鬼平外伝 老盗流転

鬼平外伝 老盗流転

2014.1.4時代劇専門チャンネル

キャスト
井筒屋徳兵衛/橋爪功 おもん/若村麻由美 清蔵/益岡徹 黒塚の駒吉/高橋光臣 船松の権兵衛/高杉亘 宗次郎/細山田隆人 水鶏の松蔵(三十五年前)/加治将樹 高根の万助/佐藤銀平 近藤市五郎/柴田善行 立場の久六/福本清三 岡村久兵衛/五代高之 桑飼の弥右衛門/立川三貴 井原新十郎/山田純大 赤不動の嘉兵衛/寺田農 水鶏の松蔵/國村隼

脚本/金子成人 監督/石原興

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 三十五年も前に別れた盗人仲間との偶然の邂逅が、今は行いすました老商人となった男の運命を変える。
ぬくもりを欲して手に入れたおんなは、老いた亭主とは別の夢を見ていた。

ロケ地

  • 次は急ぎばたらきと言う弥右衛門おかしらに怒る松蔵と駒吉、憤懣をぶちまける堀端は八幡堀明治橋下堀端。
  • おかしらを殺し、隠し金を持って上方へ逃げた松蔵と駒吉、これ以上一緒にいるとアシがつくとして別れる土手、日野川堤。雨の中、隠れている水車小屋から二人が覗く外が堤の「分岐」で、「ちょうどあそこが追分」と駒吉が言い、「俺は右に行く」と松蔵が言う。雨がやみ晴れて二人別れる際には、地蔵をあしらった土手越しに山が二つ覗く絵が出る。同じ場所、ここで別れたらもう知らない者同士と話す段では、松蔵のうしろに雪嶺が見えている。そして別れの道、左岸堤の降り口を松蔵が右に降りてゆき、駒吉は堤上の道を左に進んでゆく。
  • 三十五年後の江戸の情景、船が行き交う夕暮れの大川(?)橘寺前に広い水面を合成した図(藤田版「剣客商売」のバンクフィルムと思われる)
  • 赤不動の嘉兵衛に殺しの依頼を仲介する松蔵、密談の屋形船は広沢池東岸に舫い。
  • 町でばったり会った松蔵と徳兵衛(駒吉)、場所を変えて話すのは今宮神社絵馬堂下。回想、盗人をやめたいと言う松蔵を叱咤した駒吉、西の湖園地
  • 自分への殺害計画を知り、鬱々とたのしまず外出もせぬ徳兵衛、これに焦れた番頭の宗次郎とおもんが忍んで会う町角、今宮神社摂社前。
  • 宗次郎を連れて得意先へ行く徳兵衛、渡る橋は八幡堀白雲橋、訪問先の旗本・佐々木家は大覚寺大門
  • 松蔵がおもんに亭主殺しの訳を問う神社、今宮神社本殿前。
  • 殺し屋の浪人が土左衛門で見つかる川端、大覚寺放生池堤石橋たもと。護摩堂の陰から、嘉兵衛が見ている。
  • 京へ仕入れと称し旅に出る徳兵衛、同じく旅姿の松蔵とすれ違う道は大覚寺大沢池北辺並木〜遣水跡付近林。EDに被る土手は不明。

※鬼平外伝シリーズ、第四作。
※福ちゃんは、桑飼の弥右衛門配下の盗人だった老爺。食い詰めて飯屋で刃物沙汰を起こし捕まるが、相当に体を悪くしていて拘留中に獄死。いまわの際に、むかし己の額に傷をつけた駒吉を、最近見たと言い残し果てる。
※二人が別れた日野川堤、原作設定では尾張・熱田。ドラマでは「江戸を捨てた二人がさまよっていた上方」で、特段の設定は語られないが、原作に二年逃げ回っていたと書かれているとおり、二人のなりは弊衣蓬髪。
※おもんと「駒吉」の死に様が、原作とは変えてある。また、町方がからむ経緯もドラマオリジナル。

参考文献 池波正太郎著「江戸の暗黒街」所収 『殺』 角川文庫


 → 鬼平外伝「夜兎の角右衛門」
 → 鬼平外伝「熊五郎の顔」
 → 鬼平外伝「正月四日の客」
 → 鬼平外伝最終章 「四度目の女房」

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