大和川下流域における「瀬と淵」浄化施設


 瀬と淵浄化法は、川の持つ自然の浄化作用を用いる方法である。
瀬では酸素を水に溶け込ませ、淵では汚れを沈殿させる。また、瀬を演出する石には微生物が付き汚れを分解する。

柏原浄化施設 上のパノラマと左の写真は柏原市古町と藤井寺市北条町間にある「瀬と淵」浄化施設。
鉄橋は近鉄柏原道明寺線のもの。

 ここの作りはまず一番上に一直線の大堰堤があり、ここから落下した水が自然石を組んだ「瀬と淵」に流下してゆく仕組みになっている。
脇には魚道も付帯している。
「瀬と淵」施設のなかでも最も規模の大きいものである。

 大堰堤を落ちる水からは時に異臭も漂うが、何段かの瀬を噛むうち次第に水がきれいになってゆくのが実感できる。

 瀬の石や堰堤上にはサギやカワウなどの鳥が立ち込み魚を狙っている。また、淵には冬季には渡りのカモ類が入り羽を休めている。
一帯は釣りのスポットともなっていてヘラや鯉、バスなどの釣り人が糸を垂れる。

新大井橋下の施設

 新大井橋は国道170号外環状線の通じる橋で、その直下にも「瀬と淵」施設がある。ここの形態はMの字形に大石で組んだ昔の井堰ふうのもので、両端は魚道ふうに開けてある。工事の際河川敷も整備され、テニスに興じる人を見かける。整備の際元から生えていた柳を残してくれたのも嬉しいことである。

明治橋下の施設

 明治橋は大阪市平野区長吉長原西と長吉川辺間に架かる橋で、近畿道の渡る橋のひとつ下にあたる。ここの施設の形態は間を広くとって置かれた大石の間を流下させるもの。それぞれスタイルの微妙に異なるものを施してあることから実験的な意味合いが濃い施設なことが知れる。
ワーストの汚名を返上できる日が来れば、フィードバックして各河川への貢献ともなることが期待される。


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