新さんの投げた振り分け荷物で首絞まったりする。


第63話「三年目の新妻化粧!」 1992 21

 先代に拾われお家に大恩を感じる古風な忠義者・川口彦太郎は、当主の跡部主計頭が同僚に恥辱を受けたと地団駄踏むのを見、暇乞いして相手を討ち果たす。そのまま出奔した彼だが、江戸に戻ると何故か上位討ちの命が下っていて襲撃される。先代とはがらりと品下る主計頭は、彦太郎を偽りライバルをまんまと葬ったのだった。彦太郎は、救ってくれた朝右衛門のもとから性懲りも無く何度も逃げ出し殿に諫言するが聞き入れられる訳もなし、始末されかかるところへ上様の正義の扇が飛んでくる。

ロケ地

  • 上様が藁束斬りのお庭、芝地の茶亭、不明(後段お楽の方と会見も同所)
  • 跡部の用心棒と対峙の朝右衛門、仁和寺(参道、塔前)。元結斬りで追い払ったあと手水場で血を洗う朝右衛門にお楽の方が唐突に現れ道を尋ねる、仁和寺鐘楼(大屋政子は結局御台を貰えと言いに来ただけ)
  • 跡部の駕籠に駆け寄る彦太郎、妙心寺玉鳳院(彦太郎は東海庵脇の路地から走り出る)
  • 彦太郎の回想、先代に拾われる雨の街道筋、大覚寺大沢池堤
  • 跡部の行状について茜から報告受ける新さん、大覚寺参道石橋
  • 彦太郎を待ち続ける小夜に事情聴く新さん、大覚寺天神島朱橋(対岸からロングの画もあり)
  • 事後、跡部に騙されて殺してしまった太田の墓に参る彦太郎たち、二尊院墓地(三帝陵近く、新さんと朝右衛門が高台から見下ろす)

*彦太郎に南条弘二、小夜に武田京子。跡部に亀石征一郎、凶悪にして悪辣で目なんかギラギラ。小夜に無体をはたらき噛まれる場面なんかも。配下のラス立ち要員に福ちゃん、先頭切って出てくるが上様が構えると真っ先に後退して座敷へ逃れる。このあと三回たっぷりぶっ叩かれてのわぁ↓相変わらずくるりとのけぞりタメを利かせて倒れる。跡部の手下で朝右衛門と張り合う用心棒の岩尾正隆も見もの。


第64話「危うし!吉宗、妖刀村正騒動」 1992 

 お城の宝物蔵から村正を盗み出させ、抜き身持ってけたけた笑う尾張藩江戸家老。村正が徳川家に仇なす刀である「伝説」を得々と語り、吉宗暗殺計画を練る。まず田之倉の刀を村正とすり替えて、なんてプランを立てる…村正を手にしたじいが妖刀に操られて上様に斬りかかるって寸法(イメージ映像つき)、これは村正盗難に気付いたじいが城中に大刀持ち込み禁じちゃってボツ。次には増上寺参詣の折を狙って刺客団を差し向けることになり、飼ってる道場主に手練れ集めるための武道大会(賞金つき)を開催させる運びに。これに参加しちゃう上様、理由はめ組に賞金ねだられたから。新しい竜吐水買う予算が無い・将軍がケチだからと言われ、つい引き受けてしまう徳田新之助。
 斉藤道場で行われる試合、勝ち進む新さん。決勝という段になって相手の姉から負けてやってと頼まれ、気軽に応じる…賞金はいいのか。この試合を見に来た尾張の家老に顔見られて正体ばれてるし。いつもならラストに鳴る上様と気付いた印の「カーン」効果音が中段でかんかん鳴る始末。預けてあった葵の御紋付きの刀も見られて「カーン」…そんなもんたばさんで来るなよ。上様であることを確認したワルどもは予定を早め「弟」に殺らせることに計画変更。
で、決勝では頼まれた通りつらっと負ける新さん、このあと勝った「弟」は仕官と姉の命を楯に尾張の家老に徳田新之助暗殺を命じられる。村正持って斬りかかって来るのはなんとか防ぎ、その足でワルが「今頃は吉宗も村正の露と消え」と高笑いの座敷に乗り込み大暴れ。

ロケ地

  • 尾張藩下屋敷、仁和寺本坊表門
  • 一味の伊賀者が道場を出た徳田新之助を尾けてくる、仁和寺参道石段(茶店脇)
  • 弟に勝ちを譲ってと頼まれる、仁和寺九所明神
  • じいが掛矢で村正を叩き折ろうとする庭、阪口青龍苑

*会場へ届けられるお葉たちの心尽くしの弁当(二段重)、あの中の丸い赤いの、プチトマトじゃないだろうな。気になって寝られない。
*計画が粗漏で、結局詰めは村正の妖力頼みのワルが…見ててなんか哀れに思えてくる。


第65話「陰謀あばいた饅頭姫!」 1992 21

 災害続きで日本一貧乏な椎谷(読みは「しいや」、越後)藩にお家騒動、藩内に銀山を発見した跡継ぎ姫の叔父が老中や悪徳札差と結託して藩主の座を奪おうとする。姫は心労から過食症に罹っていて、これが追い落としのネタになる。手口たるや、饅頭屋に代金滞納してると訴えさせたり、瓦版に「妖怪饅頭姫」なんて書かせ恥辱を与えるという卑劣なもの。そのうえ、銀山の件で百姓から土地を取り上げ、お上に訴えようとした民を襲ったりもする。
新さんは姫とその夫を諭すやら、百姓たちの言い分を聞いてやるやら大忙し。ワルの集う座敷に乗り込んだ姫と夫の危機にもきちんとタイミングよく駆けつける。

ロケ地

  • お葉が姫の乳母に強引に連れ去られる、仁和寺観音堂前。
  • 国を出た百姓衆が襲撃される山道、保津峡落合落下岩(四人まとめて川にザボーン)
  • いたたまれず出奔した姫が饅頭を食らう、仁和寺観音堂脇に茶店セット(椎谷藩の領民がたむろっているのは手水場)
  • 藩邸に乗り込んだ民が帰途襲われる、仁和寺九所明神
  • 札差が入ってゆく老中邸、中山邸通用門
  • 姫と夫を引見のお城の庭、芝地の茶亭、不明。

*老中に江見俊太郎、叔父に小野進也、苦労性の家老に小林昭二。ラス立ちには福本先生、上様に二回ぶっ叩かれる…才三にも斬られていたような気がするが、あまりの高速回転ゆえお顔はきちんと見えず。


第66話「鉄火芸者に花一輪」 1992

 徳田新之助が出会った気風のいい芸者・小太郎。剣突を食らわされ喧嘩腰の初対面、雨の天神様でふと触れ合う機微、しかし小太郎は仇討ちの使命を帯び同志とともに欲深大目付・京極丹波を付け狙う、亡き広江藩主の恋人だった。小太郎たちの動きを知った新さん、危ないと止めるが同志たちは次々と京極に弊されてゆく。どうでも京極を討つ覚悟の小太郎に、身分を明かした上でつきあう上様なのであった。

ロケ地

  • 小太郎がお参りの雨の天神様、木島神社本殿。
  • 京極邸へ潜入の小太郎の仲間の死体が上がる大川、嵐山公園中州下手河原。
  • 小太郎とつゆ八が新さんに事情を打ち明ける茶店、嵐山公園中州北岸・堰堤前。
  • いきり立ったつゆ八が下城する京極の駕籠を襲い斬り死に、南禅寺僧堂坂。駆けつけた上様に京極の抜け荷の証拠書類を渡す才三、僧堂南西角(ここで上様と明かす)

*小太郎に岡まゆみ、つゆ八に頭師佳孝、京極丹波は田口計。ラス立ち福ちゃん入り。


第67話「謎!流人船いずこへ」 1992 

 八丈送りの罪人たちが食い物にされる悲話。浦賀に出張る徳田新之助、贅沢に本物の海をふんだんに使った旅もの。
一艘の流人船が行方不明となる。これを得々と注進に及ぶ本所奉行(深川奉行か)、こいつがワルの黒幕なのはハナから知れるキャスティング、菅貫太郎。
安房勝山の地回り・乙五郎は弱い立場の流人の携行する財を奪うばかりか、竜神岬に巣食い遊郭をおっ立てる心算、近隣の民も土地を追われ窮乏。乙五郎が支配する宿に乗り込み調査の新さん、城へ結果を知らせ黒幕の本所奉行を焙り出す。

ロケ地

  • ほぼ全編遠方ロケの海辺、間人

*竜神岬へ誘き出される菅貫、上様に「場所言ってナイのになんで判るの」とやられ目を泳がす…スガカンはこの仕草がたまらないんだよね。海辺でのラス立ち福ちゃん入り、地回りの用心棒の浪人。


第68話「お見事、上様の恋指南!」 1992 

 時々回ってくる「プッツン姫」もの。今回は小太刀の名手で男装して歩き行く先々で男に喧嘩を売り叩き伏せ、自分より強い「婿」を求める婚期逃しかけの大身旗本の姫様。もちろん新さんにこてんぱんにやられメロメロという筋書き。
しかし姫は父の政争に巻き込まれ、加納屋殺しの罪を着せられ窮地に陥る。姫様を思うあまり町奉行所に出頭し自分が犯人と申し立てる家臣の又三郎、新さんは姫に彼の誠意を説き、また姫の内心で又三郎を思う気持ちを指摘して仲立ちをする。無論、その足でワルの館に赴きちゃっちゃっと成敗してくれる上様なのであった。

ロケ地

  • ワルの勘定奉行・有馬大学頭邸、相国寺大光明寺(門)
  • 又三郎を救うため謹慎の身を顧みず屋敷を飛び出した姫をとっ捕まえ諄々とお説教の新さん、神護寺(山門を内側から/毘沙門堂)

*ラス立ち要員に福本先生。姫の父・勘定吟味役の小牧出羽守に懐かしの焼津の半次、品川隆司。


第69話「誘拐!乙女涙の初恋」 1992 21

 奥女中の鈴加がさらわれるが、遠因は彼女の父。幕閣に金をばらまき次期勘定奉行職を狙う彼は、石見代官当時卑劣な手段で忍者くずれの一族を陥れ大量の銀塊を手に入れていた。

ロケ地

  • 小太刀上覧ほかのお城の庭、嵐亭延命閣。
  • 矢野左近太夫邸、相国寺大光明寺(南路地、門)
  • 鈴加が監禁される来光寺、龍潭寺(山門ほか境内各所)
  • 石見忍びが矢野の返書受取りに指定の深川・東源寺、神護寺石段と金堂前。
  • 次郎太らが騙されて銀塊強奪の街道、酵素ダート。代官の手勢に襲われるのは降り口。

*次郎太に伊吹剛、矢野左近太夫に中田浩二。*次郎太らに追われる才三を斬り捨て堀ドボンのお芝居で一味に加わる上様、あとで這い上がってきた才三が「冷や汗もんだぜ」。


第70話(終)献上雪が飛び散った」 1992 

 雪国から真夏に将軍に献じられる雪、輸送に狩り出される農民の苦衷。そのうえ、この「お雪さま」は上様を暗殺する小道具に使われようとしていた。輸送に狩り出された許婚者を救おうと江戸へ訴状を持ってやってきた娘と関わりあった上様、陰謀の黒幕を突き止め万事解決の大活躍。最後は雪の献上をやめさせ恋人たちが故郷へ帰るのを見送り、第四シリーズの幕を閉じる。

ロケ地

  • 冒頭野駆の上様、下鴨神社糺の森馬場
  • 庭で迎える田之倉が恒例の雪献上の話をする、嵐亭延命閣。
  • 越後相楽藩領・下川村、お初が恋人と会っていると役人が来て連れ去る、摩気神社本殿裏手。
  • 村の男たちが雪輸送に連行されるのを女たちが見送る橋、摩気橋(橋脚は木造)
  • 献上雪の行列が出る相楽藩の城、園部城跡
  • 江戸、旗本奴が試し撃ちの標的にされる縁日の神社、吉田神社竹中稲荷
  • 鉄砲方の役人が溺死体となって上がる、広沢池東岸汀。
  • おせいと新さんが保護したお初に事情聞く、広沢池東岸
  • 相楽藩士が黒幕とのツナギの屋形船に乗る、広沢池東岸に舟着セット。
  • 人質交換の霧ヶ原、酵素河川敷。
  • 献上雪の行列が途中で止められる、上賀茂神社ならの小川畔。
  • 雪の樽をすりかえ、スナイパーを仕込もうとする寺、神光院中興堂前。

*陰謀の主・神君の血筋ながら人柄を危ぶまれ閑職の仁科兵庫介に佐藤仁哉。もちろん冷遇を恨んでのことだが、計画は将軍暗殺に加え江戸を火の海、その灰塵の中からワシが立って天下をという、由比正雪かオマエは状態。手下は浪人だし。ラス立ちには鉄砲奉行・仁科配下の侍に福本先生。献上雪すり替えの時にもいて、こちらは中田博久一味の浪人。


→ 暴れん坊将軍 IV 表紙


★注意
 話数は時代劇専門chでの放送順に準拠しています。記事作成時にはスペシャル版を視聴できなかったので、話数が本放送とは異なります。私的資料をこのナンバーで作ってしまっているため、ここはこのままにします。全話リストは別に作りましたので、正しい話数についてはこちらをご参照下さい。


・日記目次 ・ロケ地探訪 ・ロケ地探訪テキスト版目次 ・ロケ地一覧
・時代劇の風景トップ  ・サイトトップ