中流部 日野町〜蒲生町〜竜王町・近江八幡市境
日野町猫田 左上流、右下流望 右写真奥の橋はR307別所橋 |
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県道の橋 | 橋下の川面 |
日野川ダムを出た川は、日野町中心部の南郊を流れる。
上写真は近江鉄道・日野駅にほど近い、幹線道路の交錯するあたり。
平坦地に出て川幅を広げ、河畔林も見えだす。
東近江市蒲生大森町 大森橋から 左上流、右下流望 | |
大森橋上手の頭首工 | 大森橋上・東望 |
蒲生町に入り、いよいよ広大な湖東の野に流れ出す日野川は、広大な河川敷を持つようになる。
水脈はその中を右に左に曲折して流れ、たくさんの州をつくる。河原には石礫が目立つ。
上写真に見える頭首工は蒲生頭首工で、巻上げ式可動堰。農業用水を取水する。
東近江市鈴(旧蒲生町域) 日野川河畔林 |
上写真は大森橋下手の河畔林。ほぼ竹林から成る。
流域のあちこちからよく目立つ林で、この先長く続き、中流域の特徴となる。
東近江市(旧蒲生町域)宮井町・合戸町境、宮上橋下手 日野川河川敷から下流望 奥の山は雪野山 |
上写真は佐久良川合流点前の日野川。
水は、広い河川敷の中を蛇行しつつ流れる。
ここでは、戦国もののドラマがたびたび撮影されている。
東近江市横山町(旧蒲生町域) 名神高速から上流望 |
竜王町川守 野寺橋から 左上流、右下流望 | |
野寺橋下の川面 |
名神高速をくぐった川は、八日市と竜王町の境に聳える屏風のような雪野山(鐘ヶ岳)の裾をゆく。
左岸側に広がる竜王町の広大な野には、支流群が同方向に流れ、順次日野川に合流してゆく。
川は山の形に合わせて曲折する。河床は砂から成り、ごく浅い。
*雪野山の名は、雪野寺詣でが盛んだった中世に詠まれた和泉式部の歌に因み名付けられた。
寺は正式名を安吉山竜王寺といい、開基は上代。梵鐘が祈雨に霊験ありとされる。
野寺橋たもとの堤 | 野寺橋下手の河畔林 |
竜王町に入ったあたりから堤が高くなり、天井川を呈する。
雪野山沿いでは平野側の左岸堤が目立ち、山から離れたあとは両岸とも顕著な高堤となる。
河畔林は堤外地に密生する。
竜王町弓削・近江八幡市倉橋部町境 安吉橋 |
雪野山の北尾根は安吉山とも称される。この麓から日野川は向きを西に転じ平野中央部へ向かう。
ここに架かる橋も安吉橋(あぎばし)といい、古くは安義橋と書いた。
この安義橋こそ、今昔物語「近江国ノ安義橋ノ鬼、人ヲ喰ラフ話」の舞台となった橋。
近江守の館に仕える武士が肝試しにゆき鬼に遭う話で、現在も小説や映画の題材となる。
橋は平安期から架かっていたと言われ、この付近を流れる日野川を安吉川とも称した。
国道8号線に通じる道で通行量が多いため、現在新橋が建設中。
竜王町弓削・近江八幡市上畑町境 左上流、右下流望 |
上写真は安吉橋から少し下手。堤は山を登るごとく高く、両岸には鬱蒼と河畔林が繁る。
ここに架かる水道橋は細く両端が草ぼうぼうなので、安義橋の心細さを偲ぶことができる。
河原にできた砂州上では夏、レジャーの家族連れが見られる。