川を訪ねる旅

木津川のうまれる里

−  初瀬街道  −

 青山町中央部を国道165号が貫く。古くは初瀬街道といい、大和からはお伊勢さんへ、伊勢からは長谷詣りの道であった。
いったん木津川を離れ、青山高原から流れてくる青山川を見に国道165号を東進。
昼近かったので道脇にラーメン屋があるのを横目で見ていると、バックミラーに3台後方から対向車線にはみ出して迫り来る大きなトラックが映る。
うちの車だけ抜かしきれなかったのが腹立たしいのか、ぴったり真後ろについてぐいぐい車間を詰めてくる。退避場を見つけて回避するまでたっぷり2kmもあおられた。
 R165の青山峠手前ではこのトラックだけでなくどの車も飛ばしていて怖い。

 近鉄大阪線西青山駅の手前で青山川に注ぐ二俣川は小滝と淵が連続する美しい渓流だが、周囲は荒れている。
川沿いに林道が通るが通行禁止、中断されたままの工事現場のよう。林間には朽ちたバンガローが木立にひっかかって今にも谷底へ落ちそうになっている。

二俣川  青山町北山

 二俣川を後に再びR165、来た道を戻る。伊勢路の古い集落のへんで車を停め青山川を見る。
山峡を抜けたばかりの川は清冽な水の流れる里川。うろうろしながら写真を撮っているとチチィッと鋭い声。コバルトブルーのきらめきを残しカワセミが飛び去る。

青山川  青山町伊勢路 橋は薬師橋

 集落には放棄された家もちらほら。川馬鹿の町者の勝手な言い草だが、私がこんなとこに生まれたら金輪際都会などには出ないかも知れない。住みたい、ここで死にたいと思うような里だった。

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